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Hyper-V のパフォーマンスおよび容量の要件

SharePoint 2007

更新 : 2012-01-16

ここでは、Hyper-V 仮想環境に Microsoft Office SharePoint Server 2007 を展開する際のパフォーマンス要件および容量要件に関する情報について説明します。

この記事の内容 :

謝辞

  • Enterprise Engineering Center (EEC) : Mike VanderMeer (EEC)、Kevin Engman

  • Tony Voellm、Tim Litton

はじめに

ここでは、Hyper-V ホスト上にゲストとして展開された Office SharePoint Server 2007 サーバーのパフォーマンスを、物理コンピュータ上に展開された SharePoint サーバーのパフォーマンスと比較するために実施されたテストについて説明し、Hyper-V に Office SharePoint を展開する際の推奨事項を示します。この記事で説明されているテストは SharePoint 固有のものですが、パフォーマンスの評価方法およびパフォーマンスのテスト シナリオは、仮想化するサーバー アプリケーション全般のパフォーマンス分析に役立ちます。このテスト結果とガイダンスは、IT 専門家および開発者のどちらのコミュニティにとっても有用な情報です。

このガイドで説明されているすべてのパフォーマンス テストは、Mcrosoft Enterprise Engineering Center で実施されました。Enterprise Engineering Center (EEC) は、ワシントン州レドモンドの Microsoft のメイン オフィスにある最先端のデータセンタ ラボです。EEC では、ほぼすべての運用環境を複製することができ、Microsoft 製品グループおよび顧客によって使用されています。EEC の詳細については、http://www.microsoft.com/windowsserver/evaluation/eec/default.mspx (英語) (http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132796&clcid=0x411) を参照してください。

Hyper-V 環境に SharePoint を展開してテストする前に、BizTalk Server 2006 R2 Hyper-V ガイドの以下の記事を読むことをお勧めします。

BizTalk Server 2006 R2 Hyper-V ガイドには、「Glossary (英語)」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132801&clcid=0x411) で入手できる用語集も含まれています。

Hyper-V の構成および最適化に関する推奨事項

Enterprise Engineering Center (EEC) で実施されたテストにより、Hyper-V 環境への SharePoint の展開では以下の最適化が重要であることが示されました。

  • Hyper-V ゲスト用に適切なメモリ量を構成する。 テスト実行時のパフォーマンスに最も大きく影響したのは、個々の Hyper-V イメージに割り当てる RAM 容量の変更でした。メモリ構成はハードウェア固有のものになるので、Hyper-V を使用するハードウェアに応じたメモリ構成をテストして最適化する必要があります。

    テストの最初の目標は、Hyper-V イメージを、比較対象である物理ハードウェア イメージとできる限り類似させることでした。その目標に基づいて、最初は Hyper-V イメージに 32 GB の RAM を割り当てました。これはテスト対象の物理サーバー上の RAM 容量と同じです。ただし、最初のテスト結果では、その構成を使用した場合、Hyper-V イメージが支えることのできる負荷は、物理ハードウェア上の負荷の約 70% にすぎないことが示されました。Windows Server 2008 の [カスタム ビュー]、[サーバーの役割]、[Hyper-V] で Hyper-V ホスト コンピュータのイベント ビューアを確認した後、Hyper-V イメージの RAM が複数の NUMA (Non-Uniform Memory Access) ノードに分散していることが判明しました。この情報から、メモリを複数のノードにまたがって割り当てた場合に、パフォーマンスが低下することが確認されました。さまざまな構成を試した結果、使用されているハードウェアに関して、複数の NUMA ノードにまたがらずに Hyper-V イメージに割り当て可能な RAM 容量は、最大 8 GB であることが特定されました。

