DaRT 8.0 回復イメージの作成

適用対象: Diagnostics and Recovery Toolset 8.0

Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset (DaRT) 8.0 をインストールしたら、DaRT 8.0 回復イメージを作成します。 回復イメージは Windows RE を起動します。Windows RE から DaRT ツールを起動することができます。 国際標準化機構 (ISO) ファイルと Windows イメージング形式 (WIM) イメージを作成することができます。 さらに、PowerShell を使用して、DaRT 回復イメージ ウィザードで選択される設定を使用するスクリプトを生成することもできます。 このスクリプトを使って、同じ設定を使用した回復イメージを後で再構築することができます。 回復イメージには、さまざまな回復ツールが備わっています。 ツールの説明については、「DaRT 8.0 のツールの概要」を参照してください。

コンピューターを DaRT で起動したら、コンピューターの診断と修復用の DaRT の他のツールを実行できます。 このセクションでは、DaRT 回復イメージの作成プロセスを段階を追って説明して、イメージに組み込むツールと機能を選択できるようにします。

次の 2 つの方法のいずれかを使用して、DaRT 回復イメージを作成することができます。

ISO は、書き込み可能な CD や DVD に書き込んだり、USB フラッシュ ドライブに保存したり、リモート パーティションまたは回復パーティションから DaRT を起動するのに使用できる形式で保存することもできます。

ISO イメージを作成したら、(コンピューターに CD または DVD ドライブがあれば) 空の CD または DVD に書き込むことができます。 コンピューターにこの目的用のドライブがない場合は、一般的な CD または DVD の書き込みプログラムを使用することができます。

イメージ アーキテクチャの選択とパスの指定

Windows 8 メディア ページで、DaRT 回復イメージを、32 ビットあるいは 64 ビットのどちらで作成するかを選択します。 32 ビット DaRT 回復イメージを構築するには 32 ビット Windows を、64 ビット DaRT 回復イメージを構築するには 64 ビット Windows を使用します。 1 台のコンピューターを使用して、32 ビット アーキテクチャ用と 64 ビット アーキテクチャ用の両方の種類の回復イメージを作成することはできますが、両方のアーキテクチャで機能する 1 つのイメージを作成することはできません。 Windows 8 インストール メディアのパスも指定します。 作成する回復イメージの 1 つに合うアーキテクチャを選択します。

イメージ アーキテクチャの選択とパスの指定を行うには

  1. [Windows 8 メディア] ページで、次のいずれかを選択します。

    • 64 ビット コンピューター用の回復イメージを作成するには、[64-bit DaRT イメージの作成] を選択します。

    • 32 ビット コンピューター用の回復イメージを作成するには、[32-bit DaRT イメージの作成] を選択します。

  2. [Windows 8 <64 ビットまたは 32 ビット> インストール メディアのルート パスを指定] ボックスで、Windows 8 インストール ファイルのパスを入力します。 作成する回復イメージのアーキテクチャに合わせてパスを選択します。

  3. [次へ] をクリックします。

回復イメージに組み込むツールの選択

[ツール] ページで、回復イメージに組み込む多くのツールを選択することができます。 これらのツールは、エンド ユーザーが DaRT イメージを起動すると、利用できるようになります。 ただし、DaRT イメージを作成するときにリモート接続を有効にすると、ヘルプ デスク担当者がエンド ユーザーのコンピューターに接続すると、どのツールがイメージに組み込まれていたかに関係なく、すべてのツールが利用できるようになります。

これらのツールのエンド ユーザーのアクセスを制限するには、[ツール] ページでツールを選択から外します。ただし、その場合でもリモート接続ビューアーを使用すれば、すべてのツールへのフル アクセスが保持されます。 エンド ユーザーは、リモート接続のみを使用でき、回復イメージから除外されたツールを参照することはできますが、アクセスできません。

回復イメージに組み込むツールを選択するには

  1. [ツール] ページで、イメージに組み込む各ツールの横にあるチェック ボックスをオンにします。

  2. [次へ] をクリックします。

ヘルプ デスクのリモート接続を許可するかどうかの選択

リモート接続ページで、ヘルプ デスク担当者がリモートで接続して、エンド ユーザーのコンピューターの DaRT ツールを実行できるようにするかどうかを選択することができます。 リモート接続のオプションは、[Diagnostics and Recovery Toolset] ウィンドウで選択できるオプションとして表示されます。 ヘルプ デスク担当者がリモート接続を確立すると、エンド ユーザーのコンピューターの DaRT ツールをリモートから実行できるようになります。

