ステップバイステップ ガイド : Active Directory におけるバルク インポートとバルク エクスポート

公開日: 2005年1月7日

このガイドでは、Active Directory® サービスの一括管理について紹介します。LDAP データ交換形式 (LDIF) ユーティリティを使用する方法と、Visual Basic® Scripting Edition (VBScript) 開発システムで記述可能な簡易プログラムを使用する方法について説明します。

トピック

符號 はじめに

符號 概要

符號 VBScript と ADSI の使用

符號 付録 – LDIFDE の使用

符號 関連資料

はじめに

ステップバイステップ ガイド

Microsoft Windows Server 2003 展開のステップバイステップ ガイドでは、多くの共通点を持つオペレーティング システム構成における実際上の操作を説明します。これらのガイドでは、Windows Server 2003 をインストールして共通ネットワーク インフラストラクチャを構築することから説明を始めます。そして、Active Directory の構成、Windows XP Professional ワークステーションのインストールについて説明し、最後にワークステーションをドメインに追加する方法について説明します。これらのステップバイステップ ガイドの各分冊では、この共通ネットワーク インフラストラクチャが構築されていることを前提としています。このガイドで説明するネットワーク インフラストラクチャとは異なるインフラストラクチャを構築する場合は、適宜変更を加えながらガイドを読み進めてください。

共通ネットワーク インフラストラクチャの構築には、以下のガイドで説明する操作を完了する必要があります。

共通ネットワーク インフラストラクチャを構築すると、その他のステップバイステップ ガイドの操作を実行できるようになります。ただし、その他のステップバイステップ ガイドでは、共通ネットワーク インフラストラクチャ構築の要件に加えて、その他の前提条件が必要になる場合があります。詳細については、各ステップバイステップ ガイドの説明を参照してください。

Microsoft Virtual PC

Microsoft Windows Server 2003 展開のステップバイステップ ガイドで説明する内容は、現実のラボ環境で実装することができ、Microsoft Virtual PC 2004 や Microsoft Virtual Server 2005 のような仮想化テクノロジを使って実装することもできます。仮想コンピュータ テクノロジを使用すると、単一の物理サーバー上で複数のオペレーティング システムを並行して稼働させることができます。Virtual PC 2004 と Virtual Server 2005 は、ソフトウェアのテストや開発、レガシ アプリケーションの移行、サーバー統合の各シナリオにおいて、業務効率を高めるように設計されています。

Microsoft Windows Server 2003 展開のステップバイステップ ガイドでは、現実のラボ環境での構成を前提としています。ただし、大部分の構成はそのまま仮想環境に適用できます。

このステップバイステップ ガイドに記載する概念を仮想環境に適用する場合の説明については、ここででは割愛します。

重要

このドキュメントで使用している会社、組織、製品、ドメイン名、電子メール アドレス、ロゴ、人物、場所、イベントなどの名称は架空のものです。実在する会社名、組織名、製品名、ドメイン名、電子メール アドレス、ロゴ、個人名、場所名、イベント名などとは一切関係ありません。

この共通インフラストラクチャは、プライベート ネットワークで使用する目的で設計されています。共通インフラストラクチャで使用する架空の企業名と DNS (Domain Name System) 名は、インターネット上で使用するための登録が行われていません。パブリック ネットワークやインターネット上では、この名前を使用しないようにしてください。

この共通インフラストラクチャの Active Directory サービス構造は、Windows Server 2003 の変更と構成管理機能の概要、および Active Directory との関連を示すために設計されたものです。企業で Active Directory を構成する場合を想定して設計されているわけではないことに注意してください。

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概要

このガイドでは、Active Directory サービスの一括管理について紹介します。LDAP データ交換形式 (LDIF) ユーティリティを使用する方法と、Visual Basic Scripting Edition (VBScript) 開発システムで記述可能な簡易プログラムを使用する方法について説明します。これらのツールを使用すると、ユーザー、連絡先、グループ、サーバー、プリンタ、共有フォルダなどのオブジェクトに対してエクスポート、インポート、修正などの操作を実行できます。