    NUMA ノード

    ほとんどの場合、NUMA ノードの境界は物理 RAM 容量を論理プロセッサ (コア) 数で除算することによって特定できます。以下の記事を読むことをお勧めします。

  • Windows Server 2008 をゲスト オペレーティング システムとして使用する。 テスト用に Hyper-V イメージで使用したゲスト オペレーティング システムは、Windows Server 2008 でした。Windows Server 2008 は、Hyper-V をホストするために必要であるだけでなく、Hyper-V の最も優れたゲスト オペレーティング システムとなることを目的にした一連の最適化機能も備えています。最適化機能は、オペレーティング システムに対する拡張機能であり、メモリ管理など、オペレーティング システムの特定機能のコスト削減に役立ちます。最適化機能の詳細については、Tony Voellm のブログの投稿「Hyper-V: Integration Components and Enlightenments (英語)」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132837&clcid=0x411) を参照してください。

  • 統合コンポーネントをインストールして、テストする。 Hyper-V の統合コンポーネントは、テストに使用したすべての Hyper-V イメージにインストールされました。統合コンポーネント (IC) はドライバおよびサービスのセットです。IC は、ゲストが統合デバイスを使用できるようにすることで、VM のより一貫性のある状態の実現とパフォーマンスの向上に役立ちます。Hyper-V に付属の IC の例として、VMBus (統合デバイスのトランスポート)、Time Sync (ルート パーティション (ホスト) と同期を取る VM クロックを維持するために使用)、ビデオ ドライバ、ネットワーク ドライバ、およびストレージ ドライバを挙げることができます。IC がインストールされており、正しく機能していることを確認するために活用できるヒントについては、「Hyper-V: How to make sure you are getting the best performance when doing performance comparisons (英語)」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132838&clcid=0x411) を参照してください。

  • ホストおよびゲストに Windows Server 2008 用の Hyper-V 更新プログラム (KB950050) をインストールする。 Hyper-V ロール向けのこの更新プログラムによって、構成のセキュリティ、安定性、パフォーマンス、ユーザー環境、上位互換性、およびプログラミング モデルが改善されます。ゲスト オペレーティング システムが Windows Server 2008 である場合は、このダウンロードを Hyper-V ホストおよび Hyper-V ゲストにインストールします。この更新プログラムをゲストにインストールすると、使用可能なすべての最適化機能を最大限に活用できます。詳細については、「Windows Server 2008 リリース バージョン、ハイパー V テクノロジの更新プログラム」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132841&clcid=0x411) を参照してください。

  • IPv4 を Hyper-V ゲストのネットワーク プロトコルとして使用する。 テストでは、IPv4 だけを使用した場合に、より優れたパフォーマンスが得られました。IPv6 は、Hyper-V ホストおよびそのゲスト VM の両方の各ネットワーク カードで無効にしました。

  • 不要なホストのロールを使用しないようにする。 ホスト サーバーから不要なロールを削除します。たとえば、ホストが Web ページを提供していない場合、Web サーバー (IIS) のロールをインストールしないようにします。

  • ホスト CPU の使用を最適化する。 同一のホストで複数の Hyper-V イメージを使用する場合、物理プロセッサが効率的に使用されていることを確認するテストを実施します。ハードウェアおよびワークロードによっては、物理プロセッサに対する仮想プロセッサの割合がホスト CPU に大きな影響を与える場合があります。SharePoint テストでは、物理プロセッサに対する仮想プロセッサの割合は、1:2 でした。使用しているコンピュータのパフォーマンス メトリックの評価を入手するには、「Microsoft Assessment and Planning (MAP) toolkit (英語)」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132840&clcid=0x411) にあるツールキットを使用することをお勧めします。CPU トポロジの詳細については、Ben Armstrong のブログの投稿「Processor topology inside of Hyper-V virtual machines (英語)」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132839&clcid=0x411) を参照してください。

  • 正しいディスクを選択する。 Hyper-V 上の唯一のロールがフロントエンド Web サーバーまたはクエリ サーバーである SharePoint 実装では、ディスクのパフォーマンスはイメージがインデックスのロールまたは SQL Server データベースをホストしている場合ほど重要ではありません。イメージがインデックスのロールをホストしている場合は、容量固定の仮想ハード ディスク (VHD) を使用すると、許容範囲のパフォーマンスが得られます。容量固定の仮想ディスクでは、動的にサイズ設定されるディスクより優れたパフォーマンスを提供します。詳細については、「Hyper-V and VHD Performance - Dynamic vs. Fixed (英語)」(http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132842&clcid=0x411) を参照してください。

