SharePoint Workspace 2010 を計画する

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

Microsoft SharePoint Workspace 2010 の展開を計画する場合、組織のニーズと目標を検討します。特に、ここで説明する展開オプションのコンテキストにおけるニーズと目標を検討する必要があります。

次の参照も役に立つ場合があります。

この記事の内容

  • SharePoint Workspace 2010 のトポロジ オプション

  • SharePoint Workspace 2010 のネットワーク設定

  • スケーラビリティとパフォーマンスに関する検討事項

  • セキュリティに関する検討事項

  • SharePoint Workspace のユーザー認証

  • 代替アクセス マッピング

  • SharePoint リストとライブラリの操作と設定

  • 検索オプション

  • SharePoint Workspace のバックアップと復旧

SharePoint Workspace 2010 のトポロジ オプション

SharePoint Workspace 2013 は、オンラインとオフラインのグループ作業をサポートする Microsoft SharePoint Server 2010 と Microsoft SharePoint Foundation 2010 のクライアントです。SharePoint Workspace を使用すると、ローカル コンテンツを SharePoint サイトのドキュメントとリストにいつでも同期できます。また、SharePoint Workspace には、SharePoint 接続が不要な Groove ワークスペースと共有フォルダーの作成によってピア グループ作業をサポートするオプションも用意されています。SharePoint Workspace は Microsoft Office Professional Plus 2010 に付属します。SharePoint Workspace の詳細については、「SharePoint Workspace 2010 の概要」を参照してください。

SharePoint Workspace 2013 展開の計画は、グループ作業戦略を最適にサポートするトポロジを選択することから開始します。まず、運用環境と組織の要件を検討します。次の表に、主な決定要因を示します。

機能 要件

組織で SharePoint Server 2010 または SharePoint Foundation 2010 を使用していますか?

はい|いいえ

チームの参加者にオフラインでの作業が必要なユーザーがいますか?

はい|いいえ

柔軟かつ機敏性のあるピア グループ作業をサポートする必要がありますか? つまり、ユーザーは、さまざまなロケールとタイム ゾーンから接続する必要がありますか?

はい|いいえ

組織では、ピア グループ作業のソフトウェアの使用が許可されていますか?

はい|いいえ

チーム グループ作業を、プライベート ネットワークまたは LAN の外部から、信頼されたパートナーとフィールド サイトにまで拡張する必要がありますか?

はい|いいえ

組織で Active Directory を使用していますか?

はい|いいえ

組織の SharePoint サイトへのアクセス権を持たないクライアントから意味のある協力が得られることが予想されますか?

はい|いいえ

組織のセキュリティと管理のインフラストラクチャに対してピア グループ作業の集中管理が必要ですか?

はい|いいえ

次の表は、さまざまな SharePoint Workspace トポロジが、これらの要件にどのように対応するかを示しています。

SharePoint Workspace のトポロジと機能

トポロジ 機能

SharePoint Workspace を SharePoint クライアントとして使用する

このトポロジは、以下をサポートするか、または以下の上に構築されます。

  • SharePoint Server 2010 または SharePoint Foundation 2010 ドキュメント ライブラリとリストへのアクセス。

  • オンラインとオフラインで作業するチームの共同作業者。

SharePoint Workspace をピア グループ作業として使用する

このトポロジは、以下をサポートするか、または以下の上に構築されます。

  • オンラインとオフラインで作業するチームの共同作業者。

  • 柔軟かつ機敏性のあるピア グループ作業。Groove ワークスペースでは複数の通信プロトコルがサポートされるため、組織はピア メッセージの転送のために開くポートを制御できます。

  • プライベート ネットワークの外部から、信頼されたパートナーとフィールド サイトにまで拡張されたチーム グループ作業。

  • 組織の SharePoint サイトへのアクセス権を持たないクライアントから提供された意味のある協力。

SharePoint Workspace を SharePoint およびピア グループ作業クライアントとして使用する

このトポロジは、以下をサポートするか、または以下の上に構築されます。

  • SharePoint Server 2010 または SharePoint Foundation 2010 ドキュメント ライブラリとリストへのアクセス。

  • オンラインとオフラインで作業するチームの共同作業者。

  • 柔軟かつ機敏性のあるピア グループ作業。Groove ワークスペースは、複数の通信プロトコルをサポートします。これにより、組織はピア メッセージの転送のために開くポートを制御できます。