このガイドでは、以下のことを実行します。

  • Ldifde.exe ユーティリティを使用したバッチ処理を実行します。ユーザーを、LDIF ファイル形式規格と互換性のあるファイル形式にエクスポートします。すべてのユーザーに対して、バッチ処理で変更を加えます。LDIF を使用して、ユーザーの新規作成や削除を行います。

  • Active Directory サービス インターフェイス (ADSI) と VBScript を使用したバッチ処理を実行します。ADSI と VBScript で記述したスクリプトを使って、ユーザーをテキスト ファイルにエクスポートします。すべてのユーザーに対して、VBScript を使ったバッチ処理で変更を加えます。VBScript を使用して、ユーザーの新規作成や削除を行います。

前提条件

Ldifde.exe ユーティリティの使用

LDIF は、LDAP 規格に準拠するディレクトリに対してバッチ処理を実行する場合に使用できるファイル形式のドラフト インターネット規格です。LDIF を使用して、データをエクスポートおよびインポートし、Active Directory に対して追加、変更、削除などのバッチ処理を実行することができます。Windows Server 2003 には、Ldifde.exe というユーティリティ プログラムが含まれ、LDIF ファイル形式規格に基づくバッチ処理をサポートしています。

Ldifde.exe ユーティリティを使用すると、スキーマの拡張、Active Directory のユーザー情報やグループ情報を別のアプリケーションやサービスにエクスポートする処理、他のディレクトリ サービスからのデータを Active Directory に取り込む処理などを行うこともできます。

メモ テストしたスキーマ拡張を実稼働環境に移行するときには、Ldifde.exe ユーティリティの使用をお勧めします。

オブジェクトのエクスポート

Ldifde.exe ユーティリティを使用して、「ステップバイステップ ガイド : Windows Server 2003 展開のための共通インフラストラクチャ構築 第 1 部」で作成した "Marketing" 組織単位に、すべてのオブジェクトをエクスポートできます。このシナリオでは、組織単位を検索して特定のオブジェクトを見つけ、そのオブジェクト名を含むファイルを作成します。

LDIF を使用してオブジェクトをエクスポートするには

  1. ドメイン管理者のアカウントでログオンします。

  2. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[アクセサリ] をポイントし、[コマンド プロンプト] をクリックします。

  3. コマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。

    ldifde -f marketing.ldf -s hq-con-dc-01 -d "ou=marketing,ou=accounts,dc=contoso,dc=com" -p subtree -r "(objectCategory=CN=Person,CN=Schema,CN=Configuration,DC=contoso,DC=com)"

  4. Enter キーを押します。図 1 のような結果が表示されます。

    図 1. ディレクトリ データをエクスポートする

    図 1. ディレクトリ データをエクスポートする
    拡大表示する

    上で入力したコマンドによって、サーバー HQ-CON-DC-01 に接続され、カテゴリが "Person" のすべてのオブジェクトについて組織単位 "Marketing" のサブツリー検索が実行されます。そして、Marketing.ldf という名前の LDIF ファイルが作成されます。この出力ファイルは、Documents and Settings ディレクトリの下にある、現在のユーザー名のディレクトリ ルートに配置されます。

    メモ objectCategory 属性は、検索のパフォーマンスを向上させるためにインデックスが付けられます。

    LDIF ファイルを使用して、"Marketing" 組織単位から LDAP と互換性のあるその他のディレクトリに対して、すべてのオブジェクトをバッチ処理でインポートできます。ただし、LDAP 実装によっては、適切でない属性が存在する場合があります。特に、この構造を使ってオブジェクトを別の Active Directory にインポートする場合、オブジェクト作成段階で自動的に生成される属性は削除されます。これらの属性を削除しないように指定すると、処理は失敗します。

    たとえば、LDIFDE コマンド (前述のコマンドと同じです) を使ってこれらの属性を削除するには、–m パラメータを指定します。

    ldifde -f marketing.ldf -s hq-con-dc-01 -d "ou=marketing,ou=accounts,dc=contoso,dc=com" -p subtree -r "(objectCategory=CN=Person,CN=Schema,CN=Configuration,DC=contoso,DC=com)" –m

オブジェクトの変更

ここでは、"Marketing" 組織全体をオフィスの新住所に移動する操作手順を取り上げます。LDIF を使用して、"Marketing" 組織単位にあるすべてのユーザー オブジェクトに対して、バッチ処理で変更を加えます。バッチ処理では、都道府県、市区町村、郵便番号などの属性情報を変更します。