    また、1 つ以上のドライブを追加し、仮想 SCSI コントローラを使用して、そのドライブに接続することもできます。この場合、事実上唯一の制限は、SCSI コントローラを使用して、IDE コントローラを使用するドライブ上にインストールされている、ゲスト オペレーティング システムを含むドライブに接続できないことです。ディスク速度の優先度が高い場合は、ホスト コンピュータに物理ドライブを追加することを検討してください。Hyper-V ゲスト システムに対して、仮想ハード ドライブを追加し、ホスト上の未使用の物理ドライブにそのドライブをマップすることができます。この構成はパススルー ディスクと呼ばれ、ディスク全体の最適なスループットを実現できる可能性があります。

    Note メモ

    パススルー ディスクもやはり IDE または SCSI コントローラのどちらかに接続する必要があるので、IDE コントローラに接続されているドライブ上へのゲスト オペレーティング システムのインストールには同じ制限が適用されます。

  • SharePoint 製品とテクノロジ サーバー ファームに接続された仮想サーバーでは、Hyper-V のスナップショット機能を使用しない。これは、SharePoint が使用するタイマ サーバーがスナップショット処理中に同期しなくなり、スナップショットが終了した後で、エラーまたは不整合が発生する可能性があるためです。

Hyper-V のテスト環境とテストの戦略

Enterprise Engineering Center でのテストは、同等の物理ハードウェア構成で SharePoint を実行する場合に対して、Hyper-V イメージで SharePoint を実行する場合のパフォーマンス上の影響をできる限り詳細に評価する目的で設計されました。

Hyper-V ゲストに以下のサーバー ロールをインストールしました。

  • フロントエンド Web サーバー

  • クエリ サーバー

物理サーバーに以下のサーバー ロールをインストールしました。

  • フロントエンド Web サーバー

  • クエリ サーバー

  • SharePoint 構成とコンテンツ データベース。一部のテスト構成では、データベースにインデックス サーバーのロールを追加しました。ただし、クローラのロールに対する影響の測定はテストの範囲外であったため、クロールまたはプロファイルのインポートはスケジュールされませんでした。

ハードウェア構成をテストする

以下の表では、テストで使用したハードウェアについて説明します。SharePoint ファームで使用した各サーバーは、RAID-1 構成の 146-GB (10,000 RPM) SAS ドライブを 2 台備えています。

テストに使用されたハードウェア
サーバー名サーバーの製造元とモデル CPURAM

MOSS1

Dell PowerEdge 2970

2 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 2222SE

32 GB

MOSS2

Dell PowerEdge 2970

2 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 2222SE

32 GB

VSTT1

Dell PowerEdge 2970

2 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 2222SE

32 GB

HVHOST1

Dell PowerEdge 6950

4 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 8222SE

64 GB

SQL1

Dell PowerEdge 6950

4 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 8222SE

64 GB

DC1

Dell PowerEdge 6950

4 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 8222SE

64 GB

HVHOST2

Dell PowerEdge 6950

4 ソケット、デュアル コアの 3.0 GHz AMD Opteron 8222SE

64 GB

ソフトウェア構成をテストする

テスト システムでは、以下のソフトウェアを使用しました。

  • 64 ビット版 Windows Server 2008 Enterprise オペレーティング システムを物理サーバーおよび Hyper-V ゲストにインストールしました。

  • 64 ビット版 Microsoft SQL Server 2005 SP2 を物理サーバーにインストールしました。

  • Infrastructure Update と一緒に 64 ビット版 Microsoft Office SharePoint Server 2007 Service Pack 1 (SP1) を物理サーバーおよび Hyper-V イメージにインストールしました。

