PerformancePoint タイム インテリジェンス クイック リファレンス

 

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2015-03-09

Microsoft SharePoint Server 2010 の PerformancePoint Services には、タイム インテリジェンスを含む高度な機能があります。タイム インテリジェンスを使用して、年初来期間や過去 30 日間など動的な期間における情報をレポートやスコアカードに表示できます。また、タイム インテリジェンスを使用するダッシュボード フィルターも作成できます。

タイム インテリジェンスをダッシュボードに含める場合は、特定の構文を使用して TI 式と呼ばれる式を作成します。

この記事では、使用できる TI 式の種類の概要を説明します。ダッシュボードでタイム インテリジェンスを使用する方法の詳細については、以下の記事を参照してください。

簡単なサンプル

式の構造:

[(]<Period>[Offset>[)][ <Function>[<Offset>]]]

対象期間 結果

昨日

day-1

当日を基準とする 1 日前。

明日

day+1

当日を基準とする 1 日後。

現在の四半期と今日

quarter, day

当日と現在の四半期で構成される期間のセット。

過去 10 日

day:day-9

当日を含む 10 日の範囲。

過去 10 日 (今日を含まない)

day-1:day-10

当日を含まない 10 日の範囲。

前年の同じ日

(year-1).day

昨年の当日 (月と日)。たとえば、当日が 2010 年 12 月 10 日であった場合、(year-1).day では 2009 年 12 月 10 日の情報が表示されます。

前年の同じ月

(year-1).month

昨年の当月。たとえば、当月が 2010 年 12 月である場合、(year-1).month では 2009 年 12 月の情報が表示されます。

前年の同じ月の範囲 (6 か月間)

(year-1).(month-5): (year-1).(month)

18 か月前から 1 年前までの範囲。たとえば、当月が 2010 年 12 月である場合、(year-1).(month-5): (year-1).month では 2009 年 6 ~ 12 月の期間の情報が表示されます。

前年の同じ範囲の月と日付

(year-1).firstmonth: (year-1).month

前年の最初の月から、今年の現在の月に対応する月まで。

年初来期間

yeartodate

年の初めから最後の完全な期間までの値の集計を表す単一の期間。期間はデータ ソースに定義されている最小の期間に対応します。

年初来期間 (月単位)

yeartodate.fullmonth

年の初めから最後の完全な月までの値の集計を表す単一の期間。

年初来期間 (日単位)

yeartodate.fullday

年の初めから最後の完全な日までの値の集計を表す単一の期間。

対応する年初来期間

yeartodate-1

今年の完了した既定期間に対応する、前年の同じ期間の集計。

対応する年初来期間 (月単位)

(yeartodate-1).fullMonth

今年の年初来期間と同じ昨年の期間の集計。

一般規則

  • TI 式では大文字と小文字は区別されません。

  • 空白文字は無視されます。

  • オフセットと関数の両方を含む期間を使用するときは常にかっこを使用します。

  • 任意の標準および "現在まで" 期間でオフセットを定義できます。

  • オフセットを指定しないと、現在の期間と見なされます。

  • TI 式では複数形ではなく単数形を使用します。たとえば、"months" ではなく "month" を使用します。

構文要素

TI 式は、演算子、期間、および関数で構成されます。式は簡単ではあっても確実なように作られています。

演算子

演算子 用途

“.“

ピリオドつまり "ドット" 演算子は、期間と関数を区切ります。ドットより前の文字列は、常に期間に対応します。ドットより後の文字列は、常に期間関数に対応します。

例: year.firstMonth

“+” または “-“

プラス (+) およびマイナス (-) 演算子は、当日を基準とするオフセットを決定するために使用します。過去の期間を指定するには、マイナス記号 (-) を使用します。未来の期間を指定するには、プラス記号 (+) を使用します。

例:  day-1

“()”

かっこは、関数と共に使用する場合に、期間とそのオフセットをグループ化するために使用します。必須です。

例:  (year-1).firstMonth:(year-1).month

“,”

コンマは、同じ式に含まれる複数の期間を区切るために使用します。

例:  year, Quarter, Month, day

“:”

