Exchange 2007 サービス

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2012-11-27

Microsoft Exchange Server 2007 では、以前のバージョンの Exchange とは異なった方法でサービスが提供されます。Exchange 2007 で使用されるサービスの提供方法は、以前のサービスの提供方法と比べていくつかの利点があります。ただし、このサービスの提供方法は、修正プログラムの内容、Windows インストーラー テクノロジ、および更新プログラムについて若干異なります。

ここでは、これらの違いについて説明し、Exchange 2007 の修正プログラムを適切に展開する方法についての指針を示します。

ここでは、Microsoft が Microsoft Exchange Server 2007 にどのようにサービスを提供し、更新するかに関する重要な情報を説明します。以降のトピックでは、Exchange 2007 用 Service Pack の提供方法について概要を説明し、Exchange 2007 で利用可能な更新プログラムの一覧を示すほか、適切な更新プログラムを適用する方法に関する基本的な情報を提供します。

エンジニアリングの向上

新しいサービス提供方法の利点を理解するには、Exchange の以前のすべてのバージョンで更新がどのように行われていたかを理解する必要があります。Microsoft が以前の Exchange 製品の修正プログラムを作成する場合、修正プログラムに含まれるバイナリ ファイルは累積的です。ただし、このバイナリ ファイルには、製品の他の部分の更新プログラムは含まれません。たとえば、修正プログラムに、2007 年 1 月 1 日に作成された Store.exe ファイルが含まれている場合、このファイルには 2007 年 1 月 1 日までに Store.exe に対して行われたすべての変更が含まれています。しかし、この修正プログラムには、Exsmtp.dll ファイルの更新された内容は含まれていません。Exchange 2007 の場合、各更新プログラムのロールアップ パッケージは累積的です。たとえば、Exchange 2007 を実行しているコンピューターに更新プログラムのロールアップ 4 を適用した場合、特定の更新プログラム パッケージに含まれるすべての修正プログラムと、以前のすべての更新プログラムのロールアップ パッケージでリリースされたすべての修正プログラムが適用されます。この例では、更新プログラムのロールアップ 1 から更新プログラムのロールアップ 4 のパッケージでリリースされたすべての更新プログラムを入手できます。

Exchange 2007 の場合、出荷される製品と共に作成される自動化された統合テスト製品を開発しました。したがって、以前に比べて、統合性の高い、エンド ツー エンドのシステム テストを実行できるようになりました。Exchange 2007 の累積的なロールアップを作成する場合、ロールアップと共にテスト製品を作成します。この場合、統合テスト システムで問題がなければ、新しいロールアップが当初出荷された製品と同等以上の品質であることを保証できます。これは、当初のすべてのテストに合格すると共に、ロールアップ パッケージに含まれるすべての新しい修正プログラム用に追加されたテストにも合格する必要があるからです。

note注 :
更新プログラムに対するこのアプローチは、製品の Service Pack を置き換えるものではありません。現在でも、個別に利用可能な Exchange 2007 の Service Pack で追加の修正プログラムや追加機能を配布しています。

インストーラー テクノロジ

Exchange 2007 更新プログラムのロールアップ パッケージには変更された点がいくつかあります。これらの変更点には、使用されるインストーラー、更新されるファイルの数、およびファイル サイズの変更も含まれます。インストール プログラム Update.exe は使用されなくなり、Windows インストーラー テクノロジが使用されています。また、インストール パッケージの合計サイズおよびファイル数も、個々の修正プログラムに比べて大きくなっています。これには、主に次の 2 つの理由があります。

  • パッケージは累積的な更新プログラムで構成されています。
  • Exchange 2007 は多くの新しいマネージ コードで構成されています。

更新プログラムのロールアップ パッケージは累積的であるため、Exchange 2007 を最新の状態にするには、最新のパッケージをインストールするだけで済みます。これによってパッケージのサイズは大きくなりますが、Exchange 2007 の管理は簡素化されます。たとえば、単一の更新プログラムのロールアップ パッケージを展開するだけで、多くの個別の修正プログラムに含まれているシステムの安定性やセキュリティの向上を実現できます。

