Office 2010 のボリューム ライセンス認証の概要

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

マイクロソフトとのボリューム ライセンス契約を持つ組織では、2 種類のボリューム ライセンス認証方法を利用できます。ライセンス認証により、ソフトウェアのプロダクト キーと、デバイスにインストールされた特定のソフトウェアとの間に関係が確立されます。マイクロソフトは、ボリューム ライセンスのチャネルを通じて販売される製品 (Windows 7、Windows Vista、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2008、および Microsoft Office 2010 クライアント製品) にライセンス認証テクノロジを組み込んでいます。

重要

この情報は、Office 2010 のボリュームライセンス版に適用されます。この情報は、サブスクリプションによってライセンスを供与される Office Professional Plus for Office 365 には適用されません。

この記事の内容

  • ボリューム ライセンスの概要

  • Office ライセンス認証テクノロジ

ボリューム ライセンスの概要

ボリューム ライセンスの利用者になるには、マイクロソフトとボリューム ライセンス契約を交わす必要があります。マイクロソフト ボリューム ライセンスは、組織の規模と購入のニーズに合わせてカスタマイズされたプログラムを提供します。これらのプログラムによってシンプルで柔軟な低価格のソリューションが提供されるため、組織のライセンス管理が簡単になります。2 つの Office 2010 スイート (Office Professional Plus 2010 および Office Standard 2010) は、ボリューム ライセンス プログラムを通じて購入できます。スイートを比較するには、「Compare suites available through Volume Licensing (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=216466\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。スイート間のサーバー統合機能を比較するには、「Compare server integration features between Office suites available through volume licensing (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=216467\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

マイクロソフト ボリューム ライセンス プログラムを通じてソフトウェアのライセンスを取得すると、ソフトウェア パッケージに同梱されたメディアではなく、ソフトウェアのライセンスに対してのみ支払いが生じます。大量購入では、このような物理的なコストの削減によって全体的なコストが抑制されることに加え、購入オプションがよりカスタマイズされ、ソフトウェア管理が向上します。

ボリューム ライセンス プログラムによっては、マイクロソフト ソフトウェア アシュアランス (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=184005\&clcid=0x411) も購入できるものがあります。これは、組織のソフトウェアへの投資を最大限に活用することを支援する、総合的なメンテナンス プログラムです。最新のソフトウェアに、電話によるサポート、パートナー サービス、トレーニング、および情報技術 (IT) ツールが統合されています。ソフトウェア アシュアランスは購入時に選択でき、ライセンス契約の条項に基づいてその特典をすぐに利用できます。

選択したボリューム ライセンス プログラムによってはメディアを受け取る場合もあり、必要に応じてメディア (または追加メディア)、ドキュメント、および製品サポートを個別に取得できます。

ボリューム ライセンスの詳細については、「マイクロソフト ボリューム ライセンス ホーム ページ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=8523\&clcid=0x411) を参照してください。ボリューム ライセンス版の Office 2010 クライアント製品のライセンス認証の手順については、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を展開する」を参照してください。キー管理サービス (KMS) およびマルチ ライセンス認証キー (MAK) による Windows ボリューム ライセンス認証について既によくご存知なら、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証のクイック スタート ガイド」に記載されている Office 2010 に固有の手順を参照してください。

ライセンス認証ポリシーの変更

2007 Microsoft Office system のライセンス認証は、小売店および OEM から購入したマイクロソフト ソフトウェアに対してのみ必要でした。Microsoft Office Enterprise 2007 にはプロダクト キーが入力されており、ライセンス認証は省略されていました。Office 2010 では、Windows Vista および Windows Server 2008 で導入されたソフトウェア保護プラットフォームに基づき、ライセンス認証方法に Office ライセンス認証テクノロジを使用しています。

マイクロソフト ポリシーでは、すべてのエディションの Office 2010 クライアント ソフトウェアについてライセンス認証が必要です。これには、ボリューム ライセンス プログラムを通じて取得されたものも含まれます。この要件は、物理コンピューターと仮想コンピューターの両方で実行される Office 2010 に適用されます。どの Office 2010 サーバー製品 (Microsoft SharePoint Server 2010 や Microsoft Project Server 2010) でも、またどのバージョンの Microsoft Exchange Server でも、ライセンス認証は必要ありません。