ヘルプ デスク担当者のリモート接続を許可するかどうかを選択するには

  1. [リモート接続] ページで、[リモート接続を許可する] チェック ボックスをオンにしてリモート接続を許可するか、あるいはオフにしてリモート接続できないようにします。

  2. [リモート接続を許可する] チェック ボックスをオフにした場合は、[次へ] をクリックします。 そうでない場合は、次の手順に進んで、リモート接続の構成を続けます。

  3. 次のいずれかを選択します。

    • 空いているポート番号を Windows で自動的に選択する。

    • ポート番号の指定。 このオプションを選択した場合は、オプションの下のフィールドに 1 ~ 65535 のポート番号を入力します。 このポート番号が、リモート接続の確立に使用されます。 競合する可能性を小さくするために、1024 より大きいポート番号をお勧めします。

  4. (オプション) [リモート接続開始時のメッセージ] メッセージ ボックスで、エンド ユーザーがリモート接続の確立時に受信する、カスタマイズされたメッセージを作成します。メッセージの最大文字数は、2048 文字です。

  5. [次へ] をクリックします。

    DaRT ツールのリモート実行の詳細については、「DaRT 回復イメージを使用してリモート コンピューターを回復する方法」を参照してください。

回復イメージへのドライバーの追加

[詳細設定オプション] ページのドライバー タブで、コンピューターを修復するときに必要になるデバイス ドライバーを追加することができます。 追加するドライバーは、通常、Windows 8 が提供しない記憶域コントローラーやネットワーク コントローラーなどです。 ドライバーは、イメージが作成されるとインストールされます。

重要

追加するドライバーを選択するときは、ワイヤレス接続 (Bluetooth や 802.11a/b/g/n など) は DaRT でサポートされないことに注意してください。

回復イメージにドライバーを追加するには

  1. [詳細設定オプション] ページで [ドライバー] タブをクリックします。

  2. [追加] をクリックします。

  3. 追加するドライバー ファイルを参照し、[開く] をクリックします。

    注意

    ドライバー ファイルは、記憶域コントローラーまたはネットワーク コントローラーの製造元によって用意されています。

  4. 組み込むドライバーごとに手順 2 と 3 を繰り返します。

  5. [次へ] をクリックします。

回復イメージへの WinPE オプション パッケージの追加

[詳細設定オプション] ページの [WinPE] タブで、DaRT イメージに WinPE オプション パッケージを追加することができます。 これらのパッケージは、DaRT 回復 イメージ ウィザードのインストールの前提条件である Windows ADK の一部です。 選択可能なツールは、すべてオプションで必須のものはありません。 必要なパッケージは、[ツール] ページで選択したツールに基づき、自動的に追加されます。

スクラッチ領域のサイズを指定することもできます。 スクラッチ領域とは、DaRT を実行するために確保する RAM ディスク容量のことです。 スクラッチ領域は、エンド ユーザーのハード ディスクを利用できない場合に役立ちます。 ツールとドライバーを追加して実行する場合、スクラッチ領域を増やすことをお勧めします。

回復イメージに WinPE オプション パッケージを追加するには

  1. [詳細設定オプション] ページで [WinPE] タブをクリックします。

  2. イメージに組み込むパッケージの横にあるチェック ボックスをそれぞれオンにするか、あるいは [名前] チェック ボックスをオンにして、パッケージのすべてを選択します。

  3. [スクラッチ領域] フィールドで、エンド ユーザーのハード ディスクを利用できない場合に DaRT の実行に割り当てる RAM ディスク容量を選択します。

  4. [次へ] をクリックします。

デバッグ ツールをクラッシュ アナライザーに追加

クラッシュ アナライザーを ISO イメージに組み込む場合は、Debugging Tools for Windows も組み込む必要があります。 [詳細設定オプション] ページの [クラッシュ アナライザー] タブで、クラッシュ アナライザーがメモリ ダンプ ファイルの分析に使用する Windows 8 Debugging Tools のパスを入力します。 ツールは、DaRT 回復イメージ ウィザードを実行するコンピューター、またはエンド ユーザーのコンピューターで使用することができます。 エンド ユーザーのコンピューターでツールを使用する場合は、診断するすべてのコンピューターに Debugging Tools をインストールする必要があります。