コロン演算子 (:) は、期間の範囲を指定します。

例:  day:day-4

標準期間

PerformancePoint Services でサポートされる標準期間は次のとおりです。

期間

Year-1、year+2

四半期

quarter、Quarter-4

Month-2

Week-51

Day-9、day+2

Hour-12

minute-30

second+5

標準期間関数

期間関数は、ドット演算子 (.) を使用してすべての標準期間に適用できます。PerformancePoint Services で使用できる関数を次に示します。

関数 用途

FirstQuarter

年の最初の四半期を指定します。

LastQuarter

年の最後の四半期を指定します。

FirstMonth

年または四半期の最初の月を指定します。

LastMonth

年または四半期の最後の月を指定します。

FirstWeek

年、四半期、または月の最初の週を指定します。

LastWeek

年、四半期、または月の最後の週を指定します。

FirstDay

週、月、またはそれより長い期間の最初の日を指定します。

LastDay

週、月、またはそれより長い期間の最後の日を指定します。

FirstHour

日、週、またはそれより長い期間の最初の時を指定します。

LastHour

日、週、またはそれより長い期間の最後の時を指定します。

FirstMinute

時、日、またはそれより長い期間の最初の分を指定します。

LastMinute

時、日、またはそれより長い期間の最後の分を指定します。

FirstSecond

分、時、またはそれより長い期間の最初の秒を指定します。

LastSecond

分、時、またはそれより長い期間の最後の秒を指定します。

現在までの期間式

現在までの期間 (Period-To-Date) 式は、PerformancePoint Services の新しい式です。現在までの期間計算の結果は、最後に完了した完全な期間までのすべての期間の集計です。不完全な期間は自動的に除外されます。既定ではデータ ソースにおける最小の単位まで評価されます。たとえば、データ ソースでの最小の期間が日の場合、月初から現在まで (month-to-date) の式では、月の初めからその月で最後に完了した完全な日までのすべての日が集計されます (標準期間の場合は逆で、不完全な期間が自動的に含められます)。PerformancePoint Services では次の現在までの期間がサポートされます。

期間 用途

YearToDate

年の最初から現在の期間までの期間を指定します。

QuarterToDate

四半期の最初から現在の期間までの期間を指定します。

MonthToDate

月の最初から現在の期間までの期間を指定します。

WeekToDate

週の最初から現在の期間までの期間を指定します。

DayToDate

日の最初から現在の期間までの期間を指定します。

HourToDate

時の最初から現在の期間までの期間を指定します。

MinuteToDate

分の最初から現在の期間までの期間を指定します。

現在までの期間関数

現在までの期間関数を使用すると、含める期間の詳細レベルを制御できます。たとえば、最後に完了した完全な月までを含む年初から現在までを表示する場合は、全期間関数を追加できます。PerformancePoint Services では以下の全期間関数がサポートされています。

関数 用途

FullQuarter

現在までの期間に最後の完全な四半期までを含めることを指定します。

FullMonth

現在までの期間に最後の完全な月までを含めることを指定します。

FullWeek

現在までの期間に最後の完全な週までを含めることを指定します。

FullDay

現在までの期間に最後の完全な日までを含めることを指定します。

FullHour

現在までの期間に最後の完全な時までを含めることを指定します。

FullMinute

現在までの期間に最後の完全な分までを含めることを指定します。

FullSecond

現在までの期間に最後の完全な秒までを含めることを指定します。

現在までの期間に対応する期間

タイム インテリジェンスを使用して、今年と去年の対応する同じ期間の値を比較できます。たとえば、今年の現在までには 2010 年の 1 月から 7 月が含まれるものとします。この値を去年の同じ期間と比較する場合、対象となるのは 2009 年の 1 月から 7 月です。TI 式を使用するとこれを簡単に実現できます。現在までの期間にオフセット値を追加するだけです。

YearToDate-1

実際、オフセット値はすべての現在までの期間に指定できます。また、完全な期間関数を適用する場合も動作します。この場合はかっこを必ず使用してください。

(YearToDate-1).FullMonth

See Also

Concepts

ダッシュボード デザイナーを使用してタイム インテリジェンスで動作するようにデータ ソースを構成する
ダッシュボード デザイナーを使用してタイム インテリジェンス フィルターを作成する
ダッシュボード デザイナーで [接続式] ダイアログ ボックスを使用してフィルター接続を構成する