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ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月は、無料の RAM ディスク エミュレーターと一流の同期ツールを紹介します。

Greg Steen

Virtual RAM Drive Emulator (英語)

速度が最重要事項であるときに (そうでない場合があるかどうかはわかりませんが)、ハード ディスクのパフォーマンスが低下することがあります。ディスク アレイが高速なメモリ キャッシュ テクノロジを使用して構築されている理由の 1 つはそこにあります。

小さくて単純なニーズを満たすためには、ファイル システム アクセスのメモリ速度のパフォーマンスを向上させるための別の方法として、信頼できる RAM ディスクのアプローチを使用できます。Windows では、RAM ディスク (仮想 RAM ドライブ) は、ローカルに接続されたハード ドライブのように扱われるメモリ ブロックです。

言うまでもなく、メモリをハード ディスクとして使用することには、欠点があります。考えられる最大の問題は、電源サイクルを通して持続しないことです。キャッシュを "本物" のディスクにフラッシュして、メモリに書き込まれた情報を保持する必要があるため、速度向上というメリットはなくなる可能性があります (このことから、ソリッド ステート ディスク テクノロジでは、永続的な、メモリに近い速度のファイル システム アクセスを提供することで、この溝を埋めようとしています)。

電源サイクルを通してディスクに情報を書き込めないことやデータを失うことが問題にならなければ、RAM ディスクが最適なオプションになる場合があります。無料で使用できる RAM ディスク ソリューションの 1 つに、StarWind Software 社の Virtual RAM Drive Emulator (starwindsoftware.com、英語) があります。このソフトウェアは、簡単にインストールして使用できます。インストールが完了したら、GUI を開いて、[add device] (デバイスの追加) をクリックし、デバイスのサイズを指定します。次に、システムの起動時にデバイスをフォーマットして自動マウントするかどうかを選択します。

Virtual RAM Drive Emulator では、最大 1,024 MB の RAM ディスクがサポートされています。ただし、システムには、一度に多数の RAM ドライブを搭載できます (ただし、そうするのに十分な RAM があることが前提です)。ドライブを作成すると、Windows によって、追加されたドライブが自動的に検出され、ユーザーは操作を求められます。ドライブをフォーマットすると、他のドライブと同様にドライブを使用できます (既定では、フォーマットは自動的に行われます)。

このツールには、他にいくつかの構成オプションが備わっています。サイズ、フォーマット、および自動マウントについては、ローカルの RAM ディスク デバイスの既定値を設定できます。また、ログ記録を有効にし、ログ記録の詳細を設定し、ログ ファイルの場所を指定できるほか、ログ ファイルを起動時に再作成するか、現在のログに追加するかを選択することもできます。既定の言語やアプリケーション スキンを設定したり、起動時にスプラッシュ スクリーンを表示しないようにすることも可能です。RAM ディスクを削除するのに必要な作業は、右クリックして [Remove] (削除) をクリックするだけです (RAM ディスク全体が、メモリ内にあるため、RAM ディスクの削除はデータの "破棄" になることに注意してください)。

そのため、小さくて読み書きが高速なファイル システム キャッシュを構成することを検討している場合、StarWind Software 社の無料の Virtual RAM Drive Emulator のようなツールでファイル システム キャッシュをメモリにドロップすることをお勧めします。

StarWind Software 社の Virtual RAM Drive Emulator

グッドシンクプロ

変更に基づいて動作する常駐型の同期ツールは、冗長性を確保して、バックアップを作成するのに役立ちます。サイバーシステムズ社のグッドシンクプロ (goodsync.com/jp/) は、エンド ユーザーとシステム管理者を対象とした、使いやすくて正確な、双方向または片方向のファイルの同期機能を備えています。

このツールの初回起動時には、画面の指示に従って、最初の同期ジョブまたはバックアップ ジョブを作成します。同期ジョブとバックアップ ジョブのどちらを作成する場合も、"左側" と "右側" のフォルダーを選択します。この 2 つのフォルダーは、バックアップの場合はバックアップ元とバックアップ先、同期の場合は同期元と同期先となります。バックアップと同期の基本的な違いは方向です。バックアップは片方向に行われる処理ですが、同期は双方向に行われる処理です。

グッドシンクプロでは、メインの GUI のタブ化されたインターフェイスでタスクがジョブに分割されるため、異なるジョブ間を簡単に移動できます。また、GUI を "ミニモード" にすることもできます。ミニモードにすると、デスクトップの右下隅にアクティブなジョブのステータスを示す小さなビューが表示されます。

