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ファームを復元する (Search Server 2010)

 

適用先: Search Server 2010

トピックの最終更新日: 2016-12-01

ファーム レベルの復旧は、通常、ファーム全体に影響のある問題が発生した場合、またはファームの一部の部分的な復旧ができない場合に行います。ファームの一部、特定のデータベース、サービス アプリケーション、リスト、ドキュメント ライブラリ、または特定のドキュメントのみ復元すればよい場合は、別の復元方法を使用してください。

ファームの復旧は、通常、次のいずれかの理由で実行されます。

  • 火災、災害、機器の故障、またはその他の原因によるデータ消失の後にファームを復元する。

  • ファームの構成設定およびデータを、特定の日時の状態に復元する。

  • 展開されている Microsoft Search Server 2010 をあるファームから別のファームに移動する。

このタスクの手順は、以下のとおりです。

  • Windows PowerShell を使用してファームを復元するには

  • サーバーの全体管理を使用してファームを復元するには

  • SQL Server ツールを使用してファームを復元するには

タスクの要件

ファームを復元する前に、以下の点を検討してください。

  • 回復ファームを使用する場合は、バックアップ元のファームとトポロジが同じである必要があります。

  • 複数サーバーのファームを単一サーバーの回復ファームに復元することや、単一サーバーのファームを複数サーバーの回復ファームに復元することはできません。

  • あるバージョンの Search Server からのバックアップを別のバージョンの Search Server への復元に使用することはできません。

  • 回復ファームを稼働中のファームとして使用することは想定されていません。これは、データを復元する目的のみに使用するファームです。回復ファームにはプライマリ ファームと同じハードウェアは必要ないため、スタンドアロンのインストールまたは仮想ファームを使用することをお勧めします。

ファームの復元に Windows PowerShell を使用する

Windows PowerShell を使用してファームを復元できます。

Windows PowerShell を使用してファームを復元するには

  1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。Add-SPShellAdmin を参照してください。

  2. SharePoint 2010 管理シェルで、Windows PowerShell コマンド プロンプトに次のコマンドを入力します。

    Restore-SPFarm -Directory <BackupFolder> -RestoreMethod Overwrite -BackupId <GUID>
    

    ここで、

    • <BackupFolder> は使用するバックアップ フォルダーのパスです。

    • <GUID> は使用するバックアップの ID です。使用するバックアップを指定するには、BackupId パラメーターを使用します。ファームのバックアップを表示するには、「Get-SPBackupHistory -Directory <BackupFolder> -ShowBackup -Verbose」コマンドを入力します。BackupId パラメーターを指定しない場合は、最新のバックアップが使用されます。構成専用のバックアップを使用して、コンテンツ データベースを構成と一緒に復元することはできません。

    注意

    ファーム アカウントを使用してログオンしていない場合は、ファーム アカウントの資格情報の入力を求めるメッセージが表示されます。

    このコマンドは Overwrite オプションを使用しているため、復元先は同じファームです。回復ファームなどの別のファームに復元するには、New オプションを使用します。バックアップの進行を表示するには、Verbose パラメーターを使用します。

    詳細については、「Restore-SPFarm」を参照してください。

  3. Verbose パラメーターを使用していない場合、操作が正常に終了したときには、コマンド プロンプト ウィンドウにメッセージは表示されません。操作が正常に終了しなかったときには、コマンド プロンプト ウィンドウに次のようなエラー メッセージが表示されます。

    Restore-SPFarm: 操作が失敗しました。行: <行> 桁:<桁> + Restore-SPFarm <<<< <エラー メッセージ>

  4. エラーや警告が出力された場合、またはジョブが正常に完了しなかった場合は、バックアップ フォルダー内の Sprestore.log ファイルを確認します。

ファームの復元にサーバーの全体管理を使用する

サーバーの全体管理を使用してファームを復元できます。

サーバーの全体管理を使用してファームを復元するには

  1. この手順を実行しているユーザー アカウントが Farm Administrators グループのメンバーであることを確認します。

  2. [サーバーの全体管理] の [ホーム] ページの [バックアップと復元] セクションで、[バックアップからの復元] をクリックします。

  3. [バックアップからの復元 - ステップ 1/3: 復元するバックアップの選択] ページで、バックアップの一覧からファームのバックアップを含むバックアップ ジョブを選択し、[次へ] をクリックします。それぞれのバックアップの詳細な情報は、横にあるプラス記号 (+) をクリックすることで確認できます。

    注意

    正しいバックアップ ジョブが表示されない場合は、[バックアップ ディレクトリの場所] ボックスに正しいバックアップ フォルダーの汎用名前付け規則 (UNC) パスを入力してから、[更新] をクリックします。
    構成専用のバックアップを使用してファームを復元することはできません。

  4. [バックアップからの復元 - ステップ 2/3: 復元するコンポーネントの選択] ページで、ファームの横にあるチェック ボックスをオンにして、[次へ] をクリックします。

  5. [バックアップからの復元 - ステップ 3/3: 復元オプションの選択] ページの [復元するコンポーネント] セクションで、[復元対象のコンポーネント] ボックスの一覧に [ファーム] が表示されることを確認します。