テスト計画

テスト計画は、39 個の個別テストの集合に基づいています。その集合を MicroBenchMark (MBM) テストと呼びます。これらのテストは、製品のベータ段階から開始して Office SharePoint Server 2007 のライフサイクル全体で使用されました。MBM テストは、ホーム ページ、サイト、ドキュメント ライブラリ、およびリストの表示、アイテムのダウンロードおよび更新、リスト アイテムの編集など、製品のさまざまな使用のシナリオを対象としています。各テストは、30 秒間のウォームアップ期間の後に 2 分間実行されます (これらのテストは、以前は Microsoft Application Center Test (ACT) を使用して実施されていましたが、Visual Studio 2008 Team Test を使用するように書き直されました)。

テストは単一の Active Directory フォレストとドメインの環境で実行されました。ユーザー アカウント数は 5,000 です。SharePoint データは、サイト コレクション、サイト、リスト、およびドキュメント ライブラリの標準セットと、MBM テストで使用する個人用サイトおよびプロファイルで構成されていました。このデータは、標準の SharePoint バックアップ (サイズは約 15 GB) を使用して維持され、新しいシナリオをテストするたびにテスト システムを元の状態に復元するために使用されました。テストは、以下のセクションで説明する 5 つのシナリオに対して実行されました。

テストのシナリオ、結果、および分析

仮想環境での SharePoint ファームのパフォーマンスと、物理サーバーにファームを展開した場合のパフォーマンスを比較するために、以下のファーム展開シナリオに対して MBM テストを実行しました。

  • 単一の物理サーバーにインストールした小規模ファーム。

  • 単一の Hyper-V イメージ上の小規模ファーム。

  • 物理サーバーにインストールした中規模ファーム (2 つのフロントエンド Web サーバーがあり、それぞれがクエリ ロールを持つ)。

  • Hyper-V イメージ上にインストールした中規模ファーム (2 つのフロントエンド Web サーバーがあり、それぞれがクエリ ロールを持つ)。各 Hyper-V イメージが別々の物理ホストにインストールされました。

  • Hyper-V イメージ上にインストールした中規模ファーム (2 つのフロントエンド Web サーバーがあり、それぞれがクエリ ロールを持つ)。すべての Hyper-V イメージが同一の物理ホストにインストールされました。

最初のテスト セットは、データ ポイントのベースライン セットを確立するために物理サーバーに対して実行しました。

ベースライン結果と調整

最初のテストの焦点となる主要なパフォーマンス カウンタは、1 秒あたりの要求数 (RPS) とページ応答時間、または最後のバイトまでの時間 (TTLB) です。範囲設定のテストをいくつか実行し、テスト実行のための最適なユーザー負荷を特定しました。目標は、過剰な ASP.NET 要求キューやページ応答時間を発生させることなく、サーバーの CPU 使用率をできる限り 100% に近づけることです。最終的に、使用したユーザー負荷の量は最適でした。その根拠は、より高いユーザー負荷でテストしたときに、テストの合計 RPS の増加は、あったにしてもごくわずかしか見られなかったのに、平均 TTLB が増加し始めたことです。

Hyper-V イメージのパフォーマンス メトリックに関する最初の発見作業の後、32 GB の RAM を割り当てた Hyper-V イメージを比較に使用するのは現実的でないことが明らかになりました。その理由は、ホスト コンピュータに複数の NUMA (Non-Uniform Memory Access) ノードがある場合の、メモリの割り当て方法にありました。32 GB の RAM を Hyper-V イメージに割り当てるには、ホスト上の複数の NUMA ノードにまたがってメモリのページングが必要になります。メモリ使用量が高レベルに達し、結果としてパフォーマンスが低下します。このテストで使用したハードウェアの場合、Hyper-V イメージに最適なメモリ構成を 8 GB と決定しました。このテストの本来の対象である単一の物理サーバーよりもメモリ構成が大幅に少ないので、単一のホスト コンピュータで実行されている 2 つの Hyper-V イメージを比較するために 5 番目のシナリオを追加しました。この 5 番目のシナリオは、単一の物理サーバーが消費するリソースとほぼ同じ量のリソースを使用して、使用する Hyper-V イメージの数を増やした場合をテストするために設計されました。

