ポリシー ルール一致オプションについて

 

適用対象: Office 365 Enterprise, Live@edu, Forefront Online Protection for Exchange

このトピックでは、Forefront Online Protection for Exchange (FOPE) で特定のメッセージを処理する場合に使用できる、さまざまなポリシー ルール一致表現または一致オプションについて説明します。ポリシー ルールおよびその使用法の概要については、「ポリシー ルール」を参照してください。

ポリシー ルールは、電子メールの次の部分で使用されている表現と一致するように構成できます。

  • 電子メール ヘッダー: フィールド名および値に対応します。

  • 電子メール送信者: IP アドレス、ドメイン、および電子メール アドレスに対応します。

  • 電子メール受信者: ドメインおよび電子メール アドレスに対応します。

  • 電子メール添付ファイル: ファイル名とファイルの拡張子に対応します。

  • 電子メールの件名および本文: キーワードおよび語句に対応します。

  • その他の電子メール メッセージ プロパティ (電子メールのサイズ、受信者の数、文字セットなど)

電子メールの部分ごとに、実行できるポリシー ルールの種類と機能は異なります。詳細を以下の一覧に示します。

注意

  • 下の表のいくつかに、追加の一致オプションを示します。これらのオプションを FOPE 管理センターで選択して、一致動作をより細かく制御することができます。

  • ポリシー ルールの動作は、それぞれのルールが SMTP エンベロープおよびヘッダーの特定の部分にどう一致するかに応じて、異なる場合があります。また、メッセージ間で SMTP メッセージの部分がそれぞれ異なる場合もあります。ルールを意図する動作に応じたものになるよう、十分にテストしてください。

電子メール ヘッダーの一致オプション

電子メール ヘッダー名または値を照合して、特定のアクションを実行できます。使用可能な各ポリシー フィルター アクションについては、「ポリシー ルールの設定について」を参照してください。

電子メールの部分 一致 構文 その他の一致オプション

ヘッダー

フィールド名

基本

なし

ヘッダー

フィールド値

基本/RegEx

大文字と小文字を区別

制限:

  • フィールド名とフィールド値を合わせた文字数の上限は 990 文字です。

  • ヘッダー フィールドでは辞書は使用できません。

基本構文を使用した電子メール ヘッダー ルールのサンプル:

ヘッダー: 基本構文

名前の一致表現:

Message-ID

値の一致表現:

<d1234f1869fb3fb83bfd215319beb77c@www.contoso.com>

解釈:

電子メール ヘッダーに "Message-ID: <d1234f1869fb3fb83bfd215319beb77c@www.contoso.com>" が含まれている場合に一致します。

RegEx 構文を使用した電子メール ヘッダー ルールのサンプル:

ヘッダー: RegEx 構文

名前の一致表現:

X-Mailer

値の一致表現:

ContosoMailer\s\[version\s1\.73\]|PartnerContosoMailer1234

解釈:

電子メール ヘッダーに、ヘッダー "X-Mailer: ContosoMailer [version 1.73]" (空白文字を含む) または "X-Mailer: PartnerContosoMailer1234" が含まれている場合に一致します。

電子メール送信者の一致オプション

電子メール送信者の一致オプションでは、ポリシー ルールの適用対象とする電子メール アドレス、IP アドレス、またはトップレベル ドメインを指定できます。この一致オプション用に使用したい電子メール アドレスまたはドメインが多数あり、それらの情報を手動で入力することを望まない場合は、[フィルター] タブの [辞書] を使用して、電子メール アドレスまたはドメインの一覧をアップロードします。この [辞書] は、複数のポリシー ルールで再利用できます。辞書オプションの使用方法の詳細については、「FOPE でのフィルターの構成」を参照してください。

電子メールの部分 一致 構文 その他の一致オプション

送信者

IP アドレス

基本/CIDR

辞書

送信者

ドメイン

基本/RegEx

辞書

送信者

電子メール アドレス

基本/RegEx

辞書

制限:

