Exchange 2007 SP2 セットアップ プログラムの変更点

 

適用先: Exchange Server 2007 SP2

トピックの最終更新日: 2009-10-16

ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 2 (SP2) のセットアップ プログラムに加えられた変更点について説明します。

Exchange 2007 SP2 リリースでは、Exchange 2007 SP2 更新プログラムのロールアップ パッケージのサポートを強化するため、Windows インストーラのセットアップ パッケージに変更が加えられています。これらの変更には次のようなものがあります。

  • Windows インストーラ XML (WiX) ツールセットのアップグレード
    WiX ツールセットが最新の安定したバージョンに更新されました。
  • 診断レジストリ エントリの変更
    診断レジストリ エントリを他のレジストリ エントリと区別するようにコードを変更しました。
  • 新しいスタブ コンポーネント
    Exchange サーバーの役割ごとにスタブ コンポーネントが作成されています。
  • Windows インストーラ 4.5
    Exchange 2007 SP2 をインストールするには、Windows インストーラ (MSI) 4.5 が必要です。

WiX のアップグレード

WiX を使用することによって、XML ファイルから Windows インストーラ パッケージを作成できます。このソフトウェアは、マイクロソフトから Common Public License の下で提供されています。WiX の詳細、または WiX ツールセットの最新バージョンを取得する方法については、「Windows Installer XML (WiX) toolset」を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

診断レジストリ コンポーネント

Exchange の各コンポーネントからの診断レジストリ エントリが、WiX の独立したコンポーネントとなるようにコードを変更しました。この変更により、更新プログラムのロールアップ パッケージのそれぞれの構成について、より細かい制御が可能になります。診断レジストリの各エントリの既定の設定では、以前のレジストリ構成が常に上書きされます。この動作は、Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) や、Exchange 2007 の最初のリリース (RTM) バージョンと同様のものです。

更新プログラムのロールアップでは以前の構成設定のほとんどが上書きされますが、次のレジストリ エントリは更新プログラムのロールアップ パッケージによって上書きされることはありません。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSExchangeServiceHost\RpcHttpConfigurator

既定値 : PeriodicPollingMinute=15

Exchange 2007 SP2 のインストール後にこのレジストリ エントリをカスタマイズした場合でも、Exchange 2007 SP2 の更新プログラムのロールアップ パッケージをインストールしたときにこのレジストリ エントリが上書きされることはありません。

note注 :
Exchange 2007 SP2 のインストール後にこのレジストリ エントリを削除した場合、以後の更新プログラムのロールアップ パッケージを適用すると、レジストリ エントリが再インストールされ既定値が設定されます。

新しいスタブ コンポーネント

Exchange 2007 SP2 では、それぞれのサーバーの役割についてレジストリ設定を提供するための 5 つのスタブ コンポーネントが追加されています。これらのスタブ コンポーネントは以後の更新プログラムのロールアップ パッケージによって使用されます。既定では、将来の更新プログラムのロールアップ パッケージは Exchange コンポーネントの構成を上書きしません。ただし、将来の更新プログラムのロールアップで新しい構成が必要となり、ユーザーがその構成をカスタマイズすることが可能な場合、これらの新しいスタブ コンポーネントを使用することによって、更新プログラムのロールアップのインストール時にカスタム構成設定を保持することができます。

たとえば、SampleComponent には Exchange 2007 SP2 の次の設定が含まれています。

<Component Id="Configuration" Guid="b8dd2994-1cb4-4339-947e-94955aae3723" NeverOverwrite="yes" ...>
        <Registry Id="RegConfig1 " Root="HKLM" Key="SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MSExchangeServiceHost\RpcHttpConfigurator" KeyPath="yes" Name="PeriodicPollingMinutes" Type="integer" Value="15" />
</Component>

この例で、レジストリのサブキーが存在しない場合、更新プログラムのロールアップのインストール時に Windows インストーラによってサブキーが作成され、既定値が割り当てられます。ただし、以下の条件がすべて当てはまる場合、Windows インストーラはレジストリ エントリを上書きしません。

  • このレジストリ キーが存在する。
  • NeverOverwrite 属性が yes に設定されている。
  • SampleComponent レジストリ サブキーの KeyPath 属性が yes に設定されている。
note注 :
   この設計変更には制限があります。Exchange サーバーの役割ごとに使用できるスタブ コンポーネントは数個しかないため、更新プログラムのロールアップ用に新しいコンポーネントや新しいフォルダを追加することはできません。

Windows インストーラ 4.5

以前の更新プログラムのロールアップでは、更新プログラムのロールアップによって変更された .ps1 スクリプトなど一部のバージョン管理されないファイルは、更新プログラムのロールアップ パッケージの削除時に元の状態に戻されませんでした。この動作の理由は、Windows インストーラの以前のバージョンでは古いファイルが正しく復元されない問題があったためです。Windows インストーラの以前のバージョンに存在する制限のため、Exchange 2007 SP2 をインストールするには Windows インストーラ 4.5 が必要になります。

Windows インストーラがファイルのバージョン管理を処理する方法の詳細については、「File Versioning Rules」を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。