  • プライベート ネットワークの外部から、信頼されたパートナーとフィールド サイトにまで拡張されたチーム グループ作業。

  • 組織の SharePoint サイトへのアクセス権を持たないクライアントから提供された意味のある協力。

SharePoint Workspace と Groove Server を、管理されたグループ作業システムとして使用する

このトポロジは、以下をサポートするか、または以下の上に構築されます。

  • 組織のセキュリティと管理要件に対応するピア グループ作業の集中管理。

  • オンラインとオフラインで作業するチームの共同作業者。

  • 柔軟かつ機敏性のあるピア グループ作業。

  • プライベート ネットワークの外部から、信頼されたパートナーとフィールド サイトにまで拡張されたチーム グループ作業。

  • 組織の SharePoint サイトへのアクセス権を持たないクライアントから提供された意味のある協力。

  • 既存の Active Directory との統合。

この展開トポロジの詳細については、「Groove Server 2010 (機械翻訳)」を参照してください。

この記事の次の 4 つのセクションでは、これらの SharePoint Workspace 展開トポロジをグループ作業のニーズにマッピングする方法について説明します。

SharePoint Workspace を SharePoint クライアントとして使用する

企業インフラストラクチャの外部からコンテンツ (つまり、SharePoint サーバー接続のないフィールドまたは場所から収集されるデータ) をアップロードする必要がある SharePoint チームのメンバーとパートナーを持つ組織の場合、SharePoint Workspace を SharePoint クライアントとして使用することをお勧めします。このトポロジによって SharePoint Workspace のユーザーは、次のグループ作業のオプションを選択できるようになります。

  • SharePoint サーバーと SharePoint Workspace クライアント間の接続を確立する SharePoint ワークスペースを簡単に作成する機能。この機能により、1 人の SharePoint チーム メンバーまたはパートナーが SharePoint サイトのコンテンツをローカル コンピューターに取り出すことができます。SharePoint ワークスペースの使用により、共同作業者は、オンラインまたはオフラインを問わず、SharePoint サーバーへの接続の有無に関係なく、SharePoint ドキュメント ライブラリまたはリストのコンテンツを追加、変更、削除できます。SharePoint Workspace クライアントと SharePoint サイト間のコンテンツ更新の同期は、クライアントがオンラインの間に自動的に行われます。その結果、共同作業者は、インターネットに接続されているときに生成した作業内容を共有できるのと同じように、オフラインで行った作業内容を簡単に共有できます。

注意

SharePoint Workspace のクライアントでは、ユーザーは、SharePoint ワークスペースとピア ワークスペースを作成できます。ピア ワークスペース タイプは、Groove ワークスペースまたは共有フォルダーです。詳細については、「SharePoint Workspace を SharePoint およびピア グループ作業クライアントとして使用する」を参照してください。SharePoint Workspace を、SharePoint ワークスペースのみをサポートする SharePoint クライアントとして展開するために、ピア ワークスペースを禁止するポリシーを展開に含めることができます。詳細については、「SharePoint Workspace 2010 を構成およびカスタマイズする」を参照してください。

この構成の場合、基本レベルのクライアント管理は、Windows および Active Directory ツールを使用して行うことができます。

SharePoint ワークスペースは、SharePoint Workspace ユーザーがローカル コンピューター上の SharePoint ドキュメントとリストのコンテンツを使用し、同期できるようにする、個別のクライアントと SharePoint 間の通信をサポートする SharePoint Workspace 通信と動的テクノロジに依存します。図 1. は、SharePoint Workspace から Microsoft SharePoint Server 2010 への基本セットアップを示します。

図 1. SharePoint への SharePoint Workspace の接続

SharePoint への SharePoint Workspace 接続

SharePoint Workspace をピア グループ作業として使用する

Microsoft SharePoint Server 2010 と Microsoft SharePoint Foundation 2010 のどちらも利用できない場合に、適切に装備された、使いやすいグループ作業環境をインフォメーション ワーカーに提供する必要がある組織の場合、SharePoint Workspace をピア グループ作業クライアントとして使用することをお勧めします。このトポロジは、SharePoint Workspace ユーザーに次の 2 つのピア グループ作業オプションを提供します。

  • インフォメーション ワーカーが、仮想プライベート ネットワーク (VPN) を必要とせずに、ローカルのオンラインおよびオフライン グループ作業ツールの完全なセットにアクセスすることによって、信頼されたピアと安全に共同作業を行える Groove ワークスペースを簡単かつ迅速に作成する機能。Groove ワークスペースのグループ作業ツールは、企業ファイアウォールの内部または外部に配置されたチーム メンバーとパートナー間のリアルタイム グループ作業環境で、ドキュメントの作成と共有、オンライン ディスカッション、会議の管理、および Microsoft InfoPath フォームをサポートします。