  • フィールド名とフィールド値を合わせた文字数の上限は 990 文字です。

  • 基本構文では、IP アドレス、ドメイン、および電子メール アドレスの有効な形式のみが受け入れられます。

  • IP アドレスについては、IP アドレスのクラスレス ドメイン間ルーティング (CIDR) 表記は、基本構文でのワイルドカード (*) メタ文字および疑問符 (?) メタ文字と同じルールではサポートされません。ただし、区切り文字としてのコンマは受け入れられます。

基本構文を使用した電子メール送信者ルールのサンプル:

送信者の IP アドレス: 基本構文

一致表現:

88.88.88.?, 99.99.*.1,

解釈:

アドレスの範囲 88.88.88.0 ~ 88.88.88.9 またはアドレスの範囲 99.99.0.1 ~ 99.99.255.1 と一致します。

CIDR 構文を使用した電子メール送信者ルールのサンプル:

送信者の IP アドレス: CIDR 構文

一致表現:

99.99.99.0/24, 88.88.88.88/32

解釈:

CIDR アドレスの範囲 99.99.99.0 ~ 99.99.99.255 の 256 個のホストとの一致になるサブネット マスク 255.255.255.0 に相当する IP アドレスと一致するか、1 つのホストのみで構成される CIDR アドレスの範囲 88.88.88.88 ~ 88.88.88.88 と一致します。

RegEx 構文を使用した電子メール送信者ルールのサンプル:

送信者のドメイン: RegEx 構文

一致表現:

^contoso\.com$|test.*\.partner\.contoso\.com|\.info$

解釈:

ドメイン "contoso.com" (このドメインのサブドメインは除く) のみと一致するか、ドメイン "partner.contoso.com" のサブドメイン "test" とその後に任意の文字が続くもの ("test1"、"test1234"、"testabcd" など) のみと一致します。またはトップレベル ドメイン (TLD) ".info" と一致します。

基本構文を使用した電子メール送信者ルールのサンプル:

送信者の電子メール アドレス:基本構文

一致表現:

*@contoso.com, *@*.contoso.org

解釈:

電子メール エイリアスは、ドメイン "contoso.com" から送信されたものと一致するか、ドメイン "contoso.org" とこのドメインのサブドメインから送信された電子メール エイリアスと一致します。

電子メール送信者ポリシー ルール アクションの概要

さまざまなポリシー ルール アクションが送信者の一致オプションに適用されます。Inbound Policy Allow ルールを使用すると、IP アドレスを、それがサービスによって使用されている Reputation Block List (RBL) の一覧に記載されている IP アドレスであっても、セーフリストに追加できます。IP アドレスの範囲または CIDR 形式の IP の範囲は RBL をバイパスできませんが、この IP の範囲からのメッセージは引き続きスパム フィルターのバイパスが許可されます。

IP に対して Policy Allow ルールを追加したにもかかわらず、その IP からの電子メールが拒否された場合、送信者がその IP を対象外にすることを要求または調査できるようにするための手順が記載されたバウンス メッセージが送信側サーバーに返送されます。送信者の代わりに自分で対応する場合は、送信者が受信したバウンス メッセージのコピーを提供してもらい、テクニカル サポートに連絡して、サポート チームに拒否された理由を調査するよう依頼してください。

この一致オプションに適用されるさまざまなポリシー ルール アクションの概要の表を確認するには、「ポリシー ルールの設定について」を参照してください。基本構文オプションおよび RegEx 構文オプションの詳細については、「ポリシー ルールの構文について」を参照してください。

ヒント

セーフ リストで指定された IP アドレスから送信された電子メールに対する IP アドレス フィルターをスキップするように FOPE を構成する場合は、FOPE コネクタ機能を使用することを推奨します。この機能は、FOPE を構成してポリシー フィルターとスパム フィルターをスキップしたり、受信電子メールに TLS 暗号化を適用するためにも使用できます。詳細については、「受信セーフ リストのシナリオ」を参照してください。

電子メール受信者の一致オプション

電子メール受信者の一致オプションでは、ポリシー ルールの適用対象とする電子メール アドレスまたはトップレベル ドメインを指定できます。

電子メールの部分 一致 構文 その他の一致オプション

受信者

電子メール アドレス

基本/RegEx

  • 辞書

  • 未指定の受信者に対する便宜的な TLS を有効にする

  • 電子メール メッセージに他の受信者が含まれている場合でもルールを適用する

受信者

ドメイン

基本/RegEx

  • 辞書

  • 未指定の受信者に対する便宜的な TLS を有効にする

制限:

