チュートリアル: Developer Extensions を使用して Microsoft Dynamics CRM 2015 に接続された Web アプリケーションの構築

[アーティクル]
07/06/2017

公開日: 2016年11月

対象: Dynamics CRM 2015

このチュートリアルでは、Microsoft Dynamics CRM 2015 に接続し、基本的な取引先担当者作成トランザクションを実行する単純な Web アプリケーションの作成方法を説明します。

このチュートリアルで生成されるコード例は、Sdk\Walkthroughs\Portal\WebAppWalkthrough フォルダーにあります。

このトピックの内容

事前バインド型の生成

Visual Studio での Web アプリケーションプロジェクトの設定

Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 1

別の Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 2

WCF データサービスの作成

Web ページの作成 - 取引先担当者フォーム 1

別の Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 3

事前バインド型の生成

CrmSvcUtil.exe ツールを実行して、Microsoft.Xrm.Client.CodeGeneration 拡張機能を使用して、エンティティクラスとサービスコンテキストを生成します。Microsoft Dynamics 365 のインスタンスを参照する "Xrm.cs" というファイルを作成するコマンド例を次に示します。このコマンドの実行時に、Microsoft.Xrm.Client.CodeGeneration.dll ファイルは、CrmSvcUtil.exe ファイルと同じディレクトリ、またはシステムのグローバルアセンブリキャッシュにある必要があります。次に示す最初のコマンドは設置型組織用であり、2 番目のコマンドは CRM Online 組織用です。いずれのコマンドも、改行なしで 1 つのコマンドラインとして実行する必要があります。
```
    CrmSvcUtil.exe 
    /codeCustomization:"Microsoft.Xrm.Client.CodeGeneration.CodeCustomization, Microsoft.Xrm.Client.CodeGeneration" 
    /out:Xrm\Xrm.cs 
    /url:http://Crm/Contoso/XRMServices/2011/Organization.svc 
    /domain:CONTOSO 
    /username:administrator 
    /password:pass@word1 
    /namespace:Xrm 
    /serviceContextName:XrmServiceContext
```
```
    CrmSvcUtil.exe
    /codeCustomization:"Microsoft.Xrm.Client.CodeGeneration.CodeCustomization, Microsoft.Xrm.Client.CodeGeneration"
    /out:Xrm.cs /url:https://<mydomain>.api.crm.dynamics.com/XRMServices/2011/Organization.svc
    /username:<myusername>@<mydomain>.onmicrosoft.com /password:<mypassword> /namespace:Xrm /serviceContextName:XrmServiceContext
```
ヒント

CrmSvcUtil ツールは、SDK ダウンロードの Bin フォルダーから使用するか、または Microsoft.CrmSdk.CoreToolsNuGet パッケージをインストールすることによって使用できます。

