Windows 2000 Server の導入ガイド : 付録 A ‐ システムの修復とトラブルシューティング

付録 A ‐ システムの修復とトラブルシューティング

この付録では、システム障害に備えるための準備方法、システムが起動しなくなった場合に起動を補助するためのオプションの使用方法、そして Microsoft® Windows® 2000 (以下 Windows 2000) を修復および回復するためのオプションの使用方法について、それぞれ説明します。また、この付録ではストップ エラーのトラブルシューティングについても説明します。ストップ エラーが発生すると、オペレーティング システムの機能が停止してエラー画面が表示されます。

トピック

特定のシステム障害の予防および回復の方法
バックアップやその他の保護手段
障害が発生したシステムを起動するためのフロッピーディスクを作成する
システムが起動しないときに使用するオプション
セーフモード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップオプション
回復コンソール
システム修復ディスク
修復オプションとしてセットアップを使用する
ドメインコントローラの保護と復元
ハードウェア互換性リストを使用する
ストップメッセージのトラブルシューティング
Windows 2000 セットアップに関する一般的な質問
デバイスや BIOS の問題のトラブルシューティング

特定のシステム障害の予防および回復の方法

システム障害は主に次の種類に分類できます。

  • Windows 2000 と互換性のない新しいデバイスやデバイス ドライバ ファイルの追加。

  • ファイルの損傷または破損。デバイス ドライバ、レジストリ、システム ファイル、ブート セクタ情報など、通常のスタートアップに必要なファイルの損傷または破損。

  • ハード ディスクや CPU などの重要なハードウェアに関する物理的な問題。

以下に、これら 3 種類の問題の予防策と、可能な回復手順について説明します。

デバイス ドライバの問題の予防および回復

Windows 2000 と互換性がなく、スタートアップ中に問題を起こす可能性のある新しいデバイスやデバイス ドライバ ファイルを追加すると、システム障害を起こすことがあります。

デバイスやデバイス ドライバに関する問題を防ぐには、次の手順を実行します。

  • 新しいデバイスやデバイス ドライバをインストールする前に、後述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で説明している方法で、ハードウェア互換性リスト (HCL) を調べます。

  • ハードウェアのマニュアルで互換性と設定情報について調べておきます。

  • 最新のデバイス ドライバ ファイルをデバイスのメーカーから入手します。

デバイスやデバイス ドライバに関する問題を修正するには、次の手順を試みます。

  • セーフ モード、前回正常起動時の構成、または後述の「システムが起動しないときに使用するオプション」で説明している方法を使用して、コンピュータを再起動します。

  • 可能であればイベント ビューアを調べます。詳細については、 「Windows 2000 ヘルプ」を参照してください。

  • 前述の予防策を実行します。正常に機能するデバイス ドライバを入手し、デバイスをいったんアンインストールしてから新しいドライバで再インストールします。

主要なファイルの損傷の予防および回復

次に示すような特定の種類のファイルが損傷または破損していると、システム障害を引き起こす原因となります。

  • デバイス ドライバ

  • レジストリ

  • システム ファイル

  • ブート セクタ情報

  • その他通常のスタートアップに必要なファイル

ファイル損傷の原因となる問題を防ぐには、次の手順を実行します。

  • 電源のサージ現象や異常などからコンピュータを守ります。ファイルをハード ディスクに書き込んでいる途中でこのような障害が発生すると、ファイルが損傷することがあります。

  • 特殊なデバイス設定やドライバ、レジストリ設定などを使用してインストールや実装を行う際は、デバイスのメーカーや 「Windows 2000 ヘルプ」から詳細情報を入手しておきます。

  • システム状態バックアップを含む正規のバックアップを実行します。バックアップの詳細については、「Windows 2000 ヘルプ」の障害保護のトピックを参照してください。ドメイン コントローラのバックアップ方法の詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

主要ファイルの損傷から回復するには、次の手順を試みます。

  • セーフ モード、前回正常起動時の構成、または後述の「システムが起動しないときに使用するオプション」で説明している方法を使用して、コンピュータを再起動します。

    コンピュータをセーフ モード オプションで起動してからリムーバブル ストレージでバックアップ プログラムを実行しようとしている場合、使用できるセーフ モード オプションは、前回正常起動時の構成、VGA モードを有効にする、およびディレクトリ サービス復元モードだけです。詳細については、後述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。

  • 可能であればイベント ビューアを調べます。

  • 直前のバックアップからシステム状態を復元するか、または損傷を受けたファイルを回復コンソールを使用して正常なものと交換します。詳細については、後述の「バックアップ プログラムを起動する」および「回復コンソール」を参照してください。ドメイン コントローラの復元方法の詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

ハードウェアの問題の予防および回復

ハード ディスクや CPU、ネットワーク アダプタ、メモリなどの重要なハードウェアで物理的な問題が発生すると、コンピュータの起動や実行が困難になることがあります。

ハードウェアの問題を防ぐには、次の手順を実行します。

  • ハードウェアの損傷の原因となる電源のサージ現象や動作などからコンピュータを守ります。

  • イベント ビューアなどの診断ツールを使用し、ハードウェアの問題の兆候がないか監視します。

  • 正規のバックアップを実行し、フォールト トレランスを実装します。これにより、ハードウェアの問題が原因で起こるシステム情報またはデータの損失をある程度防ぐことができます。詳細については、「Windows 2000 ヘルプ」の障害保護のトピックを参照してください。ドメイン コントローラのバックアップ方法の詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

ハードウェアの問題から回復するには、次の手順を試みます。

  • セーフ モード、または後述の「システムが起動しないときに使用するオプション」で説明している方法を使用して、コンピュータを再起動します。

  • 可能であればイベント ビューアなどの診断ツールを調べます。詳細については、 「Windows 2000 ヘルプ」を参照してください。

  • 必要ならば、システムの再構築と復元を行い、ディスク ボリュームの個数とサイズが必ず以前のシステムと同じか、またはそれ以上になるようにします。システムの再構築を空のハード ディスクから行わなければならない場合は、まず Windows 2000 Server を以前と同じディスクにインストールしてから、損傷したシステムと同じパーティションおよびボリュームを作成し直し、最後にシステム状態などの情報をバックアップから復元します。

    ドメイン コントローラの復元方法の詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

バックアップやその他の保護手段

ディスク障害などの深刻なシステム障害の可能性からシステムを保護する手段としては、次のようなものがあります。

  • **バックアップを実行する。**正規のシステム バックアップを実行し、ディスクのミラーリングなどのフォールト トレランス機能を使用します。また、ウイルスのチェックやイベント ビューアによるイベント ログの確認など、標準的な管理作業を実行します。これらの保護手段を実行することでシステムとデータの整合性が保たれ、場合によってはディスクやそのほかのハードウェアに異常が発生した際に直ちに警告を発することができます。データ ファイル用およびシステム状態情報用のバックアップ オプション、フォールト トレランス、ディスクのミラーリング、およびイベント ビューアの詳細については、 「Windows 2000 ヘルプ」を参照してください。ヘルプを表示するには、[スタート] ボタンをクリックし、[ヘルプ] をクリックします。

    ドメイン コントローラの保護方法の詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

  • 起動 / **回復オプションを指定する。**システムが突然停止した場合に実行させる Windows 2000 の動作を指定します。たとえば、コンピュータを自動的に再起動するように指定したり、ログ オプションを制御したりできます。システム停止時に Windows 2000 が使用するスタートアップ オプションを指定するには、[マイ コンピュータ] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。次に、[詳細] タブの [起動/回復] をクリックし、設定したいオプションを指定します。

    **ハードディスク情報を記録する。**ディスクに大幅な変更を加える場合、そのたびにハード ディスクに関する基本的な情報を記録しておきます。各ディスクおよびボリュームごとに次の情報を記録します。

    • サイズ

    • ファイル システム

    • ボリュームのラベルと種類

    • ドライブ名またはマウント ポイント (適用可能な場合)