また、マネージ コードは、バイナリ ファイル間に多くの依存関係があります。コアのバイナリ ファイルを 1 か所変更するだけで、他の多くのバイナリ ファイルの変更が必要になる場合があります。特定の変更に対する更新プログラムには、影響を受けるすべてのファイルが含まれている必要があります。この要件によってロールアップ パッケージの全体的なサイズは増大しますが、Exchange 環境全体は簡素化されます。Microsoft サポート担当者が Exchange をデバッグする場合、更新プログラムのレベルが RTM (Release To Manufacturing) 版であるか、RTM と更新プログラムのロールアップ 1 であるかなどを簡単に判断できます。これは個々の更新プログラムとシンボルの一意のセットを識別するよりも容易であり、Exchange の全体的な管理やトラブルシューティングが容易になります。

展開の順序

Microsoft のテスト インフラストラクチャでは、Exchange の修正プログラムが複数のサーバーの役割で機能することを保証しています。CAS-CAS プロキシを展開する場合を除き、更新プログラムのロールアップをサーバーに適用する順序は重要ではありません。更新プログラムのロールアップは、Exchange のサーバーの役割や特定のファイル構成についてセグメント化されていないので、使用環境のすべての Exchange 2007 サーバーに各更新プログラムのロールアップ パッケージを適用します。

複数の Active Directory サイトが存在し、インターネットに直接接続されていないプロキシ サイトにクライアント アクセス サーバーを展開する場合、インターネットに直接接続されたクライアント アクセス サーバーに更新プログラムのロールアップを適用してから、プロキシ サイト内のインターネットに直接接続されていないクライアント アクセス サーバーに更新プログラムのロールアップを同時に適用する必要があります。その他の Exchange 2007 構成では、クライアント アクセス サーバーに更新プログラムのロールアップ パッケージを適用した後で、Exchange 2007 のその他のサーバーの役割 (メールボックスの役割、ハブ トランスポートの役割、エッジ トランスポートの役割など) を実行するサーバーにロールアップ パッケージを適用することをお勧めします。CAS-CAS プロキシの詳細については、「プロキシとリダイレクトについて」を参照してください。

32 ビットと 64 ビット

運用環境では、Exchange 2007 は 64 ビット プラットフォーム上でのみサポートされています。唯一の例外は、管理ツールのインストール オプションです。このオプションを 32 ビット システム上で使用することにより、32 ビット クライアント コンピューターから Exchange 2007 を管理できます。ユーザーは、試験的な非運用環境で 32 ビット版を使用して Exchange 2007 を評価する場合があるので、32 ビット版の更新プログラムのロールアップを提供しています。ただし、32 ビット版の更新プログラムのロールアップのテストは、管理ツールのサーバーの役割を実行しているサーバーのみに限定しています。

Outlook Web Access のカスタマイズ

更新処理によって、Outlook Web Access のディレクトリ名が変更されます。また、更新処理によって、Logon.aspx ファイルなどのすべての .aspx ファイルが上書きされます。したがって、会社のロゴ、カスタム フォームなどの Outlook Web Access のカスタマイズの内容を再作成することが必要になる場合があります。

リリース スケジュールと配布方法

Microsoft では、更新プログラムのロールアップ パッケージを、約 6 ~ 8 週間ごとにリリースします。ロールアップ パッケージは、Microsoft Update および Microsoft ダウンロード センターの Web サイトで入手できます。

中間更新プログラム

Exchange 2007 の重要な修正プログラムの処理は、以前のバージョンの Exchange の重要な修正プログラムの処理と似ています。

カスタマー サポート スペシャリストやエスカレーション サービス担当者と協力して問題解決に取り組んだ後、Microsoft サポート担当者が Exchange カスタマー エクスペリエンス チームに要望を報告する場合があります。カスタマー エクスペリエンス チームでは、特定の問題を修正し、問題を解決する中間更新プログラムを提供することがあります。この更新プログラムは、次回予定されている更新プログラムのロールアップ パッケージがリリースされるまで、インストール済みの Exchange をサポートすることを目的としています。中間更新プログラムでは、累積的な更新プログラムと同様のテストの多くが行われますが、中間更新プログラムのテストは更新プログラムのロールアップのテストほど総合的ではありません。