比較分析 : 単一サーバー上の小規模ファーム

このテストでは、物理サーバー上および Hyper-V イメージ上に小規模ファームをインストールしました。

ファーム構成

このテスト セットに使用した構成を次の表と図に示します。

物理サーバーのロールとサーバー
ロールサーバー名

SQL Server 2005 データベース

SQL1

インデックス サーバー

MOSS1

フロントエンド Web サーバー

MOSS1

クエリ サーバー

MOSS1

次の図は、前の表に示したロールとサーバーのトポロジを表しています。

単一の物理サーバー上にある小規模ファーム
Hyper-V イメージのロールとサーバー
ロールサーバー名

SQL Server 2005 データベース

SQL1

インデックス サーバー

HVHOST1 – HVMOSS1

フロントエンド Web サーバー

HVHOST1 – HVMOSS1

クエリ サーバー

HVHOST1 – HVMOSS1

次の図は、前の表に示したロールとサーバーのトポロジを表しています。

単一の Hyper-V ホスト上にある小規模ファーム

テスト結果

このテストの最初の比較のポイントは、物理サーバー上の小規模ファームおよび Hyper-V イメージ上の小規模ファームの、1 秒あたりの要求数 (RPS) のスループットです。次の図は、両方の構成の RPS スループットを示しています。

Requests per Second を使用した小規模ファームの比較

2 番目の比較のポイントは、各構成のページ応答時間、または最後のバイトまでの時間 (TTLB) です。次のグラフを参照してください。

Time to Last Byte を使用した小規模ファームの比較

このテスト セットの結果は、Hyper-V イメージでのスループットおよびページ応答時間の結果と、物理サーバーでの結果の差異が小さいことを示しました。Hyper-V ファームでは、テストあたりの合計スループットの平均は、物理サーバー ファームのスループットの 93% でした。平均ページ応答時間は、Hyper-V イメージ上で 0.03 秒遅いだけでした。どちらのテストでも、SharePoint サーバーおよび SQL Server サーバーの両方で、CPU 使用率と使用可能メモリは同じような結果になりました。Hyper-V の構成を適度に考慮すると、2 種類のファームの全体的なパフォーマンスに大きな違いはありませんでした。

比較分析 : 別々のホストにイメージをインストールした中規模ファーム

このテストでは、2 つのフロントエンド Web サーバー (それぞれがクエリ ロールを持つ) で構成された中規模ファームを、2 台の物理サーバー上の 2 つの Hyper-V イメージにインストールしました。これらのイメージは、別々の物理ホストにインストールしました。

ファーム構成

このテスト セットに使用した構成を次の表と図に示します。

物理サーバーのロールとサーバー
ロールサーバー名

SQL Server 2005 データベース

SQL1

インデックス サーバー

SQL1

フロントエンド Web サーバー

MOSS1

クエリ サーバー

MOSS1

次の図は、前の表に示したロールとサーバーのトポロジを表しています。

2 台の物理サーバー上にある中規模ファーム
Hyper-V イメージのロールとサーバー
ロールサーバー名

SQL Server 2005 データベース

SQL1

インデックス サーバー

SQL1

クエリ ロールを持つフロントエンド Web サーバー

HVHOST1 - HVMOSS1

クエリ ロールを持つフロントエンド Web サーバー

HVHOST2 - HVMOSS2

次の図は、前の表に示したロールとサーバーのトポロジを表しています。

2 台の Hyper-V ホスト上にある中規模ファーム

テスト結果

このシナリオで最初の比較のポイントは、1 秒あたりの要求数 (RPS) のスループットです。次のグラフを参照してください。

Requests per Second を使用した中規模ファームの比較

2 番目の比較のポイントは、各構成のページ応答時間、または最後のバイトまでの時間 (TTLB) です。次のグラフを参照してください。

Time to Last Byte を使用した中規模ファームの比較

このテスト セットの結果は、小規模ファームのテストに類似したパターンを示しています。物理サーバー上の中規模ファームと Hyper-V イメージ上の中規模ファームの間で、スループットの差異は 11.6% でした (小規模ファーム環境では 7.2%)。この差異は、中規模ファームのテスト環境には 2 つのイメージがあることによるものです。ただし、この差異は小規模な単一サーバー ファームに対して直線的ではありません。中規模ファームでは小規模な単一サーバー ファームよりも高速に要求が処理されます。TTLB の結果がそれを示しています。