    1 つ方法としては、これらの情報を書き留めてることをお勧めします。2 番目の方法は [ディスクの管理] を開いてディスク情報の表示イメージを保存しておきます。詳細については、「Windows 2000 ヘルプ」の「ディスクの管理」の項目のほか、"ウィンドウや画面の内容をコピーする" 方法を説明しているトピックを参照してください。 3 番目の方法は、『Microsoft Windows 2000 Resource Kit』のツールを使用することです。このツールはテキスト ファイルのディスク情報を記録します。Resource Kit の詳細については、このマニュアルの「第 1 章 はじめに」を参照してください。

  • **システム修復ディスクを作成する。**Windows 2000 バックアップを使用してシステム修復ディスクを作成します。詳細については、後述の「システム修復ディスクの作成にバックアップを使用する」を参照してください。

  • **スタートアップメディアを常に使用できる状態にしておく。**Windows 2000 用のスタートアップ メディアのセットを、すぐに見つけやすい場所に保管しておきます。スタートアップ メディアには、Windows 2000 の CD-ROM (CD-ROM ドライブから起動できるコンピュータの場合)、または CD-ROM から作成したフロッピー ディスク セットがあります。システムを起動するためのフロッピー ディスクの作成方法の詳細については、後述の「障害が発生したシステムを起動するためのフロッピー ディスクを作成する」を参照してください。

バックアップ プログラムを起動する

Windows 2000 には、ユーザー データのバックアップと復元に使用できるツールとして、バックアップというグラフィカル ツールが付属しています。

バックアップを起動するには

  • Click [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[アクセサリ] をポイントし、[システムツール] をクリックしてから、[バックアップ] をクリックします。

バックアップの詳細については、バックアップのヘルプ、または 「Windows 2000 ヘルプ」の障害保護のトピックを参照してください。

コンピュータをセーフ モード オプションで起動してからリムーバブル ストレージでバックアップ プログラムを実行しようとしている場合、使用できるセーフ モード オプションは、前回正常起動時の構成、VGA モードを有効にする、およびディレクトリ サービス復元モードだけです。詳細については、後述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。

ドメイン コントローラのバックアップおよび復元の方法の詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

レジストリなどのシステム状態情報をバックアップする

Windows 2000 Server のバックアップ プログラムには、システム状態のバックアップに関するオプションがあります。このオプションを選択すると次のデータがバックアップされます。

  • レジストリ。コンピュータの設定に関する情報を階層構造で格納しているデータベース。

  • COM+ クラス登録データベース。コンポーネント サービス、および COM+ アプリケーションが使用する情報を格納するデータベース。

  • スタートアップ ファイル (コンピュータの起動に必要) およびシステム ファイル (オペレーティング システムの実行に必要)。

  • 証明書サービス データベース (サーバーが認証サーバーの場合)。

  • Active Directory が使用する Sysvol フォルダとその情報データベース (サーバーがドメイン コントローラの場合)。ドメイン コントローラの詳細については、後述の「ドメイン コントローラの保護と復元」を参照してください。

また、システム状態をバックアップすると、レジストリのコピーが systemroot\Repair の下のサブフォルダ内にあるローカル システム パーティションに置かれます。レジストリ ファイルをこのサブフォルダからコピーする場合は、それらを systemroot\system32\config にコピーしてください。この後、レジストリには、前回システム状態をバックアップしたときのレジストリ情報が格納され、それ以降の変更内容は失われます。

障害が発生したシステムを起動するためのフロッピーディスクを作成する

CD-ROM ドライブからの起動をサポートしていないコンピュータでは、システム障害が発生した場合に備えるため、コンピュータ起動用のフロッピー ディスクを作成してください。コンピュータが CD-ROM から起動されるか、またはフロッピー ディスクから起動されるかを判断するには、まずそのコンピュータをセーフ モードで起動してみてください。障害が発生したコンピュータをフロッピー ディスクから起動するときは、回復コンソールを使用するか、またはシステム修復ディスクを用意している場合はそれを使用するかを選択します。セーフ モード、および回復または修復の各オプションの詳細については、次の「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

メモ 障害が発生したシステムを起動するためのフロッピー ディスクは、任意のバージョンの Windows または MS-DOS が動作している任意のコンピュータで、Windows 2000 セットアップ CD-ROM を使用して作成できます。これには、3.5 インチの空の 1.44 MB フォーマット済みフロッピー ディスクが 4 枚必要になります。これらのディスクに、"Windows 2000 セットアップ ブート ディスク"、"Windows 2000 セットアップ ディスク #2"、"Windows 2000 セットアップ ディスク #3"、"Windows 2000 セットアップ ディスク #4" というラベルをそれぞれ付けてください。

Windows 2000 Professional CD-ROM から作成したスタートアップ ディスクを使用して、Windows 2000 Server を起動することはできません。スタートアップ ディスクは、起動しようとするコンピュータのオペレーティング システムと一致している必要があります。

サーバー起動用のフロッピーディスクを作成するには

  1. 任意のバージョンの Windows または MS-DOS が動作している任意のコンピュータに、空の 1.44 MB フォーマット済みフロッピー ディスクをフロッピー ディスク ドライブに挿入します。

  2. Windows 2000 の CD-ROM をドライブに挿入します。

  3. [スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

  4. [名前] ボックスに「d:\bootdisk\makeboot a:」(d: は、CD-ROM ドライブのドライブ文字を入力します) と入力し、[OK] をクリックします。

  5. 画面の指示に従います。

システムが起動しないときに使用するオプション

Windows 2000 では、システムが起動しないときに使用するさまざまなオプションが用意されています。

  1. 最初に、セーフ モードと関連するスタートアップ オプションを試みます。これらを使用すると、必要最小限のサービスだけでシステムを起動できます。特に、前回正常起動時の構成が含まれているセーフ モード オプションは、新しくインストールしたドライバがシステム起動時に問題を起こした場合に役立ちます。詳細については、次の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。

  2. セーフ モードで対処できない場合は、回復コンソールのオプションを試みます。このオプションは、操作に慣れているユーザーまたは管理者だけが使用するようにしてください。システムの起動は、セットアップ CD-ROM か、または CD-ROM から作成したフロッピー ディスクを使用して行います。起動すると回復コンソールにアクセスでき、コマンドライン インターフェイスが表示されます。このインターフェイスから、サービスの開始や停止、ローカル ドライブ (NTFS フォーマットされたドライブを含む) へのアクセスなどの操作が行えます。詳細については、後述の「回復コンソール」を参照してください。

  3. セーフ モードでも回復コンソールでもうまくいかない場合は、Windows 2000 バックアップにある [システム修復ディスク] オプションを試みます。このオプションを使用するにはあらかじめ準備が必要です。Windows 2000 バックアップにはシステム修復ディスクの作成を支援するウィザードが付属しています。システム障害が発生した場合は、セットアップ CD-ROM か、または CD-ROM から作成したフロッピー ディスクを使用してシステムを起動し、それからシステム修復ディスクを使用して主要なシステム ファイルを復元できます。

  4. セーフ モードでも回復コンソールでも対処できず、システム修復ディスクも作成していない場合には、Windows 2000 Server CD-ROM からセットアップの再実行を試みます。これによりシステムが修復できる場合もありますが、設定の一部が失われることがあります。

以下に、以上のオプションについてそれぞれ説明します。

セーフモード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップオプション

コンピュータがどうしても起動しない場合は、セーフ モードなどのスタートアップ オプションを使用して必要最小限のサービスだけでコンピュータを起動できます。コンピュータがセーフ モードで正常に起動できた場合は、設定を変更して問題を修正できます。たとえば、問題の原因と思われる新しくインストールしたドライバを削除したり、設定し直したりします。

ここでは、Windows 2000 で使用できるセーフ モードなどの高度なスタートアップ オプションについて、一覧で説明します。セーフ モードでは、使用しているファイル システムに関係なく (FAT、FAT32、または NTFS、ただし物理ディスクが正常に機能していると仮定)、すべてのパーティションにアクセスできます。

メモ リモート インストール サービスを使用してコンピュータに Windows 2000 をインストールしている場合、または既にインストールした場合、次に示す一覧のオプション以外に、リモート インストール サービスによるシステムの復元や回復に関するオプションが、高度なスタートアップ オプションに含まれることがあります。