Visual Studio での Web アプリケーションプロジェクトの設定

Microsoft Visual Studio で新しい ASP.NET Web アプリケーションを作成します。このサンプルでは "WebAppWalkthrough" をプロジェクト名として使用します。
SDK\bin フォルダーから次の参照を追加します。この手順と次の手順は、Microsoft.CrmSdk.ExtensionsNuGet パッケージをインストールすることによってスキップできます。
- AntiXSSLibrary.dll
- Microsoft.Crm.Sdk.Proxy.dll
- Microsoft.Xrm.Client.dll
- Microsoft.Xrm.Portal.dll
- Microsoft.Xrm.Portal.Files.dll
- Microsoft.Xrm.Sdk.dll
.NET からの次の参照を追加します。
- System.IdentityModel.dll
- Microsoft.Data.Entity.dll
- System.Data.Services.dll
- System.Data.Services.Client.dll
- System.Runtime.Caching.dll
- System.Runtime.Serialization.dll
Visual Studio でプロジェクトを右クリックし、[追加] をクリックして、[既存の項目] をクリックします。
事前バインド型の生成時に作成した "xrm.cs" ファイルを選択します。
web.config ファイルを編集して <microsoft.xrm.client> セクションを登録します。次に示すように、構成の configSections ノードにセクションを追加する必要があります。
```
<configuration>
  <configSections>
    <section name="microsoft.xrm.client"
      type="Microsoft.Xrm.Client.Configuration.CrmSection, Microsoft.Xrm.Client" />
```
特定の接続文字列とコンテキストで web.config ファイルを編集します。接続文字列の名前を "Xrm" に設定します。<microsoft.xrm.client> セクションで、"Xrm" という名前のコンテキストを追加し、種類を Web アプリケーションプロジェクトの設定時に手順 1. で指定した名前空間とサービスコンテキスト名に設定します。次の例では、これは Xrm.XrmServiceContext であり、種類のアセンブリ部分は Web アプリケーションの名前 "WebAppWalkthrough" です。
```
<connectionStrings>
  <add name="Xrm" connectionString="Server=http://crm/contoso; Domain=CONTOSO; Username=Administrator; Password=pass@word1" />
</connectionStrings>
<microsoft.xrm.client>
  <contexts>
    <add name="Xrm" type="Xrm.XrmServiceContext, WebAppWalkthrough" />
  </contexts>
</microsoft.xrm.client>
```
web.config ファイルの <controls> セクションに次のコードを追加して、Microsoft.Xrm.Portal コントロールをこの Web アプリケーションに登録します。
```
<system.web>
  <pages>
    <controls>
      <add tagPrefix="crm" namespace="Microsoft.Xrm.Portal.Web.UI.WebControls" assembly="Microsoft.Xrm.Portal" />
```

Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 1

Dynamics 365 システムのすべての取引先担当者を ASP.NET データグリッドに表示する基本的な Web ページを作成します。

プロジェクトを右クリックし、"WebForm_LinqDataSource.aspx" という新しい Web フォームを追加します。

新しい aspx ページに次のコードを追加します。

<!--This example lists all contacts from the Microsoft Dynamics CRM system. -->
<asp:LinqDataSource ID="Contacts" ContextTypeName="Xrm.XrmServiceContext" TableName="ContactSet" runat="server" />
<asp:GridView DataSourceID="Contacts" AutoGenerateColumns="false" runat="server">
    <Columns>
        <asp:TemplateField HeaderText="First Name">
            <ItemTemplate>
                <asp:Label Text='<%# Eval("firstname")%>' runat="server" />
            </ItemTemplate>
        </asp:TemplateField>
        <asp:TemplateField HeaderText="Last Name">
            <ItemTemplate>
                <asp:Label Text='<%# Eval("lastname")%>' runat="server" />
            </ItemTemplate>
        </asp:TemplateField>
        <asp:TemplateField HeaderText="City">
            <ItemTemplate>
                <asp:Label Text='<%#Eval("address1_city") %>' runat="server" />
            </ItemTemplate>
        </asp:TemplateField>
    </Columns>
</asp:GridView>

プロジェクトをビルドします。
aspx ページを右クリックし、[ブラウザーで表示] を選択します。結果は次のように表示されます。

別の Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 2

Dynamics 365 ビュー定義に基づいて Dynamics 365 システムの取引先担当者を ASP.NET データグリッドに表示する Web ページを作成します。

プロジェクトを右クリックし、"WebForm_SavedQueryDataSource.aspx" という新しい Web フォームを追加します。

新しい aspx ページに次のコードを追加します。

<crm:SavedQueryDataSource ID="ActiveContacts" SavedQueryName="Active Contacts" runat="server" />
<asp:GridView DataSourceID="ActiveContacts" runat="server" />

プロジェクトをビルドします。
aspx ページを右クリックし、[ブラウザーで表示] を選択します。このページでは、ビュー定義 "Active Contacts" を使用してレコードを返し、ASP.NET GridView コントロールにビューの属性を表示します。結果は次のように表示されます。