LDIF とメモ帳を使ってオブジェクトを変更するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[アクセサリ] をポイントし、[コマンド プロンプト] をクリックします。

  2. コマンド プロンプトで次のコマンドを入力し、必要なエントリを抽出します。

    ldifde -f marketing.ldf -s hq-con-dc-01 -d "ou=marketing,ou=accounts,dc=contoso,dc=com" -p subtree –r "(objectCategory=CN=Person,CN=Schema,CN=Configuration,DC=contoso,DC=com)" -l "1,st,streetaddress,postalcode"

    メモ  共通ネットワーク インフラストラクチャを構築する方法を説明するガイドでは、"Marketing" 組織単位内のユーザー オブジェクトについて、都道府県、市区町村、郵便番号などの属性情報は記載していません。このエクスポート処理を行う前に、"Marketing" 組織単位の各ユーザー

  3. Enter キーを押します。

  4. メモ帳で、marketing.ldf ファイルを開きます。

    メモ ユーザー オブジェクトにデータを設定している場合は、図 2 のような内容が表示されます。

    図 2. LDF ファイルを確認する

    図 2. LDF ファイルを確認する
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  5. メモ帳を使用して、ファイル Marketing.ldf の各ユーザー オブジェクト エントリを図 3 に示すように変更します。メモ ファイルは、.ldf ファイル形式で保存してください。

    図 3. LDF インポート ファイルを変更する

    図 3. LDF インポート ファイルを変更する
    拡大表示する

  6. メモ帳を閉じます。[コマンド プロンプト] ウィンドウで、次のコマンドを入力します。

    ldifde –i -f marketing.ldf -s hq-con-dc-01

  7. Enter キーを押します。図 4 のような結果が表示されます。

    図 4. LDF ファイルの正常なインポート

    図 4. LDF ファイルの正常なインポート
    拡大表示する

  8. ユーザー オブジェクト属性が適切に変更されていることを確認するには、Active Directory ユーザーとコンピュータ スナップインを使用します。このスナップインの使用方法については、「ステップバイステップ ガイド: Active Directory の管理」を参照してください。

メモ Ldifde.exe と同様なエクスポート機能を提供するその他のユーティリティとして、Csvde.exe があります。ただし、Csvde.exe では、CSV ファイル形式を使用します。Csvde.exe ユーティリティのインポート処理では、"追加" のみ実行します。オブジェクトの変更や削除を行う機能はありません。CSV ファイル形式は、Microsoft Excel などのアプリケーションでサポートされています。

オブジェクトの作成/削除

次の例では、LDIF を使用して、Active Directory に対してユーザーの追加や削除を実行します。

LDIF を使用して新しいユーザーを作成するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「Notepad Newuser.ldf」と入力して [OK] をクリックします。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックして新しいファイルを作成します。

  2. ファイルに、次のコードを追加します。

    dn: CN= Pilar Ackerman ,OU=Marketing,OU=Accounts,DC=contoso,DC=com

    changetype: add

    cn: Pilar Ackerman

    objectClass: user

    samAccountName: Pilar

    givenName: Pilar

    sn: Ackerman

  3. ファイル newuser.ldf を保存して閉じます。このユーザー オブジェクトの作成を行う前に、ファイルが Documents and Settings ディレクトリに保存されていることを確認してください。

  4. [コマンド プロンプト] ウィンドウで、次のコマンドを入力します。

    ldifde –i -f newuser.ldf -s hq-con-dc-01

  5. Enter キーを押します。操作を完了すると、[コマンド プロンプト] ウィンドウで変更が確認されます (図 5)。

    図 5. 新しいユーザーを追加する

    図 5. 新しいユーザーを追加する
    拡大表示する

LDIF を使用してユーザーを削除するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「Notepad Deleteuser.ldf」と入力して [OK] をクリックします。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックして新しいファイルを作成します。

