User Profile Service の概要 (SharePoint Server 2010)

  • [アーティクル]

 

適用先: SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-30

User Profile Service は、ユーザーに関する情報を、一元管理する場所に格納します。ソーシャル コンピューティング機能はこの情報を使用して、ユーザーが効率的に共同作業を行えるようにする生産的な対話を促進します。個人用サイトの Web サイトを準備し、ソーシャル タグ付け、ニュース フィードなどのソーシャル コンピューティング機能を有効にして、プロファイルを作成し、それらを複数のサイトとファームにわたって配布するには、User Profile Service を有効にする必要があります。

この記事の内容

  • User Profile Service の用途と利点

  • アーキテクチャ

  • 関連サービス

User Profile Service の用途と利点

User Profile Service は、Microsoft SharePoint Server 2010 の共有サービスで、サービス管理者が以下の機能の構成と管理を行う一元管理の場所を提供します。

  • ユーザー プロファイル: 組織内の個人に関する詳細な情報を格納します。ユーザー プロファイルでは、各ユーザーに関連するすべてのプロパティと、そのユーザーに関連するソーシャル タグ、ドキュメント、およびその他の項目を整理して表示します。

  • 組織プロファイル: チーム、部門など、組織に関する詳細な情報を格納します。

  • プロファイルの同期: SharePoint Server 2010 のプロファイル ストアに格納されているユーザー、グループ、および組織のプロファイル情報を、ディレクトリ サービスに格納されているプロファイル情報と、企業全体で確実に同期できます。

  • 対象ユーザー: コンテンツの対象ユーザーを組織が設定できるようにします。対象は、ユーザーの業務やタスクに基づくこと、SharePoint Server グループまたは配布リストのメンバーシップで定義されているとおりにすること、組織の報告上の構造別にすること、またはユーザー プロファイルのパブリック プロパティ別にすることができます。

  • 個人用サイトのホスト: 個人用サイトの Web サイトをホストすることのみを目的としたサイトです。個人用サイトのホストは、SharePoint Server のソーシャル機能を展開するために必要です。

  • 個人用サイトの Web サイト: 組織内のユーザーに、ドキュメント、リンク、および仕事仲間の管理と保存を行う、一元管理の場所を提供する個人用サイトです。

  • ソーシャルタグとメモ: ドキュメント、他の SharePoint Server アイテム、および外部 Web ページ、ブログの投稿など、他の項目に、ユーザーがソーシャル タグを追加できるようにします。ユーザーは個人用サイトの Web サイトのプロファイル ページまたは任意の SharePoint Server ページに、即席のメモを残すこともできます。管理者は、従業員が退職したときにその従業員のタグをすべて削除したり、不要なタグを削除したりできます。

これらの機能によって、組織内のユーザーは情報を共有し、組織内で起きている事柄に通じていることができます。たとえばソーシャル タグを利用すると、興味のある情報にタグ付けし、それらを追跡できます。共同作業をしているユーザーが新しいブログの投稿を作成したときや、組織のメタデータに変更があるときに、ユーザーに警告を送信できます。ユーザーと組織の関係や、組織とサイトの関係を表示することもできます。

SharePoint Server 2010 に備わるその他の共有サービスと同様に、User Profile Service は簡単に展開してセットアップできます。ファーム管理者は、User Profile Service に備わる機能のすべてまたは一部の管理を、1 人以上のサービス アプリケーション管理者に委任できます。詳細については、「サービス アプリケーションに管理者を割り当てる (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

アーキテクチャ

User Profile Service のインスタンスを作成するときには、ユーザー プロファイル情報と関連データを保存するため、SharePoint Server によって 3 つのデータベースが作成されます。

  • プロファイル データベース: ユーザー プロファイル情報の保存に使用されます。

  • 同期データベース: Active Directory ディレクトリ サービス (AD DS) のような外部ソースから取得する、プロファイル データ同期用の構成およびステージング情報を保存するために使用されます。

  • ソーシャルタグ付け データベース: ユーザーが作成したソーシャル タグとメモを保存するために使用されます。それぞれのソーシャル タグとメモには、プロファイル ID が関連付けられます。

これらの各データベースには、User Profile Service を使用して、SharePoint サイト、個人用サイトの Web サイト、およびチーム サイトからアクセスできます。これにより、組織内のユーザーには、動的で個別設定された操作性が提供されます。

User Profile Service は、適切なビジネス グループが管理し、企業のリソース センターでアドバタイズすることができます。1 人の管理者が、User Profile Service のすべての領域を管理できます。別の方法として、各領域を切り離し、サービスに別の領域が存在することを知る必要がない複数の管理者が管理することもできます。たとえば、ある管理者は個人用サイトの Web サイトを管理し、別の管理者はソーシャル タグとメモを管理するようにできます。User Profile Service は、業務上のニーズ、セキュリティの制限、および予算に基づいて、特定の部門や一連のサイトのみで使用可能なように制限できます。SharePoint Server での共有サービス アーキテクチャの詳細については、「論理アーキテクチャ コンポーネント (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

関連サービス

User Profile Service は、他の共有サービスを使用して、SharePoint Server の広範囲にわたるソーシャル コンピューティング機能を実装しています。このような関連がある共有サービスには、以下のサービスが含まれます。

  • Managed Metadata Service: サイト コレクションと Web アプリケーションの全体で、管理メタデータを使用してコンテンツ タイプを共有できるようにしています。詳細については、「メタデータ サービス アプリケーションについて」を参照してください。

  • Search Service: 人の検索機能を有効にするために必要です。

See Also

Concepts

ソーシャル コンピューティングとグループ作業を計画する (SharePoint Server 2010)
User Profile Service の管理 (SharePoint Server 2010)