2007 Office スイート Microsoft Service Pack Uninstall Tool

更新日: 2012年3月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2015-03-09

この記事の内容 :

  • 概要

  • コマンド ライン オプション

  • Service Pack 2 のアンインストール方法

  • 結果

  • トラブルシューティング

  • 既知の問題

2007 Microsoft Office system Service Pack (SP) 2 では、新しいコマンド ライン ツールとして Microsoft Service Pack Uninstall Tool for the 2007 Microsoft Office Suite (または 2007 Office SP Uninstall Tool) が提供されます。これを使用すると、管理者や専門的な知識があるユーザーは、Office クライアント製品全体をアンインストールしなくても Service Pack 2 を削除できるようになります。これまでは、Office Service Pack を削除するには製品全体を削除する必要があり、サービス パックのみをアンインストールすることはできませんでした。2007 Office SP Uninstall Tool は、Microsoft ダウンロード センターの「2007 Microsoft Office スイート Microsoft Service Pack Uninstall Tool」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=144518\&clcid=0x411) から、単独のダウンロードとしてのみ入手できます。このツールは、SP2 のダウンロードには含まれていません。

概要

2007 Office SP Uninstall Tool は、自己解凍実行可能ファイルである Office2007SPUninstall.exe というパッケージに含まれています。ツール自体は OARPMan.exe という 1 つのファイルです。ツールのインストールは不要です。OARPMan.exe、マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項 (以前の使用許諾契約書、EULA)、および Readme.txt ファイルが、ユーザーの指定した場所に抽出されます。

このアンインストール コマンド ライン ツールでは、修正プログラムの集合である "サービス パック リリース" を削除できます。ここでのリリースは 2007 Office system SP2 になります。アンインストール ツールによって、特定のリリースに含まれるすべての修正プログラムが削除されます。修正プログラムごと、または製品ごとにアンインストールを行うことはできません。たとえば、Microsoft Office Visio 2007 Service Pack 2、Microsoft Office SharePoint Designer Service Pack 2、および Microsoft Office Professional 2007 Service Pack 2 がインストールされているときにこのツールを使用すると、これらの修正プログラムは同じリリースに含まれるため、すべてまとめて削除されます。共有ファイルおよび共有 Windows インストーラ パッケージ (MSI ファイル) の複雑さの関係により、製品ごとのサービス パックのアンインストールは現在サポートされていません。

2007 Office SP Uninstall Tool の機能は次のとおりです。

  • クライアントの修正プログラムのみをアンインストールします。サーバーの修正プログラムはアンインストールしません。

  • サービス パック修正プログラムのみをアンインストールします。ホットフィックスまたは更新プログラムはアンインストールしません。

  • Service Pack 2 のみをアンインストールします。Service Pack 1 はアンインストールしません。

  • 2007 Office system SP2 が削除されると、ユーザーのコンピュータは以前の状態に戻ります。

    • 製品版の 2007 Office system、2007 Office system SP1、セキュリティ更新プログラム、および 2007 Office system SP2 を展開し、SP2 をアンインストールすると、コンピュータは 2007 Office system SP1 にセキュリティ更新プログラムを適用した状態に戻ります。

    • 製品版の 2007 Office system、セキュリティ更新プログラム、ホットフィックス、および 2007 Office system SP2 を展開し、2007 Office system SP2 をアンインストールすると、コンピュータは製品版の 2007 Office system にセキュリティ更新プログラムとホットフィックスを適用した状態に戻ります。

[!メモ] このアンインストール ツールを使用してリリースを削除するには、ローカル コンピュータの管理者である必要があります。Windows Vista を実行しているコンピュータを使用している場合は、管理者のコマンド プロンプトからツールを実行する必要があります。
SP2 のアンインストールを開始する前に、すべての 2007 Office system アプリケーションを終了する必要があります。

