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記憶域スペースの概要

発行: 2012年2月

更新日: 2014年4月

適用対象: Windows 8, Windows 8.1, Windows Server 2012, Windows Server 2012 R2



記憶域スペースは、Windows および Windows Server のテクノロジです。業界標準のディスクを記憶域プールにグループ化して、記憶域プールの利用可能な容量から仮想ディスク (記憶域スペース) を作成することにより、記憶域を仮想化することができます。このトピックでは、こうしたテクノロジと、Windows Server 2012 R2 の新しい記憶域スペース機能について概要を説明します。

以下のリソースも参照してください。

記憶域スペースは、ビジネス クリティカルな (仮想または物理) 展開向けの記憶域ソリューションで、コスト効果や可用性が高く、スケーラブルで柔軟性があります。記憶域スペースは、高度な記憶域仮想化機能を備えています。これにより、ユーザーは、単一コンピューターの展開およびスケーラブルなマルチノード展開で業界標準の記憶域を使用できます。このソリューションは、優れたコスト効率で需要に応じて拡大できる高可用性記憶域用に Windows Server を使用する企業やクラウド ホスティング会社など、さまざまなユーザーに適しています。

記憶域スペースより、Windows の記憶域スタックが根本的に強化され、次の 2 つの新しい抽象化が組み込まれました。

  • 記憶域プール。ディスクを集約して、柔軟な方法で容量を拡大し、管理を委任できる物理ディスクのコレクション。

  • 記憶域スペース。記憶域プールの空き領域から作成される仮想ディスク。記憶域スペースには、復元レベル、記憶域層、固定プロビジョニング、詳細な管理機能などの属性があります。

記憶域スペースは、Windows Management Instrumentation (WMI) および Windows PowerShell で Windows Storage Management API を使用するか、サーバー マネージャーでファイル サービスおよび記憶域サービスの役割を使用して管理できます。記憶域スペースは、高可用性を実現するためにフェールオーバー クラスタリングと完全に統合され、スケールアウト配置用に CSV と統合されます。

記憶域スペースは次の機能を備えています。

  • 記憶域プール。記憶域プールは、記憶域スペースの基本的な構成要素です。記憶域管理者は、この概念に既に精通しており、新しいモデルを習得する必要がありません。管理者は、展開のニーズに基づいて柔軟に記憶域プールを作成できます。たとえば、一連の物理ディスクに対して、1 つのプールを作成することも (すべての使用可能な物理ディスクを使用)、複数のプールのプールを作成することも (物理ディスクを必要に応じて分割) できます。さらに管理者は、記憶域ハードウェアの価値を最大限に高めることを目的として、同じプール内にハード ディスクとソリッド ステート ドライブ (SSD) を組み合わせることで、記憶域層を使用して頻繁にアクセスされるファイルの部分を SSD 記憶域に移動し、SSD 記憶域に対するサイズの小さいランダム書き込みをバッファー処理するためにライトバック キャッシュを使用できます。プールは単にドライブを追加するだけで動的に拡張でき、絶え間のないデータの増加にシームレスに対応できます。

  • 復元力を備えた記憶域。記憶域スペースでは、次の 3 つの記憶域レイアウトが提供されます (回復性の種類とも呼ばれます)。

    • ミラー。データは 2 台または 3 台の物理ディスクに複製され、信頼性が高まりますが、容量は減少します。この記憶域のレイアウトでは、1 つのディスクの障害からファイルを保護するためには、少なくとも 2 つのディスクが必要です。また、2 つのディスクの同時的な障害からファイルを保護するためには、少なくとも 5 つのディスクが必要です。

    • パリティ。データおよびパリティ情報は、複数の物理ディスクにわたってストライプ化され、信頼性が高まりますが、ある程度の容量の減少が生じます。この記憶域のレイアウトでは、1 つのディスクの障害からファイルを保護するためには、少なくとも 3 つのディスクが必要です。また、2 つのディスクの障害からファイルを保護するためには、少なくとも 7 つのディスクが必要です。