比較分析 : 同一ホスト上にイメージをインストールした中規模ファーム

このテストでは、それぞれがクエリ ロールを持つ 2 つのフロントエンド Web サーバーで構成された中規模ファームを、2 つの Hyper-V イメージとして単一の物理サーバーにインストールしました。

前に説明したように、Hyper-V イメージには 8 GB の RAM しか割り当てられていません。その合計は、単一の物理サーバー上の小規模ファームに使用した RAM 容量の半分にすぎません。ただし、2 つのイメージのホストには 8 個のコアがあります。これに対し、小規模ファーム サーバーではコアは 4 個です。実質的に、このテスト環境は、単一の物理サーバーと 2 台の物理サーバーのパフォーマンス容量範囲の中間に近い容量レベルを表しています。

ファーム構成

このテスト セットに使用した構成を次の表と図に示します。

単一の物理サーバー上のイメージのロールとサーバー
ロールサーバー名

SQL Server 2005 データベース

SQL1

インデックス サーバー

SQL1

クエリ ロールを持つフロントエンド Web サーバー

HVHOST1 - HVMOSS1

クエリ ロールを持つフロントエンド Web サーバー

HVHOST1 – HVMOSS2

次の図は、前の表に示したロールとサーバーのトポロジを表しています。

1 台の Hyper-V ホスト上にある中規模ファーム

テスト結果

このシナリオで最初の比較のポイントは、次のグラフに示す 1 秒あたりの要求数 (RPS) のスループットです。このグラフは、以下の構成での結果を示しています。

  • 単一のホストに 2 つのイメージをインストールした中規模ファーム

  • 別々のホストに 2 つのイメージをインストールした中規模ファーム

  • 1 台の物理サーバー上の中規模ファーム

  • 1 台の物理サーバー上の小規模ファーム

中規模ファームからその他のファーム (Requests per Second を使用)

次のグラフは、RPS のグラフで使用したのと同じファームの TTLB の結果を示しています。

中規模ファームからその他のファーム (Time to Last Byte を使用)

異なるファーム構成で得られたこのテスト セットの結果には、Hyper-V 環境に展開するファームの設計に影響を及ぼす可能性がある、2 つの重要なポイントが挙げられています。

まず、2 つの Hyper-V イメージを同一ホスト上で実行したとき、1 つのイメージを単一ホスト上で実行したときに比べて、パフォーマンスの低下はわずかでした。イメージを 2 つ以上にすることが望ましい実装であることは明らかです。さいわい、2 つの環境の間に見られたスループットの差異は大きくありませんでした。単一ホストでのスループットは、同一ホストの場合よりも 5% 大きくなりました。中規模の物理ファームと比較して、単一ホスト上に 2 つの Hyper-V イメージを持つファームのスループットは、16% 少なくなりましたが、使用している物理コンピュータも 1 台少ないので、実際は目に見える数値以上に優れた結果です。

2 番目に、単一の物理ホスト上の 2 つの Hyper-V イメージと、単一の物理サーバー上の小規模ファームを比較した場合、Hyper-V ファームでのスループットは 70% 大きくなりました。

SharePoint を Hyper-V 上に展開する場合の推奨事項

さまざまな構成オプションと結果のメトリックは、Hyper-V 環境での SharePoint の構成と展開について、異なるオプションをすべて評価する必要性を裏付けています。

  • 重要な構成オプションには、メモリのように、Hyper-V イメージをホストするために使用するハードウェアによって異なるオプションがあります。

  • SharePoint ファームを Hyper-V イメージに展開するには、多くの異なるトポロジがあります。ただし、SharePoint のすべてのロールが、Hyper-V での実行に適した候補となるわけではありません。これは、Hyper-V ホスト、SharePoint ファームの容量およびパフォーマンスの要件など、いくつかの要因に依存します。

