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SharePoint サーバーへの Analysis Services OLE DB プロバイダーのインストール

Microsoft OLE DB Provider for Analysis Services (MSOLAP) は、クライアント アプリケーションが Analysis Services データとの連携のために使用するインターフェイスです。 PowerPivot for SharePoint を含んだ SharePoint 環境では、このプロバイダーによって PowerPivot データに対する接続要求が処理されます。

データ プロバイダーは、PowerPivot for SharePoint インストールに自動的に含まれます。 SharePoint サーバーにクライアント ライブラリまたはデータ プロバイダーを手動でインストールしなければならない理由が 2 つあります。

  • 下位互換性を確保する。 SQL Server 2008 R2 のブックは、SQL Server 2008 R2 バージョンの Analysis Services OLE DB プロバイダーを接続文字列に指定します。 したがって、要求を正常に終了させるには、このプロバイダーがコンピューターに存在する必要があります。

  • 専用の Excel Services インスタンスでデータ アクセスを有効にする。 SharePoint ファーム内の PowerPivot for SharePoint がインストールされていないサーバー上に Excel Services が存在する場合は、SQL Server 2012 バージョンのプロバイダーおよび他のクライアント接続コンポーネントをインストールしてください。

    注意

    これらのシナリオは、共存することができます。 PowerPivot for SharePoint インスタンスを使用せずに Excel Services を実行するアプリケーション サーバーを含むファーム上の複数のブック バージョンをホストするには、各 Excel Services コンピューターに古いバージョンと新しいバージョンのプロバイダーをインストールする必要があります。

このトピックには、次のセクションが含まれます。

PowerPivot データ アクセスをサポートする OLE DB プロバイダーのバージョン

OLE DB プロバイダーをインストールしなければならない理由

以前のバージョンのブックをホストするための SQL Server 2008 R2 OLE DB プロバイダーのインストール

スタンドアロン Excel Services サーバーへの SQL Server 2012 OLE DB プロバイダーとクライアント接続コンポーネントのインストール

PowerPivot データ アクセスをサポートする OLE DB プロバイダーのバージョン

SharePoint ファームには、PowerPivot データ アクセスをサポートしていない旧バージョンを含め、複数のバージョンの Analysis Services OLE DB プロバイダーが含まれていることがあります。

デフォルトでは、SharePoint は SQL Server 2008 バージョンのプロバイダーをインストールします。 このバージョンは、MSOLAP.4 (SQL Server 2008 R2 用に使用されるのと同じバージョン番号) として認識されますが、PowerPivot データ アクセス用には機能しません。 正常に接続するには、SQL Server 2008 R2 または SQL Server 2012 バージョンのプロバイダーが必要です。

SQL Server 2008 バージョン以降の OLE DB プロバイダーは、メモリに格納された Analysis Services データ構造に対するトランスポートと接続をサポートしています。 PowerPivot ブックでは、このプロバイダーの新しいバージョンを使用して、ファームの PowerPivot サーバーからクエリ処理を要求します。 更新後のバージョンを入手するには、SQL Server 機能パックのページからダウンロードしてインストールします。

次の表に、有効なバージョンを示します。

製品バージョン

ファイル バージョン

有効な対象データ

SQL Server 2008 R2

ファイル システム内の MSOLAP100.dll

Excel 接続文字列内の MSOLAP.4

ファイル バージョン詳細の 10.50.1600 以降

SQL Server 2008 R2 バージョンの PowerPivot for Excel を使用して作成されたデータ モデルに使用します。

SQL Server 2012

ファイル システム内の MSOLAP110.dll

Excel 接続文字列内の MSOLAP.5

ファイル バージョン詳細の 11.00.0000 以降

SQL Server 2012 バージョンの PowerPivot for Excel を使用して作成されたデータ モデルに使用します。

OLE DB プロバイダーをインストールしなければならない理由

ファーム内のサーバーに OLE DB プロバイダーを手動でインストールしなければならないケースとしては、2 つのシナリオが挙げられます。

最も一般的なシナリオは、ファーム内のドキュメント ライブラリに、古いバージョンと新しいバージョンの PowerPivot ブックが保存されているケースです。 組織内のアナリストが SQL Server 2008 R2 バージョンの PowerPivot for Excel を使用していて、それらのブックが SQL Server 2012 の PowerPivot for SharePoint 環境に保存される場合、古いブックは機能しません。 それらの接続文字列は古いバージョンのプロバイダーを参照しますが、旧バージョンのプロバイダーは、手動でインストールしない限りサーバー上に配置されません。 両方のバージョンをインストールすると、新旧各バージョンの PowerPivot for Excel で作成された PowerPivot ブックに対してデータ アクセスが可能になります。 SQL Server 2012 のセットアップでは SQL Server 2008 R2 バージョンのプロバイダーはインストールされないため、以前のバージョンのブックを使用している場合には、2008 R2 バージョンのプロバイダーを手動でインストールする必要があります。