  • すべてのフィールドの文字数の上限は 9,000 文字です。

  • 基本構文では、ドメインと電子メール アドレスの有効な形式のみが受け入れられます。

その他の一致オプション

  • 辞書: この一致オプション用に使用したい受信者アドレスまたは電子メール アドレスが多数あり、それらの情報を手動で入力することを望まない場合は、辞書オプションを使用して一覧をアップロードします。辞書オプションの使用方法の詳細については、「FOPE でのフィルターの構成」を参照してください。

  • 電子メール メッセージに他の受信者が含まれている場合でもルールを適用する: 電子メール メッセージにポリシー ルールで指定されている受信者以外の受信者が含まれる場合、そのメッセージにはポリシー ルールが適用されません。ポリシー ルールはスキップされます。ただし、このチェック ボックスをオンにすると、次の処理が実行されます。

    • 受信ポリシー ルールの場合、メッセージは 2 つに分岐されて、ポリシー ルールで指定されている受信者と同じドメインに含まれるすべての受信者に対し、ポリシー アクションが適用されます。ポリシー ルールで指定されていないドメインのすべての受信者には、ポリシー ルールのアクションは適用されません。

    • 送信ポリシー ルールの場合、メッセージは 2 つに分岐されず ([TLS の適用] または [便宜的な TLS] オプションを除く)、メッセージのすべての受信者にポリシー ルール アクションが適用されます。

    ポリシー ルール 電子メール メッセージに他の受信者が含まれている場合でもルールを適用する 受信者を含む電子メール

    注意

    例のドメイン contoso.com および alpha.com は会社のドメインですが、acquisition.com はそうではありません。

    ルールの動作

    トラフィックのスコープ: 受信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: a@contoso.com

    非選択

    a@contoso.com

    ルールが適用されます。メッセージは拒否されます。

    トラフィックのスコープ: 受信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: a@contoso.com

    非選択

    a@contoso.com; b@contoso.com

    ルールはスキップされます。すべての受信者がメッセージを受け取ります。

    トラフィックのスコープ: 受信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: a@contoso.com

    選択

    a@contoso.com; e@acquisition.com

    ルールは次の受信者へのメッセージを拒否します: a@contoso.com

    トラフィックのスコープ: 受信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: a@contoso.com

    選択

    a@contoso.com;b@contoso.com;c@alpha.com ;e@acquisition.com

    ルールは a@contoso.com と b@contoso.com へのメッセージを拒否します。b@contoso.com は、ポリシー ルールで指定されているドメインに属しています。

    トラフィックのスコープ: 送信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: e@acquisition.com

    非選択

    e@acquisition.com

    ルールが適用されます。メッセージは拒否されます。

    トラフィックのスコープ: 送信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: e@acquisition.com

    非選択

    e@acquisition.com; b@contoso.com

    ルールはスキップされます。すべての受信者がメッセージを受け取ります。

    トラフィックのスコープ: 送信
    ドメインのスコープ:すべてのドメイン
    アクション:拒否
    受信者の電子メール アドレス: e@acquisition.com

    選択

    e@acquisition.com; a@contoso.com; b@contoso.com; c@alpha.com

    ルールが適用されます。すべての受信者へのメッセージが拒否されます。

    • 未指定の受信者に対する便宜的な TLS を有効にする: このボックスをオフにすると、送信メッセージは 2 つに分岐されません。つまり、受信者がポリシー フィルター ルールに一致し、その受信者のメール転送エージェント (MTA) が TLS ベースの接続 (有効なパブリック証明書を含みます) を受け入れるように構成されている場合、認証されたトランスポート層セキュリティ (TLS) がメッセージのすべての受信者の配信に適用されます。TLS 接続をサポートしない MTA を持つ受信者が含まれる場合、その受信者へのメッセージは拒否されます。このボックスをオンにすると、ルールに一致する受信者への認証された TLS の適用は行われますが、TLS を適用する試みがすべて失敗した場合は、便宜的な TLS を使用して他のすべての受信者への送信も許可されます。Forefront Online Protection for Exchange サービスでは、メッセージの送信用の最も高いレベルの暗号化が常に使用され、使用できない場合はレベルが下げられます。