セーフモード
基本的なファイルとドライバだけで Windows 2000 を起動し、ネットワークを起動しません。使用されるドライバおよびファイルは、マウス、ディスプレイ、キーボード、大容量ストレージ、基本ビデオ、および既定のシステム デバイス用のものです。セーフ モードではブート ログも保存されます (この一覧で後述する「ブート ログ有効」を参照してください)。

セーフモードとネットワーク
基本的なファイルとドライバだけで Windows 2000 を起動します (前述のオプションを参照してください) が、ネットワーク サポートも含まれます。セーフ モードとネットワークでは、ブート ログも保存されます (この一覧で後述する「ブート ログ有効」を参照してください)。

セーフモードとコマンドプロンプト
基本的なファイルとドライバだけで Windows 2000 を起動し (前述の「セーフ モード」を参照してください)、ネットワーク化は行わず、コマンド プロンプトだけを表示します。セーフ モードとコマンド プロンプトでは、ブート ログも保存されます (この一覧で後述する「ブート ログ有効」を参照してください)。

ブートログ有効
ロード中のデバイスおよびサービスのブート ログを作成します。ログは Ntbtlog.txt というファイル名でシステム ルートに保存されます。システム ルートとは Windows 2000 がインストールされているフォルダのことで、通常は \Winnt です。

VGA モードを有効にする
基本的な VGA (ビデオ) ドライバを使用して Windows 2000 を起動します。このモードは、ビデオ カード用の新しいドライバをインストールして Windows 2000 が正しく起動しなくなった場合に役立ちます。Windows 2000 をセーフ モードで起動すると、どのセーフ モードでも常に基本ビデオ ドライバが使用されます。

コンピュータをセーフ モード オプションで起動してからリムーバブル ストレージでバックアップ プログラムを実行しようとしている場合、使用できるセーフ モード オプションは、VGA モードを有効にする、前回正常起動時の構成、およびディレクトリ サービス復元モードだけです。

前回正常起動時の構成
前回のシャットダウン時に Windows によって保存された設定 (レジストリ情報) を使用して、Windows 2000 を起動します。前回正常起動時の構成は、設定が正しくない場合にだけ使用してください。このオプションではドライバやファイルの破損または消失による問題は解決できません。

重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

コンピュータをセーフ モード オプションで起動してからリムーバブル ストレージでバックアップ プログラムを実行しようとしている場合、使用できるセーフ モード オプションは、前回正常起動時の構成、VGA モードを有効にする、およびディレクトリ サービス復元モードだけです。

ディレクトリサービス復元モード
ドメイン コントローラ上に Active Directory を復元します。このオプションは Windows 2000 Professional 上またはメンバ サーバー上では使用できません。

コンピュータをセーフ モード オプションで起動してからリムーバブル ストレージでバックアップ プログラムを実行しようとしている場合、使用できるセーフ モード オプションは、ディレクトリ サービス復元モード、前回正常起動時の構成、および "VGA モードを有効にする" だけです。

デバッグモード
Windows 2000 の起動中に、シリアル ケーブルを介して別のコンピュータにデバッグ情報を送ります。

セーフモードなどのスタートアップオプションを使用する
セーフ モードなどの高度なスタートアップ オプションの詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。

セーフモードで、またはほかの高度なスタートアップオプションを使用してコンピュータを起動するには

  1. コンピュータを再起動します。

  2. 画面の一番下に、F8 キーを押してスタートアップ オプションを選択するよう指示されます。F8 キーを押します。

  3. 使用したいスタートアップ オプションを矢印キーで選択し、Enter キーを押します。数値キー パッド上の矢印キーを使用できるように NumLock キーを解除しておいてください。

    選択をせずにスタートアップ処理に戻るには、Esc キーを押します。

  4. 起動に使用する Windows 2000 オペレーティング システムを矢印キーで選択します。

    セーフ モード オプションを選択する場合は、バージョンとして Windows 2000 を選択します。Windows 2000 より前のバージョンの Windows は選択しないでください。

問題の原因が新しくインストールしたドライバにある場合は、コンピュータを前回正常起動時の構成で起動して、ドライバに関する問題を調査します。ドライバ以外の問題が原因の場合には、セーフ モードでコンピュータを起動した後に、イベント ビューアやコントロール パネル、バックアップなどのツールを使用して診断を試み、問題を修正してください。

回復コンソール

セーフ モードなどのスタートアップ オプションで対処できない場合は、回復コンソールを使用してみます。ただしこの方法は、問題を起こしたドライバやファイルについてその原因や場所を特定する基本的なコマンドを使用できるような、操作に慣れているユーザーまたは管理者だけが実行するようにしてください。回復コンソールはコマンド ライン コンソールで、セットアップ CD-ROM (コンピュータの CD-ROM ドライブから起動できる場合) か、または CD-ROM から作成したフロッピー ディスクを使用してコンピュータを起動した後に使用できます。セットアップ CD-ROM からフロッピー ディスクを作成する方法の詳細については、前述の「障害が発生したシステムを起動するためのフロッピー ディスクを作成する」を参照してください。

回復コンソールを使用するためには、管理者アカウントでログオンする必要があります。コンソールからは、ディレクトリの移動や表示などの簡単な操作から、ハード ドライブ上のブート セクタの修復にいたる強力な操作まで、さまざまなコマンドを実行できます。回復コンソールのコマンドのヘルプは、回復コンソールのコマンド プロンプトで「help」と入力すると表示できます。

回復コンソールを使用すると、サービスの開始および停止、ローカル ドライブ (NTFS フォーマットのドライブを含む) に対する読み書き、フロッピー ディスクまたは CD-ROM からのデータのコピー、ドライブのフォーマット、ブート セクタまたはマスター ブート レコードの修復など、さまざまな管理作業を実行できます。特に、システムを修復するためにフロッピー ディスクまたは CD-ROM からハード ディスクにファイルをコピーしなければならない場合、あるいはコンピュータの正常な起動の妨げとなっているサービスを設定し直さなければならない場合には、回復コンソールが便利です。たとえば回復コンソールを使用して、上書きされたり破損したドライバ ファイルをフロッピー ディスク上の正常なコピーに置き換えることができます。

バックアップを使用してシステム状態をバックアップすると、そのたびにレジストリのコピーが systemroot\Repair の下のサブフォルダ内にあるローカル システム パーティションに置かれます。回復コンソールを使用すると、ファイルを systemroot\Repair から systemroot\system32\config (レジストリ自身の場所) にコピーできます。この後、レジストリには、前回システム状態をバックアップしたときのレジストリ情報が格納され、それ以降の変更内容は失われます。

重要 回復コンソールの機能は非常に強力なため、操作に慣れているユーザーまたは管理者だけが使用するようにしてください。

回復コンソールの使用
回復コンソールの詳細については、前節の「回復コンソール」を参照してください。回復コンソールは、コンピュータの起動に問題があった場合にその対処法として起動できます。または、正常に機能しているコンピュータに回復コンソールをインストールすることで、スタートアップ オプションとして使用することもできます。

回復コンソールを起動したら、管理者パスワードでログオンする必要があります。

重要 回復コンソールの機能は非常に強力なため、操作に慣れているユーザーまたは管理者だけが使用するようにしてください。

コンピュータを起動して回復コンソールを使用するには

  1. Windows 2000 セットアップ CD-ROM、または CD-ROM から作成した 1 枚目のフロッピー ディスクを、対応するドライブに挿入します。CD-ROM ドライブからの起動ができないシステムではフロッピー ディスクを使用する必要があります。

  2. コンピュータを再起動します。フロッピー ディスクを使用している場合は、プロンプトに従って順にフロッピー ディスクを挿入します。

  3. テキスト ベースのセットアップが開始されたら、画面の指示に従います。[修復] オプションを選択するか、または "R" キーを押します。

  4. プロンプトが表示されたら、"C" キーを押して回復コンソールを選択します。

  5. 指示に従い、システム起動用に作成したフロッピーを再び順に挿入します。

  6. 複数のオペレーティング システムがインストールされたシステムを使用している場合は、回復コンソールからのアクセスを必要とする Windows 2000 を選択します。