ジョブを作成するときは、ローカル ファイル システムや UNC パス以外にも選択することができます。グッドシンクでは、バックアップまたは同期の場所として、FTP、SecureFTP、WebDAV、Amazon S3、および WinMobile も指定できます。場所を選択したら、[解析] をクリックして、左右のフォルダーに現時点でどのような違いがあるのかを確認します (これは、ファイルがバックアップ/同期先の場所に既にコピーされているかどうかを確認するための良い方法でもあります)。

ファイルとディレクトリの数が多い場合には、ビューをフィルター表示するためのさまざまなツリー表示オプションを使用できます。[その他] オプションでは、変更点、バックアップ/同期の対象として含まれているもの、両サイドにあるすべてのファイル、まだ同期されていないファイル、エラー、競合、サイズが同じでタイムスタンプが異なるファイルなどから 1 つだけ表示するように選択できます。このオプションを使用すると、トラブルシューティングを行う場合や、実行時に行うアクションを決定する場合に役立ちます。必要な調整が終わったら、[シンクロ] をクリックして、アクションを実行します。

他の実行オプションには、削除やフォルダー間の (左側から右側、または右側から左側) コピーがあります。ファイルの内容を確認する場合は、ファイルを右クリックし、コンテキスト メニューを使用して、既定のビューアーで開くだけです。コンテキスト メニューでは、上記の一括操作と同様のアクションを、個別のファイルに対して実行することもできます。

他のオプションには、UI 言語、自動起動、ログ レベル、ファイルの比較に使用するプログラムのカスタマイズなどがあります。また、ファイルとフォルダーのグローバル フィルター、外部のソースとターゲットのプロキシ情報、および電子メールによる警告の送信が有効になっている場合に使用する SMTP サーバーを指定することもできます。

タスクの作成後に指定できるオプションも多数あります。同期の方向を変更したり、強制的なコピーまたは確認ありのコピーを有効にしたり、ファイルを移動するように選択したり、ファイルの削除の伝播を有効にしたりすることができます。バックアップ ジョブ (一方向の同期) の場合、同期元を読み取り専用にして、ファイルが変更されないようにすることもできます。グッドシンクに組み込まれている、もう 1 つの優れた "保証" 機能は、削除または置換されたファイルの前のバージョンを保持するオプションです。このオプションにより、間違った操作をした場合に、操作をロールバックできます。また、同期元と同期先の間の帯域幅が心配な場合は、ファイル コピーの最大速度 (KB/秒) を指定して制限できます。接続が不安定な場合は、再試行回数を増やすこともできます。

ジョブ オプションでは、ジョブごとに除外または包含するファイルとフォルダーを指定したり、自動同期スケジュールを構成したりすることもできます。グッドシンクプロでは、"有人" での自動化 (ログインが必要です) と (どのような場合でも指定した時刻に実行される) "無人" の実行がサポートされています。自動同期スケジュールを構成する際には、ファイルの競合を自動解決するために、プログラムで行う必要があるアクションを指定することもできます。

また、環境や同期の要件に応じて必要な詳細オプションも多数用意されています。たとえば、一時ファイルによる "安全なコピー" の使用、ファイルの ACL セキュリティ属性のコピー、ロックされているファイルのコピー、およびフォルダー リンクに対して行うアクション (無視、コピー、ドリル ダウンなど) があります。電子メール アドレスを指定して、ステータス、通知、およびエラー情報が記載された警告メッセージを受け取ることができます。

グッドシンクプロ版は、1 ライセンスにつき 3,500 円です。グッドシンク無料試用版では、ジョブ数が 3 個まで、1 つのジョブでサポートされるファイルとフォルダー数は 100 個までという制限があります。非営利目的の場合は無料でご利用いただけます。それ以外の場合、ライセンスは 30 日間限定でご利用いただけます。エンタープライズ版には、多数の有益な管理機能が用意されています。たとえば、コマンドラインの実行、Active Directory との統合、パラメーター化されたバックアップ パス (日付を設定できます)、プレミアム サポートなどがあります。エンタープライズ版は、プロ版よりも約 1,000 円高いだけで、1 ライセンスに 4,250 円です。

グッドシンクプロは、Windows のすべてのワークステーション バージョンと、Mac OS X に対応しています。サーバーに展開する場合は、グッドシンクサーバーにアップグレードする必要があります。価格は 11,4500 円からになります (ボリューム ディスカウントをご利用いただけます)。また、スタンドアロン版もあります。このバージョンはインストールが不要で、管理ツールのサム ドライブに追加する場合は USB メモリから実行できます。

グッドシンクプロ

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

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