ユーティリティ スポットライト: Internet Explorer 9 の自動更新を無効にする

Internet Explorer 9 Blocker Toolkit は、マイクロソフトの最新ブラウザーを意図せずインストールしてしまうことを防ぐのに役立ちます。

Lance Whitney

マイクロソフトでは、3 月に Internet Explorer をリリースしましたが、ユーザー コミュニティ全体を自動的に最新バージョンのブラウザーにアップグレードすることは望まないかもしれません。現時点では、Internet Explorer 9 をインストールするには、専用の Web ページから手動でダウンロードしてインストールする必要があります。ですが、これはマイクロソフトが Internet Explorer 9 を自動更新の機能に追加する 6 月下旬に変わります。

IE 9 は自動更新で利用できるようになりますが、インストールするかどうかはユーザーが選択できます。また、インストールにはローカル管理者の権限も必要です。ですが、依然として、自動更新が有効になっているコンピューターに意図せず IE 9 がインストールされる可能性はあります。Internet Explorer 9 の展開を管理する必要がある組織で不要なインストールを防ぐには、無料の Internet Explorer 9 Blocker Toolkit を使用して Internet Explorer 9 をオプションの更新に変更することができます。

手動の転送

Blocker Toolkit は、Windows Server Update Services や System Center Configuration Manager などのシステム管理製品を使用して、マイクロソフト製ソフトウェアの更新を管理していない組織向けに設計されています。Internet Explorer 9 は、Windows Vista SP2 以降、Windows 7、Windows Server 2008 SP2 以降、および Windows Server 2008 R2 を実行しているコンピューターの自動更新で提示されるので、このツールキットは、これらのすべての OS と互換性があります。

ただし、Blocker Toolkit は、あらゆる状況に対応しているわけではありません。Internet Exploer 9 をオプションの更新として手動でインストールしたり、Microsoft ダウンロード センターから直接入手したりすることは可能です。このツールキットを使用すると、少なくとも IE 9 が重要な更新として自動的にインストールされることは防げます。

Blocker Toolkit は、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードできます。このツールキットには、 2 つの独立したコンポーネントがあります。1 つは新しいレジストリ キーを作成するコマンドライン スクリプトで、もう 1 つはグループ ポリシー ADM ファイルです。どちらを使用しても Internet Explorer 9 が重要な更新としてインストールされることを回避できます。

IE9_BlockerToolkit.exe ファイルを実行すると、次の 4 つのファイルが展開されます。

  • IE9_Blocker.cmd: このファイルを実行すると、レジストリ キーが作成されます。
  • IE9_Blocker.adm: グループ ポリシー テンプレートです。
  • IE9_BlockerHelp-GPFilteringDialog.jpg: グループ ポリシーのフィルターを変更して、新しい設定を表示する方法を示す画像です。
  • IE9_BlockerHelp.htm: このツールキットの使用方法を説明するヘルプ ファイルです。

まず、レジストリ ファイルを作成するスクリプトを見てみましょう。コマンド プロンプトを開いて、展開したファイルがある場所に移動する必要があります。スクリプト (IE9_Blocker.cmd) には、次の 3 つのスイッチが用意されています。

  • B: Internet Explorer 9 の展開をブロックします。
  • U: Internet Explorer 9 の展開のブロックを解除します。
  • H または ?: ヘルプ情報を表示します。

スクリプトを実行すると、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Setup\9.0 というレジストリ キーが作成されます。

値の名前は、DoNotAllowIE90 です。既定では、「IE9_Blocker.cmd /B」というコマンドを実行すると、ローカル コンピューターに変更が反映されます。スクリプトをリモートで実行する場合には、別のコンピューターを指定できます。たとえば、「IE9_Blocker.cmd winserver /revert」というコマンドを実行すると、winserver という名前のコンピューターでレジストリの変更が元に戻ります。もちろん、ログイン スクリプトや他の自動化されたプロセスを経由して、ネットワークのすべてのコンピューターでこのコマンドを実行することもできます。

グループ ポリシーを使用して無効にする

グループ ポリシーを使用している場合は、ツールキットの管理用テンプレートを使用して Internet Explorer 9 を無効にできます。グループ ポリシー エディターで、[コンピューターの構成] の [管理用テンプレート] フォルダーに IE9_Blocker.adm ファイルを追加します。

フィルターが有効になっている場合は、[フィルター] ダイアログ ボックスの [完全に管理されているポリシー設定のみ表示します] チェック ボックスをオフにして、新しいポリシーの設定が表示されるようにする必要があります。これには、[管理用テンプレート] フォルダーを選択し、[表示] メニューの [フィルター] をクリックします。

このチェック ボックスをオフにすると、[コンピューターの構成]、[管理用テンプレート]、[従来の管理用テンプレート (ADM)]、[Windows のコンポーネント]、[Windows Update]、[Automatic Updates Blockers v3] を展開したところに新しい Internet Explorer 9 のポリシーが表示されます。

Internet Explorer 9 Blocker Toolkit を使用すると、Internet Explorer 9 が自動更新としてインストールされることを回避できる

図 1 Internet Explorer 9 Blocker Toolkit を使用すると、Internet Explorer 9 が自動更新としてインストールされることを回避できる

Internet Explorer 9 が重要な更新として展開されないようにするには、設定を開いて、値を [有効] に設定します (図 1 参照)。レジストリ キーを作成するスクリプトとグループ ポリシー テンプレートのどちらを使用しても、Internet Explorer 9 は、いつでも簡単に重要な更新として再度有効にできます。

多くの組織では、IE の展開を注意深く管理したり、少なくとも標準化したいと考えていると思うので、これは恒久的に有効にしたいと考えるオプションかもしれません。Microsoft Internet Explorer 9 Blocker Toolkit の詳細については、FAQ のページ (英語) を参照してください。

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

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