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Office system 2007 で導入された製品および機能の変更点

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-29

2007 Microsoft Office system では、複数の製品と機能が変更されました。ここではそれをまとめます。

この記事の内容

  • ファイル形式

  • セキュリティ

  • ユーザー インターフェイス

  • オブジェクト モデル

  • Access 2007

  • Excel 2007

  • Outlook 2007

  • Word 2007、PowerPoint 2007、および OneNote 2007

ファイル形式

2007 Office system リリースでは、Office Word 2007、Office Excel 2007、および Office PowerPoint 2007 に既定のファイル形式が導入されました。ユーザーの要望に応える形で、既定のファイル形式が XML に変更されました。XML 形式には次のような利点があります。

  • さまざまな種類のデータ ソースからより迅速にドキュメントを作成できます。

  • データ マイニングやコンテンツの再利用が容易になります。

  • Word、Excel、および PowerPoint ファイルのサイズが小さくなります。

  • 破損したファイルのデータを回復できる可能性が高くなります。

2007 Office system の Service Pack 2 (SP2) では、次のサポートも追加されました。

  • OpenDocument 形式 (ODF)。SP2 では、Word、Excel、および PowerPoint 用のバージョン 1.1 の ODF のドキュメントを開いて、編集し、保存できます。これらの Office プログラムで、OpenDocument テキスト (*.odt)、OpenDocument スプレッドシート (*.ods)、および OpenDocument プレゼンテーション (*.odp) 形式のファイルを開き、編集し、保存できるようになりました。

    2007 Office system の OpenDocument 形式および Open XML 形式を管理するためのグループ ポリシー設定と Office カスタマイズ ツール (OCT) 設定が追加されました。詳細については、「2007 Office system の OpenDocument 形式およびオープン XML 形式に対応したグループ ポリシー設定と Office カスタマイズ ツール設定」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=158303\&clcid=0x411) を参照してください。

  • 拡張ファイル形式: Word、Excel、および PowerPoint に、サード パーティのカスタム ファイル形式をこれらの Office プログラムで操作するためのコンバーター インターフェイスが導入されました。開発者は、特定の拡張子のファイル用のコンバーターを作成できます。このコンバーターをユーザーのコンピューターにインストールすると、カスタム ファイル形式は事実上、組み込みのファイル形式と同様に扱われます。具体的には、[開く]、[保存] などのユーザー インターフェイスを使用して、この形式のファイルを開いたり保存したりできます。また、カスタム形式を既定のファイル形式に設定することもできます。

  • 組み込みの PDF/XPS 保存のサポートも SP2 で追加されました。PDF/XPS のサポートは、Word、Excel、および PowerPoint の SP2 に組み込まれています。別途アドインをダウンロードする必要はなくなりました。

2007 Office system で導入されたファイル形式の変更の詳細については、「2007 Office system のファイル形式リファレンス」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=155218\&clcid=0x411) を参照してください。

セキュリティ

セキュリティ センターは 2007 Office system で導入された機能で、Office アプリケーションのすべてのセキュリティ設定を 1 か所で管理できます。セキュリティ センターは、ファイルを開くときのセキュリティ関連のメッセージに代わるドキュメント メニュー バーも表示します。既定では、ファイル内の危険と思われるコンテンツは、確認メッセージを表示せずにブロックされます。このため、ファイルを開くときにセキュリティ関連の判断は求められません。コンテンツがブロックされた場合は、ドキュメント メニュー バーが表示され、ユーザーに通知されます。ドキュメント メニュー バーをクリックすると、無効になっているコンテンツと、コンテンツを有効または無効にするオプションがダイアログ ボックスに表示されます。

セキュリティ センターでは、よりわかりやすく、柔軟性の高い新しいセキュリティ設定 (以前は、低、中、高、および最高) が用意されています。

2007 Office system で導入されたセキュリティ機能については、「Office 2010 のセキュリティと保護」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=155221\&clcid=0x411) セクションのリソースを参照してください。

ユーザー インターフェイス

Office Word 2007、Office Excel 2007、Office Access 2007、Office PowerPoint 2007、および Office Outlook 2007 では、以前のバージョンのメニュー バーに代わる新しいリボン インターフェイス (Microsoft Office Fluent ユーザー インターフェイス) が導入されました。リボンは画面の上部を占める領域で、複数のタブに分かれています。それぞれのタブの中にコマンドが分類されています。この変更によって、ユーザーは 2007 Office system の機能をはるかに容易に見つけて利用できるようになります。