コマンド ライン オプション

OARPMan.exe は、次の表に示すコマンド ライン オプションをサポートしています。

オプション 説明

/report

ツールによって削除可能な、インストールされている修正プログラムの一覧をレポートします。

このレポートには、次の項目がこの順番で示されます。

  • [Release] - リリース指定。"O12SP2" など。

  • [Product Codes] - 2007 Office system の製品コード。Microsoft Office Enterprise 2007 の場合は {90120000-0030-0000-0000-0000000FF1CE} など。

  • [Patch Codes] - 修正プログラム コードの識別子。{53B0D030-F910-4448-A73A-32DFDF6BC2AA} など。

  • [Summary of Releases]

  • [Patch Count] - リリースに含まれる修正プログラムの数。

/log スイッチと /report スイッチを同時に使用すると、コンソール ウィンドウには表示されない追加情報がログ ファイルに記録されます。

/report スイッチを使用すると、ツールによってアンインストールできるリリースに含まれる修正プログラムのみが表示されます。たとえば、Service Pack 1 がインストールされている状態で /report を使用しても、Service Pack 1 はこのツールでアンインストールできないため表示されません。

/remove <リリース>

指定したリリース指定、たとえば "O12SP2" を持つすべての修正プログラムがシステムから削除されます。リリースのパラメータを指定しないか、指定したパラメータが間違っていると、ヘルプが表示されます。

remove では、次の項目がこの順番で表示されます。

  • [Product Code] - 2007 Office system の製品コード。Microsoft Office Enterprise 2007 の場合は {90120000-0030-0000-0000-0000000FF1CE} など。

  • [Patch Code] - 修正プログラム コードの識別子。{53B0D030-F910-4448-A73A-32DFDF6BC2AA} など。

  • [Result] - /remove 操作の結果が表示されます。

/log スイッチと /remove スイッチを同時に使用すると、コンソール ウィンドウには表示されない追加情報がログ ファイルに記録されます。

/log <ファイル パス>

OARPMan ツールのログが作成され、そのログが入っているフォルダに、結果として作成された MSI ログ ファイルがコピーされます。<ファイル パス> パラメータは必ず指定する必要があります。また、ここで指定されたフォルダは、既に存在しているものである必要があります。

OARPMan ログには、成功および失敗のメッセージ、OARPMan エラー、およびコンソール ウィンドウに表示されるあらゆる情報が記録されます。<ファイル パス> パラメータが指定されていないと、ヘルプが表示されます。

/log スイッチと /report または /remove スイッチを同時に使用すると、コンソール ウィンドウには表示されない追加情報がログ ファイルに記録されます。

/log スイッチと /report スイッチを同時に使用すると、コンソール ウィンドウには表示されない次の追加情報がログ ファイルに記録されます。

  • 2007 Office SP Uninstall Tool のバージョン。

  • 開始時および終了時のタイムスタンプ。

  • [Product] - 各 .MSP に対応する製品のフレンドリ名。Microsoft Office Proof (English) 2007 など。

  • [Update] - 各 .MSP に対応する更新プログラムの名前。Microsoft Office Visio 2007 Service Pack 2 (SP2) など。

/log スイッチと /remove スイッチを同時に使用すると、コンソール ウィンドウには表示されない次の追加情報がログ ファイルに記録されます。

  • 2007 Office SP Uninstall Tool のバージョン。

  • .MSP ごとの開始時および終了時のタイムスタンプ。

  • リリース全体の開始時および終了時のタイムスタンプ。

  • [Product] - 各 .MSP に対応する製品のフレンドリ名。Microsoft Office Proof (English) 2007 など。

  • [Result Code] - 各 .MSP をアンインストールする試みに対する MSI 結果コード。

/?