  • SharePoint Workspace ユーザーが、ワークスペース メンバーのデスクトップ上の指定された Windows フォルダー内のコンテンツで共同作業を行える共有フォルダーを作成する機能。

この構成の場合、基本レベルのクライアント管理は、Windows および Active Directory ツールを使用して行うことができます。

Groove ワークスペースと共有フォルダーを介したピア グループ作業の場合、SharePoint Workspace は通信と動的基盤の上に構築され、Groove ワークスペースのセキュリティ保護とワークスペース メンバーの認証に役立つ、一連のツール、連絡先管理プログラム、メッセージ マネージャー、および標準ベースの公開キー基盤 (PKI) の実装を備えるワークスペース マネージャー モジュールを提供します。Groove ワークスペースのデータは、クライアント コンピューター上に存在し、組み込みのセキュリティ対策により、ワークスペース メンバーのデータがネットワーク上で確実に暗号化されます。SharePoint Workspace ツールとコンポーネントの主要な機能は、図 2. に示すように、ローカル エリア ネットワーク (LAN) 上で直接接続された 2 台のクライアント コンピューターで使用できます。

図 2. LAN 上の Groove ワークスペース ピア接続

SharePoint ワークスペースの LAN 接続

クライアントがワイド エリア ネットワーク (WAN) に接続されている場合、オフラインの場合、またはファイアウォールの内側にある場合、Groove ワークスペースと共有フォルダーのピア接続を維持するために、SharePoint Workspace は、図 3. に示すように、Microsoft Groove Server Manager および Relay サービスのサポートに依存します。Microsoft がホストするか、オンサイトにインストールされるこれらのサーバーは、ユーザー コンテキストやインターネット全体の環境条件に関係なく、タイムリーな通信の確保に役立ちます。

図 3. LAN を越える Groove ワークスペースの接続

Groove ワークスペースを含む SharePoint Workspace

SharePoint Workspace を SharePoint およびピア グループ作業クライアントとして使用する

グループ作業を SharePoint ドキュメント フレームワークの外部で作業する特別チームに拡張しながら、クライアント デスクトップのコンテンツを SharePoint ドキュメント ライブラリとリストに同期させる必要がある組織の場合、SharePoint Workspace を SharePoint およびピア グループ作業クライアントとして使用することをお勧めします。このオプションは、前述のトポロジを結合し、SharePoint Workspace ユーザーに次のグループ作業オプションを提供します。

  • SharePoint サーバーと SharePoint Workspace クライアント間の接続を確立する SharePoint ワークスペースを作成する機能。これにより、1 人の SharePoint チーム メンバーまたはパートナーが SharePoint サイトのコンテンツをローカル コンピューターに取り込むことができます。詳細については、「SharePoint Workspace を SharePoint クライアントとして使用する」を参照してください。

  • 信頼されたピアが VPN を必要とせずに安全に共同作業を行える Groove ワークスペースを簡単に作成する機能。詳細については、「SharePoint Workspace 2010 の概要」を参照してください。

  • SharePoint Workspace ユーザーがワークスペース メンバーのデスクトップ上の指定された Windows フォルダー内のコンテンツで共同作業できる Shared Folder ワークスペースを作成する機能。

この構成の場合、基本レベルのクライアント管理は、Windows および Active Directory ツールを使用して行うことができます。

SharePoint Workspace 通信と動的モジュールは、「SharePoint Workspace 2010 のネットワーク設定を計画する」で要約が示されている TCP/IP プロトコルと共に、個々のクライアントと SharePoint サーバー間、およびクライアント ピア間のメッセージ転送とコンテンツ同期をサポートします。図 4. は、SharePoint サーバー、Groove Server Relay と管理サービス、および 4 台の SharePoint Workspace クライアントを含む SharePoint Workspace クライアント/サーバー システムを示しています。

図 4. SharePoint および Groove サーバーを持つ SharePoint Workspace

LAN 外部の SharePoint Workspace 接続

SharePoint Workspace と Groove Server を、管理されたグループ作業システムとして使用する

Groove ワークスペースと共有フォルダーを使用する場合、SharePoint Workspace 展開の一環としての Microsoft Groove Server 2010 オンサイトへのインストールにより、最適なクライアント管理が提供されます。Groove Server は、企業内の SharePoint Workspace 展開と運用を容易にする次の 2 つのアプリケーションを用意しています。Groove Server Manager は、管理、レポート、およびポリシー配布サービスを提供し、Groove Server Relay は、クライアント通信を容易にします。このシステムは、SharePoint Server の有無にかかわらず機能し、企業ファイアウォールの外部にあるパートナーにまで拡張できます。Groove Server 2010 の詳細については、「Groove Server 2010 (機械翻訳)」を参照してください。

