MED-V 用の Windows Virtual PC イメージの構成

適用対象: Microsoft Enterprise Desktop Virtualization 2.0

MED-V イメージに含めたいものをすべてインストールしたら、そのイメージを Microsoft Enterprise Desktop Virtualization (MED-V) 2.0 で使用するように構成することができます。ここでは、MED-V ワークスペース パッケージを作成する前に初回セットアップを実行するために、MED-V を構成する方法を説明します。

初回セットアップは、MED-V ワークスペースをエンド ユーザー用に準備するプロセスです。まず、MED-V ワークスペースにパッケージ化されたイメージから仮想マシンを作成し、次にその仮想マシン上で Windows Mini-Setup を実行します。このとき、カスタム セットアップ スクリプトと初回セットアップを完了するアプリケーション (FtsCompletion.exe) の両方を実行します。

次に、初回セットアップを実行するために MED-V イメージを構成する手順の概要を示します。

  1. オプションとして、仮想ハード ディスク (VHD) を小さくして空きディスク領域を再構築できるように、VHD を圧縮してから、Windows Virtual PC イメージの構成を続けることもできます。詳細については、「MED-V 仮想ハード ディスクの圧縮」を参照してください。

  2. 仮想マシンのセットアップ プロセスをカスタマイズします。

  3. Sysprep を使用して MED-V イメージをシールします。

仮想マシンのセットアップ プロセスのカスタマイズ

  • MED-V で使用するイメージを準備手順の 1 つとして、仮想マシンのさまざまな設定を構成することができます。たとえば、Windows Update 実行用の設定を指定できます。MED-V ワークスペース パッケージを作成する前に、仮想マシンの必要な設定をすべて指定します。

  • MED-V ワークスペース パッケージを作成する前に、仮想マシンの復元ポイントを無効にして、差分ディスクが大きくなりすぎないようにすることをお勧めします。詳細については、「Windows XP でシステムの復元機能を有効または無効にする方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=195927) を参照してください。

    注意

    初回セットアップの実行時に復元ポイントが無効にされるように、Sysprep.inf ファイルを設定することができます。この GuiRunOnce キーの設定例については、このセクションの後半にある Sysprep.inf ファイルの例を参照してください。

  • セットアップ プロセスで既定の Windows の [ようこそ] ではなく、Mini-Setup が実行されるように構成します。このためには、-mini スイッチを指定して Sysprep ツールを起動するか、グラフィカル ユーザー インターフェイスで [Mini-Setup を使う] チェック ボックスをオンにします。詳細については、「Sysprep を使用した MED-V イメージのシール」を参照してください。

    初回セットアップの完了ファイルの呼び出し

    • FtsCompletion.exe という実行可能ファイルが、MED-V ゲスト エージェントのインストールの一部として含まれています。既定では、このファイルは、MED-V イメージにあるシステム ドライブの Program Files\Microsoft Enterprise Desktop Virtualization の下にあります。

      重要

      初回セットアップ プロセスの最終段階で、この実行可能プログラムを実行する必要があります。このプログラムの呼び出し元のユーザーは、ゲストのローカル管理者グループのメンバーでなければなりません。

    • この実行可能プログラムをどのように呼び出すかを決めます。たとえば、MED-V ワークスペースと共に展開されるスクリプトで呼び出します。この実行可能プログラムは、Sysprep.inf ファイルの最後の行で呼び出すことができます。Sysprep.inf ファイルでこの実行可能プログラムを呼び出す方法の例については、このセクションの後半にある Sysprep.inf ファイルの例を参照してください。

MED-V イメージのカスタマイズが完了したら、次に、Sysprep を使ってイメージをシールします。

Sysprep を使用した MED-V イメージのシール

  • システム準備ツール (Sysprep) は、管理者や IT 担当者の介入をできる限り抑えて、ネットワーク全体にイメージ ベースのインストールを実行するときに使用できるツールです。

  • MED-V 環境では、Sysprep を使用して、MED-V ワークスペースが初めて起動されたときに、各MED-V ワークスペースに固有のセキュリティ ID (SID) や他の設定を割り当てることができます。

    注意

    Sysprep の使用方法の詳細については、「Sysprep テクニカル リファレンス」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=195930) を参照してください。

    注意

    Sysprep.inf ファイルに ASCII 以外の文字を入力した場合は、その文字に適したエンコードを使用してファイルを保存しなければなりません。Windows XP では、Sysprep.inf ファイルを目標の言語のコード ページを使用してエンコードする必要があります。

    また、MED-V ワークスペースの展開先となるコンピューターのシステム ロケールが、Sysprep.inf ファイルに含まれている、言語特有の文字を取り扱えるロケールに設定されていることを確認してください。システム ロケールの設定を変更するには、次の手順に従います。

    1. [スタート] ボタンをクリックし、[コントロール パネル]、[地域と言語] の順にクリックして [地域と言語] ウィンドウを開きます。

    2. [管理] タブをクリックし、[Unicode 対応でないプログラムの言語] の下にある [システム ロケールの変更] をクリックします。

      管理者のパスワードの入力メッセージ、または確認メッセージが表示された場合は、管理者のパスワードを入力するか [続行] をクリックします。

    3. 目的の言語を選択して [OK] をクリックします。

    MED-V ゲスト コンピューターで Sysprep を構成するには

    1. MED-V イメージのシステム ドライブのルートに「Sysprep」というフォルダーを作成します。

    2. deploy.cab ファイルをダウンロードします。詳細については、Microsoft ダウンロード センターの「Windows XP Service Pack 3 Deployment Tools (Windows XP Service Pack 3 展開ツール)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=195928) を参照してください。

