ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月のコラムで紹介するツールは、Windows システムのアクセス許可の管理、ログ エントリのすばやいスキャン、ロックされたファイルの検証や管理などに役立ちます。

Greg Steen

SetACL Studio

アクセス制御モデルでは、Windows リソースのアクセス許可を制御し、アクセス制御リスト (ACL) では、だれが何にアクセスできるかを定義します。ACL は、特定のユーザー、グループ、ログオン セッションなどについて、許可、拒否、または監査のアクセス許可を指定するアクセス制御エントリ (ACE) を一覧にしたものです。

ACL を使用してシステムを適切に保護することが重要です。すべてのユーザーが、すべてのものにアクセスできるようにするのが簡単そうに見えるかもしれませんが、このようなアクセス許可を与えると、悪意のある攻撃にさらされる危険が大幅に高くなります。しかし、ACL の管理は煩わしい作業でもあります。

Microsoft MVP の Helge Klein が開発した SetACL Studio は、ACL の管理作業を軽減するのに役立ちます。この使いやすいツールでは、レジストリ、サービス、共有、プリンター、Windows Management Instrumentation、ファイル システムなど、さまざまなものに設定されている ACL を確認して、変更できます。ACL の詳細を確認または変更するには、エクスプローラー風のツリーでコンピューターから操作対象の ACL まで順に展開します。詳細ウィンドウには、ターゲットに直接適用または継承されたアクセス許可だけでなく、アクセス許可の所有者も表示されます。

また、詳細ウィンドウで [Permissions] (許可) と [Auditing] (監査) を切り替えることで、ターゲットに適用された監査リストも表示できます。数回のクリック操作で、所有者、アクセス許可、または監査の ACL を変更できます。現在のノードの所有者、アクセス許可、子項目などをリセットすることもできます。アクセス許可の一覧には、標準的なアクセス許可と詳細なアクセス許可が含まれるため、必要なアクセス許可を 1 回の操作で選択できます。また、継承された項目も簡単に確認できます。ACL の変更が終わったら、[Save] (保存) をクリックして操作完了です。

SetACL Studio は 1 ライセンスにつき 14.95 ドルで、32 ビット版と 64 ビット版の両方の Windows で使用できます。30 日間の試用版は、製品の Web サイトからダウンロードできます。簡単だからという理由だけで、すべてのユーザーにすべてのものに対するアクセス許可を付与していたり、Windows コンピューターの ACL の管理と可視化に役立つツールが必要な場合は、ぜひ SetACL Studio を試してみてください。

LogFusion Pro

ほぼすべてのアプリケーションやサービスでは、どこかになんらかのログを生成しています。このような情報に手軽にアクセスできると、監視やトラブルシューティングを行うときだけでなく、単に状況を把握したいときにも便利です。負荷の高いアプリケーションでは、大量の情報がログに記録されますが、このようなログを監視するのは困難です。Binary Fortress Software 社の LogFusion Pro は、このようなログをリアル タイムで監視するのに役立ちます。

LogFusion Pro は、Linux/Unix 環境の tail コマンドのように、ログの最新行に自動でスクロールする機能を備えています。特定の行範囲で探しものをしているときなど、自動更新が不要の場合には、自動スクロールの機能を無効にできます。区切り文字や他のテキスト パターンでカスタム列を定義できるので、さまざまなテキスト形式のログ ファイルを監視することができます。また、LogFusion Pro では、ローカルまたはリモートの Windows コンピューターで、イベント ログを開いたり、監視したりできます。OutputDebugStrings の監視も可能です。

LogFusion Pro では、複数のログ ファイルを同時に開いて監視することができます。ログを開いたら、ログに記録されている重要な情報を見逃さないように強調表示のルールを設定できます。このルールの設定は、正規表現による照合とプレーン テキストによる照合の両方に対応しています。各強調表示のルールでは、背景と前景の強調表示色を定義したり、一致したテキストを太字や斜体で表示したりするように指定できます。照合する内容を確認するテスト セクションも用意されています。