次の表は、SharePoint Workspace トポロジ オプションが幅広いシナリオでどのように機能するかを示しています。

SharePoint Workspace のシナリオとトポロジ

シナリオ 説明 選択したトポロジと必須コンポーネント

金融サービス会社

  • 事業活動範囲: 市内

  • 従業員数: 2,000 人

  • SharePoint Workspace ユーザー: 1,000 人

  • 適切な SharePoint インフラストラクチャ

SharePoint Workspace を SharePoint クライアントとしてのみ使用する

必須コンポーネント:

  • SharePoint Server

  • SharePoint Workspace クライアント

国の高等教育システム

  • 事業活動範囲: 都道府県内

  • 従業員数: 4,000 人

  • SharePoint Workspace ユーザー: 2,000 人

  • 既存の SharePoint インストールなし

SharePoint Workspace をピア グループ作業として使用する

必須コンポーネント:

  • インターネット接続を備える SharePoint Workspace クライアント

地方医療機関

  • 事業活動範囲: 地域

  • 従業員数: 10,000 人

  • SharePoint Workspace ユーザー: 8,000 人

  • 適切な SharePoint インフラストラクチャ

SharePoint Workspace を SharePoint およびピア グループ作業クライアントとして使用する

必須コンポーネント:

  • SharePoint Server

  • SharePoint Workspace クライアント

  • インターネット接続

多国籍企業

  • 事業活動範囲: 国内外

  • 従業員数: 500,000 人

  • SharePoint Workspace ユーザー: 50,000 人

  • IT 部門: はい

Groove Server と SharePoint Workspace を SharePoint の管理されたグループ作業システムとして使用する

必須コンポーネント:

  • Microsoft Groove Server 2010

  • SharePoint Workspace クライアント

  • Active Directory システム (推奨)

  • インターネット接続 (推奨)

SharePoint Workspace 2010 のネットワーク設定

Microsoft SharePoint Workspace 2010 は、最適な運用が行えるように、Windows ファイアウォールのネットワーク ポートを自動的に構成します。クライアント ポート接続を確認したり、SharePoint ワークスペースのみに対する Microsoft SharePoint Server および SharePoint Workspace ポートを構成したりするには、[Windows ファイアウォール] コントロール パネル アドインを起動し、必要に応じて設定を構成します。

SharePoint Workspace プロトコルの詳細については、「Microsoft Office Protocol Documents (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=162294\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

次の表は、SharePoint Workspace の各プロトコルに必要なポートを示しています。

SharePoint Workspace 2010 のクライアント ポート設定

SharePoint Workspace のクライアント ポート設定 サポートされるプロトコル 説明

80/TCP - 送信

Microsoft File Synchronization by SOAP over HTTP Protocol (MS-FSSHTTP)

Microsoft Groove HTTP Encapsulation of Simple Symmetric Transport Protocol (MS-GRVHENC)

次の通信をサポートします。

  • SharePoint ワークスペースの場合 - Microsoft SharePoint Server と SharePoint Workspace クライアント間のドキュメントとリストのコンテンツの同期

  • Groove ワークスペースと共有フォルダーの場合 — SSTP ポート 2492/TCP とポート 443/TCP のどちらも利用できない場合の SharePoint Workspace クライアントと Groove Relay サーバー間の SSTP メッセージの伝送。HTTP での SSTP 伝送のカプセル化。

  • Groove ワークスペースと共有フォルダーの場合 — SharePoint Workspace クライアントと Groove 管理サーバー間の SOAP 通信。

443/TCP - 送信

HTTPS

Microsoft Groove HTTP Encapsulation of Simple Symmetric Transport Protocol Security Protocol (MS-GRVSSTPS)

次の通信をサポートします。

  • SharePoint ワークスペースの場合 - Microsoft SharePoint Server と SharePoint Workspace クライアント間の SSL によって保護されたコンテンツの同期。

  • Groove ワークスペースと共有フォルダーの場合 — SSTP ポート 2492/TCP が使用できない場合の SharePoint Workspace クライアントと中継サーバー間の SSTP メッセージの伝送。Secure HTTP Tunneling テクノロジを利用します。

2492/TCP - 着信と発信

Microsoft Groove Simple Symmetric Transport Protocol (MS-GRVSSTP)

