ユーティリティ スポットライト: トラブルシューティング データを収集する

Microsoft Product Support Reports ツールを使用すると、適切に動作していないシステムの情報を収集して、IT 担当者またはマイクロソフトが問題の原因を診断するのに役立ちます。

Lance Whitney

解決できない問題が発生している厄介なコンピューターには、大きなストレスを感じるでしょう。自分の知識を増やすことは役立ちますが、最初の段階で問題を診断するのが困難な場合は、トラブルシューティングが困難になります。Microsoft Product Support Reports (MPS Reports) ツールは、情報を収集して問題を解決するのに役立つ心強いツールとなるでしょう。

MPS Reports を使用すると、クライアント コンピューターまたはサーバーでさまざまな診断を実行できます。このツールの診断結果は、ソフトウェア エラーまたはシステム エラーの原因を見つけるのに役立ちます。このツールでは、一般的な情報、インターネットやネットワーク、ビジネス ネットワーク、サーバー コンポーネント、Windows Update サービス、Exchange Server、SQL Server や他のデータ ストア (Microsoft Data Access Components (MDAC)) などのコンポーネントやサービスのデータを収集できます。

コンピューターで発生している問題の現象によって、サポートされているすべてのコンポーネントとサービスについて診断を実行することも、特定のコンポーネントやサービスについて診断を実行することもできます。MPS Reports では、XML ファイル形式と TXT ファイル形式でレポートが生成されます。すべてのレポートは、圧縮された 1 つの CAB ファイル形式で保存できます。この CAB ファイルは、MPS Reports Viewer 2.0 を使用して閲覧できます。また、このデータをマイクロソフト サポート チームに送信して、診断を依頼することもできます。

MPS Reports を使用するには、Microsoft ダウンロード センターからツールを ダウンロードします。32 ビット版の Windows を実行している場合は mpsreports_x86.exe ファイルを選択し、64 ビット版の Windows を実行している場合は mpsreports_x64.exe ファイルを選択します。

この実行可能ファイルは、自己展開ファイルなので、インストールする必要はありません。ファイルをダブルクリックすると、ライセンス条項への同意を求めるウィンドウが表示されます。次に、診断を実行するコンピューター (このコンピューターまたはネットワークに接続していない他のコンピューター) を選択するウィンドウが表示されます (図 1 参照)。

図 1 まず、診断を実行するシステムを選択する

1 つ目のオプションを選択すると、さまざまな利用可能な診断オプションが表示されます (図 2 参照)。2 つ目のオプションを選択した場合、このツールの実行に必要な Microsoft .NET Framework 2.0 と Microsoft PowerShell をダウンロードして、このツールを実行する他のコンピューターにインストールすることを求めるウィンドウが表示されます。これらのコンポーネントは、USB メモリまたは外部ドライブに保存して、ネットワークに接続していないコンピューターにインストールできます。

図 2 利用可能な複数の診断カテゴリ

1 つ目のオプションを選択した場合、次に表示されるウィンドウで下方向にスクロールして、レポートを生成するさまざまなコンポーネントとサービスのオプションを確認できます。各オプションの下にある [Link to more info] (詳細情報) をクリックすると、収集される情報 (ファイル名、イベント ログ、その他の情報など) を記載したテキスト ファイルが表示されます (図 3 参照)。実行する診断のカテゴリを選択し、[Next] (次へ) をクリックします。

図 3 診断が必要なコンポーネントを選択する

データの収集が完了すると、MPS Reports では、[e-mail the results] (結果を電子メールで送信する)、[save the results] (結果を保存する)、および [open and view the results] (開いて結果を確認する) という 3 つのオプションが提示されます (図 4 参照)。

図 4 診断の実行完了後、シンプルなオプションから選択する

最初の 2 つのオプションを選択すると、データは 1 つの CAB ファイル形式で圧縮されます。3 つ目のオプションを選択すると、各診断レポートは、元の形式で個別のフォルダーに保存されます。

1 つ目のオプションを選択すると、CAB ファイルが添付された新しい電子メール メッセージが表示されます。2 つ目のオプションを選択すると、CAB ファイルを保存するフォルダーを指定するウィンドウが表示されます。3 つ目のオプションを選択すると、完全なフォルダー階層が作成されるため、XML ファイルと TXT ファイルを個別に開くことができます。

多くの場合、2 つ目のオプションを選択した場合に最も柔軟性が高くなります。CAB ファイルは、いつでもメールに添付して Microsoft サポートに送信したり、後で Microsoft Product Support Reports Viewer 2.0 を使用して自分で閲覧したりすることもできます。

Microsoft Product Support Reports Viewer は Microsoft ダウンロード センターからダウンロードできます。ダウンロードした MPS Reports Viewer 2.0.msi ファイルをダブルクリックすると、プログラムがインストールされ、ビューアーを起動するショートカットがスタート メニューに作成されます。Viewer の [File] (ファイル) メニューの [Open Report from CAB file] (CAB ファイルのレポートを開く) をクリックします。保存した MPS Reports の CAB ファイルを参照してクリックし、結果を表示します (図 5 参照)。ファイル名にはコンピューター名が含まれているので、簡単に該当するファイルを特定できます。

図 5 最初のレポート形式では、完全なシステム情報の内容が表示される

Microsoft Product Support Reports Viewer には、一般的なシステム情報、特定のレポート データ、ドライバーや他の Windows システム ファイルの一覧を表示するタブがあります。目的は、データを解析して警戒すべき問題を調査することです。運よく具体的なエラーメッセージを見つけられることもあります (図 6 参照)。しかし、問題の原因を見つけるのが難しい場合もあります。このような場合は、Microsoft サポートに連絡することをお勧めします。

図 6 問題が見つかった場合、MPS Reports では具体的なエラー メッセージが表示される

MPS Reports ツールは Windows XP から Windows 7 までのあらゆるデスクトップのバージョンと正式に互換性があります。私は Windows 8 で実行していますが、Microsoft .NET Framework 4 では動作しないので、.NET Framework 3.5 をインストールする必要がありました。さらにこのツールは、Windows Server 2003 から Windows Server 2008 R2 までのサーバーもサポートしています。

MPS Reports ツールは、トラブルシューティング データを収集する使いやすいユーティリティです。トラブルシューティングのプロセスを少しでも簡略化するものは、ぜひトラブルシューティング ツールの 1 つに追加することをお勧めします。

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

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