監視サーバーのアーキテクチャ

トピックの最終更新日: 2009-01-24

Microsoft Office Communications Server 2007 R2 では、監視サーバーは QoE データ収集機能と詳細な通話の記録 (CDR) 機能の両方を実行します。この統合により、展開と管理が簡略化されるだけでなく、所有コストも削減されます。

収集される QoE データには、音声およびビデオの品質に関する指標データが含まれます。これらのデータは、フロントエンド サーバーおよび Standard Edition サーバーの音声ビデオ会議サーバー コンポーネント、仲介サーバー、および Office Communicator、Office Communicator Phone Edition、Live Meeting などのクライアントから収集されます。CDR データは、VoIP 通話、IM メッセージ、音声ビデオ会話、会議、アプリケーション共有、リモート アシスタンス、およびファイル共有に関連する使用状況の情報で、ピアツーピア セッションとマルチパーティの電話会議の両方について収集されます。

監視サーバーのアーキテクチャには、次のコンポーネントがあります。

• 監視サービス。監視サーバーで実行されるサービスであり、収集されたデータをキューからデータベースに送信します。これには、CDR データ用の CDR サービスと、メディア品質データ用の QoE サービスという 2 つのサービスがあります。

• 監視サーバー データベース。SQL Server 上で実行され、収集されたデータを格納します。このデータベースは、監視サービスと同じ監視サーバーで実行することも、別のバックエンド サーバーで実行することもできます。QoE データベースと CDR データベースはそれぞれ別々のデータベースですが、常に同じサーバーの同じ SQL Server インスタンスで実行されます。

• データ収集エージェント。これは、すべてのフロントエンド サーバーと Standard Edition サーバーに自動的にインストールされます。CDR エージェントは、SIP メッセージを取得し、それらを使用して、監視サーバー上の目的のキューにデータを送信します。QoE エージェントは、SIP SERVICE 要求を使用してエンドポイントから QoE データのレポートを受信し、そのデータを監視サーバー上の目的のキューに送信します。必要に応じて、サードパーティのコンシューマを構成することで、QoE レポートを HTTP POST を使用して受信することもできます。

• Microsoft メッセージ キュー。これは、各監視サーバー、およびその監視サーバーにデータを報告する各フロントエンド サーバーと各 Standard Edition サーバーで実行する必要があります。

• Systems Center Operation Management (SCOM) パック。これはオプションのコンポーネントです。SCOM パックは、展開全体のサーバーを監視するだけでなく、監視サーバーの QoE データを使用して稼働状態モデルを生成し、ほぼリアルタイムの通知を生成します。これによって、フロントエンド サーバーの音声ビデオ会議サーバー コンポーネントの状態、および仲介サーバーやネットワーク上の場所の状態も示されます。

  注:
  この機能は、Office Communications Server 2007 では、QoE Microsoft Operations Manager (MOM) パックで別途提供されていました。Office Communications Server 2007 R2 では、総合的な Office Communications Server SCOM パックに組み込まれています。

• 監視サーバー レポート パック。これはオプションのコンポーネントです。このコンポーネントを SQL Server Reporting Services と共に使用すると、監視サーバーのデータを使用して詳細なレポートを生成できます。このレポートには、ネットワーク上のメディア品質を把握するために役立つトレンド、概要、および通話リストの情報が記録されます。また、ピアツーピアと電話会議の両方に関する Office Communications Server の全体的な利用状況の把握に役立つ新しい CDR レポートも提供されます。

次の図に示すように、CDR エージェントと QoE エージェントは両方とも各フロントエンド サーバーに存在します。各エージェントが Microsoft メッセージ キュー (MSMQ) にレコードを書き込み、それらのレコードを監視サーバーが読み取ります。監視サーバーは、読み取ったレコードを、それぞれ CDR データベースまたは QoE データベースに書き込みます。SCOM パックが展開されている場合、監視サーバーはさらに、音声ビデオの状態を監視するための SCOM サーバーにも情報を送信します。