次の通信をサポートします。

  • Groove ワークスペースと共有フォルダーの場合 — SharePoint Workspace クライアントと中継サーバー間の SSTP メッセージの伝送。

1211/TCP - 着信と発信

Local Area Network Device Presence Protocol (LANDPP)

次の通信をサポートします。

  • Groove ワークスペースと共有フォルダーの場合 - SharePoint Workspace クライアント間のローカル エリア ネットワーク (LAN) デバイスの存在検知。

スケーラビリティとパフォーマンスに関する検討事項

このセクションではシステム容量に関する情報を提供します。この情報は、組織内で予想される SharePoint ワークスペースの使用の範囲内で、最適なシステム パフォーマンスを得るための計画を作成する上で役に立ちます。この説明の中で、パフォーマンスとは、ドキュメントを開く、保存する、および更新する回数だけでなく、アップロードおよびダウンロードする回数も意味します。

パフォーマンスと拡張性

SharePoint Workspace は、ダウンロードされた SharePoint ライブラリのドキュメントをクライアント デバイスの共通の Office ドキュメント キャッシュ (ODC) に格納します。このキャッシュに格納される SharePoint Workspace ドキュメントの数は、クライアントのシステム メモリとパフォーマンスに直接的な影響を与えます。ODC は複数の Office アプリケーションをサポートするため、1 つの Office アプリケーションによるキャッシュ使用率の影響は、システム上の他の Office アプリケーションに拡大する可能性があります。SharePoint Workspace 2013 の場合、同期のために ODC に格納されるドキュメントの数が多くなると、システム メモリが一杯になり、パフォーマンスが低下します。キャッシュされた SharePoint ドキュメントの数が 10,000 に近づくと、ファイルのサイズ、種類、コンテンツによっては、使用可能なメモリが大幅に減少し、パフォーマンスが大幅に低下する場合があります。このおおよその上限値は、制御された環境でのテストに基づきます。この制限値は、さまざまなサイズ、種類、コンテンツのドキュメントを使用する実際のシナリオでは、これよりも高くまたは低くなる場合があります。

SharePoint と同期するドキュメントのサイズと数は、組織の数に関係なく大きく異なる可能性があります。クライアントのパフォーマンスと運用の問題を予測し、軽減するには、使用ガイドラインを実施することで予想される最大の使用状況に合わせて計画を作成し、キャッシュおよび関連するリソースの過負荷を回避します。

SharePoint Workspace 2013 のハードウェア要件は、最も基本的な使用状況、つまり、キャッシュに含めることができるファイル数が 500 未満で、平均ファイル サイズが 300 KB 以下の状況を対象とします。この要件では、256 MB の RAM、1.5 GB のドライブを搭載する 256 MHz のシングル コア プロセッサにインストールされたクライアントが指定されます。頻繁に使用される環境でユーザーの操作性を向上するように最適化するには、最小でも次の機器が推奨されます。

  • 2 GHz のデュアル コア プロセッサ

  • 4 GB の RAM

  • 200 GB のハード ディスク ドライブ

平均で 500 を超えるドキュメントが保持されるクライアントのドキュメント キャッシュをサポートすることが予想され、さらに、一部のドキュメント キャッシュに 300 KB を超えるテキストと、おそらく、複雑なグラフィックスやビデオ クリップが含まれることが予想される場合、より高いレベルのハードウェア要件を検討する必要があります。

これらの推奨制限値は、次のハードウェアで実施されたテストの結果です。

Intel Xeon CPU E5410 @ 2.33 GHz、4 GB RAM、シングル ディスク 200 GB

必要に応じて、次の手順を実行し、SharePoint Workspace のパフォーマンスを制御できます。

  • ファイルのダウンロードをヘッダーのみに制限します。これを行うには、レジストリの次の DWORD 値を設定します。HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Groove\DefaultDocumentLibraryContentDownloadSettingHeadersOnly

    警告

    レジストリを誤って変更すると重大な問題が生じる場合があります。この問題によって、オペレーティング システムの再インストールが必要になる可能性があります。Microsoft は、この問題が解決できることを保証できません。レジストリはユーザーの責任で変更してください。レジストリを変更する前に、レジストリを必ずバックアップしてください。また、問題が発生した場合にレジストリを復元する方法を必ず認識しておいてください。レジストリのバックアップ、復元、および変更方法については、Microsoft サポート技術情報の記事「上級ユーザー向けの Windows レジストリ情報」を参照してください。

