Exchange Serverでのボイス メールと UM の展開

適用対象: Exchange Server 2013、Exchange Server 2016

Exchange ユニファイド メッセージング (UM) を使用すると、組織内のユーザーにボイス メール サービスを提供できるようになります。 ユニファイド メッセージングを展開する場合、Exchange サーバーの展開を組織の既存テレフォニー システムと統合したり、Microsoft Lync Server と統合したりする必要があります。 展開を成功させるには、既存のテレフォニー インフラストラクチャを慎重に分析し、ユニファイド メッセージングのボイス メールを展開し、管理するための正しい計画手順を実行する必要があります。 Exchange を Lync Server に統合する場合は、Lync Server 製品にも精通しておく必要があります。

ユニファイド メッセージングの展開時には、組織内のテレフォニー ハードウェアに応じて複数のオプションがあります。 UM をテレフォニー ネットワークに接続する場合、組織内のテレフォニー構成として次のいずれかのオプションを選択できます。

  • 1 つまたは複数の VoIP ゲートウェイと 1 つまたは複数の PBX

  • 1 つまたは複数の IP PBX

  • 1 つまたは複数の SIP が有効な PBX

  • Microsoft Office Communications Server 2007 R2 あるいは Microsoft Lync Server 2010 または 2013

警告

ホスト型またはハイブリッド環境で Exchange UM を展開している場合、セッション ボーダー コントローラー (SBC) を展開する必要があります。 SBC はテレフォニー ネットワークに接続するために UM を有効にしないで、組織にダイヤル トーンを提供します。 ただし、SBC はパブリックまたはプライベート WAN 経由で IP プロトコルを使用して、社内 UM 展開をデータセンターに接続します。

テレフォニー ハードウェア: 適切な VoIP ゲートウェイ、IP PBX、または SBC を選択することは、テレフォニー ネットワークと UM の統合の最初の手順にすぎません。 UM で使用するこれらのデバイスを構成し、必要なクライアント アクセス サーバーとメールボックス サーバーを展開し、必要なすべての UM コンポーネントを作成して構成する必要があります。 これらのコンポーネントを使用すると、回線ベースのプロトコル ネットワークを IP データ ネットワークに接続し、組織のユーザーに対してボイス メールを有効にすることができます。 詳細については、「 Exchange 2013 のテレフォニー アドバイザー」を参照してください。

Microsoft Lync Server: ユニファイド メッセージングでは、Microsoft Lync Server を使用して、音声メッセージング、インスタント メッセージング、拡張プレゼンス、音声/ビデオ会議、電子メールを使い慣れた統合された通信エクスペリエンスに組み合わせることができます。 UM と Lync Server の統合には、次の利点があります。

  • さまざまなアプリケーションで拡張プレゼンス通知が可能。ユーザーは、連絡先が応答可能かどうかを常に把握できます。

  • インスタント メッセージング、ボイス メッセージング、会議、電子メール、およびその他の通信方法が統合され、ユーザーはタスクに最適な方法を選択できます。 ユーザーは、必要に応じて方法を切り替えることもできます。

  • インターネットに接続できる場所ならばどこからでも利用可能な、代替通信手段が用意されている。

  • テレフォニー、インスタント メッセージング、および会議のためのスマート クライアント (Microsoft Lync)。

  • 複数のデバイス間でユーザーの操作性が維持される。

Lync Server の詳細については、「Microsoft Lync Server」を参照してください。

展開手順

ユニファイド メッセージングでは、さまざまな展開オプションを使用できます。 各オプションには、拡張性と可用性に優れたシステムを構築して多数のユーザーをサポートするために必要な共通の手順がいくつかあります。 これらの手順は次のとおりです。

  1. テレフォニー コンポーネントまたは Microsoft Lync Server をユニファイド メッセージングと共に展開および構成します。

  2. ユニファイド メッセージングで必要となるクライアント サーバーおよびメールボックス サーバーが正常にインストールされていることを確認します。

    警告

    VoIP ゲートウェイまたは IP PBX を構成して UM SIP および RTP トラフィックを Exchange 2013 クライアント アクセス サーバーへ送信する前に、少なくとも 1 つ以上の Exchange 2013 メールボックス サーバーを組織に展開する必要があります。

  3. UM ダイヤル プラン、UM IP ゲートウェイ、UM ハント グループおよび UM メールボックス ポリシーなどの必要なユニファイド メッセージング コンポーネントを作成、構成します。

  4. 相互 TLS の証明書の展開や、UM 自動応答の作成、クライアント機能の作成などの展開後の作業を行います。

ユニファイド メッセージングの展開の詳細については、「Exchange 2013 UM の展開」を参照してください。

ユニファイド メッセージング環境を Microsoft Lync Server と統合する場合は、他にも計画の際に考慮するべきことがあります。 詳細については、「Exchange 2013 UM および Lync Server の展開の概要」を参照してください。