2006 年 11 月号の TechNet Magazine では、Robocopy GUI という便利なユーティリティについての記事を執筆しました (「
ユーティリティ スポットライト: Robocopy GUI」を参照してください)。この単純なツールは、Derk Benisch というマイクロソフトのエンジニアによって作成されました。このツールで実質的に行っていたのは、非常に人気の高い Robocopy コマンド ライン ユーティリティのグラフィカル インターフェイスを提供することだけでした。Robocopy では、Windows 組み込みの機能よりもずっと優れたファイル コピー機能が提供されていました。信じられないかもしれませんが、2 年以上たった今でも、Robocopy GUI の記事は今までに公開したコンテンツの中でずば抜けた人気を誇っており、閲覧回数は 220,000 回をはるかに超えています。
言うまでもなく、この事実は私の文才ではなく、このツールの価値によるものです。それでも、同時に、この事実から、このような単純な作業が日常業務でどれほど重要であるか、そして、このような重要な作業の実行がわずかに強化されただけでどれほど大きな効果があるかということが、はっきりわかります。
ここでは、ファイルのコピーという、ごく単純な作業について説明します。しかし、ファイルのコピーは必ずしも簡単な作業とは限りません。低速な接続経由で数千個のファイルをコピーするとどうなるでしょうか。ネットワークが一時的に切断されて、コピーが中断されたら、どうなるでしょうか。特定のファイル属性 (最終変更日など) は保持し、他の属性 (セキュリティ記述子など) は削除されるようにするにはどうすればよいでしょうか。ファイル名や拡張子に基づいて、コピー元からコピー先にコピーするファイルをフィルタ処理するにはどうすればよいでしょうか。
RichCopy は、マイクロソフトの田丸健三郎氏が作成した無償のユーティリティです。このユーティリティは 2001 年に誕生しましたが、変化するニーズに対応するために定期的に更新されてきました。信じていただきたいのですが、RichCopy こそ、ファイルのコピーに関するあらゆるニーズに対するソリューションです。RichCopy を初めて使用したときに最も驚くのは、このツールがマルチスレッドのコピー ツールである点です。つまり、RichCopy では、1 ファイルずつ順番にコピーするのではなく、複数のスレッドを同時に開くことができます。多数のファイルを同時にコピーすることができるので、操作完了までの総時間が、これまでの数分の 1 に短縮されます。また、ファイルのコピー操作を一時停止して再開できるので、ネットワーク接続が切断されても、中断した箇所から再開できます。
図 1 ファイルのコピー操作を必要に応じて調整できるきめ細かい RichCopy のオプション