      例:

      ポリシー ルール 指定されていない受信者に対して便宜的な TLS を適用する メッセージに受信者が含まれる

      注意

      例のドメイン acquisition.com は TLS 接続をサポートし、alpha.com はサポートしません。

      ルールの動作

      トラフィックのスコープ: 送信
      ドメインのスコープ: contoso.com
      アクション:TLS の適用
      送信者ドメイン:acquisition.com

      非選択

      c@acquisition.com; d@alpha.com

      c@acquisition.com へのメッセージは、TLS を使用して送信されます。d@alpha.com へのメッセージは、alpha.com が TLS 接続をサポートしていないので (または有効なパブリック証明書を持っていないので) 拒否されます。

      トラフィックのスコープ: 送信
      ドメインのスコープ: contoso.com
      アクション:TLS の適用
      受信者ドメイン:acquisition.com

      選択

      c@acquisition.com;d@alpha.com

      c@acquisition.com へのメッセージは、TLS を使用して送信されます。d@alpha.com へのメッセージは SMTP (暗号化されていないチャネル) をとおして送信されます。

      この一致オプションに適用されるすべてのポリシー ルール アクションの概要の表を確認するには、「ポリシー ルールの設定について」を参照してください。基本構文オプションおよび RegEx 構文オプションの詳細については、「ポリシー ルールの構文について」を参照してください。

      添付ファイルの一致オプション

      添付ファイルの一致オプションでは、目的のポリシー ルール アクションの適用対象とする、電子メールの添付ファイルの拡張子および名前を指定できます。このオプションで指定したいファイル拡張子または名前が複数あり、それらを手動で入力することを望まない場合は、辞書オプションを使用して一覧をアップロードします。辞書オプションの使用方法の詳細については、「FOPE でのフィルターの構成」を参照してください。ポリシー ルールには、添付ファイルの一致オプションに基づくポリシー ルールの例が記載されています。

      電子メールの部分 一致 構文 その他の一致オプション

      添付ファイル

      ファイル名 (および拡張子)

      基本/RegEx

      • 辞書

      • 圧縮された添付ファイル内でファイルを検索

      添付ファイル

      ファイル拡張子 (のみ)

      基本/RegEx

      辞書

      制限:

      • すべてのフィールドの文字数の上限は 9,000 文字です。

      • ピリオド (.) を含むファイル拡張子は、基本構文の一致表現では受け入れられません。

      基本構文を使用した電子メール添付ファイル ルールのサンプル:

      添付ファイルの拡張子: 基本構文

      一致表現:

      exe、bat、*gz

      解釈:

      電子メールの添付ファイルのうち、拡張子が exe または bat であるすべてのファイル、あるいは拡張子が gz (gz、tar.gz など) で終わるすべてのファイルが一致します。

      RegEx 構文を使用した電子メール添付ファイル ルールのサンプル:

      添付ファイル名: RegEx 構文

      一致表現:

      test.*\.tar\.gz

      解釈:

      電子メールの添付ファイルのうち、名前と拡張子が test.tar.gz、test123.tar.gz、testXXXXXX.tar.gz などのすべてのファイルが一致します。

      注意

      このフィールドは、ファイル名およびフィールド拡張子と一致することができます。

      その他の一致オプション

      圧縮された添付ファイル内でファイルを検索: このオプションを選択すると、Hosted Filtering サービスによって、パスワードで保護されていない圧縮ファイル内で見つかる可能性がある特定の拡張子がスキャンされます。このサービスによってスキャンされる圧縮ファイルの拡張子は、amg、arc、arj、ark、b64、bhx、cab、gbz、gz、gzip、ha、jar、lbr、lha、lzh、lzw、pkzip、rar、tar、tgz、uu、z、zip、zlib です。

      注意

      このオプションはパスワードで暗号化されているファイルには適用されません。フィルター対象のファイル拡張子のリストに zip+ を追加することで、パスワードで保護された zip ファイルをブロックまたは隔離できます。ファイル拡張子フィルター処理フィールドに zip+ を挿入してパスワードで保護された zip ファイルをブロックしない限り、パスワードで保護されたファイルは引き続き通過します。