または

/help

使用できるコマンドが表示されます。

Service Pack 2 のアンインストール方法

SP2 をアンインストールするには、次のタスクを実行します。

  1. Service Pack 2 をインストールします。

  2. 2007 SP Uninstall Tool をダウンロードし、作業ディレクトリにパッケージを展開します。

    [!メモ] ツールをインストールするときは、C:&lt;subdirectory> などのサブフォルダを使用する必要があります。ツールをハード ディスク ドライブのルート ディレクトリ (C:\ など) に展開することはできません。

  3. コマンド プロンプトを開き、OARPMan.exe ファイルの場所に移動します。

  4. ツールおよび使用可能なスイッチに関する情報のヘルプを表示するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。oarpman /help

  5. ツールによって削除される修正プログラムの一覧を表示するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。oarpman /report /log c:\logfolder\logname.log

    /log スイッチを使用するかどうかは任意です。使用すると、コンソール ウィンドウには表示されない追加情報がログ ファイルに記録されます。

  6. コンソールまたはログ ファイルを見ると、現在インストールされている修正プログラムを確認できます。[Release] 列に、インストールされているリリースが示されます。この場合、インストールされているリリースは "O12SP2" になります。

  7. コンピュータから Service Pack 2 を削除するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。oarpman /remove O12SP2 /log c:\logfolder\logname.log

    [!メモ] oarpman.exe をダブルクリックしてアンインストール ツールを実行することはできません。管理者としてコマンド プロンプト ウィンドウを開き、このセクションの説明に従って oarpman.exe を実行する必要があります。

    これにより、コンピュータからの Service Pack 2 リリースの削除が開始され、OARPMan ログが作成されて、/log スイッチで指定されたパスに MSI ログがコピーされます。アンインストールの状況がコンソールに表示され、ログが有効になっている場合は詳細情報がログ ファイルに記録されます。

    アンインストールにかかる時間は、インストールされている製品の数、インストールされている Service Pack 2 更新プログラムの数、コンピュータのプロセッサ速度といった条件によって異なります。アンインストール処理に掛かる時間は、Service Pack 2 更新プログラムのインストール時と同じか、それより少し長くかかります。

  8. すべてのリリースが削除されたことを確認するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。oarpman /report

結果

次の表に、アンインストールの結果として表示されるものを示します。

シナリオ Result#define コンソール出力 リターン コード

入力の間違い

ERROR_INVALID_PARAMETER

help

87

レポート

ERROR_SUCCESS

The report

0

レポート

ERROR_SUCCESS

No uninstallable releases found.

0

削除

ERROR_SUCCESS

Uninstall successful.

0

削除

ERROR_SUCCESS_REBOOT_REQUIRED

Uninstall successful. Please reboot.

3010

削除

ERROR_UNKNOWN_PROPERTY

Release not found.

1608

削除

ERROR_PATCH_REMOVAL_DISALLOWED

This tool requires administrative permissions.

1649

削除

ERROR_PATCH_PACKAGE_UNSUPPORTED

The installed version of Windows Installer is not supported by this tool.

1637

削除

1600 ~ 1699 の範囲の MSI エラー コード

Uninstall failed. Check logs if logging enabled.

メモリ不足

ERROR_OUTOFMEMORY

An unexpected error was encountered.

14

ログ ファイルの問題

原因に応じてさまざまなエラーが考えられます。

Unable to create log file. Check path or file name.

予期しないエラー

ERROR_GENERIC_COMMAND_FAILED

An unexpected error was encountered.

14109

トラブルシューティング

次の表に、2007 SP Uninstall Tool の実行時に発生する可能性があるエラーの一覧を示します。

メッセージ 説明

"The installed version of Windows Installer is not supported by this tool."

このツールには、Office に修正プログラムを適用する際に必要となるバージョンと同じバージョンの Windows Installer (3.1 以降) が必要です。適切なバージョンの MSI が保存されているコンピュータでツールを実行する必要があります。

"Release not found."

リリースの値が誤って入力された可能性があります。ツールのレポート (oarpman /report) の [リリース] 列で指定されているリリース値が入力されていることを確認してください。

"Uninstall successful. Please reboot."

更新プログラムがインストールされました。ただし、コンピュータを再起動するまでインストールを完了できません。原因として、ツールを使用して修正プログラムをアンインストールしているときに、更新する必要がある一部のファイルが使用中であったことが考えられます。

"Unable to create log file. Check path or file name."