  2. ファイルに、次のコードを追加します。

    dn: CN= Pilar Ackerman ,OU=Marketing,OU=Accounts,DC=contoso,DC=com

    changetype: delete

  3. ファイル deleteuser.ldf を保存して閉じます。

  4. [コマンド プロンプト] ウィンドウで、次のコマンドを入力します。

    ldifde –i -f deleteuser.ldf -s hq-con-dc-01

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VBScript と ADSI の使用

ADSI を利用すると、ディレクトリ対応のアプリケーションを簡単に開発できます。Windows Script Host と組み合わせることで、VBScript や Microsoft JScript® 開発ソフトウェアを使ったバッチ ディレクトリ処理用のスクリプトを作成できます。このガイドでは、前節で LDIF を使って説明した手順を、VBScript で記述した簡易アプリケーションによって実行します。

このガイドで紹介するスクリプトはエラー チェック機能を含まず、VBScript や ADSI に関するプログラマ用のリファレンスとしては提供されてはいないことに注意してください。ここでは、対象ドメインのメンバであるコンピュータに適切な資格情報を指定してログオンしていることを前提とします。ADSI では、資格情報と対象ドメインを明示的に指定できます。手順実行後、Active Directory ユーザーとコンピュータ スナップインをチェックして、エントリが修正されたことを確認します。

オブジェクトのエクスポート

ここでは、VBScript プログラムの作成にメモ帳などのテキスト エディタを使用します。作成するスクリプトでは、"Marketing" 組織単位を検索し、全ユーザー オブジェクトとその属性のサブセットを一覧表示するテキストファイルを作成します。

エクスポート用スクリプトを作成して実行するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「Notepad export.vbs」と入力して [OK] をクリックします。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックして新しいファイルを作成します。次のテキストを export.vbs にコピーします。

    'Global variables
        Dim oContainer
        Dim OutPutFile
        Dim FileSystem
    'Initialize global variables
        Set FileSystem = WScript.CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
        Set OutPutFile = FileSystem.CreateTextFile("marketing.txt", True) 
        Set oContainer=GetObject("LDAP://OU=Marketing,OU=Accounts,DC=contoso,DC=com")
    'Enumerate Container
        EnumerateUsers oContainer
    'Clean up
        OutPutFile.Close
        Set FileSystem = Nothing
        Set oContainer = Nothing
        WScript.Echo "Finished"
        WScript.Quit(0)
    Sub EnumerateUsers(oCont)
        Dim oUser
        For Each oUser In oCont
            Select Case LCase(oUser.Class)
                   Case "user"
                        If Not IsEmpty(oUser.distinguishedName) Then
                           OutPutFile.WriteLine "dn: " & oUser.distinguishedName
                        End If
                        If Not IsEmpty(oUser.name) Then
                           OutPutFile.WriteLine "name: " & oUser.Get ("name")
                        End If
                        If Not IsEmpty(oUser.streetAddress) Then
                           OutPutFile.WriteLine "streetAddress: " & oUser.streetAddress
                        End If
                        If Not IsEmpty(oUser.l) Then
                           OutPutFile.WriteLine "l: " & oUser.l
                        End If
                        If Not IsEmpty(oUser.st) Then
                           OutPutFile.WriteLine "st: " & oUser.st
                        End If
                        If Not IsEmpty(oUser.postalcode) Then
                           OutPutFile.WriteLine "postalcode: " & oUser.postalcode
                        End If
                   Case "organizationalunit", "container"
                        EnumerateUsers oUser
            End Select
            OutPutFile.WriteLine
        Next
    End Sub
    
  2. export.vbs を保存し、メモ帳を閉じます。

  3. [コマンド プロンプト] ウィンドウで「export.vbs」と入力し、Enter キーを押します。

メモ export.vbs を実行すると、Marketing.txt ファイルが作成されます。このファイルには、ユーザーとその属性のサブセットの一覧が含まれます。

このスクリプトは、適切に変更を加えることで、Microsoft COM (コンポーネント オブジェクト モデル) と Visual Basic テクノロジをサポートするアプリケーションで使用できます。このようなアプリケーションには、Visual Basic、Excel、Microsoft Access などがあります。スクリプトは、Internet Explorer やインターネット インフォメーション サービス (IIS) でもサポートされます。