      この一致オプションに適用されるさまざまなポリシー ルール アクションの概要の表を確認するには、「ポリシー ルールの設定について」を参照してください。基本構文オプションおよび RegEx 構文オプションの詳細については、「ポリシー ルールの構文について」を参照してください。

      メッセージ件名とメッセージ本文の一致オプション

      この一致オプションを使用すると、メッセージの件名または本文で使用されている単語、語句、文字のパターン、または数字を一致させることができます。このオプションで指定したい単語または語句が複数あり、それらを手動で入力することを望まない場合は、辞書オプションを使用して一覧をアップロードします。辞書オプションの使用方法の詳細については、「FOPE でのフィルターの構成」を参照してください。ポリシー ルールには、メッセージ件名の一致に基づくポリシー ルールの例が記載されています。

      一致 構文 その他の一致オプション

      件名

      基本/RegEx

      • 辞書

      • 完全一致

      • 大文字と小文字を区別

      • 不一致

      本文

      基本/RegEx

      • 辞書

      • 完全一致

      • 大文字と小文字を区別

      制限:

      • すべてのフィールドの文字数の上限は 9,000 文字です。

      • "不一致" 例外オプションは、送信暗号化ポリシー アクションでのみ使用できます。

      • "Outbound Allow" ルールは、"メッセージ件名" または "メッセージ本文" ではサポートされません。

      • "Inbound Allow" ルールは、"メッセージ本文" の単語または語句ではサポートされません。

      基本構文を使用した電子メール メッセージ件名ルールのサンプル

      メッセージ件名: 基本構文

      一致表現:

      casino、free、pill*、vi?gra

      解釈:

      "casino"、"free"、"pill"、"pills"、"pills4free" などの単語、または "viagra"、"vi@gra" などの単語のいずれかを含むすべての件名行と一致します。

      RegEx 構文を使用した電子メール メッセージ件名ルールのサンプル

      メッセージ件名: RegEx 構文

      一致表現:

      \d\d\d\-\d\d\-\d\d\d\d|\d\d\d\s\d\d\s\d\d\d\d

      \d\d\d\d\s\d\d\d\d\s\d\d\d\d\s\d\d\d\d|\d\d\d\d\s\d\d\d\d\d\d\s\d\d

      解釈:

      これは、3 桁、ダッシュ、2 桁、ダッシュ、および 4 桁と一致します。これは、3 桁、スペース、2 桁、スペース、4 桁にも一致します。これらは、社会保障番号のパターンである可能性があります。

      これは、4 桁、スペース、4 桁、スペース、4 桁、スペース、4 桁と一致します。これは、4 桁、スペース、6 桁、スペース、2 桁にも一致します。これらは、クレジット カード番号のパターンである可能性があります。

      RegEx 構文を使用した電子メール本文ルールのサンプル

      メッセージの本文: RegEx 構文

      一致表現:

      Starting.*Satisfaction.*Guaranteed

      解釈:

      これは、電子メールの本文内にこの順序で出現する "Starting"、"Satisfaction"、および "Guaranteed" と一致します。一致するには、電子メール内にすべての単語が存在している必要があります。これは、たとえば、本文テキスト "Watches Starting at $15. Satisfaction Guaranteed" と一致しますが、"Guaranteed Satisfaction, Watches Starting at $15" とは一致しません。

      注記注:
      基本構文でワイルドカード メタ文字を使用すると、同様の効果が得られます。

      その他の一致オプション

      1. 大文字と小文字を区別: ポリシー ルール エンジンは、ポリシー ルールで指定されている一致表現に基づいて、電子メールに対して大文字と小文字を区別するマッチングを実行します。

        例: この一致表現で [大文字と小文字を区別] オプションが選択されている場合、"cAseSensitivE" は "CASESENSITIVE" と一致しません。[大文字と小文字を区別] が選択されていない場合、一致表現 "cAseSensitivE" は "CASESENSITIVE" と一致します。

