レポートのアップグレード

  • [アーティクル]

SQL Server 2000 Reporting Services のインストールを SQL Server 2005 にアップグレードすると、レポートの定義、パブリッシュされたレポート、およびレポートのスナップショットをアップグレードできます。SQL Server 2005 では、レポート定義言語 (RDL) およびレポート オブジェクト モデルが変更されました。これらは以前のバージョンで作成されたレポートに影響するため、既存のレポートを SQL Server 2005 Reporting Services レポート サーバーで実行する場合は、それらをアップグレードする必要があります。

レポート定義 (.rdl) ファイルは、レポート デザイナで開いているときにアップグレードできます。パブリッシュ済みのレポートとスナップショットは、レポート サーバーのアップグレード後、初回使用時にアップグレードされます。アップグレード時には、レポートが次のように変更されます。

  • レポート定義の名前空間が https://schemas.microsoft.com/sqlserver/reporting/2005/01/reportdefinition にアップグレードされます。
  • Actions 要素が変更され、複数の操作がサポートされます。この要素に複数の子要素を含めることができます。
  • CustomReportItem 要素が変更され、データ バインドコントロールとレポート処理拡張機能がサポートされます。この要素には、レポートのコントロール、プロパティ、およびコントロールのディメンションによって使用されるデータを記述する子要素が含まれています。CustomReportItem で使用する XML 構造は、レポート デザイナのアップグレード時に HTML でエンコードされ、レポート サーバーへのレポートのパブリッシュ時にデコードされます。
  • Custom 要素の代わりに、名前と値のペアを含むカスタム プロパティのコレクションが使用されます。カスタム要素のすべてのインスタンスは、アップグレード後にカスタム プロパティ コレクションのカスタム プロパティにマップされます。

レポートをアップグレードした後、エラー、警告、およびメッセージがさらに通知される場合があります。これは、内部のレポート オブジェクト モデルと処理コンポーネントが改善されたために、レポートに潜んでいた問題が検出され、メッセージが出力されるようになったものです。レポート パラメータに影響する最新の製品変更については、「SQL Server 2005 Reporting Services における動作変更」を参照してください。

レポート定義 (.rdl) ファイルとレポート デザイナ

レポート デザイナの SQL Server 2005 バージョンで .rdl ファイルを開いた場合は、レポート定義を新しい名前空間にアップグレードできます。レポートを開くと、レポート定義をアップグレードするかどうかを確認するメッセージが表示されます。レポート定義をアップグレードすると、以前のバージョンのレポート デザイナでは開けなくなります。

以前のバージョンの Reporting Services で作成された .rdl ファイルを SQL Server 2005 レポート サーバーにパブリッシュまたはアップロードした場合も、レポート定義がアップグレードされます。レポートは RDL の SQL Server 2005 バージョンでパブリッシュされます。元のファイルは、レポート デザイナで開かない限りはアップグレードされません。

ms143674.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
SQL Server 2005 レポート定義の名前空間を含むレポートは、SQL Server 2000 レポート サーバーにパブリッシュできません。

異なる複数のバージョンのレポート デザイナを同じコンピュータ上でサイド バイ サイド実行できます。詳細については、「以前のバージョンとサイド バイ サイドで Reporting Services をインストールする方法」を参照してください。

パブリッシュされたレポートおよびレポートのスナップショット

パブリッシュおよび保存したレポートは自動的にアップグレードされます。ユーザーは何も処理する必要がありません。レポートのアップグレードは、最初に使用するときに実行されます。ユーザーがレポートまたはレポートのスナップショットを開くか、レポート サーバーがサブスクリプションを処理すると、アップグレードが行われます。パブリッシュされたレポートまたはスナップショットをいったんアップグレードすると、それを以前のバージョンの製品で実行することはできなくなります。

アップグレード可能なバージョン

次のバージョンの Reporting Services で作成したレポートは、アップグレードできます。

  • SQL Server 2000
  • SQL Server 2000 (Service Pack 1 適用済み)
  • SQL Server 2000 (Service Pack 2 適用済み)
  • SQL Server 2005 Beta 3
  • SQL Server 2005 製品リリースから SQL Server 2005 Service Pack 1

参照

概念

Reporting Services のエディションのアップグレード

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手