整合性チェックの定義

適用対象: System Center Data Protection Manager 2010

Data Protection Manager (DPM) でレプリカを同期する方法には、"増分同期""整合性チェック付きの同期" の 2 種類があります。整合性チェック付きの同期は、単に "整合性チェック" とも呼ばれ、DPM によって実行される、保護されたデータ ソースとそのレプリカの間の不整合を確認して、修正する処理です。整合性チェックでは、同期処理の一環として、ブロックごとに検証を行い、レプリカのすべてのデータが保護されたデータと整合性があることを確認します。データの変更部分のみをレプリカに適用するのではなく、レプリカのすべてのデータを比較するので、整合性チェック付きの同期の処理速度は増分同期よりも遅くなります。

レプリカが不整合である場合に自動的に整合性チェックを実行するオプションを選択したときや、保護グループに対して整合性チェックを毎日実行するようにスケジュールした場合は、日次タスクとして整合性チェックが自動的に開始されます。

場合によっては、整合性チェック付きの同期を実行し、保護されたコンピューター上のデータと DPM サーバー上のレプリカの間の不整合を修復する必要があります。レプリカが不整合である場合に自動的に整合性チェックを実行するオプションを選択すると、日次タスクとして整合性チェックが開始されるように保護グループを構成できます。ワークロードが 1 TB を下回る場合や、ワークロードが 1 つのデータ センター内部に限られる場合は、このオプションを使用することをお勧めします。

また、毎日のピーク時以外の時間帯に整合性チェックをスケジュールし、レプリカと保護されたデータとの間の整合性を確保することもできます。スケジュールされている整合性チェックは、同期処理中に不整合が検出されたときのみ実行されます。ワークロードが大きい場合や、WAN 経由でバックアップされるデータの場合は、このオプションを使用することをお勧めします。

変更ジャーナルのオーバーフローまたは保護されているコンピューターの予期しないシャットダウンが原因で、レプリカの整合性が失われた場合は、整合性チェックを実行する必要があります。この場合、手動で整合性チェックを 1 度実行するか、整合性チェックを毎日実行するようスケジュールしている場合は、DPM による整合性チェックの実行を待つことができます。整合性チェックで、保護されたボリュームとレプリカ ボリューム間に不整合が検出された場合、DPM によってレプリカの整合性を確保する処理が実行されます。

注意

整合性チェックの実行中は、保護されているコンピューターおよび DPM サーバーのパフォーマンスに影響します。整合性チェックは、ピーク時以外に 1 度だけ実行するようスケジュールすることをお勧めします。

参照:

タスク

保護オプションを変更する方法
レプリカを同期する方法

概念

同期の定義