  7. プロンプトが表示されたら、管理者パスワードを入力します。

  8. システム プロンプトで回復コンソールのコマンドを入力します。「help」と入力するとコマンドの一覧が表示されます。「help コマンド名」と入力すると、指定したコマンドのヘルプが表示されます。

  9. 回復コンソールを終了してコンピュータを再起動するには、"exit" と入力します。

正常に機能しているコンピュータのスタートアップ オプションとして回復コンソールをインストールするには

  1. Windows 2000 の実行中に、Windows 2000 の CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。

  2. [スタート] ボタンをクリックしてから [ファイル名を指定して実行] をクリックします。

  3. [名前] ボックスに次のように入力します。

    「d:\i386\winnt32 /cmdcons」(ただし、"d:" は使用している CD-ROM ドライブ名)

  4. 画面の指示に従います。

    回復コンソールを実行するには、コンピュータを再起動し、使用可能なオペレーティング システムの一覧から回復コンソール オプションを選択します。

システム修復ディスク

システムが起動せず、セーフ モード (あるいは回復コンソール) を使用しても対処できない場合は、Windows 2000 バックアップにある [システム修復ディスク] オプションを試みます。Windows 2000 バックアップには、システム修復ディスクの作成を支援するウィザードが付属しています。システム障害が発生した場合は、セットアップ CD-ROM か、または CD-ROM から作成したフロッピー ディスクを使用してシステムを起動し、それからシステム修復ディスクを使用して主要なシステム ファイルを復元できます。

システムで発生する恐れのあるディスク障害などの深刻な問題に備えるための準備方法の詳細については、前述の「バックアップその他の保護手段」を参照してください。または、バックアップのヘルプも参照できます。バックアップを起動するには、[スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[アクセサリ] をポイントし、[システム ツール] をポイントしてから、[バックアップ] をクリックします。

コンピュータが正常に動作しているときにシステム修復ディスクを作成しておくことで、システム ファイルを修復しなければならなくなった場合に備えることができます。ただし、この方法で修復可能な項目は、システム ファイルやパーティション ブート セクタ、スタートアップ環境など、基本的なシステム項目に限られています。システム修復ディスクはデータやプログラムのバックアップをするものではなく、正規のシステム バックアップの代わりの手段となるものではありません。

システム修復ディスクの作成にバックアップを使用する
システム修復ディスクを作成するには、Windows 2000 バックアップ プログラムを使用します。この方法で修復可能な項目は限られています。詳細については、前節の「システム修復ディスク」を参照してください。

バックアップを起動してシステム修復ディスクを作成するには

  1. 空の 1.44 MB フォーマット済みフロッピー ディスクを準備します。

  2. Windows 2000 で [スタート] ボタンをクリックします。

  3. [スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[アクセサリ] をポイントし、[システム ツール] をクリックしてから、[バックアップ] をクリックします。

  4. [ウィザード] タブの [システム修復ディスク] をクリックします。

  5. 画面に表示される指示に従います。

重要 セットアップが完了すると、元のシステム設定に関する情報がシステム パーティション上の systemroot\Repair フォルダに保存されます。このフォルダの情報は、システム修復ディスクを使用してシステムを修復する際に修復プロセスの中で使用されることがあります。このため、このフォルダを変更したり削除したりしないでください。

システム修復ディスクを使用したシステムの修復

システム修復ディスクをあらかじめ用意しておけば、Windows 2000 セットアップ CD-ROM か、または CD-ROM から作成したフロッピー ディスクを使用してシステムを起動した後に、システム修復ディスクを使用してシステム ファイルの修復ができます。セットアップ CD-ROM からフロッピー ディスクを作成する方法の詳細については、前述の「障害が発生したシステムを起動するためのフロッピー ディスクを作成する」を参照してください。システム修復ディスクの作成の詳細については、前述の「システム修復ディスクの作成にバックアップを使用する」を参照してください。

システム修復ディスクを使用してシステムを修復するには

  1. Windows 2000 セットアップ CD-ROM、または CD-ROM から作成した 1 枚目のフロッピー ディスクを、対応するドライブに挿入します。CD-ROM ドライブからの起動ができないシステムではフロッピー ディスクを使用する必要があります。

  2. コンピュータを再起動します。フロッピー ディスクを使用している場合は、プロンプトに従って順にフロッピー ディスクを挿入します。

  3. テキスト ベースのセットアップが開始されたら、画面の指示に従います。[修復] オプションを選択するか、または "R" キーを押します。

  4. プロンプトが表示されたら、Windows 2000 セットアップ CD-ROM を対応するドライブに挿入します。

  5. プロンプトが表示されたら、"R" キーを押して [緊急時修復処理] を選択します。

    プロンプトが表示されたら、次のどちらかを選択します。

    • 手動修復 ("M" キーを押す)。このオプションは操作に慣れているユーザーまたは管理者だけが選択してください。このオプションでは、システム ファイル、パーティション ブート セクタの問題、およびスタートアップ環境の問題を修復できます。

    • 高速修復 ("F" キーを押す)。このオプションは最も簡易なオプションであり、ユーザー入力を必要としません。このオプションを選択すると、 システム修復ディスク プログラムは、システム ファイル、システム ディスク上のパーティション ブート セクタ、およびスタートアップ環境 (複数のオペレーティング システムがインストールされているシステムの場合) に関する問題の修復を試みます。

  6. 画面の指示に従います。画面に指示が表示されたら、システム修復ディスクを対応するドライブに挿入します。

    修復処理では、失われたファイルや壊れたファイルが、Windows 2000 CD-ROM からのファイル、またはシステム パーティション上の systemroot\Repair フォルダからのファイルに置き換えられます。これらのファイルの置き換えによってセットアップ後の設定変更が反映されるわけではありません。

  7. 画面の指示に従います。

    システムの損傷の度合いを診断できるように、"障害" または "不正" として検出されたファイルの名前を書き留めておきます。

  8. 修復が正常に終了すると、処理が完了します。

    コンピュータが再起動できれば、置き換えられたファイルがハード ディスクに正常にコピーされたことになります。

修復オプションとしてセットアップを使用する

システム修復ディスクを準備していない場合でも、Windows 2000 Server CD-ROM からセットアップを再実行することにより、システム ファイルの修復を試みることができます。これによりシステムが修復できる場合もありますが、設定の一部が失われることがあります。

セットアップを本来の使用方法で実行すると、その時点でシステム設定に関する情報がシステム パーティション上の systemroot\Repair フォルダに保存されています。この情報は、損傷を受けたシステム ファイルのあるシステムでセットアップを再実行した場合に使用できます。

セットアップを再度実行するには、前述の「システム修復ディスクを使用したシステムの修復」の手順を利用し、システム修復ディスクをディスク ドライブに挿入する手順を省略してください。

ドメインコントローラの保護と復元

"ドメイン" とは、1 つのドメイン名とセキュリティ境界の配下にあるアカウントおよびネットワーク リソースの集合体のことです。"ドメイン コントローラ" とは、与えられたドメイン内にあるユーザー アカウントなどの Active Directory データを保持しているサーバーのことです。ドメイン コントローラの保護や復元を行うためには、特定の手順を実行する必要があります。

ドメイン コントローラの保護

サーバーの保護の詳細については、前述の「バックアップその他の保護手段」を参照してください。ドメイン コントローラ上の Active Directory 情報を保護するには次に示す 2 つの方法があり、これらは同時に実行できます。

  • Windows 2000 バックアップを使用してドメイン コントローラ上にシステム状態をバックアップします。ドメイン コントローラの場合、システム状態に Active Directory 情報が含まれています。バックアップの詳細については、前述の「バックアップ プログラムを起動する」および「レジストリなどのシステム状態情報をバックアップする」を参照するか、またはバックアップのヘルプを参照してください。

  • ドメイン内に複数のドメイン コントローラを設置します。あるドメイン コントローラに問題が起きても、別のドメイン コントローラ上に格納されている Active Directory 情報を使用して、問題を起こしたドメイン コントローラを復元できます。Active Directory およびドメイン コントローラの詳細については、「Windows 2000 Server ヘルプ」を参照してください。

