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Windows 2000 システム展開ガイド

付録 B ‐ セットアップ コマンド

Microsoft®Windows® 2000 (以下 Windows 2000) をインストールするには Winnt.exe コマンドまたは Winnt32.exe コマンドを使用します。 この付録ではこれらのコマンドの構文とパラメータについて説明します。

Resource Kit の関連情報

  • Windows 2000 自動セットアップについての詳細は、このマニュアルの「第 13 章 サーバーの自動インストールと自動アップグレード」を参照してください。

  • 自動応答ファイルについての詳細は、このマニュアルの 「付録 C 無人セットアップ用応答ファイルの例」を参照してください。

セットアップコマンドを使い Windows 2000 をインストールする

Windows 2000 をインストールする場合、環境に応じたセットアップ コマンドを使用する必要があります。

Winnt32.exe クリーン インストールまたは Microsoft® Windows NT® version 4.0 (以下 Windows NT 4.0)、Microsoft®Windows® 95 (以下 Windows 95)、Microsoft® Windows® 98 (以下 Windows 98) が動作しているコンピュータをアップグレードする場合

Winnt.exe Microsoft® MS-DOS®、Microsoft®Windows® 3.x が動作しているコンピュータにクリーン インストールする場合 (これらのオペレーティング システムのアップグレードはサポートしていません)

これらの 2 つのコマンドのオプションには違いがあります。それぞれのコマンドについて以下のセクションで説明します。

注意
ほかのアプリケーションをアップグレードした直後の場合、いったん再起動を行ってから Windows 2000 オペレーティング システムにアップグレードしてください。

Winnt32.exe コマンドの構文

Winnt32
 [/checkupgradeonly] 
[/cmd:command_line] 
[/cmdcons]
[/copydir:folder_name]
[/copysource:folder_name]
[/debug[level][:file_name]]
[/m:folder_name]
[/makelocalsource]
[/noreboot]
[/s:sourcepath]
[/syspart:drive_letter]
[/tempdrive:drive_letter]
[/udf:ID[,UDB_file]]
[/unattend]
[/unattend[seconds][:answer_file]]

/checkupgradeonly

アップグレードしようとする現在のオペレーティングシステムと Windows 2000 が適合するか調べます。ここでは単に検証するだけで、Windows 2000 のインストールは行いません。

/cmd:command_line

グラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) 部分のセットアップが終了した後、実行するコマンドを指定します。このコマンドは、セットアップが完了する前の段階、つまりセットアップ プログラムが必要な設定情報の収集を終わらせ、コンピュータを再起動した後に実行されます。たとえば、このオプションを使って、インストールするアプリケーションを指定する Cmdlines.txt をセットアップ直後に実行することができます。

/cmdcons

インストールに失敗した場合のためのリカバリ コンソール オプションを追加します。

/copydir:folder_name

Windows 2000 のファイルの入っているフォルダの中にサブフォルダを作ります。たとえば、コピー元のフォルダにそのサイト独自の変更を加える Private_drivers フォルダがある場合 /copydir:private_drivers と入力することによってそのフォルダを Windows 2000 のフォルダにコピーすることができます。/copydir は複数回使用することができます。

/copysource:folder_name

Windows 2000 のファイルの入っているフォルダの中に一時的にサブフォルダを作ります。たとえば、コピー元のフォルダにそのサイト独自の変更を加える Private_drivers フォルダがある場合、/copysource:private_drivers と入力することによって、そのフォルダが Windows 2000 のフォルダにコピーされ、セットアップ中そのファイルを使用することができます。/copydir オプションとは違い、/copysource で作成したフォルダはセットアップが完了すると消去されます。

/debug[level][:file_name]

指定のレベルでデバッグ ログを作成します。デフォルト設定を使用する場合、プログラムによって警告レベル 2 のログ ファイル (%windir%\Winnt32.log) が作成されます。ログ ファイルの警告レベルは 0 = 重大なエラー、2 = 警告、3 = 情報、4 = デバッグ用の詳しい情報です。各レベルにはそれより低いレベルのエラーが含まれます。