Microsoft では、既存のサービス レベル契約の下で中間更新プログラムを配布します。ただし、問題を解決する公式な更新プログラムのロールアップ パッケージが入手可能になったときには、中間更新プログラムを削除し、公式なロールアップ パッケージをインストールすることに同意する必要があります。この処理によって、Exchange 2007 の構成は既知の定量化できる状態に戻ったことが保証されます。

Exchange 2007 の中間更新プログラムは、更新プログラムのロールアップに固有です。たとえば、リリース版の Exchange 2007 を実行しているサーバーの問題を修正するために作成された中間更新プログラムは、更新プログラムのロールアップ 2 がインストールされている Exchange 2007 サーバーでは正常に機能しません。中間更新プログラムをインストールするときにエラー メッセージが表示された場合は、次のいずれかの問題がないか確認してください。

  • 別の中間更新プログラムがインストールされている。
  • 別の更新プログラムのロールアップを対象とした中間更新プログラムをインストールしようとしている。

中間更新プログラムと更新プログラムのロールアップの操作

Exchange 2007 サーバーに中間更新プログラムがインストールされている場合、次の更新プログラムのロールアップ パッケージをインストールする前に、中間更新プログラムを削除する必要があります。中間更新プログラムが削除されていない場合、次の更新プログラムのロールアップ パッケージをインストールしようとしたときにエラー メッセージが表示されることがあります。

note注 :
新しい更新プログラムのロールアップ パッケージの後に、以前の更新プログラムのロールアップ パッケージをインストールしようとした場合も、エラー メッセージが表示されます。

詳細情報

詳細については、以下のトピックを参照してください。

トピックのタイトル トピックの説明

Exchange Server のビルド番号とリリース日付

Microsoft Exchange バージョンのビルド番号とリリース日に関する情報。

更新プログラムのロールアップをインストールした後に Exchange Server 2007 のバージョン番号を表示する方法

Microsoft Exchange Server 2007 の更新プログラムのロールアップをインストールしても、Exchange Server のバージョンは自動的に更新されません。このトピックでは、更新プログラムのロールアップをインストールした後に Exchange のバージョン番号を確認する方法について説明します。

Exchange 2007 用の最新の Service Pack または更新プログラムのロールアップをインストールする方法

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の最新の Service Pack および更新プログラムをインストールする方法について説明します。

Exchange 2007 用の最新の Service Pack または更新プログラムのロールアップを入手する方法

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の最新の更新プログラムのロールアップを入手する方法について説明します。

Exchange Server 2007 Service Pack 2 で修正される問題

このトピックでは、Exchange Server 2007 用 Service Pack 2 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、Service Pack を入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 で修正される問題

このトピックでは、Exchange Server 2007 用 Service Pack 1 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、Service Pack を入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 用更新プログラムのロールアップ 2 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 2 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 用更新プログラムのロールアップ 3 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 3 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 用更新プログラムのロールアップ 4 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 4 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 用更新プログラムのロールアップ 5 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 5 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 の更新プログラムのロールアップ 6 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 6 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 の更新プログラムのロールアップ 7 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 7 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 3 用更新プログラムのロールアップ 8 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 8 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange 2007 Service Pack 3 用更新プログラムのロールアップ 8 バージョン 2 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 8 バージョン 2 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムのロールアップを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 2 用の更新プログラムのロールアップ 1 について

このトピックでは、Exchange 2007 Service Pack 2 用の更新プログラムのロールアップ 1 で利用可能な修正プログラムについてと、更新プログラムのロールアップの入手方法を説明します。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 9 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 9 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 8 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 8 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 7 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 7 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 6 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 6 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 5 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 5 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 4 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 4 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 3 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 3 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 2 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 2 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 Service Pack 1 用の更新プログラムのロールアップ 1 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 SP1 用の更新プログラムのロールアップ 1 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 7 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 7 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 6 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 6 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 5 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 5 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 4 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 4 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 3 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 3 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 2 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 2 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 1 について

このトピックでは、Exchange Server 2007 用の更新プログラムのロールアップ 1 で利用可能な修正プログラムについて説明します。また、更新プログラムを入手するためのリンクも記載されています。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。