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グローバル設定コンテナーの移行

トピックの最終更新日: 2009-10-01

Office Communications Server 2007 R2 では、Office Communications Server グローバル設定のコンテナーとして構成コンテナーが推奨されており、これが既定のコンテナーです。Office Communications Server の以前のバージョンでは、ルート ドメインのシステム コンテナーが既定のコンテナーでした。集中管理されているトポロジでは、システム コンテナーにグローバル設定を格納すると、レプリケーションが高速に行われる、レプリケートされるコピーが少なくて済むなどの利点がありますが、地理的に分散しているトポロジでは、ルート ドメインの可用性が十分でない場合に、十分なパフォーマンスが得られないことがあります。グローバル設定をシステム コンテナーに格納した状態で Live Communications Server 2005 Service Pack 1 (SP1) または Office Communications Server 2007 を展開している場合に、グローバル設定の管理においてサービスの開始に時間がかかる、レプリケーションが大幅に遅れるなどのパフォーマンスの問題があるときは、システム コンテナーから構成コンテナーに移行することができます。Microsoft Office Communications Server 2007 グローバル設定移行ツールは、この目的のために設計されています。このツールは、Microsoft ダウンロード センター https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=137424 (英語のみ) で入手できます。

このセクションでは、グローバル設定を移行するのに必要なステップの概要を説明します。Microsoft Office Communications Server 2007 グローバル設定移行ツールを使用して移行を実行する方法の詳細については、「グローバル設定移行ツールの使用による構成コンテナーへの移動」を参照してください。

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グローバル設定を構成コンテナーに移行し、以前のバージョンの Office Communications Server から Office Communications Server 2007 R2 に移行する予定の場合は、まず、グローバル設定を移行する必要があります。Office Communications Server 2007 R2 Active Directory スキーマにアップグレードすると、このツールを使用してグローバル設定を移行することはできなくなります。

次のシナリオで、グローバル設定を移行できます。

  • Live Communications Server 2005 SP1、システム コンテナーから構成コンテナーへの移行

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    Live Communications Server 2005 SP1 では、マイクロソフト サポート技術情報の記事 911996 で提供されている Windows 更新プログラムを適用する場合にのみ、グローバル設定を構成コンテナーに保存できます。詳細については、サポート技術情報の記事 911996「2006 年 7 月 11 日に再リリースされた Live Communications Server 2005 更新プログラム (2006 年 2 月 10 日) について」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=132177 (英語のみ)) を参照してください。
  • Office Communications Server 2007、システム コンテナーから構成コンテナーへの移行

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グローバル設定の移行開始後は、プロセスの最後のステップが完了するまでユーザーの移動または変更を行わないでください。

グローバル設定の移行は、次の 7 つのステップで行います。

  1. ツリー構造を構成コンテナーにコピーします。
  2. グローバル設定属性をコピーします。
  3. フォレストを準備し、Live Communications Server 2005 SP1 の場合はドメインも準備して、アクセス許可を設定します。
  4. グローバル設定ツリーへの識別名 (DN) 参照を更新します。
  5. ユーザー オブジェクト、連絡先オブジェクト、および inetOrgPerson オブジェクトの msRTCSIP-PrimaryHomeServer DN 参照を更新します。
  6. 移行が成功したことを確認します。
  7. ルート ドメイン内のシステム コンテナーから元のグローバル設定のツリー構造を削除します。

1. ツリー構造の移行

MigrateOcsGlobalSettings コマンドの MigrateGlobalSettingsTree 操作によって、グローバル設定のツリー構造が、システム コンテナーから構成コンテナーのサービス サブコンテナーにコピーされます。このステップでは、グローバル設定属性はコピーされません。一部の属性に格納されている DN 参照が正しく動作するためには、新しい階層を完全にレプリケートする必要があるためです。

このステップを実行するには、フォレストのルート ドメインの EnterpriseAdmins グループまたは DomainAdmins グループのメンバーである必要があります。

グローバル設定のツリー構造が構成コンテナーに正しくコピーされ、レプリケーションが完了すると、このステップは終了します。

2. グローバル設定属性のコピー

MigrateOcsGlobalSettings コマンドの MigrateGlobalSettingsProperties 操作によって、Office Communications Server のグローバル設定属性が、元のツリー構造から、前のステップで作成した新しいツリーの対応するノードにコピーされます。

属性に格納されている DN 参照の場合は、構成コンテナーを指すように DN が変更されます。

このステップを実行するには、フォレストのルート ドメインの EnterpriseAdmins グループまたは DomainAdmins グループのメンバーである必要があります。

すべての属性が新しいグローバル設定ツリーにコピーされ、レプリケーションが完了すると、このステップが完了します。

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必ず、レプリケーションが完了してから、ステップ 3. に進んでください。

