公開データ

 

適用対象: System Center 2012 SP1 - Orchestrator,System Center 2012 - Orchestrator,System Center 2012 R2 Orchestrator

公開データによって、活動は、同じ Runbook 内の別の活動からの情報を使用できます。 各活動には特定の公開データ項目セットがあり、これらは実行後に設定されます。 ワークフローで、その活動の後に実行されるすべての他の活動がこのデータにアクセスできます。 各活動固有のデータの他に、すべての活動は、活動の開始日時と終了日時、完了ステータスなどの情報を提供するデータ項目の共通セットを公開します。 リンク条件から公開データを使用して、フィルターや意思決定機能を Runbook に追加することもできます。

たとえば、Runbook は行の読み取り活動を使用してテキスト ファイルの情報を取得する場合を想定します。 Runbook 内のその後の電子メールの送信活動が、メールのテキストにその情報を含める必要があるとします。電子メールの送信活動は、行の読み取り活動からの行のテキスト公開データ項目を使用して、メールのメッセージに含めることができます。

データの種類

次の表で、公開データ値の種類のカテゴリについて説明します。

公開データ値の種類

説明

文字列値

エラー メッセージの記述などのテキスト。

日付の値

日時情報。 たとえば、特定のエラーが発生した日時です。

数値

数値情報。 たとえば、データベースのクエリによって返される行数です。

ブール値

true または false。 たとえば、コマンドの完了です。

日付と時刻の特徴

活動の開始日時と終了日時のデータは、データバスの 2 つのフィールドに保存されます。 これらは、ローカル時間と協定世界時 (UTC) で、両方とも ISO 8601 形式を取ります。 UTC を使用すると、特定のロケールまたは時間帯に依存せずに Runbook を実行できます。 データバスに保存された公開データのみが、ISO 8601 形式の UTC で日付と時刻の情報を提供します。

Runbook Designer と Orchestration コンソールに表示される日付と時刻の値は、ログ履歴、監査履歴、イベントに限らず、それ以外も含めて、そのコンピューターで構成されているローカルの日付と時刻の形式に従います。

複数値の種類がある公開データ

Runbook の活動が実行される場合、前の活動で生成されたデータ項目ごとに 1 回実行されます。 たとえば、データベースの照会活動が実行され、データベースから 3 行が取得されたとします。 この 3 行のデータによって、次の活動は 3 回 (返された 1 行につき 1 回) 実行されます。 この次の活動は、このアクションを実行するためにデータにサブスクライブする必要はありません。

活動は、外部ソースから情報を取得することもできます。取得活動と監視活動で、この動作が見られます。 活動から、コンピューターの一覧などのデータが出力されることがあります。 データは、複数の個々の出力として渡すことができます。この場合、出力に含まれる項目の数と同じ回数、次の活動が呼び出されます。

また、1 つの出力としてデータを渡すこともできます。 複数の値がある公開データを構成する方法については、「共通する活動のプロパティ」を参照してください。

活動の構成への返されるデータの追加

活動が公開データにサブスクライブしている場合、データの値が追加される位置にプレースホルダーが挿入されます。 活動がサブスクライブできるのは、ワークフローの前の活動からの公開データに対してだけです。

公開データを活動に追加する場合、公開データのサブスクリプションを変更する場合、また、公開データ項目をコピーして貼り付ける場合は、次の手順に従います。

ワークフローの以前の活動の公開データにサブスクライブするには

  1. Runbook から活動を右クリックして [プロパティ] を選択してから、[詳細] タブをクリックして活動のプロパティ ダイアログ ボックスを開きます。

  2. メニューを開くには、テキスト ボックスで右クリックして、[サブスクライブ] を選択してから、[公開データ] をクリックして [公開データ] ダイアログ ボックスを開きます。

  3. [活動] 一覧で、サブスクライブするデータを返す活動を選択します。 既定で、このダイアログ ボックスには、その活動に固有の公開データのみが表示されます。 すべての活動に共通する公開データを含めるには、[共通の公開データを表示する] をクリックします。

  4. 使用する [公開データ] 項目を選択し、[OK] をクリックします。

公開データのサブスクリプションを変更するには

  1. テキスト ボックスで、データのプレースホルダーをクリックして、[公開データ] ダイアログ ボックスを開きます。

  2. [活動] 一覧で、サブスクライブするデータを返す活動をクリックします。 既定で、このダイアログ ボックスには、その活動に固有の公開データのみが表示されます。 すべての活動に共通する公開データを含めるには、[共通の公開データを表示する] をクリックします。