    [構成設定のみを復元] セクションで、[コンテンツと構成設定を復元] オプションが選択されていることを確認します。

    [復元オプション] セクションで、[復元の種類] オプションをクリックします。ファームを移行する場合や復元ファームを使用する場合以外は [同じ構成] 設定を使用します。このオプションを選択すると、操作の確認を求めるダイアログ ボックスが表示されます。[OK] をクリックします。

    注意

    [構成設定のみを復元] セクションが表示されない場合、選択したバックアップは構成専用のバックアップです。この場合は、別のバックアップを選択する必要があります。

    注意

    ファームを移行する場合、または復元ファームにファームを復元する場合は、[新しい構成] オプションを選択します。

    [復元の開始] をクリックします。

  6. [バックアップと復元のジョブ状態] ページの上部にある [準備] セクションで、すべての復元ジョブの全体的な状態を確認できます。現在の復元ジョブの状態は、このページの下部にある [復元] セクションで確認できます。この状態ページは 30 秒ごとに自動的に更新されます。また、[更新] をクリックすることで、手動で状態の詳細を更新できます。バックアップと復元は Timer Service を使用したジョブです。したがって、復元が開始されるまで数秒かかる場合があります。

    エラーが表示された場合は、[バックアップと復元のジョブ状態] ページの [エラー メッセージ] 列を確認します。手順 2. で指定した UNC パスにある Sprestore.log を表示すると、より詳細な情報を確認できます。

ファームの復元に SQL Server ツールを使用する

SQL Server ツールを使用してファーム全体を復元することはできませんが、ファーム データベースのほとんどは復元できます。SQL Server ツールを使用してデータベースを復元する場合は、サーバーの全体管理または Windows PowerShell を使用してファームの構成を復元する必要があります。ファームの構成設定を復元する方法の詳細については、「ファーム構成を復元またはコピーする (Search Server 2010)」を参照してください。

注意

検索インデックスは SQL Server には保存されません。SQL Server ツールを使用して検索をバックアップおよび復元する場合は、コンテンツ データベースの復元後にフル クロールを実行する必要があります。

Search Server 2010 を復元する前に、サイトおよびアイテムの復旧用に回復ファームを構成しておくことをお勧めします。

以下の手順に従って、データベースを復元します。

  1. 可能な場合は、現在のデータベースの使用中のトランザクション ログをバックアップして、前回の完全バックアップ後に行われた変更が失われないようにします。

  2. 前回の完全データベース バックアップを復元します。

  3. 最新の完全データベース バックアップ以降の最新の差分データベース バックアップを復元します。

  4. 最新の完全データベース バックアップまたは差分データベース バックアップ以降のすべてのトランザクション ログ バックアップを復元します。

SQL Server ツールを使用してファームを復元するには

  1. この手順を実行しているユーザー アカウントが、sysadmin 固定サーバー ロールのメンバーであることを確認します。

  2. Windows SharePoint Services Timer Service が実行中の場合は、サービスを停止し、現在実行中のストアド プロシージャが完了するまで数分間待ちます。復元する必要があるすべてのデータベースの復元が完了するまで、サービスを再開しないでください。

  3. SQL Server Management Studio を起動し、データベース サーバーに接続します。

  4. オブジェクト エクスプローラーで、[データベース] を展開します。

  5. 復元するデータベースを右クリックして、[タスク] をポイントします。次に、[復元] をポイントし、[データベース] をクリックします。

    復旧処理時はデータベースが自動的にオフラインになり、他のプロセスからアクセスできなくなります。

  6. [データベースの復元] ダイアログ ボックスで、復元先と復元元を指定し、復元するバックアップ セット (複数可) を選択します。

    復元先と復元元の既定値は、通常、ほとんどの復旧シナリオに適しています。

  7. [ページの選択] ペインで、[オプション] をクリックします。

  8. [復元オプション] セクションで、[既存のデータベースを上書きする] のみを選択します。他のオプションが必要になる環境またはポリシーを使用している場合を除いて、このセクションで他のオプションを選択しないでください。

  9. [復旧状態] セクションでは、次のように操作します。

    • 復元する必要があるすべてのトランザクション ログを含めた場合は、[RECOVER WITH RECOVERY] を選択します。

    • 追加のトランザクション ログを復元する必要がある場合は、[RECOVER WITH NORECOVERY] を選択します。

    • 3 つ目のオプションである [RECOVER WITH STANDBY] は、このシナリオでは使用しません。

      注意

      これらの復旧オプションの詳細については、「[データベースの復元] ([オプション] ページ)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=114420&clcid=0x411) を参照してください。

  10. [OK] をクリックして、復旧操作を完了します。

  11. 構成データベースを除き、復元するデータベースごとに、手順 4. ~ 9. を繰り返します。

  12. 構成設定を復元するには、既存の構成データベースを使用するか、新しいデータベースを手動で作成し、そのデータベースに構成を復元する必要があります。ファーム構成の復元の詳細については、「ファーム構成を復元またはコピーする (Search Server 2010)」を参照してください。

  13. Windows SharePoint Services Timer Service を開始します。