3. アクセス許可の設定

ツリー構造とグローバル設定属性が正しくコピーされたら、次に、Office Communications Server サービスが新しいグローバル設定ツリーにアクセスできるようにアクセス制御エントリ (ACE) を設定するステップを実行します。

Office Communications Server 2007 と Live Communications Server 2005 SP1 の両方とも、Lcscmd.exe コマンド ライン ツールの ForestPrep 操作によってアクセス許可が設定されます。管理者および Office Communications Server サービスの ACE を作成し、新しいグローバル設定ツリーを検証するには、フォレストの準備のステップを再び実行する必要があります。この移行のステップでは、フォレストの準備ウィザードを使用できません。Office Communications Server 2007 のフォレストの準備の詳細については、『Office Communications Server 2007 Active Directory Guide (Office Communications Server 2007 Active Directory ガイド)』 (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=129697 (英語のみ)) を参照してください。

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このステップを実行するには、Live Communications Server 2005 または Office Communications Server 2007 バージョンの LcsCmd.exe を使用する必要があります。Office Communications Server 2007 R2 バージョンの LcsCmd.exe は使用しないでください。

Live Communications Server 2005 SP1 の場合は、ドメインの準備も実行する必要があります。Live Communications Server 2005 SP1 では、ドメイン グローバル グループでドメイン アクセスを管理します。グローバル設定のアクセス許可の多くは、Lcscmd.exe コマンド ライン ツールの DomainPrep 操作または DomainAdd 操作によって作成されます。グローバル設定は展開後のすべてのドメイン コントローラーにあるので、DomainAdd を再実行する必要はありません。したがって、新しいグローバル設定ツリーの ACE は、各 Live Communications Server 2005 ドメインに対して DomainPrep を再実行するだけで作成されます。Live Communications Server 2005 におけるドメイン準備のステップの詳細については、Live Communications Server 2005 SP1 の次のドキュメントを参照してください。All Technical Documents (Live Communications Server 2005 SP1: すべての技術文書)https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=139639 (英語のみ)

このステップを実行するには、フォレストのルート ドメインの EnterpriseAdmins グループまたは DomainAdmins グループのメンバーである必要があります。

新しいグローバル設定ツリーに対してすべてのアクセス許可が作成され、新しいグローバル設定ツリーがフォレスト グローバル カタログにレプリケートされると、このステップは終了します。完全レプリケーションは、トポロジとレプリケーションの構成に応じて、数分から数日かかる場合があります。

4. グローバル設定ツリーへの DN 参照の更新

新しいグローバル設定ツリーがレプリケートされたら、グローバル設定ツリーへのすべてのサーバー DN 参照が、次のサーバーの役割に関して構成コンテナーを指すように変更する必要があります。

  • フロントエンド サーバー
  • 会議サーバー
  • Web コンポーネント サーバー
  • 仲介サーバー

このステップを実行するには、RTCUniversalServerAdmins グループまたは RTCUniversalUserAdmins グループのメンバーである必要があります。

前に示したすべてのサーバーのすべての DN 参照が新しいグローバル設定ツリーを指すようになると、このステップは終了します。

5. msRTCSIP-PrimaryHomeServer DN 参照の更新

移行の最後のステップでは、グローバル設定ツリーへのすべてのユーザー DN 参照を変更して、構成コンテナーを指すようにします。このステップでは、新しい場所にあるオブジェクトを指すように、msRTCSIP-PrimaryHomeServer 属性と msRTCSIP-UserPolicy 属性が変更されます。

このステップを実行するには、RTCUniversalServerAdmins グループまたは RTCUniversalUserAdmins グループのメンバーである必要があります。

すべてのユーザー DN 参照が新しいグローバル設定ツリーを指すようになると、このステップは終了します。有効なユーザー数とその地理的な場所によっては、これが、実行に最も長い時間を要するステップとなる可能性があります (たとえば、ネットワーク接続が安定している状態でも、30,000 ユーザーを移行するのに約 1 時間かかります)。

6. 移行の成功の確認

5 つのステップが終了した後は、移行をテストするために、いくつかのインスタント メッセージングと会議を実行して、新しいグローバル設定ツリーが正しく動作していることを確認することをお勧めします。

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移行プロセスの最後のステップが完了するまでは、Active Directory ユーザーおよびコンピューター、Live Communications Server 2005 管理ツール、または Office Communications Server 2007 管理ツールを使用してユーザーの移動や変更を行わないでください。

7. システム コンテナーからのグローバル設定ツリーの削除

移行が成功したことを確認したら、元のグローバル設定ツリーをシステム コンテナーから削除します。

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このステップは、すべてのサーバー DN 参照およびすべてのユーザー DN 参照が変更されるまで実行しないでください。