ライセンス認証が必要な理由

偽造は、ソフトウェア業界における重大な問題です。ビジネス ソフトウェア アライアンス (BSA) の調査によれば、2008 年に世界中でインストールされたすべてのパーソナル コンピューター ソフトウェアの 41 パーセントが、違法に取得されていました。ソフトウェア メーカーおよびベンダーへの経済的な影響は甚大で、2008 年の損失額は 500 億米ドルに及ぶと推定されますが、同時に、偽造ソフトウェアの影響は、ソフトウェア メーカーにとって利益の損失にとどまりません。マイクロソフト ソフトウェアの偽造コピーを使用している多くの利用者は、犯罪の被害者であることに気付いていません。さらに、偽造ソフトウェアは、無防備なユーザーを狙ってウイルスや悪意のあるソフトウェアをばらまく媒体となりつつあり、個人データやビジネス データの破損や紛失、および ID の盗難を引き起こす恐れもあります。

マイクロソフト ソフトウェアにライセンス認証要件を追加することは、キーの広範な漏洩を防ぐ効果があります。これにより、偽造ソフトウェアの使用が最小限に抑えられます。ビジネス ソフトウェア アライアンス調査の詳細については、「世界ソフトウェア違法コピー調査 (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=155960\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

プライバシー

マイクロソフトが使用するライセンス認証方法はすべて、ユーザーのプライバシーを保護するように設計されています。収集されるデータは、適切にライセンスされたソフトウェアのコピーを所有していることを確認するために使用されます。その後、データは集計されて統計分析が行われます。マイクロソフトがこの情報を使用して個人を特定したり、お問い合せすることはありません。

Office ライセンス認証テクノロジ

Office ライセンス認証テクノロジは、マイクロソフト ボリューム ライセンス プログラムでライセンスされている製品をライセンス認証するための方法です。Office ボリューム ライセンスの利用者の多くは、個別のライセンス契約で発行されるボリューム ライセンス キー (VLK) に慣れています。このキーによって、ライセンス認証が効果的に "省略" されます。Office 2010 では、Office ライセンス認証テクノロジによってライセンス認証のプロセスが自動化および管理されると同時に、Office Enterprise 2007 で発行されていたキーで生じていた著作権侵害およびプロダクト キー管理の問題が解決されています。

以下の方法を使用することで、Office ライセンス認証テクノロジを使用して Office 2010 をライセンス認証できます。これらは、Windows Vista、Windows Server 2008、およびそれ以降のバージョンの Windows で使用されているものと同じ方法です。入力したプロダクト キーの種類によって認証方法が決まります。

  • キー管理サービス (KMS)   KMS ホストの役割を果たすコンピューターでは、Office 2010 KMS ホスト キーがインストールされていてライセンス認証されている必要があります。これにより、環境内でローカル ライセンス認証サービスが確立されます。Office 2010 クライアント コンピューターは、ローカル KMS ホストに接続してライセンス認証を行います。

  • マルチ ライセンス認証キー (MAK)   MAK キーの場合、Office 2010 クライアント コンピューターは、マイクロソフトがホストするライセンス認証サーバーを使用してオンラインで、または電話で、ライセンス認証を行います。

    その他

  • KMS と MAK を組み合わせた方法   たとえば、Office 2010 を実行するデスクトップ コンピューターには KMS クライアント キーがインストールされ、Office 2010 を実行するポータブル コンピューターには MAK キーがインストールされます。

使用するボリューム ライセンス認証方法の選定に関しては、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を計画する」を参照してください。

キー管理サービス (KMS)

KMS では、ローカル ネットワーク上で製品をライセンス認証できます。したがって、製品をライセンス認証するために、個々のコンピューターがマイクロソフトに接続する必要がありません。これは専用システムを必要としない軽量なサービスであり、別のサービスを提供しているシステムで、さらにこのサービスをホストすることもできます。いずれかのコンピューターを KMS ホストとして構成する必要があります。KMS ホストは、ライセンス認証される製品ごとにお客様固有のボリューム ライセンス キー (KMS ホスト キー) を格納し、マイクロソフトがホストするライセンス認証用のサーバーに 1 回接続します。Windows Server 2003、ボリューム ライセンス版の Windows 7、または Windows Server 2008 R2 オペレーティング システムが実行されているコンピューターを、Office 2010 KMS ホストとして構成できます。

1 つの Office KMS ホスト キーで、すべてのボリューム ライセンス版 Office 2010 クライアント製品をライセンス認証できます。

重要

Office 2010 KMS ホスト キーは、オペレーティング システム固有ではありません。32 ビット版と 64 ビット版を含めて、上記のどのオペレーティング システムでも使用できるように設計されています。