大部分のコマンドは以前と同様に機能します。新しいリボン インターフェイスに合わせてマクロやアプリケーション コードを書き直す必要はほとんどありません。

2007 Office system で導入された Microsoft Office Fluent ユーザー インターフェイスの詳細については、「Microsoft Office Fluent User Interface Resource Center (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=111045\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。Office 2010 では、他のアプリケーションにも Fluent ユーザー インターフェイスが導入されます。

オブジェクト モデル

2007 Office system で機能が強化されたことを受けて、オブジェクト モデルも変更されています。このため、アプリケーションをすべてテストして、2007 Office system との互換性を確認する必要があります。オブジェクト モデルの一部の機能が追加、変更、または削除されています。場合によっては、当面利用できる機能でも、Office の将来のバージョンでは削除される可能性があります。2007 Office system でのオブジェクト モデルの変更の詳細については、「2007 Office system での相違点」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=155230\&clcid=0x411) を参照してください。

Access 2007

Office Access 2007 に新しいファイル形式が導入されました。Office Access 2007 より前のバージョンの Access では MDB 形式が使用されていましたが、Office Access 2007 ではファイルが新しい ACCDB 形式で保存されます。ACCDB 形式の主要な機能の 1 つは、複合データの格納です。複合データを格納するには、新しいシステム テーブル MSysFlattenedMapping と、一連の組み込みスキーマ テーブルが存在している必要があります。MSysFlattenedMapping テーブルと組み込みスキーマ テーブルは、新しい ACCDB ファイルを作成するときに自動的に作成されます。

Excel 2007

新しいユーザー インターフェイスとファイル形式の変更に加えて、Office Excel 2007 では次の点が大きく変更されました。

  • グリッド サイズ。Office Excel 2007 ワークシートのグリッド サイズは、1,000,000 行× 16,000 列に大幅に拡大されました (Office Excel 2003 では 65,536 行× 256 列)。この変更によって、範囲名が新しい参照と競合する可能性があります。また、ワークシートを以前のバージョンの形式で保存する機能にも影響します。

  • 数式と関数。インストール プロセスを向上させるために、分析ツールが Office Excel 2007 に統合されました。このため、分析ツールの関数呼び出しの構文を、組み込み関数で使用される構文と同じになるように変更する必要があります。また、統合された関数の一部がユーザー定義の関数と競合する場合もあります。統計関数が変更されたことにより、精度が向上しています。マルチスレッド化された計算を使用することによって、Office Excel 2007 では、複数の論理プロセッサを搭載したコンピューターで実行した場合のパフォーマンスが向上します。

  • グラフ。Office PowerPoint 2007 や Office Word 2007 (互換モードではない) で作成されたグラフは、Microsoft Graph OLE オブジェクトではなく、ネイティブ形式のグラフになります。PowerPoint や Word のグラフのデータは、Graph のデータシートではなく、Office Excel 2007 で保存されます。Microsoft Graph オブジェクト モデルを使用するように作成されたマクロは変更する必要があります。既存のマクロは Office Excel 2007 でも動作しますが、グラフは新しいオブジェクト モデルに移行する必要があります。

Outlook 2007

Office Outlook 2007 では、予定表、仕事、その他の機能が強化されています。最大の変更点の 1 つは、Microsoft Exchange Server メールボックスに接続しているときに、Office Outlook 2007 セキュリティ オプションを管理するためのカスタム フォームである Exchange セキュリティ フォーム (ESF) を使用する代わりに、グループ ポリシーを使用することです。これによって、ネットワーク環境で Office Outlook 2007 をロックするための方法が変わります。グループ ポリシーの制限によって、ESF を引き続き使用することが必要になる場合もあります。たとえば、ホストされた Exchange 環境では、ESF を使用して Office Outlook 2007 をロックする必要があります。

Word 2007、PowerPoint 2007、および OneNote 2007

Office Word 2007、Office PowerPoint 2007、および Office OneNote 2007 では、次の点が変更されました。

  • Word の変更点としては、新しい XML ファイル形式、新しいユーザー インターフェイス、グラフィック、および書式設定の機能、機能強化された校正ツール、新しい共有機能とグループ作業機能、新しいセキュリティ機能、機能強化されたトラブルシューティング機能と回復機能などがあります。

  • PowerPoint の変更点としては、新しい XML ファイル形式、新しいユーザー インターフェイス、グラフィック、および書式設定の機能、機能強化された校正ツール、新しい共有機能とグループ作業機能、新しいセキュリティ機能、機能強化されたトラブルシューティング機能と回復機能などがあります。

  • OneNote の変更点としては、削除済みページ機能の削除、[ツール] メニューの [インク グループの表示] 機能の削除、Microsoft Office OneNote 2007 のタイトル領域の削除などがあります。

2007 Office system で導入された機能変更の詳細については、「2007 Office system での相違点」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=155230\&clcid=0x411) を参照してください。