SharePoint Workspace のハードウェア要件の基準については、「Office 2010 のシステム要件」を参照してください。

SharePoint Server 2010 と SharePoint Workspace 2013 で提供される組み込みメカニズムについては、「パフォーマンスの監視とスロットリング」を参照してください。

SharePoint Server のシステム要件については、「SharePoint Server 2010 の展開」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=188459\&clcid=0x411) を参照してください。

パフォーマンスの監視とスロットリング

SharePoint Server 2010 は、組み込みサーバーの正常性モニターによって、過大な作業負荷のためサーバーのパフォーマンスが低下していることが示された場合、スロットリングを要求することでクライアント通信のフローを減速します。SharePoint ワークスペースを使用する場合、SharePoint Workspace クライアントはサーバー要求の頻度を調整することにより、SharePoint Server のバックオフ信号に応答します。SharePoint Workspace の同期頻度の調整は、アクティビティが多いときと比べて、アクティビティが少ないときは頻度を少なくするように、SharePoint ワークスペースのアクティビティと SharePoint サイトの変更に反映されます。これらの調整によって、クライアントによる帯域幅の全体的な使用率が削減され、サーバーのパフォーマンスが改善されます。

Groove ワークスペースの場合、SharePoint Workspace は、組み込みのパフォーマンス対策を用意し、Microsoft によってホストされるかオンサイトでインストールされた Groove Server Relay サービスに依存して通信を最適化します。パフォーマンスを最適化するために、SharePoint Workspace は、ネットワーク条件が許す場合、Groove ワークスペースのデータを直接クライアント間で転送します。直接到達できないクライアント宛にデータが送信される場合、SharePoint Workspace は中継サーバーを介してデータを送信し、メッセージの送信を最適化します。通信量の多い状態での合計帯域幅は、通常、中継サーバーがメッセージの送信に利用できる帯域幅よりも狭くなります。

SharePoint のパフォーマンス監視とスロットリングの詳細については、「キャッシュとパフォーマンスを計画する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

セキュリティに関する検討事項

SharePoint Workspace クライアントと SharePoint サイトとのデータ交換は、同期プロトコルや、VPN または Secure Socket Layer (SSL) テクノロジによって提供される外部セキュリティ メカニズムに依存しています。このため、企業ドメインの外部からの SharePoint 接続に対して SSL 暗号化を使用することをお勧めします。「SharePoint Workspace 2010 を構成およびカスタマイズする」に説明されているように、Active Directory 組織単位全体にわたって適用されるグループ ポリシー設定を構成できます。さらに、アクセス制御リストを適切に設定することによって、SharePoint サイトを未承認のアクセスからセキュリティで保護できます。ユーザーが SharePoint ライブラリおよびリストと同期するためのアクセス制御リストの設定方法に関するガイダンスについては、「SharePoint Foundation 2010 のセキュリティと保護」または「SharePoint Server 2010 のセキュリティと保護」を参照してください。

SharePoint Workspace は、強力な暗号化テクノロジを使用して、SharePoint Workspace アカウントを保護します。これは、各ユーザーの暗号化キー、ID、連絡先、メッセージ、および一意のワークスペース ID に対するセキュリティ保護されたリポジトリです。Windows 認証とユーザーの Windows ログオン資格情報が SharePoint Workspace アカウントのロックを解除するために使用されます。

SharePoint Workspace 2013 は、SharePoint ワークスペースのコンテンツを含む、ディスク上の SharePoint Workspace 2013 ドキュメントやその他のバイナリ ファイルを暗号化しません。このため、BitLocker ドライブ暗号化を利用して、クライアントのデータ ドライブ上のすべてのコンテンツを暗号化することを検討してください。詳細については、「BitLocker ドライブ暗号化」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=163122\&clcid=0x411) を参照してください。SharePoint Workspace データ ディレクトリ内の Windows Search をブロックすることにより保護を強化して、暗号化されていない検索インデックスの生成を防止できます。ただし、均一に保護されていない他のクライアントと共有するコンテンツは暗号化されず、検索できる状態のままになっていることに注意してください。

Groove ワークスペースと共有フォルダーの場合、SharePoint Workspace は、ネイティブの対称的な公開キー暗号化テクノロジを使用して、ネットワーク上のクライアント間の伝送を認証し、暗号化し、保護します。強力な暗号化は、次のようなディスク上のコンテンツを保護します。Groove インスタント メッセージ、Groove 招待、Groove ディスカッションとメモ帳のエントリ、アーカイブされた Groove ワークスペース、およびフォーム ツールとテンプレート。