Office 2010 KMS クライアント

KMS クライアントとは、KMS クライアント キーでプレインストールされているボリューム ライセンス版の Office 2010 を実行しているコンピューターです。KMS クライアントは組織の KMS ホストに接続して、ライセンス認証を要求します。Office 2010 KMS クライアントは、「Office 2010 のシステム要件」に示されているオペレーティング システムにインストールできます。

既定では、ボリューム ライセンス版の Office 2010 には KMS クライアント キーが既にインストールされています。エンド ユーザーによる操作は不要で、Office 2010 KMS クライアントのプロダクト キーを入力する必要はありません。唯一必要な操作は、管理者による KMS ホストの最初のライセンス認証です。

詳細については、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を計画する」の「KMS の展開を計画する」を参照してください。

マルチ ライセンス認証キー (MAK)

それぞれのボリューム ライセンス版 Office 2010 ごとに組織に一意の MAK キーが提供されます。各コンピューターは、マイクロソフトがホストするライセンス認証サービスで 1 回だけライセンス認証する必要があります。各キーにはライセンス認証の回数が関連付けられています。たとえば、ライセンス認証数が 100 の Office 2010 製品の MAK キーの場合、100 台のコンピューターにキーをインストールし、それぞれ 1 回ライセンス認証できます。

MAK は、ポータブル コンピューターなどの、企業ネットワークに長時間接続しないコンピューターを使用している組織に適しています。このためには、ボリューム ライセンス版の Office 2010 で使用される既定の KMS クライアント キーではなく、MAK キーをインストールする必要があります。MAK を使用してコンピューターをライセンス認証する方法は 2 とおりあります。最初の方法は MAK 個別ライセンス認証です。この方法では、インターネットまたは電話を通じて、コンピューターごとにマイクロソフトとやりとりを行ってライセンス認証する必要があります。

2 番目の方法は MAK プロキシ ライセンス認証で、こちらは VAMT 2.0 ツール (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=183042\&clcid=0x411) を使用して行われます。VAMT 2.0 は Office 2010 MAK プロキシ ライセンス認証をサポートしています。この方法を使用すると、コンピューターはネットワーク上の複数のコンピューターからライセンス認証情報を収集し、ライセンス認証要求を 1 つにまとめて代わりに送信します。このセットアップでは、VAMT 2.0 コンソールが、マイクロソフトがホストするサーバーに接続する唯一のコンピューターです。詳細については、「Office 2010 のボリューム ライセンス認証を計画する」の「MAK のライセンス認証を計画する」を参照してください。

MAK ライセンス認証の場合、ライセンス認証を定期的に更新する必要はありません。ハードウェアの大きな変更 (ハード ディスク ドライブの交換など) が検出されたり、オペレーティング システムを再インストールした場合は、ライセンス認証を再度行う必要があります。ライセンス認証をやり直すたびに、キーに関連付けられているライセンス認証の回数が 1 ずつ減らされます。VAMT 2.0 を使用した MAK プロキシ ライセンス認証での確認 ID を保存して再適用すれば、マイクロソフトとのやりとりが行われないので、キーに関連付けられているライセンス認証の回数を減らさずに同じコンピューターの再ライセンス認証ができます。また、ライセンス認証の回数があらかじめ決められた制限を超えた場合は、さらに多くのライセンス認証数を要求する必要があります。MAK キーのインストールを管理する必要もあり、インターネット接続が使用できない場合は、電話を使用してシステムのライセンス認証を手動で行う必要があります。

注意

VAMT 2.0 以降のバージョンのみが、Office 2010 をサポートできます。

ボリューム ライセンス プロダクト キー

ボリューム ライセンス版の Office 2010 を使用する場合は、ボリューム ライセンス認証を Office 2010 の展開プロセスに含めて計画する必要があります。KMS ホスト キーおよび MAK は特定のライセンス契約に基づいて発行され、これによって組織はライセンス製品を使用できるようになります。これらのキーは、ボリューム ライセンス製品でのみ使用できます。市販のソフトウェアや、OEM (Original Equipment Manufacturer) によって新しいコンピューターにプレインストールされているソフトウェアでは使用できません。ただし、ボリューム ライセンス版の製品をプレインストールすることが組織と OEM の間で契約されている場合を除きます。

KMS ホスト キーおよび MAK キーを取得するには、Office 2010 をダウンロードした Web サイトに移動します。