Microsoft Windows Software Development Kit (SDK) か the Microsoft Windows Development Kit (WDK) をインストールすると、既定で Windows 8 Debugging Tools が回復イメージに追加され、Debugging Tools のパスが自動的に入力されます。既定のファイル パスが示す場所以外のどこかにファイルがある場合は、Windows 8 Debugging Tools のパスを変更することができます。 Debugging Tools for Windows がまだインストールされていない場合は、ウィザードのリンクからダウンロードとインストールを行います。

Windows Debugging Tools をダウンロードするには、「Windows 用デバッグ ツールのダウンロードとインストール」を参照してください。 既定の場所に Debugging Tools をインストールします。

注意

DaRT ウィザードが HKLM\Software\Microsoft\Windows Kits\Installed Roots\WindowsDebuggersRoot レジストリ キーでツールを確認します。 レジストリ値がない場合は、ウィザードは、システム アーキテクチャに応じて次のいずれかの場所を探します。

%ProgramFilesX86%\Windows Kits\8.0\Debuggers\x64

%ProgramFilesX86%\Windows Kits\8.0\Debuggers\x86

デバッグ ツールをクラッシュ アナライザーに追加するには

  1. [詳細設定オプション] ページで [クラッシュ アナライザー] タブをクリックします。

  2. (オプション) [Debugging Tools のダウンロード] をクリックして Debugging Tools for Windows をダウンロードします。

  3. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • Windows 8 <64-bit または 32-bit> デバッグ ツールを含める - このオプションを選択して、パスがまだ表示されていない場合は、ツールの場所を参照して選択します。

    • デバッグするコンピューターの Debugging Tools を使用する - このオプションを選択した場合は、問題のあるコンピューターに Debugging Tools for Windows が見つからないと、クラッシュ アナライザーが機能しません。

  4. [次へ] をクリックします。

定義ファイルをDefender ツールに追加

[詳細設定オプション] の [Defender] タブで、インストール、実行、またはコンピューターの設定を変更しようとしているソフトウェアが望ましくない可能性のあるソフトウェアや悪意のあるソフトウェアかどうかを判断するために、Defender ツールが使用する定義ファイルを追加します。

定義ファイルを Defender ツールに追加するには

  1. [詳細設定オプション] ページで [Defender] タブをクリックします。

  2. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • 最新の定義をダウンロードする (推奨) – 定義ファイルの更新が自動的に開始され、定義ファイルが DaRT 回復イメージに追加されます。 定義ファイルを利用できないケースを避けるために、このオプションをお勧めします。 定義ファイルををダウンロードするには、インターネットに接続している必要があります。

    • 後で定義をダウンロードする – 定義ファイルは DaRT 回復イメージに組み込まれません。DaRT を実行するコンピューターから定義ファイルをダウンロードする必要があります。

      最新の定義ファイルを回復イメージに組み込まないことを選択した場合や、回復イメージに組み込んだ定義ファイルが、Defender を使用する時点で古くなっている場合は、Defender に表示される指示に従って最新の定義ファイルを入手してから、スキャンを開始してください。

      重要

      定義ファイルがないと、スキャンすることはできません。

  3. [次へ] をクリックします。

作成する回復イメージ ファイルの種類の選択

[イメージの作成] ページで、回復イメージの出力フォルダーを選択して、イメージ名を入力し、作成する DaRT 回復イメージ ファイルの種類を選択します。 回復イメージの作成プロセス中に、Windows ソース ファイルがアンパックされて、DaRT ファイルが画像イメージにコピーされます。それから、このページで選択したファイル形式にイメージが "再パック" されます。

次のイメージの種類が利用可能です。

  • Windows イメージング ファイル (WIM) - DaRT を Preboot eXecution Environment (PXE) またはローカル パーティションに展開するのに使用されます。