      2. 完全一致: ポリシー フィルターはその境界で表現と一致します。

        例: “This is a test” は、“This is a test1234”、“This is a perfect test”、または “123This is a test” とは一致しません。この構文は、指定された語句とまったく同じ語句と一致しますが、この表現の大文字と小文字は区別しません。大文字と小文字が区別されるようにするには、[完全一致] と [大文字と小文字を区別] の両方を選択する必要があります。

      この一致オプションに適用されるさまざまなポリシー ルール アクションの概要の表を確認するには、「ポリシー ルールの設定について」を参照してください。基本構文オプションおよび RegEx 構文オプションの詳細については、「ポリシー ルールの構文について」を参照してください。

      メッセージのプロパティ

      メッセージのプロパティの一致条件オプションには、次のオプションがあります。

      • 実行可能ファイル コンテンツ

      • クラス ID 拡張子

      • 最大受信者数

      • 最大サイズ

      • 文字セット

      [実行可能ファイル コンテンツ] チェック ボックスをオンにすると、ファイル名またはファイルの種類に関係なく (.com ファイルの名前が .jpg に変更されている場合など)、実行可能コンテンツ (exe など) を含む添付ファイルがブロックされます。ブロックされたファイルはウイルス フィルター サービスによって分析され、コンテンツの種類がバイナリ実行可能ファイルなのか、ファイルは単に拡張子を使用しているのかが判断されます。このチェック ボックスがオンになっていると、どの種類のバイナリ実行可能ファイルも、実行できるアクティブなコンテンツが含まれている場合には、システムによって拒否されます。

      [クラス ID 拡張子] チェック ボックスは、ウイルスの予防措置として推奨されています。クラス ID (CLSID) タグは拡張 HTML 要素で、表示可能またはダウンロード可能なドキュメントのクラスを記述するために使用されます。通常は、CLS ID: ABCD1234-AB12-12AB-AB12-ABCDEF123456 のようになります。正しく使用すると、Web 経由でアクセスされるデータ オブジェクトの処理に使用する必要があるプラグイン、アクティブなコンポーネント、またはヘルパー アプリケーションをブラウザーで特定する際に役立ちます。添付ファイルによっては、ファイル名の拡張子の全部または一部に CLSID が使用されていて、Windows エクスプローラーで保存して表示したときに、ファイルの完全な拡張子が表示されません。CLSID 拡張子のこの特性を悪用して、危険性のあるファイルの種類を、ブロックする必要のない単純な無害のファイル (JPG ファイルや WAV ファイルなど) のように表示できます。ファイル名の拡張子だけを照合する一部の電子メール ポリシー フィルター ソリューションでは、添付ファイルに CLSID 拡張子を使用すると、添付ファイルの検査が回避されてしまうことがあります。

      [最大受信者数] オプションでは、受信電子メール メッセージを送信できる受信者の最大数を指定します。この数には 2 ~ 499 の値を指定する必要があります。現在、ネットワーク全体の受信電子メールまたは送信電子メールの受信者の数として指定できるアドレスの数は最大で 499 個です。

      [最大サイズ] オプションは、指定したサイズ (MB) を超えるメッセージの送受信をブロックします。現在、ネットワーク全体での受信メッセージと送信メッセージのサイズには、150 MB という制限があります。そのため、既定では、150 MB 以上のメッセージがブロックされます。添付ファイルのサイズだけではなく、メッセージ全体のサイズがルールによって管理されています。エンコードまたはサイズの大きいメッセージ本文が原因で、メッセージの受信時のサイズが予想以上に大きくなる場合があります。値は KiB (キビバイト) 単位で入力します。たとえば、20 MB を超えるファイルをブロックするように設定するには、「20,480 KiB」と入力します。ポリシー ルールには、指定したサイズを超えるメッセージをブロックするポリシー ルールの例も記載されています。

      [文字セット] オプションは、英語以外の文字セットと一致します。キリル語などの文字セットと一致することにより、キリル語の文字を含むメッセージがドメインに送信されると、そのメッセージはフィルターと一致します。文字セットをブロックするポリシー ルールを作成すると、スパム電子メールだけでなく、指定された文字セットを含む送信されたすべての電子メールに影響します。既定では、使用可能なすべての文字セットが許可されています。ポリシー ルールには、英語以外の文字のブロック方法を表示するポリシー ルールの例も記載されています。