ASP COM+ <comPlus>

  • 概要
  • 互換性
  • セットアップ
  • 方法
  • 構成
  • サンプル コード

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概要

<asp> 要素の <comPlus> 要素は、インターネット インフォメーション サービス (IIS) 7.0 の Active Server Page (ASP) の次の COM+ 設定を構成します。

  • appServiceFlags プロパティには、IIS 7.0 アプリケーションで COM+ サービスを有効にするために設定する必要のあるフラグが含まれます。フラグを有効にした後は、他のプロパティも設定する必要があります。詳細については、後出の「構成」セクションを参照してください。

  • executeInMta 属性は、ASP がマルチスレッド アパートメントでスクリプトを実行できるかどうかを指定します。ASP では、すべてのスレッドをマルチスレッド アパートメント (MTA) で実行できます。COM コンポーネントが主としてフリースレッドまたはボース スレッドの場合、ASP スレッドを MTA として実行するとパフォーマンスを大幅に向上させることができます。既定では、executeInMta プロパティは false に設定されているため、ASP は MTA では実行されません。アプリケーション レベルでこのプロパティを true に設定すると、ASP を MTA で実行できます。

  • partitionId 属性は、COM+ パーティションのグローバル一意識別子 (GUID) を指定します。これは、Web アプリケーションを独自の COM+ パーティションに隔離するために使用します。COM+ パーティションには、独自のカスタム COM コンポーネントのさまざまなバージョンを保持できます。

    : partitionId 属性の値を指定する場合は、appServiceFlags 属性の UsePartition フラグも設定する必要があります。

  • sxsNam 属性は、COM+ アプリケーションの名前を指定し、サイド バイ サイド (SxS) アセンブリを有効にします。サイド バイ サイド (SxS) アセンブリにより、ASP アプリケーションは使用する SxS でサポートされているシステム DLL (MSVCRT、MSXML、COMCTL、GDIPLUS など) のバージョンを指定できます。

    : sxsName 属性の値を指定する場合は、appServiceFlags 属性の EnableSxS フラグも設定する必要があります。

  • trackThreadingModel 属性は、アプリケーションで作成されるすべてのコンポーネント (COM オブジェクト) のスレッド モデルを IIS 7.0 でチェックするかどうかを指定します。このメタベース属性の推奨設定は false です。trackThreadingModel が true に設定されている場合、次の状態が発生します。

    • ASP はシステム リソースを使用してスレッド モデルを追跡するため、ASP アプリケーションのパフォーマンスが低下します。
    • ASP アプリケーションで OnStartPage または OnEndPage メソッドの外部で 作成されたオブジェクトは、予想よりも早く解放されるため、アプリケーションのスケーラビリティが低下し、コンポーネントがオブジェクト デストラクター メソッドで応答に書き込めなくなる可能性があります。

    trackThreadingModel 属性が false に設定されていて、作成するコンポーネントにアプリケーション スコープを提供する場合、コンポーネントはフリー スレッド マーシャラーを集約する必要があります。フリー スレッド マーシャラーを集約しない場合、コンポーネントのインスタンスを作成しようとしたときに ASP でエラーが生成されます。詳細については、プラットフォーム SDK の「Selecting a Threading Model for Components in IIS (英語)」を参照してください。

互換性

  IIS 7.0 IIS 6.0
注意 <asp><comPlus> は IIS 7.0 で新たに導入された要素です。 <comPlus> 要素は、IIS 6.0 の次のメタベース プロパティに代わるものです。

AspAppServiceFlags
AspExecuteInMTA
AspPartitionID
AspSxsName
AspTrackThreadingModel

セットアップ

Web サーバー上の ASP アプリケーションをサポートおよび構成するには、ASP モジュールをインストールする必要があります。ASP モジュールをインストールする手順は次のとおりです。

Windows Server 2008

  1. タスク バーで [スタート] をクリックし、[管理ツール] をポイントして [サーバー マネージャー] をクリックします。

  2. [サーバー マネージャー] ウィンドウのツリー表示で、[役割] を展開して [Web サーバー (IIS)] をクリックします。

  3. [Web サーバー (IIS)] ウィンドウで、[役割サービス] セクションまでスクロールして [役割サービスの追加] をクリックします。

  4. 役割サービスの追加ウィザードの [役割サービスの選択] ページで、[ASP] を選択します。

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  5. [Add role services required by ASP] ダイアログ ボックスが表示されたら、[必要な役割サービスを追加] をクリックします (このページは、"ISAPI 拡張" 役割サービスをサーバーにまだインストールしていない場合にのみ表示されます)。

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  6. [役割サービスの選択] ページで [次へ] をクリックします。

  7. [インストール オプションの確認] ページで [インストール] をクリックします。

  8. [結果] ページで [閉じる] をクリックします。

Windows Vista

  1. タスク バーで [スタート] をクリックし、[コントロール パネル] をクリックします。

  2. [コントロール パネル] で、[プログラムと機能][Windows の機能の有効化または無効化] の順にクリックします。

  3. [Internet Information Services][World Wide Web サービス][アプリケーション開発機能] の順に展開します。

  4. [ASP] を選択して、[OK] をクリックします。

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方法

サイトまたはアプリケーションの ASP セッション状態設定の構成方法

  1. タスク バーで [スタート] をクリックし、[管理ツール] をポイントして [インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャー] をクリックします。

  2. [接続] ウィンドウで当該サーバー名を展開して [サイト] を展開し、構成する Web サイトまたは Web アプリケーションを選択します。

  3. サイトまたはアプリケーションの [ホーム] ウィンドウで [ASP] をダブルクリックします。

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  4. [ASP] ウィンドウで [COM+ プロパティ] セクションを展開し、必要な設定を構成します。