/m:folder_name

セットアップに対して別の場所から代わりのファイルをコピーするように指示します。これによって、セットアップに対して、まず別の場所からファイルを探し、ファイルが存在する場合、既定の保存場所の代わりにそこからファイルをコピーするよう指示します。

/makelocalsource

インストールする元ファイルを、すべてローカルのハード ディスクにコピーするようにセットアップに指示します。CD からインストールを開始し、その後インストール中に CD が使えなくなった場合に、インストールするファイルが使用できるように /makelocalsource を使用します。

/noreboot

Winn32 のコピー段階が終了した後にほかのコマンドを実行するため、コンピュータを再起動しないようにセットアップに指示します。

/s:sourcepath

Windows 2000 のコピー元ファイルのある場所を指定します。既定の保存場所はカレント フォルダです。複数のサーバーからファイルを同時にコピーするために、8 つまで保存場所を指定することができます。例を示します。

winnt32 /s:server1 U /s:server8

Windows 2000 は、セットアップのファイル供給場所として、/s スイッチを使って最大 8 つの配布ポイントを指定することができます。この機能により、セットアップのファイル コピー段階でコピー速度を増加させることができます。また、セットアップを実行する配布サーバーの負荷をより均等に保つことができます。例を示します

配布フォルダへのパス 1\winnt32 [/unattend] [:path\answer.txt]
[/s:配布フォルダへのパス 2] [/s:配布フォルダへのパス 3]
[/s:配布フォルダへのパス 4]



/syspart:drive_letter

ハード ディスクにセットアップ開始ファイルをコピーし、ディスクをアクティブとマークし、ディスクをほかのコンピュータにインストールできるように指定します。ディスクをインストールしたコンピュータの電源を入れると、セットアップが続けて行われます。このスイッチを使用するときは、次の点に注意してください。

  • /syspart オプションは、必ず /tempdrive オプションと併せて使用してください。

  • /syspart と /tempdrive はともに、2 次ハード ディスク上の同一パーティションを指定する必要があります。

  • Windows 2000 は、このオプションを指定した 2 次ハード ディスク上の 1 次パーティションにインストールしなければなりません。

  • /syspart スイッチは Microsoft®Windows® NT 3.51、Windows NT 4.0、Windows 2000 が動作しているコンピュータからだけ使うことができます。このスイッチを Windows 95、Windows 98 オペレーティング システムが動作しているコンピュータから使うことはできません。

/tempdrive:drive_letter

一時ファイルを指定したパーティションにおき、そのパーティションに Windows 2000 をインストールするように、セットアップに対して指示します。 このスイッチを使用するときは、次の点に注意してください。

  • /tempdrive オプションは、必ず /syspart オプションと併せて使用します。

  • /tempdrive および /syspart はともに、2 次ハード ディスク上の同一パーティションを指定する必要があります。

  • Windows 2000 はこのオプションを指定した 2 次ハード ディスク上の 1 次パーティションにインストールする必要があります。

/udf:ID[,UDB_file]

セットアップが、一意データベース ファイル (UDB) による応答ファイル (次の /unattend オプションを参照してください) の修正方法を規定する際に使用する、識別子 (ID) を示します。.udb ファイルの内容は応答ファイルの値よりも優先し、識別子が .udb ファイルのどの値を使用するかを決定します。たとえば、/udf:Roaming_user,Our_company.udbOur_company.udb ファイルにある識別子 Roaming_user に対して指定されている設定よりも優先されます。.udb ファイルを指定しない場合、$Unique$.udb ファイルの入っているディスクを挿入するよう要求されます。

/unattend

前のバージョンの Windows を、自動セットアップ モードでアップグレードします。ユーザー設定はすべて、以前のインストールから取得されるため、セットアップ中にユーザーが介在する必要はありません。