強調表示のルールは保存できるので、ログを開くたびにルールを定義し直す必要はありません。強調表示のルールを適用しても、ログの内容が見づらいときには、ツール バーのボタンを使用して、強調表示された項目のみを表示するように指定できます。また、強調表示された項目を除外するオプションもあります。ツール バーには前後の強調表示された行に移動できるボタンもあります。強調表示された行の位置を示すスクロール バーも用意されており、ログの特定のセクションに移動できます。

LogFusion Pro には、ログの表示に使用するフォントを指定したり、ログの空白行の表示/非表示を切り替えたり、監視対象フォルダーを設定したりする機能もあります。監視対象フォルダーのオプションを使用すると、アプリケーションの起動時に作成または変更されたログが自動的に表示されます。一度に複数のログを表示する場合は、それぞれ専用ウィンドウにポップ アップ表示することもできます。この機能により、思いどおりに画面を設定できるので、ネットワーク運用センターやヘルプ デスクなどで重宝します。

無期限で使用できる LogFusion Pro のライセンスは、1 ライセンス 12 ドルと手ごろな価格になっています。特定のサイトで無制限の台数のコンピューターで使用できる無期限ライセンスは、120 ドルです。30 日間の試用ライセンスも用意されているので、購入前にお試しいただけます。また、一部機能が制限されている無料版もありますが、個人使用に限定されています。スムーズな運用環境を維持するには、ログの常時監視が不可欠であり、LogFusion Pro のようなツールは、ログの監視に打って付けです。

NoVirusThanks File Governor

複数のデスクやコンピューターで作業する場合、持ち運べるツールが必要不可欠です。ツールキットにぜひ加えたいのが、NoVirusThanks 社が開発した NoVirusThanks File Governor です。このシンプルな持ち運べるツールは、実行可能ファイルです。x86 版と x64 版が用意されているので、すべてのバージョンの Windows で実行することが可能で、どのプロセスがどのファイルをロックしているかを確認できます。

NoVirusThanks File Governor を使用するには、実行可能ファイルをダブルクリックし、ロックされたファイルについて確認するディレクトリを選択します。常駐のオプションを使いたい場合は、アプリケーションの設定で NoVirusThanks File Governor を Windows の [送る] とエクスプローラーのコンテキスト メニューに追加できます。このツールでは、ディレクトリとサブディレクトリをスキャンし、ロックされたファイルの詳細情報を一覧表示します。

スキャンの実行中、プロセス ID (PID)、ロックしているプロセスのファイル名、ロックされたオブジェクト (フル パスとロックの種類 (ディレクトリまたはファイル))、ファイル ハンドルの実アドレス、ファイルをロックしているプロセスのパスなどの詳細情報が表示されます。ロックされているファイルを右クリックしてコンテキスト メニューを表示すると、ファイル、ハンドル、またはプロセスに対して実行する操作を選択できます。

ファイルに対しては、強制削除、再起動時に削除、ファイルのコピーや名前変更などのオプション指定できます。ファイル ハンドルに対しては、ロックを解除したり、ファイルをロックしている DLL をアンロードしたりすることができます。また、プロセスの詳細を表示したり、プロセスを終了したりすることもできます。また、NoVirusThanks File Governor には、トラブルシューティングを迅速に行うのに役立つ Windows ユーティリティへのリンクが用意されており、タスク マネージャー、レジストリ エディター、システムの復元、ローカル サービス、コマンド プロンプト、エクスプローラー シェルなどに移動できます。また、システムのプロパティを確認したり、[Utilities] (ユーティリティ) メニューからコントロール パネルに移動したりすることもできます。ロックされたファイルに対応するツールが必要な場合は、無料で使いやすい NoVirusThanks File Governor を試してみてください。

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

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