ドメインコントローラの復元
ドメイン コントローラが損傷して復元が必要になった場合は、まず前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」で説明した方法で修復を試みます。

システムを修復するのが困難な場合は、Windows 2000 Server を再インストールし、ドメイン コントローラ上に Active Directory 情報を復元することもできます。

ドメイン コントローラにハードウェア上の問題の可能性があり、再構築しなければならない場合には、必ずディスク ボリュームの個数とサイズが以前のシステムと同じか、またはそれ以上になるようにしてください。

Active Directory 情報を復元するには、次の 2 つの方法があります。

  • バックアップ メディアを使用してシステム状態を復元します。ドメイン コントローラの場合、システム状態に Active Directory 情報が含まれています。バックアップの使用の詳細については、前述の「バックアップ プログラムを起動する」および「レジストリなどのシステム状態情報をバックアップする」を参照するか、またはバックアップのヘルプを参照してください。

  • ドメイン内に別のドメイン コントローラがある場合は、損傷を受けたシステム上に Windows 2000 Server を再インストールした後、そのシステムをドメイン内のドメイン コントローラにします。このようにすると、既存のドメイン コントローラから新しく再インストールしたドメイン コントローラに、自動的に Active Directory がコピーされます。詳細については、「Windows 2000 ヘルプ」の「Active Directory」、および Active Directory サポート ツールのトピックを参照してください。Active Directory サポート ツールは、『Microsoft Windows 2000 Resource Kit』に付属しています。Resource Kit の詳細については、このマニュアルの「第 1 章 はじめに」を参照してください。

バックアップメディアからの Active Directory の復元
ドメイン コントローラ上に Active Directory 情報を復元しなければならない場合に、バックアップを使用してシステム状態を復元する方法があります。この方法では、Active Directory、ファイル レプリケーション サービス (Sysvol を含む)、および証明書サービス (インストールされている場合) が復元されます。バックアップの使用の詳細については、前述の「バックアップ プログラムを起動する」、およびバックアップのヘルプを参照してください。

ドメイン コントローラ コンピュータが正しく動作しないために交換した場合や、ネットワーク アダプタを交換した場合には、ネットワーク設定を手動で設定し直さなければならないことがあります。

ドメイン コントローラにハードウェア上の問題の可能性があり、再構築しなければならない場合には、必ずディスク ボリュームの個数とサイズが以前のシステムと同じか、またはそれ以上になるようにしてください。システムの再構築を空のハード ディスクから行わなければならない場合は、まず Windows 2000 Server を以前と同じディスクにインストールしてから、損傷したシステムと同じパーティションおよびボリュームを作成し直し、最後に Active Directory 情報を復元します。

ドメイン コントローラ上にシステム状態データを復元するには、まずコンピュータをディレクトリ サービス復元モードで起動します。このモードを使用すると、Sysvol ディレクトリと Active Directory を復元できます。詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。

バックアップを使用してファイルを復元するときは、次の点に注意してください。

  • バックアップを使用したシステム状態データの復元はローカル コンピュータ上でのみ実行でき、リモート コンピュータ上では実行できません。

  • ファイルやフォルダをバックアップするためには、管理者またはバックアップ オペレータでログオンする必要があります。

  • システム状態データには、レジストリや Active Directory などの主要なシステム コンポーネントが含まれています。これらのコンポーネントのバックアップと復元をする場合は、システム状態データをバックアップする必要があります。

  • システム状態データを復元する際、復元するデータの代替場所を指定しなかった場合、バックアップ プログラムはコンピュータに現在残されているシステム状態データを消去し、復元しようとしているシステム状態データに置き換えます。また、システム状態データを復元する代替場所を指定した場合でも、代替場所に復元されるのは、レジストリ ファイル、Sysvol、ディレクトリ ファイル、およびシステム スタートアップ ファイルだけです。Active Directory データベース、証明書サービス データベース、および COM+ クラス登録データベースは、代替場所を指定しても復元されません。

  • 管理者およびバックアップ オペレータは、暗号化されたファイルやフォルダを解読をせずに復元できます。

もう 1 つのドメインコントローラによる Active Directory の復元
ドメイン コントローラを復元するには、まず損傷を受けたシステムに Windows 2000 Server を再インストールしてそれをドメイン コントローラにし、Active Directory から正しい情報が自動的にコピーできるようにします。これには、まず既存のドメイン コントローラ上でサイトおよびサービスを使用し、古いドメイン コントローラへの参照をすべて削除します。サイトおよびサービスを開くには、[スタート] ボタンをクリックし、[プログラム] をポイントします。次に、[管理ツール] をポイントし、[Active Directory サイトとサービス] をクリックします。削除が完了したら、損傷を受けたシステム上で Windows 2000Server を再インストールします。このサーバー上で Active Directory インストール ウィザードを使用して Active Directory を再インストールし、サーバーをドメイン コントローラに昇格させます。Active Directory および Sysvol はドメイン コントローラからのレプリケーションによって最新のものになります。

詳細については、「Windows 2000 ヘルプ」の「Active Directory」、および Active Directory サポート ツールのトピックを参照してください。Active Directory サポート ツールは、『Microsoft Windows 2000 Resource Kit』に付属しています。Resource Kit の詳細については、このマニュアルの「第 1 章 はじめに」を参照してください。

ハードウェア互換性リストを使用する

Windows 2000 ハードウェア互換性リスト (HCL) は、Windows 2000 に対する動作の安定性や互換性について既に広範囲なテストを受けているシステムおよびハードウェアの一覧です。Microsoft 製品サポート サービスでは、対象システムが Windows 2000 の使用についてサポートされているかどうかを判断する際の参考資料として、この HCL を使用しています。Windows 2000 のインストール時に問題が起きた場合は、トラブルシューティングの最初の手順として、コンピュータに搭載されているすべてのハードウェア コンポーネントがこの一覧に含まれているか確認してください。

Windows 2000 と同時にリリースされた HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。

最新版の HCL は次の場所で入手できます。

メモ コンピュータのデバイスに関する情報を記録する方法の手順については、このマニュアルの「第 3 章 Windows 2000 Server のインストール計画の作成」で説明しているデバイス インベントリの収集に関する節を参照してください。

ストップメッセージのトラブルシューティング

ここでは、Windows 2000 でシステム エラーの原因となるストップ メッセージについて、そのトラブルシューティングの手順の概要を示します。システム エラーが発生するとコンピュータが応答しなくなり、青または黒の画面上にメッセージが表示されます。

ストップメッセージのトラブルシューティング : 一般的な方針
ここでは、ストップ メッセージのトラブルシューティングの一般的な方法について説明します。ストップ エラーのうち、テキストが表示されないもの、あるいは具体的なトラブルシューティング方法が表示されないものについては、ここで説明する手順に従ってください。1 つの手順を実行した後も繰り返しストップ メッセージが表示される場合は、その次の手順に進んでください。

テキストで表示される具体的なストップ エラーのトラブルシューティングの詳細については、後述の「具体的なストップ エラーのトラブルシューティング」を参照してください。または、『Microsoft Windows 2000 Resource Kit』を参照してください。

  1. 最新のウイルス保護ソフトウェアを使用して、コンピュータ上にウイルスがないか調べます。

    ウイルスが検出された場合は、必要な手順を実行してコンピュータからウイルスを取り除いてください。ウイルス除去の手順についてはウイルス除去ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

  2. Windows 2000 を起動できる場合は、イベント ビューアをチェックして、問題の原因となっているデバイスまたはドライバを特定するために役立つエラー メッセージがあるかどうか調べます。システム ログを調べるには、[スタート] ボタンをクリックして [設定] をポイントし、[コントロール パネル] をクリックします。そして [管理ツール] をダブルクリックして、[イベント ビューア] をダブルクリックします。

    イベント ビューアでイベントの説明を表示するには、イベントをダブルクリックします。

  3. 新しくインストールしたドライバをすべて使用不可にし、新しく追加したプログラムをすべて削除します。

    コンピュータを起動できない場合は、前回正常起動時の構成、またはセーフ モードでの起動を試みた後、新しく追加したプログラムやドライバを削除または使用不可にしてください。

    詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。セーフ モードで起動できない場合は、前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

  4. 新しくインストールしたすべてのハードウェア (RAM、アダプタ、ハード ディスク、モデムなど) を取り除きます。

  5. ハードウェア デバイス用のドライバを更新していること、および、最新のシステム BIOS を使用していることを確認します。これらのドライバや BIOS は、デバイスのメーカーに問い合わせて入手してください。

  6. コンピュータ メーカーから提供されているシステム診断プログラムを実行し、特にメモリをチェックします。

  7. Microsoft ハードウェア互換性リスト (HCL) を調べ、すべてのハードウェアおよびドライバが Windows 2000 と互換性を持っていることを確認します。

    HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。

  8. BIOS のメモリ キャッシュ機能を無効にします。手順の詳細についてはハードウェア メーカーに問い合わせてください。

  9. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、ストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000000A」などのストップ メッセージ番号を入力してください。

具体的なストップ エラーのトラブルシューティング

次の節では、具体的なストップ メッセージのトラブルシューティング方法について説明します。

ストップメッセージ 0x0000000A

ストップメッセージ番号

(0x0000000A)

説明テキスト

IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL

主な原因

ドライバがメモリ アドレスを正しく使用していない。

既存のインストールに対するストップ メッセージ 0x0000000A に対処するには

  1. Windows 2000 を起動できる場合は、イベント ビューアをチェックして、問題の原因となっているデバイスまたはドライバを特定するために役立つエラー メッセージがあるかどうか調べます。システム ログを調べるには、[スタート] ボタンをクリックして [設定] をポイントし、[コントロール パネル] をクリックします。そして [管理ツール] をダブルクリックして、[イベント ビューア] をダブルクリックします。

  2. 新しくインストールしたドライバをすべて使用不可にし、新しく追加したプログラムをすべて削除します。

    コンピュータを起動できない場合は、前回正常起動時の構成、またはセーフ モードでの起動を試みた後、新しく追加したプログラムやドライバを削除または使用不可にしてください。

    詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。セーフ モードで起動できない場合は、前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

  3. 新しくインストールしたすべてのハードウェア (RAM、アダプタ、ハード ディスク、モデムなど) を取り除きます。

  4. ハードウェア デバイス用のドライバを更新していること、および、最新のシステム BIOS を使用していることを確認します。これらのドライバや BIOS は、デバイスのメーカーに問い合わせて入手してください。

  5. ハードウェア ベンダから提供されているシステム診断プログラムを実行し、特にメモリをチェックします。

  6. Microsoft ハードウェア互換性リスト (HCL) を調べ、ハードウェアとそのドライバが Windows 2000 と互換性を持っていることを確認します。

    HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。

  7. BIOS のメモリ キャッシュ機能を無効にします。手順の詳細についてはハードウェア メーカーに問い合わせてください。

  8. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000007F」と入力してください。

ストップメッセージ 0x0000000A

ストップメッセージ番号

(0x0000000A)

説明テキスト

IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL

主な原因

ドライバがメモリ アドレスを正しく使用していない。

新規のインストールに対するストップ メッセージ 0x0000000A に対処するには

  1. インストール処理の中で、"セットアップはコンピュータのハードウェア設定を調べています" というメッセージが表示されたら F5 キーを押します。プロンプトが表示されたら正しいコンピュータの種類を選択します。たとえば、シングルプロセッサのコンピュータであれば [標準 PC] を選択します。

  2. BIOS のメモリ キャッシュ機能を無効にします。手順の詳細についてはハードウェア メーカーに問い合わせてください。

  3. コンピュータの起動と Windows 2000 Server のインストールに必ずしも必要のないアダプタおよびハードウェア デバイスをすべて取り外します。

  4. SCSI アダプタを使用している場合は、Windows 2000 Server 用の最新のドライバをアダプタのベンダから入手してください。また、同期通信を無効にする、ターミネータを確認する、デバイスの SCSI ID を確認する、などを実行します。

  5. IDE デバイスを使用している場合は、オンボードの IDE ポートをプライマリのみに定義します。IDE デバイスの Master/Slave/Only の設定を調べます。ハード ディスク以外の IDE デバイスをすべて取り外します。

  6. ハードウェア ベンダから提供されているシステム診断プログラムを実行し、特にメモリをチェックします。

  7. Microsoft ハードウェア互換性リスト (HCL) を調べ、ハードウェアとそのドライバが Windows 2000 と互換性を持っていることを確認します。

    HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。

  8. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000000A」と入力してください。

ストップメッセージ 0x0000001E

ストップメッセージ番号

(0x0000001E)

説明テキスト

KMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED

主な原因

このメッセージではいくつかの原因が考えられる。この手順の後の段落を参照のこと。

ストップ メッセージ 0x0000001E に対処するには

  1. 十分なディスク容量があることを確認します。新規インストールの場合は特に確認します。

  2. ストップ メッセージで示されたドライバをすべて使用不可にするか、または新しくインストールしたドライバをすべて使用不可にします。

    コンピュータを起動できない場合は、前回正常起動時の構成、またはセーフ モードでの起動を試みた後、新しく追加したプログラムやドライバを削除または使用不可にしてください。

    詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。セーフ モードで起動できない場合は、前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

  3. Microsoft から提供されている以外のビデオ ドライバを使用している場合は、標準の VGA ドライバか、または Windows 2000 に付属の適切なドライバへの切り替えを試みてください。

  4. 最新のシステム BIOS を使用していることを確認します。手順の詳細についてはハードウェア メーカーに問い合わせてください。

  5. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000001E」 と入力してください。

ストップメッセージ 0x00000023 および 0x00000024

ストップメッセージ番号

(0x00000023) または (0x00000024)

説明テキスト

FAT_FILE_SYSTEM または NTFS_FILE_SYSTEM

主な原因

ドライブが著しく断片化されている、ファイル I/O が遅い、ある種のドライブ ミラーリング ソフトウェアまたはウイルス除去ソフトウェアが存在する。

ストップ メッセージ 0x00000023 および 0x00000024 に対処するには

  1. ウイルス除去プログラムやバックアップ プログラムを使用不可にし、断片化除去ユーティリティを使用不可にします。

  2. CHKDSK /f を実行してからコンピュータを再起動し、ハード ドライブが破損していないか確認します。

  3. スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x00000023」または「stop 0x00000024」と入力してください。

ストップメッセージ 0x0000002E

ストップメッセージ番号

(0x0000002E)

説明テキスト

DATA_BUS_ERROR

主な原因

システム メモリ内でパリティ エラーが発生した。

ストップ メッセージ 0x0000002E に対処するには

  1. ハードウェア ベンダから提供されているシステム診断プログラムを実行し、特にメモリをチェックします。

  2. BIOS のメモリ キャッシュ機能を無効にします。手順の詳細についてはハードウェア メーカーに問い合わせてください。

  3. セーフ モードでの起動を試みます。

    詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」、および「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

    セーフ モードでコンピュータを起動できない場合は、標準 VGA ドライバへの切り替えを試みます。それでも問題が解決しない場合には、ほかのビデオ アダプタに変更しなければならない可能性があります。

    サポートされているビデオ アダプタの一覧については、ハードウェア互換性リスト (HCL) を参照してください。HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。

  4. ハードウェア デバイス用のドライバを更新していること、および、最新のシステム BIOS を使用していることを確認します。これらのドライバや BIOS は、デバイスのメーカーに問い合わせて入手してください。

  5. 新しくインストールしたすべてのハードウェア (RAM、アダプタ、ハード ディスク、モデムなど) を取り除きます。

  6. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000002E」と入力してください。

ストップメッセージ 0x0000003F

ストップメッセージ番号

(0x0000003F)

説明テキスト

NO_MORE_SYSTEM_PTES.

