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ユーティリティ スポットライトAutoruns

Lance Whitney

この記事で使用しているコードのダウンロード: Autoruns (490KB)

Windows® が実行されている一般的な PC では、起動時に、ファイル、ドライバ、タスク、サービスなど大量の項目を読み込みます。起動時の競合のトラブルシューティング、自動起動シーケンスでのマルウェアの追跡、Windows の起動時間の短縮、メモリやシステム リソースの解放などを行うため、ある時点で、特定のスタートアップ項目を表示し、おそらくは無効にすることが必要になるでしょう。

システム構成ユーティリティ (msconfig.exe) では、スタートアップ ファイルとスタートアップ サービスの多くを表示して無効にすることはできますが、ツール バー、ブラウザ ヘルパー オブジェクト、Windows エクスプローラのシェル拡張など、見つからない項目が多数あります。さらに、msconfig ではこれらの項目に関する詳細の多くが共有されません。起動時に読み込む項目をすべて表示および管理するための優れた方法については、Sysinternals 社の Autoruns をご覧ください。

Autoruns は、Mark Russinovich 氏と Bryce Cogswell 氏が作成したもので、Windows ベースの PC 上のすべてのスタートアップ項目 (イメージとも呼ばれています) を明らかにする無償のユーティリティです。スタートアップ フォルダ、レジストリ、非表示にしておきたいその他の領域に保存されているすべてのイメージを表示できます (図 1 を参照)。

図 1 Autoruns を使用したスタートアップ項目の表示

図 1** Autoruns を使用したスタートアップ項目の表示 **(画像を拡大するには、ここをクリックします)

Autoruns には、各イメージの名前と場所が表示されます。ファイルの場合はディレクトリ パスが表示され、レジストリ エントリの場合は正確なキーが取得されます。また、発行元の名前や、項目のバージョン データに基づく簡単な説明も提供されます。エントリをダブルクリックすると、そのディレクトリまたはレジストリ キーに移動します。右クリックした場合は、複数のオプションが含まれたポップアップ メニューが表示されます。オプションには、完全なバージョン情報が提供される標準のファイルのプロパティ ウィンドウを表示する [Properties] (プロパティ) コマンドなどが含まれています。[Option] (オプション) メニューの [Include Empty Locations] (空の場所を含める) を選択すると、PC のスタートアップ領域がすべて表示されます。その領域にエントリがあるかどうかは関係ありません。また、PC 上の他のユーザー アカウントを選択して、スタートアップ環境を参照することもできます。

[Verify] (検証) コマンドを使用してエントリのデジタル署名を確認できます。このコマンドは、証明書失効リスト (CRL) を使用して Web サイトを照会し、イメージがデジタル署名かどうか、および署名が有効かどうかを判断します。[Option] (オプション) メニューの別のオプション [Hide Signed Microsoft Entries] (マイクロソフトの署名済みエントリを非表示にする) を選択すると、マイクロソフトによって既に署名されているエントリは除外されるので、サードパーティのイメージに着目することができます。

スタートアップ項目全体の一覧をテキスト ファイルにエクスポートできます。このファイルは、何らかの項目を無効にする場合や、スタートアップ環境をカスタマイズする前に環境のスナップショットが必要な場合に役立ちます。その後、エクスポートしたテキスト ファイルと変更後のスタートアップ構成を比較して、変更点を理解できます。

以下に、Autoruns に含まれているスタートアップ カテゴリをいくつか示します。

Logon (ログオン) 現在のユーザーとすべてのユーザーのスタートアップ フォルダや、レジストリに存在する Run キーが含まれます。

Explorer (エクスプローラ) エクスプローラのシェル拡張、ツール バー、アクティブなセットアップの実行の一覧が含まれます。

Internet Explorer (Internet Explorer) ブラウザ ヘルパー オブジェクト、および Internet Explorer® のツール バーと拡張機能が含まれます。

LSA Providers (LSA プロバイダ) ローカル セキュリティ機関の認証パッケージ、通知パッケージ、およびセキュリティ パッケージが含まれます。

Autoruns では、スタートアップ項目を完全に削除することや、スタートアップ項目を単に無効にすることができます。[Search Online] (オンラインの検索) オプションを使用すると、無効にしても安全な項目を検索できます。このオプションでは、項目やそのカテゴリが説明されている Web ページのインターネット検索が実行され、スタートアップから項目を削除するかどうかのアドバイスが提供されます。項目を無効にすると、その項目は Autoruns によってレジストリ内またはハード ドライブ上のバックアップ場所に移動されます。

Autoruns は Windows XP 64-bit Edition や Windows Server® 2003 64-bit Edition など、すべてのバージョンの Windows で動作します。microsoft.com/technet/technetmag/code07.aspx から入手してください。

Lance Whitneyは、IT コンサルタントであり、トレーナーであり、テクニカル ライターでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、15 年前、IT 業界への転向を実現しました。

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