Exchange 2007 クラスタ連続レプリケーションを実行しているサーバーでのオフライン アドレス帳の生成が失敗する

トピックの最終更新日: 2009-09-23

ここでは、クラスタ連続レプリケーション (CCR) 機能を実行している Microsoft Exchange Server 2007 ベースのサーバーで、ログに記録された OAL Generator イベントのトラブルシューティングを行う方法について説明します。

次のいずれかのシナリオが発生する可能性があります。

オフライン アドレス帳 (OAB) の生成が失敗する場合があります。このシナリオでは、次の 1 つ以上のイベントがアプリケーション ログに記録されることがあります。

または、前に生成された OAB が古くなっている場合があります。このシナリオでは、Exchange 2007 はアドレス帳を更新しません。同時に、次のイベントがアプリケーション ログに記録されます。

注 :
イベント ID 9395 は両方のシナリオで生成されます。

原因

これらのイベントは、EnableOabGenOnThisNode レジストリ エントリがないか、このレジストリ エントリに無効なサーバー名が含まれている場合に、ログに記録されます。

クラスタ連続レプリケーション (CCR) を実行している Exchange 2007 サーバー上では、次のレジストリ サブキーで、どの CCR クラスタ ノードが OAB データ ファイルを生成および更新するかを制御します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSExchangeSA\Parameters\<ServerName>\EnableOabGenOnThisNode

既定では、EnableOabGenOnThisNode 値は、最初にインストールされた CCR ノードの名前です。このノードはプライマリ ノードとも呼ばれます。次のいずれかの条件に該当する場合、OAB 生成または OAB 更新は失敗する可能性があります。

• EnableOabGenOnThisNode レジストリ エントリがない。
• EnableOabGenOnThisNode レジストリ エントリに無効な名前が含まれている。たとえば、レジストリ エントリに、既に CCR クラスタのアクティブ ノードではないサーバーの名前が含まれています。

解決方法

注 :
レジストリに対して誤った編集を行うと、重大な問題が発生する可能性があり、オペレーティング システムの再インストールが必要になる場合があります。 誤ったレジストリ編集に起因する問題は、解決できない場合もあります。 レジストリを編集する前に、重要なデータをバックアップしてください。

この問題を解決するには、以下の手順を実行します。

1. 各 CCR ノードでレジストリ エディタを起動し、以下のレジストリ サブキーが存在することを確認します。
   HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\MSExchangeSA\Parameters\<ServerName>\EnableOabGenOnThisNode
   このレジストリ エントリが存在しない場合は、以下のとおりレジストリ エントリを作成します。
   値の名前 : EnableOabGenOnThisNode
   値の種類 : REG_SZ
   値のデータ : プライマリ CCR ノード名
2. EnableOabGenOnThisNode 値が有効な CCR ノードのホスト名に設定されていることを確認します。既定では、このレジストリ エントリはプライマリ CCR ノードのホスト名に設定されます。
3. レジストリ エントリで指定された CCR ノードがオフラインである場合は、CCR ノードをオンラインに戻してから、CCR ノードをプライマリ ノードとして再度構成します。
4. CCR ノードをオンラインに戻せない場合は、EnableOabGenOnthisNode の値をセカンダリ CCR ノードの値に変更します。たとえば、レジストリ値を Node2 に変更します。
5. 既定では、パブリック フォルダ配布用の OAB 生成は、毎日午前 5 時に実行されます。パブリック フォルダ クライアント向けに OAB を直ちに更新するには、以下の手順を実行します。
   1. メールボックス サーバーで、Exchange 管理コンソールを起動します。
   2. [組織の構成] を展開し、[メールボックス] をクリックします。
   3. [オフライン アドレス帳] タブをクリックし、オフライン アドレス帳を右クリックして、[更新] をクリックします (既定では、アドレス帳の名前は [既定のオフライン アドレス帳] です)。
   4. [はい] をクリックし、OAB の更新を確認します。
      既定では、Web ベースの配布用の OAB 生成は 8 時間ごとに実行されます。Web ベースの配布用に OAB を直ちに更新するには、以下の手順を実行します。
   5. Exchange 2007 クライアント アクセス サーバーの役割を実行しているサーバーで、Microsoft 管理コンソール (MMC) のサービス スナップインを開きます。それには、[スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。次に、「services.msc」と入力し、[OK] をクリックします。
   6. [サービス] の一覧で、[Microsoft Exchange ファイル配布] を右クリックし、[再開] をクリックします。
6. OAB が正常に生成されたことを確認します。それには、Exchange キャッシュ モードで実行するように構成された Microsoft Office Outlook 2007 クライアントを起動します。その後、OAB をダウンロードします。

詳細情報

詳細については、「OALGen is running on the wrong CCR cluster node」 (英語) を参照してください。

Exchange 2007 で OAB を作成する方法の詳細については、「オフライン アドレス帳を作成する方法」を参照してください。

Exchange 2007 で CCR を構成する方法の詳細については、「クラスタ連続レプリケーション」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。