    3. deploy.cab ファイルから、Setupmgr.exe、Sysprep.exe、および Setupcl.exe ファイルを Sysprep フォルダーにコピーまたは展開します。

    4. Sysprep フォルダー内でセットアップ マネージャー (Setupmgr.exe) を実行して、Sysprep.inf 応答ファイルを作成します。

      または、このファイルを手動で作成するか、会社の既存のファイルを使用します。詳細については、「Sysprep ツールを使用して Windows XP の展開を自動化する方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=195929) を参照してください。

    5. セットアップ マネージャー ウィザードの手順に従います。

      重要

      MED-V ゲストをドメインに参加する構成をして、MED-V ホストにログオンする資格情報を使用してユーザーがゲストにログオンできるようにする必要があります。

      注意

      仮想マシンがプロキシ アカウントでドメインに参加するように構成すると、エンド ユーザーがそのプロキシ アカウントの資格情報を取得できることに注意してください。そのため、アカウントのユーザーの権限を制限するなど、セキュリティ上のリスクをできる限り抑える手段を講じてください。MED-V の Windows Virtual PC イメージを構成するときに考慮すべきセキュリティの詳細については、「MED-V のセキュリティのベスト プラクティス」を参照してください。

      Sysprep.inf ファイルに指定されているパラメーターに基づいて、エンド ユーザーが初回セットアップ中に情報を入力しなければならない場合は、MED-V ワークスペース パッケージを作成するときに、初回セットアップが有人モードで実行されるように指定する必要があります。エンド ユーザーが何も情報を入力する必要がない場合は、MED-V ワークスペース パッケージを作成するときに、初回セットアップが無人モードで実行されるように指定できます。詳細については、「MED-V ワークスペース パッケージの作成」を参照してください。

      どのような設定でも指定できますが、MED-V のベスト プラクティスは、初回セットアップが無人モードで実行されるように、Sysprep.inf ファイルを作成する方法です。この場合は、セットアップ マネージャー ウィザードで、必須の設定情報をすべて指定する必要があります。

      注意

      イメージ (VHD) にサービス レベル アグリーメント (SLA) が含まれるように、ローカル ポリシーまたはレジストリ エントリを設定した場合は、初回セットアップが有人モードで実行されるように指定する必要があります。このモードに指定しないと、初回セットアップに失敗します。ただし、MED-V のベスト プラクティスは、初回セットアップが完了したときに SLA がエンド ユーザーに表示されるように、後でグループ ポリシーで SLA を施行する方法です。

      注意

      ホストの構成とエンド ユーザーの ID に基づいて、Sysprep.inf にある特定の項目が設定されるように MED-V ワークスペースを構成することができます。詳細については、「MED-V ワークスペース パッケージの作成」を参照してください。

    6. MED-V イメージをシールします。

      重要

      MED-V イメージをシールする前に、バックアップ コピーを作成しておくことをお勧めします。

      セットアップ マネージャー ウィザードのすべての手順が完了したら、Sysprep を実行して MED-V イメージをシールすることができます。

    Sysprep を実行するには

    1. MED-V 仮想マシンで Sysprep を構成したときに作成した Sysprep フォルダーからシステム準備ツール (Sysprep.exe) を実行します。

    2. 警告メッセージ ボックスが表示されたら、[OK] をクリックします。

    3. [オプション] ダイアログ ボックスで、[ライセンス認証の猶予期間をリセットしない] チェック ボックスと [Mini-Setup を使う] チェック ボックスをオンにします。さらに、[シャットダウン モード] ボックスが、[シャットダウン] に設定されていることを確認します。

    4. [再シール] をクリックします。初回セットアップ用に、ID 情報が削除され、イベント ログがクリアされます。

    5. 表示された確認メッセージ ボックスに一覧された情報が適切でない場合は、[キャンセル] をクリックして、選択内容を変更します。

    6. [OK] をクリックして、システムの準備プロセスを完了します。

    MED-V イメージでの Sysprep を実行が完了すると、仮想マシンがシャットダウンされ、MED-V ワークスペースの作成に使用できるようになります。

次に、Sysprep.inf ファイルの例を示します。

;SetupMgrTag [GuiUnattended] EncryptedAdminPassword=NO TimeZone=10 OEMDuplicatorstring="MED_V v2 Host" AdminPassword="administrator" AutoLogon=Yes AutoLogonCount=1 OEMSkipRegional=1 OemSkipWelcome=1

[UserData] ProductKey= FullName="MED-V User" OrgName="Contoso" ComputerName=*

[Identification] JoinDomain=domain.corp.contoso.com DomainAdmin=UserName DomainAdminPassword=Password

[Networking] InstallDefaultComponents=Yes

[Branding] BrandIEUsingUnattended=Yes

[Proxy] Proxy_Enable=0 Use_Same_Proxy=0

[Unattended] InstallFilesPath=C:\sysprep\i386 TargetPath=\WINDOWS UpdateServerProfileDirectory=1 OemSkipEula=Yes

[RegionalSettings] LanguageGroup=1 Language=00000409

[GuiRunOnce] Command0="wmic /namespace:\\root\default path SystemRestore call Disable %SystemDrive%\" Command1="c:\Program Files\Microsoft Enterprise Desktop Virtualization\FtsCompletion.exe"

[sysprepcleanup]

参照:

概念

MED-V ワークスペース パッケージの作成
MED-V イメージの準備

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