主な原因

ドライバの後始末処理が正しく行われていない。

ストップ メッセージ 0x0000003F に対処するには

  • ディスクへのアクセス頻度の高い、断片化除去、ウイルス保護、バックアップなどの各種ユーティリティ アプリケーションなど、最近インストールしたソフトウェアをすべて取り除きます。

    Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000003F」と入力してください。

    ストップメッセージ 0x00000058

    ストップメッセージ番号

    (0x00000058)

    説明テキスト

    FTDISK_INTERNAL_ERROR

    主な原因

    フォールト トレランス セット内のプライマリ ドライブに障害がある。

ストップ メッセージ 0x00000058 に対処するには

  1. Windows 2000 スタートアップ フロッピー ディスクを使用して、ミラー化したほうの (セカンダリの) システム ドライブからコンピュータを起動します。

  2. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x00000058」と入力してください。

ストップメッセージ 0x0000007B

ストップメッセージ番号

(0x0000007B)

説明テキスト

INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE

主な原因

I/O システムの初期化中に問題が発生した。通常はスタートアップ デバイスやファイル システムに問題がある。

ストップ メッセージ 0x0000007B に対処するには

  1. コンピュータにウイルスが存在しないか確認します。ブート セクタ内にウイルスが存在するときは、このストップ メッセージが頻繁に表示されます。

  2. ドライブの修復方法の詳細については、前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」および「回復コンソール」を参照してください。

  3. 新しく追加したハード ドライブやコントローラをすべて取り除きます。

  4. SCSI アダプタを使用している場合は、Windows 2000 Advanced Server 用の最新のドライバをアダプタのベンダから入手してください。また、同期通信を無効にする、ターミネータを確認する、デバイスの SCSI ID を確認する、などを実行します。

  5. IDE デバイスを使用している場合は、オンボードの IDE ポートをプライマリのみに定義します。IDE デバイスの Master/Slave/Only の設定を調べます。ハード ディスク以外の IDE デバイスをすべて取り外します。

  6. CHKDSK を実行します。

    ファイル システムが壊れている可能性があります。Windows 2000 で CHKDSK を実行できない場合には、ドライブを Windows 2000 が動作している別のコンピュータに移動し、そのドライブで CHKDSK コマンドを実行しなければならないこともあります。

  7. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000007B」と入力してください。

STOP ブートセクタ 0x0000007F

ストップメッセージ番号

(0x0000007F)

説明テキスト

UNEXPECTED_KERNEL_MODE_TRAP

主な原因

ハードウェアまたはソフトウェアに問題がある。ほとんどはハードウェアの障害である。

STOP ブート セクタ 0x0000007F に対処するには

  1. ハードウェア ベンダから提供されているシステム診断プログラムを実行し、特にメモリをチェックします。このストップ メッセージは、メモリ障害またはメモリ内容の不一致が発生した場合にしばしば表示されます。

  2. BIOS のメモリ キャッシュ機能を無効にします。手順の詳細についてはハードウェア メーカーに問い合わせてください。

  3. ハードウェア、RAM、コントローラ、アダプタ、モデムなどの周辺機器の除去または交換を試みます。

  4. Microsoft ハードウェア互換性リスト (HCL) を調べ、ハードウェアとそのドライバが Windows 2000 と互換性を持っていることを確認します。

    HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。この問題はコンピュータのマザーボードに互換性がないために起こることがあります。

  5. コンピュータを再起動します。スタートアップ画面で F8 キーを押して高度なスタートアップ オプションを選択してから、[前回正常起動時の構成] を選択します。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x0000007F」と入力してください。

ストップメッセージ 0x000000B4

ストップメッセージ番号

(0x000000B4)

説明テキスト

VIDEO_DRIVER_INIT_FAILURE

主な原因

ビデオ ドライバが正しくない、壊れている、見つからない、または使用不可にされている。

ストップ メッセージ 0x000000B4 に対処するには

  1. コンピュータをセーフ モード、または "VGA モードを有効にする" で起動することを試みます。

    詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。セーフ モード、または "VGA モードを有効にする" でコンピュータを起動できない場合は、前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

  2. コンピュータをセーフ モードで起動できる場合は、[ハードウェアの追加と削除] を使用してビデオ ドライバをインストール解除してください。[ハードウェアの追加と削除] にアクセスするには、[スタート] ボタンをクリックし、[設定] をポイントします。次に、[コントロール パネル] をクリックし、[ハードウェアの追加と削除] をクリックします。

    上記の手順が完了したら、次のいずれかの方法でビデオ ドライバを再インストールします。

    • ビデオ アダプタがプラグ アンド プレイに対応していないことがわかっている場合は、セーフ モード、または "VGA モードを有効にする" でビデオ ドライバを再インストールしてみます。上記の手順で紹介した [ハードウェアの追加と削除] を使用してドライバを再インストールしてから、コンピュータを再起動します。

    • ビデオ アダプタがプラグ アンド プレイに対応していることがわかっている場合は、ドライバをインストール解除してからコンピュータを再起動します。この場合、ビデオ アダプタの検出時にドライバが自動的に再インストールされます。

    • ビデオ アダプタがプラグ アンド プレイに対応しているかどうかがわからない場合には、コンピュータを再起動してみます。再起動後もディスプレイが正常に機能しない場合は、セーフ モード、または "VGA モードを有効にする" で再度起動した後、上記の手順で紹介した [ハードウェアの追加と削除] を使用してドライバを再インストールし、最後にコンピュータを再起動します。

    サポートされているビデオ アダプタの一覧については、ハードウェア互換性リスト (HCL) を参照してください。HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x000000B4」と入力してください。

ストップメッセージ 0x000000BE

ストップメッセージ番号

(0x000000BE)

説明テキスト

ATTEMPTED_WRITE_TO_READONLY_MEMORY

主な原因

ドライバが正しくない、壊れている、または正常に機能しない。

ストップ メッセージ 0x000000BE に対処するには

  1. ストップ メッセージで示されたドライバをすべて使用不可にするか、または新しくインストールしたドライバをすべて使用不可にします。

    コンピュータを起動できない場合は、前回正常起動時の構成、またはセーフ モードでの起動を試みた後、新しく追加したプログラムやドライバを削除または使用不可にしてください。

    詳細については、前述の「セーフ モード、前回正常起動時の構成、その他のスタートアップ オプション」を参照してください。セーフ モードで起動できない場合は、前述の「システムが起動しないときに使用するオプション」を参照してください。

    重要 前回正常起動時の構成を使用すると、前回正常に行われたスタートアップ以降に加えられたシステム設定への変更は失われます。

  2. ドライバの交換を試みます。インストール メディアに収められている正常なコピーを使用するか、またはメーカーの最新版を使用します。

Web にアクセスできる場合は、このストップ メッセージに関する最新情報を検索できます。これには、https://support.microsoft.com/kb/130801/JA/ にアクセスし、[技術情報 検索] をクリックして、ページ上の手順に従ってください。キーワードを入力するときは、「stop 0x000000BE」と入力してください。

Windows 2000 セットアップに関する一般的な質問

ここではセットアップの実行に関する最も一般的な質問について、そのいくつかを紹介します。セットアップで問題が起きた場合は、該当する回答がないかここで確認してください。

セットアップの最初の部分で Windows 2000 はどのような動作をしているのですか ?
セットアップの最初の部分 ("テキスト ベースのセットアップ" とも呼ばれます) で、Windows 2000 は基本的な情報およびドライバについて、システム アーキテクチャを調べます。次のような情報を調べます。

  • CPU の種類

  • マザーボードの種類 (PCI、VESA、MCA、EISA、または ISA)

  • ハード ディスク コントローラ

  • ファイル システム

  • ハード ドライブ上の空き領域

  • メモリ

Windows 2000 は、コンピュータが正しく動作するように、システムのスタートアップの段階で初期化が必要なデバイスをすべて探し出します。また、Windows 2000 は Windows 2000 の "ミニ" バージョンも作成します。このミニ バージョンは、コンピュータを再起動してセットアップ ウィザードを実行するために使用されます。セットアップ ウィザードはセットアップの GUI (グラフィカル ユーザー インターフェイス) 部分で、セットアップがどのような動作をしているのかを一覧表示します。