最も一般的なシナリオである、クエリ ロールを持つフロントエンド Web サーバーで Hyper-V を使用して SharePoint サーバーを実行するシナリオは、十分に実現性があり、同じロールを物理ハードウェアにインストールした場合に比べて、スループットの低下は比較的少なくて済みます。ホストのハードウェアによっては、Hyper-V イメージに割り当てるリソース (CPU、RAM、ディスクなど) を、類似した物理サーバー上で SharePoint を実行する場合よりも増やすことで、スループットにおける差異をさらに小さくできる場合があります。ホストしているアクティブな Hyper-V イメージの数に対して、ホスト コンピュータがリソースを過剰に割り当てていないことを確認するために、徹底したテストを実施します。

参考資料

次の表は、Hyper-V、SharePoint 製品とテクノロジ、および Microsoft SQL Server 2008 に関する重要なリソースを示します。

計画と展開 : Hyper-V
タイトル説明URL

Microsoft Assessment and Planning Toolkit (MAP) (英語)

サーバーを仮想化できるかどうかを判定するには、MAP を使用します。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=117991&clcid=0x411

Hyper-V Planning and Deployment Guide (英語)

このガイドには、ハードウェアの要件と制限、サポートされているゲスト オペレーティング システム、およびロールと管理ツールのインストール方法についての情報が記載されています。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124368&clcid=0x411 (英語)

ステップ バイ ステップ ガイド - Hyper-V の使用を開始する

Hyper-V 環境で仮想マシンを作成および構成する方法の詳細について説明します。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=122588&clcid=0x411

Hyper-V Step-by-Step Guide: Hyper-V and Failover Clustering (英語)

このガイドでは、単純な 2 ノード クラスタを作成して仮想マシンの可用性を高める方法を説明しています。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=120666&clcid=0x411

Hyper-V の高可用性を実現する

この記事では、VM の高可用性 (HA) の実現および VM の内部でホストされるワークロードについて説明しています。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/cc837977.aspx (http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/cc837977.aspx)

パフォーマンス : Windows、Hyper-V、SharePoint、および SQL Server 2008
タイトル説明URL

Windows Server 2008 のパフォーマンス チューニングに関するガイドライン

Windows Server 2008 のチューニングの詳細を説明しています。特に Hyper-V に焦点を絞ったセクションがあります。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=121171&clcid=0x411

All Topics Performance ブログ

このブログは Tony Voellm によって書かれ、パフォーマンスに関するトピックを中心に説明しています。Tony は、現在、Hyper-V パフォーマンス チームのリーダーです。特に興味深いのは、Tony が Hyper-V パフォーマンス カウンタについて書いた 4 部から成るシリーズです。

Measuring Performance on Hyper-V (英語)

BizTalk Server 2006 R2 Hyper-V ガイドのこの記事では、Hyper-V でのパフォーマンス情報の収集について説明しています。

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc768535.aspx (http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132845&clcid=0x411)

Optimizing Performance on Hyper-V (英語)

BizTalk Server 2006 R2 Hyper-V ガイドのこのトピックでは、Hyper-V でのパフォーマンス情報の最適化について説明しています。

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc768529.aspx (http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=132849&clcid=0x411)

パフォーマンスおよび容量を計画する (Windows SharePoint Services)

パフォーマンスと容量の計画は、ビジネス目標をサポートするファーム サイズおよび一連のハードウェアにソリューション設計を関連付けるプロセスです。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=89490&clcid=0x411

パフォーマンスと容量を計画する (Office SharePoint Server)

パフォーマンスと容量の計画は、ビジネス目標をサポートするファーム サイズおよび一連のハードウェアにソリューション設計を関連付けるプロセスです。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=108998&clcid=0x411

Running SQL Server 2008 in a Hyper-V Environment — Best Practices and Performance Recommendations (英語)

このホワイト ペーパーでは、Hyper-V を実行する SQL Server に関連した、考えられるさまざまなシナリオを表す一連の SQL Server 2008 テスト構成について説明しています。テストの結果、見解、および推奨事項を示しています。

http://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=108998&clcid=0x411 (英語)

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「 Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

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