    • シンプル (回復性なし)。データは複数の物理ディスクにわたってストライプ化されるため、容量が最大化されスループットが増大しますが、信頼性が低下します。この記憶域のレイアウトでは少なくとも 1 つのディスクを必要とし、ディスク障害からは保護されません。

    さらに記憶域スペースは、障害が発生したディスクを置き換えるために予約された専用ディスクを使用するか (ホット スペア)、またはより迅速にプール内の他のドライブの空き領域を使用することにより、ディスクに障害が発生したミラーおよびパリティ スペースを自動的に再構築できます。また記憶域スペースには、記憶域コンポーネントのエラーにかかわらない連続的なサービス可用性を可能にするバックグラウンド スクラブおよびインテリジェント エラー訂正が用意されています。電力障害またはクラスター フェールオーバーが発生した場合も、迅速に回復してデータの損失を生じないように、データの整合性が保持されます。

  • 継続的可用性。記憶域スペースは、フェールオーバー クラスタリングと完全に統合され、使用可能なサービス展開を継続的に提供します。単一のクラスター内の複数のノードにわたって 1 つまたは複数のプールをクラスター化できます。次に記憶域スペースを個々のノードでインスタンス化することにより、記憶域は必要なときに (エラー条件になったとき、または負荷分散により) 異なるノードにシームレスにフェールオーバーします。CSV との統合により、データへのスケールアウト アクセスが可能になります。

  • 記憶域階層。Windows Server 2012 R2 の記憶域スペースでは、2 層の記憶域 (頻繁にアクセスされるデータ用の SSD 層およびそれほど頻繁にアクセスされないデータ用の HDD 層) で構成される仮想ディスクの作成を可能にすることにより、SSD およびハード ディスク ドライブ (HDD) の最適な属性を組み合わせています。記憶域スペースは、データのアクセス頻度に基づいて、2 層間のサブファイル レベルでデータを透過的に移動します。したがって記憶域層では、安価な HDD 上でデータを大量に保存する機能を犠牲にすることなく、最も使用される ("ホット") データを SSD 記憶域に移動することにより、そのデータのパフォーマンスを大幅に高めることができます。

  • ライト バック キャッシュ Windows Server 2012 R2 の記憶域スペースでは、小サイズのランダム書き込みをバッファー処理するために、プール内の既存の SSD 上で小容量を使用するライトバック キャッシュの作成をサポートします。多くの場合に一般的な企業ワークロードを圧迫するランダム書き込みは、SSD に転送され、後で HDD に書き込まれます。

  • 簡単な操作。Windows 記憶域管理 API、WMI、および Windows PowerShell では、完全なスクリプト機能とリモート管理を使用できます。また記憶域スペースでは、サーバー マネージャーのファイル サービスおよび記憶域サービスの役割を使用して簡単に管理できます。記憶域プールの利用可能な容量が構成可能なしきい値に到達した場合に、記憶域スペースからの通知を表示することもできます。

  • マルチテナント。記憶域プールの管理はアクセス制御リスト (ACL) を使用して制御でき、プール単位で委任されるため、テナントの分離が必要なホスティング シナリオにも対応します。記憶域スペースは、従来の Windows セキュリティ モデルに準じているため、Active Directory ドメイン サービスと完全に統合できます。

次の表では、記憶域スペースの主な変更点をいくつか示します。詳細については、「Windows Server 2012 R2 での記憶域スペースの新機能」を参照してください。

 

機能 新規/更新 説明

記憶域階層

新機能

アクセスの頻度が高いデータをより高速な記憶域 (SSD) に、アクセスの頻度が低いデータをより低速な記憶域 (HDD) に自動的に移動します。

ライト バック キャッシュ

新機能

小規模なランダム書き込みを SSD 記憶域にバッファーし、書き込みの待機時間を短縮します。

フェールオーバー クラスターに対するパリティ スペースのサポート

新規

フェールオーバー クラスターにパリティ スペースを作成できます。

デュアル パリティ

新規

パリティ スペース上にパリティ情報の 2 つのコピーを保存します。これにより、ディスクで 2 つの障害が同時に発生した場合に保護することができ、記憶域の効率性が最適化されます。