ログを作成するには、有効なフル パスおよびファイル名を /log で指定する必要があります。パスおよびファイル名が正しいことを確認してください。

"This tool requires administrative permissions."

ツールを使用してリリースを削除するには、ローカル管理者である必要があります。権限について確認してください。Windows Vista を使用している場合は、管理者のコマンド プロンプトから実行する必要があります。

"Uninstall failed. Check logs if logging enabled."

ツールを使用して、指定されたリリースの修正プログラムの一部またはすべてを削除できませんでした。レポートを再実行して (oarpman /report)、Service Pack 2 の修正プログラムがインストールされたままになっているか確認してください。一部の修正プログラムが残っている場合は、再度リリースを削除してみてください。

既知の問題

次の表に、既知の問題を示します。

問題 説明および対応策

中国語 (香港 SAR)、中国語 (中華人民共和国)、中国語 (台湾)、および韓国語の Groove 言語パック Service Pack 2 修正プログラムでは、アンインストールが失敗することがあります。

この製品の初期リリースに存在した技術的な問題のために、この更新プログラムについてはアンインストールをサポートできません。この問題を解決するには、言語パックをアンインストールします。これにより、サービス パック修正プログラムが削除されます。

Service Pack 2 のアンインストールによって 2007 Microsoft Office プログラム用 Microsoft PDF/XPS 保存アドインの機能が削除されることがあります。これは、このアドインを Service Pack 2 よりも前にインストールしていた場合に起こります。

この機能を復元するには、アドインを再インストールします。または、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] (または、Windows Vista ではコントロール パネルの [プログラムと機能]) を使用して修復できます。

Service Pack 2 をアンインストールした後に、Service Pack 2 バージョンのファイルがいくつか残ります。

これは、Windows Installer の問題で、製品版の 2007 Office system の上に直接インストールした Service Pack 2 をアンインストールする場合に発生することがあります。

Service Pack 1 の上にインストールした Service Pack 2 をアンインストールする場合、この問題は発生しません。Windows Installer Version 3.1 を使用している場合は、マイクロソフト サポート技術情報の記事 968006「一部アセンブリ ファイルがまだ元のファイル バージョンの代わりに更新されたファイルのバージョンを表示する Windows Server 2003 または Windows XP でいくつかソフトウェアの更新、アンインストールした後」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=144519&clcid=0x411) を参照してください。Windows Installer Versions 4.0 または 4.5 を使用している場合は、マイクロソフト サポート技術情報の記事 967756「Windows Vista または Windows Server 2008 でソフトウェア更新プログラムをアンインストールすると、一部のアセンブリ ファイルが元のバージョンに戻らずに更新後のバージョンのままになることがある」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=144520&clcid=0x411) を参照してください。どちらの場合も、Service Pack 2 をアンインストールする前に Windows Installer の修正プログラムを適用する必要があります。

Windows Vista または Windows Server 2008 では、Service Pack 2 のアンインストール中に、再起動マネージャによって実行中のアプリケーションが再起動されることがあります。

アプリケーションを実行したまま Service Pack 2 をアンインストールすると、再起動マネージャによってアプリケーションが終了され、再起動されることがあります。このため、前述したように、SP2 をアンインストールする前にすべてのアプリケーションを終了することをお勧めします。

Service Pack 2 のアンインストール時にエラーが発生することがあります。

これは、Windows Installer 4.5 がインストールされているコンピュータで、Office カスタマイズ ツールによってセットアップがカスタマイズされている場合に発生することがあります。この問題を解決するには、マイクロソフト サポート技術情報の記事 967756「Windows Vista または Windows Server 2008 でソフトウェア更新プログラムをアンインストールすると、一部のアセンブリ ファイルが元のバージョンに戻らずに更新後のバージョンのままになることがある」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=144520&clcid=0x411) を参照してください。Windows Installer の修正プログラムは、Service Pack 2 をアンインストールする前に適用する必要があります。