  • 国際標準化機構 (ISO) – CD または DVD への展開、あるいはバーチャル マシン (VM) での利用に使用されます。 ウィザードは、.iso 拡張子の付いた ISO イメージを必要とします。これは、CD や DVD に書き込むプログラムのほとんどがこの拡張子を使用するためです。 ISO イメージの作成場所を指定しなかった場合は、デスクトップに DaRT8.ISO という名前の ISO イメージが作成されます。

  • PowerShell スクリプト – DaRT 回復イメージ ウィザードを使用して選択できるオプションと同じ結果になるコマンドを使用して、DaRT 回復イメージを作成します。 このスクリプトは、DaRT 回復イメージにファイルの追加や変更を行うこともできます。

このページの [イメージの編集] チェック ボックスをオンにすると、イメージの作成プロセス中に回復イメージのカスタマイズを行うことができます。 たとえば、"winpeshl.ini" ファイルを変更して、スタートアップの順序をカスタマイズしたり、サード パーティのツールを追加することができます。

作成する回復イメージ ファイルの種類を選択するには

  1. [イメージの作成] ページで [参照] をクリックして、イメージ ファイルの出力フォルダーを選択します。

    注意

    イメージのサイズは、ウィザードで選択したツールや追加したファイルによって異なります。

  2. [イメージ名] ボックスで、DaRT 回復イメージの名前を入力するか、既定の名前である DaRT8 を受け入れます。

    ウィザードが、この名前の付いたサブフォルダーを出力パスに作成します。

  3. 作成する回復イメージ ファイルの種類を選択します。

  4. 次のいずれかを選択します。

    • イメージ ファイルを作成する前に回復イメージをのファイルを変更する場合は、[イメージの編集] チェック ボックスをオンにしてから [準備] をクリックします。

    • ファイルを変更せずに回復イメージを作成する場合は、[作成] をクリックします。

  5. [次へ] をクリックします。

回復イメージ ファイルの編集

[イメージの作成] ページで [イメージの編集] チェック ボックスをオンにした場合のみ、回復イメージを編集することができます。 回復イメージの編集準備ができると、ブート メディアを作成する前に回復イメージ ファイルの追加と変更を行うことができます。 たとえば、スタートアップの順序をカスタマイズしたり、さまざまなサード パーティのツールを追加することなどができます。

回復イメージ ファイルを編集するには

  1. [イメージの編集] ページで、Windows エクスプローラーの [開く] をクリックします。

  2. ダイアログ ボックスに表示されたフォルダー内にサブフォルダーを作成します。

  3. 必要なファイルを新しいサブフォルダーにコピーしたり、または不要なファイルを削除します。

  4. [作成] をクリックすると、回復イメージの作成が開始されます。

回復イメージ ファイルの生成

[ファイルの生成] ページで、[イメージの作成] ページで選択したファイルの種類用の DaRT 回復イメージが作成されます。

回復イメージ ファイルを生成するには

  • [ファイルの生成] ページで [次へ] をクリックして、回復イメージ ファイルを生成します。

回復イメージを CD、DVD または USB にコピーする

[ブート メディアの作成] ページで、イメージ ファイルを CD、DVD、または USB フラッシュ ドライブ (UFD) にコピーすることもできます。 ウィザードを再起動して、このページから追加のブート メディアを作成することもできます。

注意

Preboot eXecution Environment (PXE) とローカル イメージの展開は、System Center Configuration Manager サーバーや Microsoft Development Toolkit などの追加のエンタープライズ ツールが必要なため、このツールではネイティブでサポートされていません。

回復イメージを CD、DVD または USB にコピーするには

  1. [ブート メディアの作成] ページで、コピーする iso ファイルを選択します。

  2. CD、DVD、または USB を挿入してから、そのドライブを選択します。

    注意

    ドライブが認識されず、新しいドライブをインストールした場合は、[最新の情報に更新] をクリックすると、ウィザードが利用可能なドライブの一覧を強制的に更新します。

  3. [ブート メディアの作成] ボタンをクリックします。

  4. 別の回復イメージを作成する場合は、[再起動] をクリックします。必要なメディアの作成がすべて完了した場合は、[閉じる] をクリックします。

参照:

概念

DaRT 8.0 のツールの概要

その他のリソース

DaRT 8.0 の展開

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