重要 /unattend スイッチを使用して自動セットアップを行うと、ユーザーは Windows 2000 の使用承諾契約書を読み、同意したものとみなされます。このスイッチを使用して、自分自身ではなく組織のために Windows 2000 をインストールする場合、エンド ユーザーが使用承諾契約書を受け取り、読み、そして同意したことをあらかじめ確認しておいてください。OEM はエンド ユーザーに販売するマシンに対してこのキーを指定しないでください。

/unattend[seconds][:answer_file]

ユーザーとの対話を必要とするプロンプトを使わずに Windows 2000 をインストールします。セットアップに必要な情報は、ユーザーが事前に作成しておいた応答ファイルから取得されます。応答ファイルの詳細については、このマニュアルの「付録 C 無人セットアップ用応答ファイルの例」を参照してください。

Windows NT 4.0 からアップグレードする場合にのみ、seconds を指定してください。Seconds は、セットアップがファイルのコピーを終了してからシステムのセットアップを開始するまでの遅延時間を、秒単位で指定します。

Winnt.exe コマンドの構文

Winnt
 [/E:command]
[/R:folder_name]
[/Rx:folder_name]
[/S:sourcepath]
[/T[:tempdrive]]
[/U[:answer_file]]
[/udf:ID[,UDB_file] 
[/A:]

/E:command

GUI 部分のセットアップが終了した後に実行するコマンドを指定します。たとえば、このオプションを使用すると、セットアップ完了後直ちにインストールするアプリケーションを指定するために通常使用される Cmdlines.txt を実行することができます。

/R:folder_name

Windows 2000 のファイルが入っているフォルダ内にサブフォルダを作ります。たとえば、コピー元のフォルダにそのサイト独自の変更内容を格納した Private_drivers フォルダがある場合、/R:private_drivers と入力するとそのフォルダを Windows 2000 のフォルダにコピーすることができます。/R オプションは複数回使用することができます。

/Rx:folder_name

Windows 2000 のファイルが入っているフォルダ内に、一時的にサブフォルダを作ります。たとえば、コピー元のフォルダにそのサイト独自の変更内容を格納した Private_drivers フォルダがある場合、/Rx:private_drivers と入力すると、セットアップは、そのフォルダを Windows 2000 のフォルダ内にコピーし、セットアップ中は、そのフォルダ内のファイルを使用します。/R オプションとは違い、/Rx で作成したフォルダはセットアップが完了すると消去されます。

/S:sourcepath

Windows 2000 のコピー元ファイルのある場所を指定します。これは、Drive_letter:\Path または \\Server\Share\Path の形式でフルパスで指定する必要があります。既定の設定では、カレント フォルダになっています。

/T:tempdrive

一時ファイルを指定されたドライブに保管し、そのドライブに Windows 2000 をインストールするように、セットアップに指示します。ドライブを指定しない場合、セットアップは代わってドライブを検索します。

/U:answer_file

ユーザーとの対話を必要とするプロンプトを使わずに Windows 2000 をインストールします。セットアップに必要な情報は、ユーザーが事前に作成しておいた応答ファイルから取得されます。応答ファイルの詳細については、このマニュアルの「付録 C 無人セットアップ用応答ファイルの例」を参照してください。このオプションを使用する場合、/S オプションを指定する必要があります。

/udf:ID[,UDB_file]

セットアップが、一意データベース ファイル (UDB) による応答ファイルの修正方法を規定する際に使用する、識別子 (ID) を示します。udb ファイルの内容は応答ファイルの値よりも優先し、.udb ファイルのどの値を使用するかが識別子によって決定します。たとえば、/udf:Roaming_user,Our_company.udbOur_company.udb ファイルにある識別子 Roaming_user に対して指定されている設定よりも優先されます。.udb ファイル を指定しない場合、$Unique$.udb ファイルの入っているディスクを挿入するよう要求されます。

/A

アクセス権オプションを有効にします。