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  5. [操作] ウィンドウで [適用] をクリックします。

構成

属性

属性 説明
appServiceFlags オプションの flags 属性。

IIS アプリケーションで COM+ サービスを有効にするために設定する必要のあるフラグが含まれます。

appServiceFlags 属性には、次のいずれかの値を指定できます。既定値は None です。

--------------------------------------------------------------------------------------------------

値: None

説明:

  • フラグを設定しないように指定します。
  • 数値は 0 です。

値: EnableTracker

説明:

  • このフラグを設定すると COM+ トラッカーが有効になり、管理者や開発者は ASP アプリケーションをデバッグできるようになります。
  • 数値は 1 です。

値: EnableSxS

説明:

  • このフラグを設定すると COM+ サイド バイ サイド アセンブリが有効になります。これにより、ASP アプリケーションは使用するシステム DLL または従来の COM コンポーネントのバージョンを指定できます (WinHTTP 5.1、Shell Common Controls バージョン 6.0 (Comctl32.dll)、GDI Plus バージョン 1.0 (GDIplus.dll)、Visual C++ Runtime Library バージョン 6.0 など)。このフラグを設定する場合は、sxsName 属性の値も指定する必要があります。 数値は 2 です。

値: UsePartition

説明:

  • このフラグを設定すると COM+ パーティション処理が有効になります。これは、Web アプリケーションを独自の COM+ パーティションに隔離するために使用できます。COM+ パーティションには、独自のカスタム COM コンポーネントのさまざまなバージョンを保持できます。このフラグを設定する場合は、partitionId 属性の値も指定する必要があります。 数値は 4 です。
executeInMta オプションの Boolean 属性。

ASP をマルチスレッド環境で実行するかどうかを指定します。

既定値は false です。
partitionId オプションの string 属性。

COM+ パーティションのグローバル一意識別子 (GUID) を指定します。

: appServiceFlags 属性が UsePartition に設定されている場合、この属性が必要です。

既定値は 00000000-0000-0000-0000-000000000000 です。
sxsName オプションの string 属性。

: appServiceFlags 属性が EnableSxS に設定されている場合、この属性が必要です。


COM+ アプリケーションの名前を指定します。
trackThreadingModel オプションの Boolean 属性。

スレッド モデルのチェックを有効にするかどうかを指定します。値が true の場合、IIS はアプリケーションで作成されるコンポーネントのスレッド モデルをチェックします。

既定値は false です。

子要素

なし。

構成サンプル

次の構成サンプルは、IIS でスレッド モデルのチェックを有効にし、ASP をマルチスレッド コンパートメントで実行するように構成する方法を示しています。

<configuration>
   <system.webServer>
      <asp>
         <comPlus trackThreadingModel="true" executeInMta="true" />
      </asp>

   </system.webServer>
</configuration>

サンプル コード

次のコード サンプルは、IIS でスレッド モデルのチェックを有効にし、ASP をマルチスレッド コンパートメントで実行するように構成する方法を示しています。

AppCmd.exe

appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/asp /comPlus.trackThreadingModel:"True" /commit:apphost
appcmd.exe set config "Default Web Site" -section:system.webServer/asp /comPlus.executeInMta:"True" /commit:apphost

C#

using System;
using System.Text;
using Microsoft.Web.Administration;

internal static class Sample
{
   private static void Main()
   {
      using (ServerManager serverManager = new ServerManager())
      {
         Configuration config = serverManager.GetApplicationHostConfiguration();
         ConfigurationSection aspSection = config.GetSection("system.webServer/asp", "Default Web Site");

         ConfigurationElement comPlusElement = aspSection.GetChildElement("comPlus");
         comPlusElement["trackThreadingModel"] = true;
         comPlusElement["executeInMta"] = true;

         serverManager.CommitChanges();
      }
   }
}

VB.NET

Imports System
Imports System.Text
Imports Microsoft.Web.Administration

Module Sample

   Sub Main()
      Dim serverManager As ServerManager = New ServerManager
      Dim config As Configuration = serverManager.GetApplicationHostConfiguration
      Dim aspSection As ConfigurationSection = config.GetSection("system.webServer/asp", "Default Web Site")

      Dim comPlusElement As ConfigurationElement = aspSection.GetChildElement("comPlus")
      comPlusElement("trackThreadingModel") = True
      comPlusElement("executeInMta") = True

      serverManager.CommitChanges()
   End Sub

End Module

JavaScript

var adminManager = new ActiveXObject('Microsoft.ApplicationHost.WritableAdminManager');
adminManager.CommitPath = "MACHINE/WEBROOT/APPHOST";

var aspSection = adminManager.GetAdminSection("system.webServer/asp", "MACHINE/WEBROOT/APPHOST/Default Web Site");
var comPlusElement = aspSection.ChildElements.Item("comPlus");
comPlusElement.Properties.Item("trackThreadingModel").Value = true;
comPlusElement.Properties.Item("executeInMta").Value = true;

adminManager.CommitChanges();

VBScript

Set adminManager = WScript.CreateObject("Microsoft.ApplicationHost.WritableAdminManager")
adminManager.CommitPath = "MACHINE/WEBROOT/APPHOST"

Set aspSection = adminManager.GetAdminSection("system.webServer/asp", "MACHINE/WEBROOT/APPHOST/Default Web Site")
Set comPlusElement = aspSection.ChildElements.Item("comPlus")
comPlusElement.Properties.Item("trackThreadingModel").Value = True
comPlusElement.Properties.Item("executeInMta").Value = True

adminManager.CommitChanges()