SharePoint Workspace のユーザー認証

SharePoint Workspace 2013 は、Windows ログオンとデータ保護 API (DPAPI) を使用して、ユーザーを認証し、SharePoint Workspace アカウントにアクセスします。このシングル サインオン ユーザー (SSO) ログオンは、追加の SharePoint Workspace 固有の資格情報が不要であることを意味しています。

SharePoint Server、SharePoint Workspace に対して SharePoint Workspace ユーザーを認証する場合、Windows 認証とフォームベース認証という SharePoint Server 手法がサポートされます。通常、Windows 認証は、SharePoint サイトへの内部 SharePoint Workspace ユーザーのアクセスに使用されます。フォーム ベースの認証は、SharePoint サイトへの外部 SharePoint Workspace ユーザーのアクセスに使用されます。

相互に SharePoint Workspace ユーザーを認証する場合 (Groove ワークスペース、共有フォルダー、およびメッセージング)、SharePoint Workspace は、そのネイティブの公開キー基盤 (PKI) に依存します。

SharePoint Server へのシングル サインオンに関する詳細については、「Understanding Enterprise Single Sign-On (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=162302\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

フォームベース認証の詳細については、「フォームベースの認証を構成する (Office SharePoint Server)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=149721\&clcid=0x411) を参照してください。

代替アクセス マッピング

SharePoint Server は、サイトごとに複数の URL を定義できる代替アクセス マッピングをサポートします。SharePoint ワークスペースを使用する場合、この機能を利用して、SharePoint Workspace が複数の SharePoint Server サイト URL と同期できるように設定できます。複数の URL の定義は、リバース プロキシ公開、負荷分散を含むシナリオなど、インターネット インフォメーション サービス (IIS) によって受信された Web 要求の URL と SharePoint ユーザーが入力した URL が異なる場合の展開シナリオに有用です。

Unified Access Gateway (UAG) サーバーのコンテキストで、Microsoft SharePoint Server または SharePoint Foundation に対する代替アクセス マッピング (AAM) を定義している場合、リモートの SharePoint Workspace ユーザーが UAG 経由で SharePoint サイトのコンテンツにアクセスして同期を試みたときにターゲットの SharePoint サーバーの URL に対する正しい代替アクセス マッピングが保持されるように、UAG サーバーを構成する必要があります。

オフラインでの作業後に UAG 経由で SharePoint に再接続する、オフラインの SharePoint Workspace 2013 クライアントの同期の問題を回避するには、UAG を Service Pack 1 にアップグレードします。それ以外では、Unified Access Gateway サーバーの次のページへのアドレス リンク変換を無効にします。

  • /_vti_bin/Lists.asmx

  • /_vti_bin/Webs.asmx

代替アクセス マッピングの詳細については、「代替アクセス マッピングを計画する (Windows SharePoint Services)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=114854\&clcid=0x411) を参照してください。

SharePoint リストとライブラリの操作と設定

以下の SharePoint Server 2010 の操作と設定は、SharePoint Workspace 2013 に適用されます。

  • SOAP over HTTP プロトコル経由のファイル同期 — SharePoint のライブラリおよびリストのコンテンツと SharePoint Workspace クライアントの SharePoint ワークスペースとの同期をサポートするには、このプロトコルを有効にする必要があります。

  • RDC (Remote Differential Compression) — SOAP over HTTP プロトコル経由でのファイル同期をサポートするには、この Windows 機能を有効にする必要があります。

  • [サイトの操作]: [SharePoint Workspace と同期] — SharePoint サイトに接続された SharePoint Workspace ユーザーは、[SharePoint Workspace と同期] をクリックして、ローカル コンピューター上に SharePoint ワークスペースを作成するか、ローカルの SharePoint ワークスペースがサイトに既に存在する場合はコンテンツを同期することができます。SharePoint サイトへの接続に関係なく、ユーザーは、ローカル ワークスペースからコンテンツを追加、変更、または削除できます。SharePoint サイトとの同期は、ユーザーが接続しているときに、設定された間隔で自動的に行われます。また、ユーザーは、SharePoint ワークスペースで [同期] タブをクリックして、同期を強制的に行うこともできます。

    注意

    [SharePoint Workspace と同期] は、SharePoint ドキュメント ライブラリまたはリストからリボン オプションとして利用することもできます。

  • [サイトの操作]/[サイトの設定]/[サイトの管理]/[検索とオフラインでの使用可能性]/[オフライン クライアントの使用可能性] — SharePoint サイトの管理者は、この設定を使用して、SharePoint Workspace クライアントがサイトにアクセスできるようにする必要があります。