セットアップの実行中にコンピュータが停止してしまい、 "STOP" で始まる長いメッセージが表示されました。

何が起きたのでしょうか ?
テキスト モードのストップ メッセージを利用すると、Windows 2000 のロード中や実行中に発生したハードウェアおよびソフトウェアの問題を特定して修正できます。オペレーティング システムが停止したときは、原因を明らかにするストップ画面のようなメッセージが表示されたほうが好ましく、原因がわからない状態で停止してしまうのは、データの破損の可能性もあり好ましくありません。ストップ画面には、ストップ メッセージとそのテキスト説明が表示され、ユーザーと Microsoft 製品サポート サービスのエンジニアは画面から必要な情報を読み取って問題の原因と発生場所を特定することができます。

使用しているコンピュータでは CD-ROM ドライブから直接起動ができるはずなのですが、 Windows 2000 CD から起動しようとしても何も起こりません。

何がいけないのでしょうか ?
Windows 2000 の CD から直接コンピュータを起動するためには、コンピュータの BIOS が El Torito 規格の Bootable CD-ROM (エミュレーション モードなし) 形式をサポートしていることが必要です。BIOS にこの機能があるかどうかわからない場合は、コンピュータのメーカーに問い合わせて確認してください。BIOS ではスタートアップ時のイベントの順序が規定されており、CD-ROM を最初のスタートアップ デバイスとして列挙する必要があります。

デバイスや BIOS の問題のトラブルシューティング

以下に、Windows 2000 のインストールや実行を妨げる原因となる一部の種類のデバイスについて、そのトラブルシューティング情報を紹介します。

ACPI に準拠していない BIOS
コンピュータの "BIOS (基本入出力システム)" とは、オペレーティング システムがコンピュータのハードウェア デバイスとの通信に使用するソフトウェア セットのことです。"ACPI (Advanced Configuration and Power Interface)" とは、現在標準となっている BIOS の動作定義です。

ACPI 対応の BIOS で ACPI 標準に準拠していないものを使用している場合、セットアップとハードウェアとの通信が正しく動作しないことがあります。このような場合、セットアップは停止し、ハードウェア メーカーに問い合わせて問題解決のためにほかの手順を実行するよう促す指示を表示します。このような状態になった場合は表示の指示に従ってください。

BIOS および ACPI の語句の定義に関する詳細については、次の「BIOS および ACPI の定義」を参照してください。これらの語句を理解されている方は後述の「BIOS の ACPI 準拠」を参照してください。

BIOS および ACPI の定義
コンピュータの BIOS (基本入出力システム) は、オペレーティング システムがコンピュータ上のハードウェア デバイスと正常に通信できるようにするために欠かせないソフトウェア セットで、コンピュータのメーカーから提供されています。通常 BIOS を直接扱うことはあまりありませんが、BIOS はパフォーマンスを決める重要なものです。

現在標準となっている BIOS の動作定義は ACPI (Advanced Configuration and Power Interface) と呼ばれるものです。ACPI により、コンピュータの個々のデバイスのオン/オフが従来よりもずっと柔軟に行えるようになります。たとえば、Windows 2000 と ACPI BIOS を使用すると、コンピュータが一定時間の間アイドル状態になったときにディスプレイを自動的にオフにできます。ACPI は、コンピュータをキー操作で起動できるようにする OnNow 業界規格のベースにもなっています。

ACPI はプラグ アンド プレイにも対応しています。プラグ アンド プレイにより、コンピュータにハードウェア デバイスが追加されたときに、コンピュータはそれを検出して適切なデバイス ドライバ (デバイスを制御するソフトウェア) を自動的にインストールできます。

Windows 2000 は ACPI 準拠の BIOS だけでなく、従来の APM (高度電源管理) やプラグ アンド プレイ仕様に対応した BIOS もサポートしています。従来の仕様ではシステム全体を待機状態にして消費電力を少なくすることができましたが、個々のデバイスごとに待機状態にすることはできませんでした。

BIOS ACPI 準拠
ACPI BIOS は、ハードウェア デバイスに関する情報を Windows 2000 セットアップと Windows 2000 オペレーティング システムに提供します。BIOS が標準の ACPI に準拠していないと、これらの情報が正しく提供されず、ハードウェア デバイスとの通信に必要な機能を Windows 2000 で利用できないことがあります。

次の方法で、BIOS が ACPI に準拠しているかどうかを調べてください。

  • Windows 2000 のハードウェア互換性リスト (HCL) を参照して、ACPI 対応の BIOS のバージョンが ACPI に準拠しているかどうか調べます。HCL はこの情報を確実に確認できる情報源です。HCL の詳細については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」を参照してください。

  • BIOS のバージョンに関する情報は、セットアップを実行する前に、コンピュータを再起動して画面上のテキストを確認します。特に "ACPI BIOS" という文字のあるテキスト部分に注意します。

    BIOS の日付も準拠の判断に役立ちます。ACPI BIOS のバージョンが新しいほど準拠している可能性が高いといえます。

  • ハードウェアの BIOS のバージョンに関する情報は、ハードウェアのマニュアルを調べるか、ハードウェアのメーカーに問い合わせてください。

また、Windows 2000 セットアップは次のようにして BIOS の種類と ACPI への準拠を調べます。

  • BIOS が ACPI に準拠していれば、セットアップは通常どおり動作し、セットアップ後 ACPI の機能が利用できます。

  • ACPI に準拠していないことがわかっている BIOS を検出した場合でも、セットアップは動作を続けますが、この場合は ACPI の電源管理機能が存在しないとみなして BIOS との通信を行います。セットアップ完了後、Windows 2000 が実行されますが、ACPI の機能は BIOS が ACPI 準拠のものに交換されるまで非アクティブ化されます。

    セットアップ後に ACPI の電源管理機能の状態を確認するには、[スタート] ボタンをクリックし、[設定] をポイントして [コントロール パネル] をクリックしてから、[電源オプション] をダブルクリックします。電源オプションの使用の詳細については、コントロール パネルのヘルプを参照してください。

    BIOS をセットアップの実行後に更新する場合は、セットアップを再実行して ACPI の電源管理機能をアクティブ化する必要があります。この処理はごく短い時間で完了します。

  • BIOS が ACPI に準拠していないにもかかわらず、セットアップで検出されなかった場合 (BIOS がセットアップ非準拠バージョン リストに列挙されていない場合) には、セットアップは停止し、問題解決のためにハードウェア メーカーに問い合わせて、ほかの手順を実行するよう促す指示を表示します。このような状態になった場合は、表示された指示に従ってください。

プラグアンドプレイに対応していない ISA デバイス

プラグ アンド プレイに対応していない ISA デバイスがシステムに存在する場合は、それらの ISA デバイスが現在使用しているすべての IRQ を予約するように、システム BIOS を設定してください。設定ができなかった場合、次のメッセージが表示されることがあります。

INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE

場合によっては、それらの ISA デバイスが正しく機能しないことがあります。

Sound Blaster SCSI の問題

新規インストールまたはアップグレードの際、Sound Blaster SCSI カードおよび PCI SCSI カードが原因でディスプレイが青い画面となり、次のメッセージが表示されることがあります。

INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE

この現象は、既に使用中の割り込みが BIOS から SCSI カードに割り当てられるために起こります。この問題が起きた場合は、カードをいったん取り外し、インストールまたはアップグレードが完了した後にカードを再インストールしてください。

サポートされていない SCSI ドライバ

サポートされていない SCSI ドライバをスタートアップ デバイスとして使用しているコンピュータで Windows 2000 へのアップグレードを行うと、ディスプレイが青い画面となり、次のメッセージが表示されることがあります。

INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE

サポートされているハードウェアおよびドライバの詳細については、「ハードウェア互換性リスト」 (Hcl.txt) を参照してください。HCL を見るには、Windows 2000 CD-ROM の Support フォルダで Hcl.txt を開いてください。最新版の HCL については、前述の「ハードウェア互換性リストを使用する」で紹介した場所で入手できます。

ハードウェアとドライバがサポートされている場合は、このマニュアルの「第 3 章 Windows 2000 Advanced Server のインストール計画の作成」で説明している大容量ストレージ ドライバと、そのセットアップ手順を参照してください。