オブジェクトの変更

ここでは、"Marketing" 組織単位内の全ユーザーの住所に関する属性を変更します。簡単な VBScript プログラムを使って、"Marketing" 組織単位内の全ユーザー オブジェクトにバッチ処理で変更を加えます。スクリプトでは、都道府県、市区町村、郵便番号などの属性情報を変更します。

変更用スクリプトを作成して実行するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「Notepad modify.vbs」と入力して [OK] をクリックします。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックして新しいファイルを作成します。次のテキストを modify.vbs にコピーします。

    Dim oContainer
        Set oContainer=GetObject("LDAP://OU=Marketing,OU=Accounts,DC=contoso,DC=com")
    ModifyUsers oContainer
    'cleanup
        Set oContainer = Nothing
        WScript.Echo "Finished"
        WScript.Quit
    Sub ModifyUsers(oObject)
        Dim oUser
        oObject.Filter = Array("user")
        For Each oUser in oObject
            oUser.Put "st","Washington"
            oUser.Put "streetAddress","One Microsoft Way"
            oUser.Put "postalCode","98052"
            oUser.Put "l","Redmond"
            oUser.SetInfo
        Next
    End Sub
    
  2. modify.vbs を保存し、メモ帳を閉じます。

  3. [コマンド プロンプト] ウィンドウで「modify.vbs」と入力し、Enter キーを押します。

オブジェクトの作成/削除

ここでは、VBScript を使って "Marketing" 組織単位に新しいユーザーを追加します。ADSI と VBScript を使うと、簡単にプログラムでディレクトリにアクセスできるようになります。ここで取り上げる例では、ユーザーに設定した属性の一部だけを使用します。

作成用スクリプトを作成して実行するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「Notepad add.vbs」と入力して [OK] をクリックします。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックして新しいファイルを作成します。次のテキストを add.vbs にコピーします。

    Dim oContainer
    Dim oUser
    Set oContainer=GetObject("LDAP://OU=Marketing,OU=Accounts,DC=contoso,DC=com")
    'Create user
            Set oUser = oContainer.Create("User","CN=Pilar Ackerman") 
    'Assign values to user attributes
            oUser.Put "samAccountName","Pilar"
            oUser.Put "givenName","Pilar"
            oUser.Put "sn","Ackerman"
            oUser.Put "userPrincipalName","pilar@contoso.com"
            oUser.SetInfo
    'Clean up
    Set oUser = Nothing
    Set oContainer = Nothing
    WScript.Echo "Finished"
    WScript.Quit
    
  2. add.vbs を保存し、メモ帳を閉じます。

  3. [コマンド プロンプト] ウィンドウで「add.vbs」と入力し、Enter キーを押します。

削除用スクリプトを作成して実行するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「Notepad delete.vbs」と入力して [OK] をクリックします。プロンプトが表示されたら、[はい] をクリックして新しいファイルを作成します。次のテキストを delete.vbs にコピーします。

    Dim oContainer
        Set oContainer=GetObject("LDAP://OU=Marketing,OU=Accounts,DC=contoso,DC=com")
    'Delete user
        oContainer.Delete "user","CN=Pilar Ackerman"
    'Clean up
    Set oContainer = Nothing
    WScript.Echo "Finished"
    WScript.Quit
    
  2. elete.vbs を保存し、メモ帳を閉じます。

  3. [コマンド プロンプト] ウィンドウで「delete.vbs」と入力し、Enter キーを押します。

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付録 – LDIFDE の使用

構文

ldifde [-i] [-f FileName] [-s ServerName] [-c String1 String2] [-v] [-j Path] [-t PortNumber] [-d BaseDN] [-r LDAPFilter] [-p Scope] [-l LDAPAttributeList] [-o LDAPAttributeList] [-g] [-m] [-n] [-k] [-a UserDistinguishedName Password] [-b UserName Domain Password] [-?]

