SQL Server 2008 SP2 Report Servers と SharePoint 2010 の統合

SQL Server 2008 Service Pack 2 (SP2) は SQL Server Reporting Services レポート サーバーの SharePoint 統合機能を更新します。 SQL Server 2008SP2 レポート サーバーは、SharePoint 2007 製品または SharePoint 2010 製品とも統合できます。 SQL Server 2008 SP2 Reporting Services 統合でサポートされている SharePoint 2010 の機能は、SharePoint 2007 を統合したときにサポートされている機能と同じです。 機能サポートは SharePoint 2010 の旧バージョンとの互換性サポートによっても変わります。 旧バージョンとの互換性についての情報は、SharePoint のマニュアルを参照してください。

更新された SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーは SharePoint 2010 製品と統合

SharePoint 2010 のサポートが SQL Server 2008 累積更新プログラム #8 (CU8) に追加されました。 この SharePoint 2010 のサポートは SQL Server 2008 SP2 の一部でもあります。

重要な注意事項重要

SharePoint 2010 の要求ベースの認証は SQL Server 2008 または SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーではサポートされていません。 要求に対応する SharePoint 2010 Web アプリケーションを使用する必要がある場合は、SQL Server 2008 R2 Reporting Services を使用してください。 詳細については、「既知の問題」を参照してください。

SharePoint のアップグレードに関する注意点

SharePoint 2010 をアップグレードする一方で、SQL Server インスタンスを SQL Server 2008 R2 にアップグレードしない場合、次の手順に従ってアップグレードすることをお勧めします。

開始時環境: SharePoint 2007、SharePoint 2007 製品用 SQL Server 2008Reporting Services アドイン、および SQL Server 2008 レポート サーバー

  1. SharePoint モード用に構成されているすべてのレポート サーバーを SQL Server 2008 SP1 CU8 (以降) または SQL Server 2008 SP2 にアップグレードします。

  2. すべての Web フロントエンド (WFE) サーバーを SharePoint 2010 製品用 SQL Server 2008 R2Reporting Services アドインにアップグレードします。 SharePoint 2010 の必須コンポーネントのインストーラーを使用して、新しいアドインをインストールできます。 SharePoint 2010 の必須コンポーネントのインストーラーは SharePoint 2010 製品用の SQL Server 2008 R2Reporting Services アドインをインストールします。 SharePoint 用の Reporting Services アドインのインストールを行うと、以前のバージョンの Reporting Services アドインがアップグレードされ、削除されます。

  3. すべての SharePoint WFE とレポート サーバーの SharePoint をアップグレードします。

終了時環境: SharePoint 2010、SQL Server 2008 R2Reporting Services アドイン、SQL Server 2008 SP1 CU#8 レポート サーバーまたは SQL Server 2008 SP2 レポート サーバー。

Reporting Services のサービス アカウントをドメイン アカウントに変更する

SharePoint 2010 製品にはドメイン アカウントが必要で、ファーム環境に配置した場合の NetworkService アカウントはサポートされていません。 Reporting Services サービス アカウントがドメイン アカウント用に構成されていない場合、SharePoint サーバーの全体管理での統合手順は失敗します。 この問題は SharePoint 2010 製品のスタンドアロン インストールには該当しません。ファーム配置の場合にのみ該当します。

SharePoint 2010 を SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーに統合する方法

SharePoint 2010 製品用 Reporting Services アドインのインストール後に、レポート サーバーを SharePoint サーバーに統合する必要があります。 SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーと SharePoint 2010 製品に統合するには、次の 2 つの手順を実行します。

  1. Reporting Services 統合を構成し、アクティブ化します。

    1. SharePoint サーバーの全体管理を開始します。

    2. [アプリケーションの全般設定] をクリックします。

    3. [Reporting Services 統合] をクリックします。

    4. [レポート サーバー Web サービスの URL][認証モード]、および [資格情報] 設定に適切な値を入力します。

    Reporting Services 統合のアクティブ化方法の詳細については、「SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバー統合を構成する方法」を参照してください。

  2. SharePoint 環境からレポート サーバー データベースへのアクセスを確立する レポート サーバーを統合に追加してデータベースへのアクセスを許可するには

    1. SharePoint サーバーの全体管理を開始します。

    2. [アプリケーションの全般設定] をクリックします。

    3. [レポート サーバーを統合に追加] をクリックします。

    4. 適切な値を入力し、[OK] をクリックします。

SharePoint 2010 統合での既知の問題

このセクションでは、SQL Server 2008 SP2 Reporting Services SharePoint 統合を使用するときの既知の問題について説明します。

SQL Server 2008 SP2 サーバーを SharePoint 2010 と統合すると Report Builder 1.0 と 2.0 が起動しない

SharePoint 2010 用 Reporting Services アドインは Report Builder 3.0 を使用するように SharePoint 環境を構成します。SQL Server 2008 と SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーは Report Builder 3.0 と互換性がありません。 SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーを SharePoint 2010 と統合すると、Report Builder 1.0 と 2.0 の ClickOnce バージョンが起動しません。 この問題を解決するには、[カスタムのレポート ビルダーの起動 URL] をレポート ビルダーの適切なバージョンに構成します。

カスタムのレポート ビルダーの起動 URL を変更するには

  1. SharePoint サーバーの全体管理を開始します。

  2. [アプリケーションの全般設定] をクリックします。

  3. [Reporting Services] セクションで、[サーバーの既定値の設定] をクリックします。

  4. Report Builder 2.0 では、[カスタムのレポート ビルダーの起動 URL] で「/_vti_bin/ReportBuilder/ReportBuilder_2_0_0_0.application」と入力します。 Report Builder 1.0 の場合は、「/_vti_bin/ReportBuilder/ReportBuilder.application」と入力します。

  5. [OK] をクリックします。

レポート パラメーターを編集しようとすると、「不明」な値に関するエラー メッセージが表示される

SharePoint ドキュメント ライブラリの [パラメーターの管理] ページでレポート パラメーターのプロパティを更新しようとすると、次のようなエラー メッセージが表示されます。要求された値 '不明' が見つかりませんでした。 これは SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーに統合された SharePoint 2010 製品を使用した場合の既知の問題です。

SharePoint 2010 の要求ベースの認証がサポートされない

要求ベースの認証は SharePoint 2010 の新機能ですが、要求認証は SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーではサポートされていません。 SQL Server 2008 SP2 レポート サーバーと SharePoint 2010 との統合は、Windows 認証のみをサポートしています。 このセクションでは、要求ベースの認証用に構成されている SharePoint 2010 サイトで発生する可能性がある既知の問題について説明しています。

  • クリックスルー レポートは、要求ベースの認証用に構成されている SharePoint サイトでは使用できません。 レポートのクリック スルーを試みると、次のようなエラー メッセージが表示されます。

    「ユーザー 'REDMOND\USERNAME' には、この操作を行うのに必要な権限が与えられていません。 (rsAccessDenied)」

  • reportserver に直接アクセスできません。 http://<RS server>/ReportServer を参照しようとすると、次のようなエラー メッセージが表示されます。「指定したユーザー <Domain>\<User Name> が見つかりませんでした。」この問題を回避するには、レポート サーバーを直接参照せずに、URL の適切な _vti_bin 形式を使用します。 たとえば、「http://<SharePoint_site>/_vti_bin/ReportServer」のような URL を使用します。

  • サブスクリプションによって作成された電子メール内のリンクが失敗します。 要求認証用に構成された SharePoint 2010 サイトから送信されたサブスクリプションには、要求対応のサイトに正しく認証を返せないリンクが含まれることになります。