  • Secure Socket Layer (SSL) 保護 — SharePoint Workspace クライアントとの SharePoint 通信がサポートされる着信ポート 80 インターフェイスについては、SSL 保護をお勧めします。

検索オプション

SharePoint Workspace のコンテンツは、Windows Search 4.0 またはそれ以降のバージョンを使用して検索できます。既定では、Windows Search クロール (インデックスの作成) は一部の SharePoint Workspace のコンテンツに対して利用できます。SharePoint Workspace ユーザーは、Windows ポリシーによって禁止されていない限り、リボンの [ホーム] タブにある [検索] をクリックして Windows Search 4.0 にアクセスできます。

管理者は、Active Directory GPO を展開することにより、SharePoint Workspace コンテンツの Windows Search をブロックしたり、ユーザーの検索設定を無効にすることができます。詳細については、「SharePoint Workspace 2010 を構成およびカスタマイズする」を参照してください。Windows Search の使用方法の詳細については、「Windows Search 4.0 Administrator's Guide (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=164567\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

SharePoint Workspace のバックアップと復旧

すべての SharePoint Workspace アカウント情報は、クライアント コンピューター上に存在します。アカウント情報には、暗号化キーとユーザー ID 情報が含まれています。SharePoint Workspace には、ユーザー アカウントのバックアップと復元のメカニズムが用意されています。また、ユーザーは、Groove ワークスペースをワークスペース アーカイブとしてバックアップできます。

SharePoint Workspace ユーザー アカウントの保護に役立てるために、SharePoint Workspace ユーザーが次のベスト プラクティスを順守するように奨励してください。

  • SharePoint Workspace アカウントを復元できるようにします。[アカウントの復元を可能にする] 設定は、[アカウントの基本設定] オプションを使用して SharePoint Workspace 2013 でアクセスでき、Windows ログオンをリセットする必要がある場合にアカウントへのアクセスを再取得するための安全な方法をユーザーに提供します。アカウントを復元できるようにするには、すべてのクライアントに対して [アカウントの復元を可能にする] チェック ボックスをオンにしたままにする必要があります。この設定を取り消す場合、ユーザーに警告することを検討してください。

    注意

    [アカウントの復元を可能にする] は、アカウントの移植性と複数のコンピューター上でアカウントを使用する機能もサポートします。ユーザーが他のコンピューターにアカウントを移植できないようにする必要がある組織については、Microsoft Groove Server 2010 で、単一のコンピューターへの管理されたアカウントを制限するポリシーを用意しています。サイトで Groove Server を展開する方法の詳細については、「Groove Server 2010 の展開 (機械翻訳)」を参照してください。

  • SharePoint Workspace ユーザー アカウントをセキュリティで保護された場所にあるファイルにバックアップします。SharePoint Workspace は、ユーザーが .grv ファイルにアカウントを保存できるようにするオプションを用意することにより、アカウントを喪失または破損した場合のアカウントの復元をサポートします。ユーザーが定期的にアカウントをセキュリティで保護された場所に保存するように奨励してください。ユーザーがアカウントを保存するには、リボンの [ファイル] タブをクリックし、[アカウントの管理] ドロップダウン メニューで [アカウントの基本設定] を選択します。次に、[アカウント] タブで [アカウントをファイルとして保存] を選択し、指示に従って初期アカウント復元用のファイル名とパスワードを入力します。パスワードを忘れた場合にリセット コードが送信されてアカウントが復元されるようにするには、ユーザーのアカウントの基本設定で [アカウントの復元を可能にする] が選択されている必要があります。この設定を有効にすると、SharePoint Workspace は、アカウントが作成されたときにアカウント構成ウィザードに指定された電子メール アドレスにリセット コードを送信します。これにより、ユーザーは復元されたアカウントをリセットすることができます。

Groove ワークスペースの保護に役立てるために、ユーザーが、リボンの [ファイル] タブをクリックし、[共有] を選択し、[ワークスペースをアーカイブとして保存] オプションを構成して、各 Groove ワークスペースを定期的にバックアップするように奨励してください。Groove ワークスペースをバックアップし、復元する方法の詳細については、「Microsoft Office Online (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=162269\&clcid=0x411) (英語) の SharePoint Workspace 製品のヘルプを参照してください。

注意

Groove ワークスペースのデータとツールは、クライアント コンピューター上に存在します。このため、他のチーム メンバーが Groove ワークスペースを共有する場合、ワークスペースが失われたときは別のクライアント コンピューターから取得できます。