記憶域プールの空き領域からの記憶域スペースの自動的な再構築

新機能

1 つのホット スペアではなく、プール内の空き容量を使用することで、ディスクの障害が発生した後の記憶域スペースの再構築にかかる時間が大幅に短縮されます。

記憶域スペースには、次の要件があります。

  • Windows Server 2012 R2、Windows Server 2012、Windows 8.1、または Windows 8

  • SATA (Serial ATA) または SAS (Serial Attached SCSI) 接続のディスク (オプションで JBOD エンクロージャー内)

    RAID アダプター (使用されている場合) では、すべての RAID 機能を無効化し、接続されている JBOD が提供するエンクロージャー サービスを含め、接続されているデバイスが隠れないようにする必要があります。

    noteメモ
    一般ユーザーは、記憶域スペースと共に USB ドライブを使用できますが、高いレベルのパフォーマンスを得るために、USB 3 ドライブを使用することをお勧めします。USB 2 ドライブでは、パフォーマンスが低下します。単一の USB 2 ハード ドライブによって、共有 USB バスで使用可能な帯域幅が飽和状態になり、同じ USB 2 コントローラーに複数のドライブが接続されていると、パフォーマンスが制限される可能性があります。USB 2 ドライブを使用する場合は、USB ハブを使用せず、コンピューター上の別々の USB コントローラーに直接これらを接続してください。また、USB 2 ドライブは、高いレベルのパフォーマンスを必要としない記憶域スペース用にのみ使用されている、独立した記憶域プールに追加してください。

  • フェールオーバー クラスター上の共有記憶域展開の場合:

    • Windows Server 2012 R2 または Windows Server 2012 を実行している複数のサーバー

    • フェールオーバー クラスタリングおよびクラスターの共有ボリューム (CSV) に指定されている要件

    • Windows 認定の要件に準拠する SAS 接続の JBOD

      認定された JBOD の一覧については、「Windows Server Catalog」を参照してください。

    • 記憶域スペース用に認定された同一の SAS HBA

      これらの HBA は、ファイル サーバー クラスター内のすべての JBOD エンクロージャに接続します。組み込み RAID 機能を備えることはできません。認定された HBA の一覧については、「Windows Server Catalog」を参照してください。

その他の関連情報については、次の情報を参照してください。

 

コンテンツ タイプ 参考資料

評価

Windows Server 2012 R2 での記憶域スペースの新機能 | スケール、回復性、効率性のための記憶域の仮想化 (Building Windows 8 ブログ) | 記憶域スペースの概要 (TechNet Wiki)

展開

Deploy Storage Spaces on a Stand-Alone Server | Deploy Clustered Storage Spaces | 記憶域スペース - パフォーマンスのための設計

運用

Windows Server 2012 で Windows PowerShell を使用して記憶域を管理する | Windows PowerShell で記憶域スペースの展開と管理を行う | 記憶域スペースのコマンドレット | How Storage Spaces Makes Use of Hot Spares | 記憶域スペースが物理ディスク上のエラーに応答する方法

コミュニティ リソース

記憶域スペースに関してよく寄せられる質問 (FAQ) | Windows Server の記憶域スペースの説明と使用する理由に関するページ (CuratedAnswers) | Windows Server 2012 R2 における記憶域スペースの階層化の手順に関するページ | ファイル サービスと記憶域に関する TechNet フォーラム | Windows Storage Team ブログ |Storage Team at Microsoft File Cabinet ブログ | Jose Barreto のブログ | Twitter の Windows Server Information Experience

関連テクノロジ

データ重複除去の概要 | サーバー アプリケーション対応の高パフォーマンスで継続的に使用可能なファイル共有記憶域 (テクニカル プレビュー) | iSCSI ターゲット ブロック記憶域の概要 | Windows Offloaded Data Transfers Overview | Resilient File System の概要 | 記憶域スペースの概要 | Supporting Information Workers with Reliable File Services and Storage | Thin Provisioning and Trim Storage Overview

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