  3. 使用する [公開データ] 項目をクリックし、[OK] をクリックします。 公開データのプレースホルダーは、新しい活動と選択した公開データを反映して変更されます。

公開データ項目をコピーして貼り付けるには

  1. 活動の [プロパティ] ダイアログ ボックスのボックスに既に挿入されている公開データ項目を見つけます。

  2. コピーする公開データ項目を選択します。

  3. キーボード ショートカットの Ctrl + C を使用するか、選択した項目を右クリックして、[コピー] をクリックします。

  4. [プロパティ] ダイアログ ボックスを開いて、公開データ項目のコピー先を開きます。

  5. 公開データ項目を表示する位置にカーソルを移動し、キーボード ショートカットの Ctrl + V を使用するか、挿入ポイントを右クリックして、[貼り付け] をクリックします。 公開データ項目が表示されます。

公開データ項目の変換

他の活動で使用する前に、公開データ活動からのテキストの変更が必要になる場合があります。 たとえば、テキストの一部を削除したり、他の文字列と置き換えなければならないことがあります。マップの公開データ活動を使用して、指定したルールに従って既存の公開データのコンテンツまたは可変項目を新しいコンテンツに変換できます。

共通の公開データ

次の表は、すべての活動に共通する公開データ項目について説明したものです。

名前

説明

活動 ID

活動の一意の識別子。 たとえば、{4BD3F27A-8F1B-4F60-8245-F69469075EF1} です。

活動名

活動がワークスペースに表示されるときの名前。 ワークスペースで活動名をカスタマイズすると、カスタマイズされた名前がここに表示されます。

活動のプロセス ID

活動が実行されるジョブ プロセスのプロセス ID。

活動の状態

成功など、活動を実行した結果の状態。

活動の種類

活動の既定の名前。 ワークスペースで活動の名前を変更しても、既定の名前は変更されません。この既定の名前は、活動名や表示アイコンを変更した Runbook で活動を特定する場合に便利です。

エラーの説明

活動が返すエラー情報の概要。

Runbook 名

Runbook の名前。

Runbook のプロセス ID

Runbook サーバーで実行されている Runbook モジュールの実行可能プログラムのプロセス ID。

このジョブ プロセスには、活動のロジックが含まれます。 ジョブ プロセスは、Runbook サーバーで Runbook が開始されると開始され、Runbook が停止すると停止されます。 各 Runbook は、固有のジョブ プロセスの実行可能プログラムで実行されます。

サーバー名

Runbook が実行されている Runbook サーバーの名前。

活動期間

活動が実行された合計時間。

活動終了日時

活動が終了した時刻。

活動終了日時 (年)

活動が終了した年。

活動終了日時 (月)

活動が終了した月。

活動終了日時 (日)

活動が終了した日。

活動終了日時 (曜日)

活動が終了した曜日。

活動終了日時 (時間)

活動が終了した時刻の時間。

活動終了日時 (分)

活動が終了した時刻の分。

活動終了日時 (秒)

活動が終了した時刻の秒。

活動終了日時 - UTC

UTC 形式での活動が終了した時刻。

活動終了日時 - UTC (年)

UTC 形式での活動が終了した年。

活動終了日時 - UTC (月)

UTC 形式での活動が終了した月。

活動終了日時 - UTC (日)

UTC 形式での活動が終了した日。

活動終了日時 - UTC (曜日)

UTC 形式での活動が終了した曜日。

活動終了日時 - UTC (時間)

UTC 形式での活動が終了した時刻の時間。

活動終了日時 - UTC (分)

UTC 形式での活動が終了した時刻の分。

活動終了日時 - UTC (秒)

UTC 形式での活動が終了した時刻の秒。

活動開始日時

活動が開始された時刻。

活動開始日時 - UTC

UTC 形式での活動が開始された時刻。

ループ:再試行間隔

各ループ試行間の時間 (秒)。

ループ:Enabled

活動ごとのループがその活動で有効かどうかを決定する設定。

ループ:ループのエラー メッセージ

ループが成功しなかった場合にエラー メッセージを表示します。

ループ:試行回数

ループを繰り返す回数。

活動が属する Runbook の名前。

ループ:合計実行時間

ループした活動が実行された合計時間 (秒)。