パラメータ

-i

  • インポート モードを指定します。指定しない場合、既定のエクスポート モードになります。

-f FileName

  • インポートまたはエクスポートするファイル名を指定します。

-s ServerName

  • インポートまたはエクスポート処理を実行するドメイン コントローラを指定します。既定では、Ldifde がインストールされているドメイン コントローラ上で実行されます。

-c String1 String2

  • String1 で指定したすべての文字列を String2 に置換します。このパラメータは、一般に、ドメイン間でデータをインポートする際、エクスポート ドメインの識別名 (String1) をインポート ドメインの識別名 (String2) に置換する必要があるときに指定します。

-v

  • 詳細モードを指定します。

-j Path

  • ログ ファイルの場所を指定します。既定では、カレント パスが使用されます。

-t PortNumber

  • LDAP ポート番号を指定します。既定の LDAP ポート番号は 389 です。グローバル カタログ ポートは 3268 です。

-d BaseDN

  • データ エクスポートの検索ベースとなる識別名を指定します。

-r LDAPFilter

  • データ エクスポート用 LDAP 検索フィルタを作成します。たとえば、特定の姓を指定して該当する全ユーザーをエクスポートするには、フィルタ -r (and(objectClass=User)(sn=Surname)) を指定します。

-p Scope

  • 検索範囲を指定します。検索範囲のオプションには、Base、OneLevel、SubTree があります。

-l LDAPAttributeList

  • エクスポート クエリの結果に含める属性一覧を指定します。このパラメータを指定しない場合、すべての属性が返されます。

-o LDAPAttributeList

  • エクスポート クエリの結果から除外する属性一覧を指定します。このパラメータは、一般に、Active Directory からエクスポートしたオブジェクトを、LDAP と互換性のある他のディレクトリにインポートするときに指定します。インポート先のディレクトリではサポートされていない属性がある場合、このオプションを指定して結果セットに該当の属性を含まないようにできます。

-g

  • ページ検索を省略します。

-m

  • Active Directory オブジェクトのみに適用される属性 (ObjectGUID、objectSID、pwdLastSet、samAccountType 属性など) を削除します。

-n

  • バイナリ値のエクスポートを除外します。

-k

  • インポート処理中のエラーを無視して、処理を継続します。次のエラーは無視されます。

    • オブジェクトが既にグループのメンバである

    • インポートされるオブジェクトがその他の属性を持たない場合のオブジェクト クラス違反 (特定のオブジェクト クラスが存在しない)

    • オブジェクトが既に存在する

    • 制約違反

    • 属性または値が既に存在する

    • 該当するオブジェクトがない

-a UserDistinguishedName Password

  • 指定した UserDistinguishedName と Password を使って、コマンドを実行するように指定します。既定では、ネットワークに現在ログオンしているユーザーの資格情報を使って、コマンドを実行します。

-b UserName Domain Password

  • 指定した UserName Domain Password を使って、コマンドを実行するように指定します。既定では、ネットワークに現在ログオンしているユーザーの資格情報を使って、コマンドを実行します。

-?

  • コマンド メニューを表示します。

解説

Ldifde コマンドを使ってインポート ファイルを作成する場合は、changeType 値を指定してインポート ファイルに含める変更の種類を定義します。changeType には、次の値を指定できます。

説明

Add

インポート ファイルに新しい内容を含めることを指定します。

modify

インポート ファイルでは、既存の内容が変更されることを指定します。

delete

インポート ファイルでは、内容が削除されることを指定します。

次に、add 値を指定した場合の LDIF インポートファイル形式の例を示します。

DN: CN=SampleUser,DC=DomainName

changetype: add

CN: SampleUser

description: DescriptionOfFile

objectClass: User

sAMAccountName: SampleUser

返されるオブジェクトの識別名 (DistinguishedName)、共通名 (CN)、名 (GivenName)、姓 (SN)、電話番号 (Telephone) 情報だけを取得するには、次のように指定します。

-l DistinguishedName, CN, GivenName, SN, Telephone

オブジェクト GUID を除外するには、次のように指定します。

-o whenCreated, whenChanged, objectGUID

凡例と表記方法

表記 意味

斜体

ユーザーが指定する情報

太字

表記されたとおりにユーザーが入力すべき要素

省略記号 (...)

何回か繰り返されるコマンド ラインのパラメータ

角かっこ内 ([])

オプションの項目

パイプ記号 (|) で区切られた、中かっこ内 ({}) での選択 (例 : {even|odd})

選択肢のセット (ユーザーは 1 つだけ選択)

Courier フォント

コードまたはプログラム出力

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関連資料

詳細については、次の資料を参照してください。

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