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保有期間の範囲の定義

適用対象: System Center Data Protection Manager 2010

"保有期間の範囲" とは、データを回復できるように保存する期間を意味します。DPM では、保有期間の範囲内で指定された期間において回復ポイントが保持されます。レプリカの整合性が失われている日は保有期間の範囲に含まれません。

レプリカの整合性が失われているために DPM の保護が一時的に停止した場合、保護が再開するまで期限切れの回復ポイントは削除されません。たとえば、保有期間の範囲を 10 日に設定し、1 日目に回復ポイントが作成されたとします。2 日目にレプリカの不整合が発生し、3 日目にスケジュールされた整合性チェックによってレプリカの整合性が確保された場合、レプリカの整合性が失われていた期間が 1 日あるため、1 日目に作成された回復ポイントは 11 日目が終了するまで削除されません。

ただし、データ コロケーションが有効である場合、保護が停止されたデータ ソースの回復ポイントは、保護グループの保有期間の範囲に従って削除されます。これは、そのデータ ソースが存在するレプリカ ボリュームが、他のデータ ソースによって共有されているためです。たとえば、保有期間の範囲を 10 日に設定し、1 日目に回復ポイントが作成されたとします。2 日目に、DS1 という名前のデータ ソースのレプリカが不整合になりましたが、他のデータ ソースは整合性が保たれています。3 日目にスケジュールされた整合性チェックによってレプリカの整合性が確保された場合、1 日目以降 DS1 の回復ポイントが作成されていない場合でも、同じレプリカ ボリュームを共有する他のデータ ソースの回復ポイントは正常に作成されているため、DS1 の回復ポイントは 10 日目が終了した後に削除されます。

ファイル データの保有期間の範囲

ファイル データについては、新しい保護グループの作成ウィザードを使用して、短期間のディスク ベースの保護では 1 ~ 64 日、短期間のテープ ベースの保護では最大 12 週間、長期間のテープ ベースの保護では最大 99 年の保有期間の範囲を選択できます。DPM では、保護グループの各ファイル メンバーについて最大 64 個の回復ポイントを格納できます。

たとえば、各回復ポイントの前に同期が実行され、1 日に 6 個の回復ポイントがスケジュールされるように設定し、保有期間の範囲を 10 日に設定した場合、その保護グループ内のファイルの回復ポイントは 64 個までしか作成されません。ただし、回復ポイントが上限の 64 個を超える結果となるようにオプションを選択した場合は、構成処理中に警告が表示され、選択を変更することができます。回復ポイントが上限の 64 個を超えるファイル保護構成を作成することはできません。

アプリケーション データの保有期間の範囲

アプリケーション データについては、新しい保護グループの作成ウィザードを使用して、短期間のディスク ベースの保護では 1 ~ 64 日、短期間のテープ ベースの保護では最大 12 週間、長期間のテープ ベースの保護では最大 99 年の保有期間の範囲を選択できます。

たとえば、同期の間隔を 15 分、保有期間の範囲を 10 日にそれぞれ設定すると、これらの回復の目標に基づく保護計画により、10 日の初期データ保護期間が経過した時点で、その保護グループ内のアプリケーション データには 960 個の回復ポイントが作成されています。

参照:

タスク

保護オプションを変更する方法

概念

回復ポイントの定義
データ保護について
データの併置