WCF データサービスの作成

Microsoft Dynamics 365 の WCF データサービスを作成します。

プロジェクトを右クリックし、"CrmData.svc" という新しい WCF データサービスを追加します。

チュートリアルの最初で作成した XrmServiceContext にある WCF データサービスをポイントする必要があります。次のように、CrmData.svc.cs ファイルを編集します。

namespace WebAppWalkthrough
{
    public class CrmData : DataService<Xrm.XrmServiceContext>
    {
        // This method is called only once to initialize service-wide policies.
        public static void InitializeService(DataServiceConfiguration config)
        {
            config.SetEntitySetAccessRule("*", EntitySetRights.AllRead);
            config.SetServiceOperationAccessRule("*", ServiceOperationRights.All);
            config.DataServiceBehavior.MaxProtocolVersion = DataServiceProtocolVersion.V2;
        }
    }
}

Web ページの作成 - 取引先担当者フォーム 1

Microsoft Dynamics 365 ビュー定義に基づいて取引先担当者データ入力フォームを表示する Web ページを作成します。

Dynamics 365 で、[設定]、[カスタマイズ]、[システムのカスタマイズ] の順に移動します。 "Create Contact Webform" という contact エンティティの新しいビューを作成します。
生成したフォームにフィールドとして表示する列をビューに追加します。
[保存と公開] をクリックします。
Microsoft Visual Studio で Web プロジェクトを右クリックし、"WebForm_FromSavedQuery.aspx" という新しい Web フォームを追加します。

新しい aspx ページに次のコードを追加します。

<asp:ScriptManager runat="server" />
<crm:CrmDataSource ID="Contacts" runat="server" />
<crm:CrmEntityFormView DataSourceID="Contacts" EntityName="contact" SavedQueryName="Create Contact Web Form" runat="server" />

プロジェクトをビルドします。
aspx ページを右クリックし、[ブラウザーで表示] をクリックします。結果は次のように表示されます。

別の Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 3

分離コードを使用して Microsoft Dynamics 365 データソースを ASP.NET GridView コントロールに接続する Web ページを作成します。

プロジェクトを右クリックし、"WebForm_CodeBehindDataSource.aspx" という新しい Web ページを追加します。

新しい aspx ページに次のコードを追加します。

<asp:GridView ID="ContactsGridView" AutoGenerateColumns="false" runat="server">
    <Columns>
        <asp:TemplateField HeaderText="First Name">
            <ItemTemplate>
                <asp:Label Text='<%# Eval("firstname")%>' runat="server" />
            </ItemTemplate>
        </asp:TemplateField>
        <asp:TemplateField HeaderText="Last Name">
            <ItemTemplate>
                <asp:Label Text='<%# Eval("lastname") %>' runat="server" />
            </ItemTemplate>
        </asp:TemplateField>
        <asp:TemplateField HeaderText="City">
            <ItemTemplate>
                <asp:Label Text='<%# Eval("address1_city") %>' runat="server" />
            </ItemTemplate>
        </asp:TemplateField>
    </Columns>
</asp:GridView>

分離コードファイル WebForm_CodeBehind.aspx.cs を次のように編集します。

using System;
using System.Linq;
using Xrm;

namespace WebAppWalkthrough
{
    public partial class WebForm_CodeBehind : System.Web.UI.Page
    {
        protected void Page_Load(object sender, EventArgs e)
        {
            var xrm = new XrmServiceContext("Xrm");

            //Use all contacts where the email address ends in @example.com.
            var exampleContacts = xrm.ContactSet
                .Where(c => c.EMailAddress1.EndsWith("@example.com"));

            ContactsGrid_CodeBehind.DataSource = exampleContacts;
            ContactsGrid_CodeBehind.DataBind();
        }
    }
}

プロジェクトをビルドします。
aspx ページを右クリックし、[ブラウザーで表示] をクリックします。結果は次のように表示されます。

チュートリアル: Developer Extensions を使用して Microsoft Dynamics CRM 2015 に接続された Web アプリケーションの構築

このトピックの内容

事前バインド型の生成

Visual Studio での Web アプリケーションプロジェクトの設定

Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 1

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別の Web ページの作成 - 取引先担当者グリッド 3

関連項目

その他のリソース

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