2 つ目のシナリオは、Excel Services は実行されているが、PowerPivot for SharePoint が実行されていない SharePoint ファーム内にサーバーがあるケースです。 この場合、新しいバージョンのプロバイダーを使用するために、Excel Services を実行するアプリケーション サーバーを手動で更新し、さらにグローバル アセンブリに Microsoft.AnalysisServices.Xmla.dll ファイルのインスタンスをインストールする必要があります。 これらのコンポーネントは、PowerPivot for SharePoint インスタンスに接続するために必要です。 Excel Services で以前のバージョンのプロバイダーを使用している場合は、接続要求が失敗します。

以前のバージョンのブックをホストするための SQL Server 2008 R2 OLE DB プロバイダーのインストール

SQL Server 2008 R2 バージョンの MSOLAP.4 プロバイダーをインストールして、Microsoft.AnalysisServices.ChannelTransport.dll ファイルを登録するには、次の手順に従います。 ChannelTransport は Analysis Services OLE DB プロバイダーのサブコンポーネントです。 SQL Server 2008 R2 バージョンのプロバイダーは、ChannelTransport を使用して接続を行うときにレジストリを読み取ります。 このファイルの登録は、SQL Server 2012 サーバー上の SQL Server 2008 R2 プロバイダーによって処理される接続にのみ必要なインストール後の手順です。

手順 1: クライアント ライブラリのダウンロードとインストール

  1. SQL Server 2008 R2 用 Feature Pack のページで、Microsoft SQL Server 2008 R2 用の Microsoft Analysis Services OLE DB プロバイダーを探します。

  2. SQLServer2008_ASOLEDB10.msi インストール プログラムの x64 パッケージをダウンロードします。 ファイル名には SQLServer2008 が含まれていますが、これは SQL Server 2008 R2 バージョンのプロバイダーに対応する適切なファイルです。

  3. PowerPivot for SharePoint がインストールされているコンピューターで、.msi を実行してライブラリをインストールします。

  4. Excel Services を実行しているが PowerPivot for SharePoint はインストールされていないサーバーが他にファーム内にある場合は、前の手順を繰り返して 2008 R2 バージョンのプロバイダーを Excel Services コンピューターにインストールします。

手順 2: Microsoft.AnalysisServices.ChannelTransport.dll ファイルの登録

  1. regasm.exe ユーティリティを使用してファイルを登録します。 regasm.exe を以前に実行したことがない場合は、その親フォルダーである <ドライブ>:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319\ をシステム パス変数に追加します。

  2. 管理者権限を使用してコマンド プロンプトを開きます。

  3. <ドライブ>:\Windows\assembly\GAC_MSIL\Microsoft.AnalysisServices.ChannelTransport\10.0.0.0__89845dcd8080cc91 フォルダーに移動します。

  4. 次のコマンドを入力します。regasm microsoft.analysisservices.channeltransport.dll

  5. 2008 R2 バージョンのプロバイダーを手動でインストールしたすべてのコンピューターについて前の手順を繰り返します。

インストールの確認

  1. これで、SQL Server 2008 R2 のブックのスライスまたはフィルター処理を行うことができるようになります。 エラーが発生した場合は、64 ビット版の regasm.exe を使用してファイルを登録したことを確認します。

  2. さらに、ファイルのバージョンを確認することができます。

    Program files\Microsoft Analysis Services\AS OLEDB\10 に移動します。 msolap100.dll を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。 msolap100.dll を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。 [詳細] をクリックします。

    ファイルのバージョン情報が表示されます。 バージョンに 10.50.<ビルド番号> が表示されていることを確認します。

Excel Services サーバーへの SQL Server 2012 OLE DB プロバイダーのインストール

OLE DB プロバイダーおよび他のクライアント接続コンポーネントがまだインストールされていない SharePoint サーバー (同じハードウェア上に PowerPivot for SharePoint がない状態で Excel Services を実行しているアプリケーション サーバーなど) に OLE DB プロバイダーおよび他のクライアント接続コンポーネントを追加するには、次の説明に従います。

次に示す手順を使用して、現在のバージョンの Analysis Services OLE DB プロバイダーをインストールし、Microsoft.AnalysisServices.Xmla.dll をグローバル アセンブリに追加します。

SQL Server セットアップの実行とクライアント接続ツールのインストール

  1. Excel Services をホストするアプリケーション サーバー上で、SQL Server セットアップを実行します。

  2. [インストール] ページで、[新規インストールの作成または既存のインストールへの機能の追加] をクリックします。

  3. [インストールの種類] ページで、[SQL Server 2012 の新規インストールを実行する] をクリックします。

  4. [セットアップ ロール] ページで、[SQL Server 機能のインストール] を選択します。

  5. [機能の選択] ページで、[クライアント ツール接続] をクリックします。 このオプションを選択すると、Microsoft.AnalysisServices.Xmla.dll がインストールされます。

    それ以外の機能は選択しないでください。

  6. [次へ] をクリックしてウィザードを終了し、[インストール] をクリックしてセットアップを実行します。

  7. Excel Services を実行しているが PowerPivot for SharePoint はインストールされていないサーバーが他にある場合は、前の手順を繰り返します。

MSOLAP.5 が信頼できるプロバイダーであるかどうかの確認

  1. サーバーの全体管理で、[アプリケーション構成の管理] をクリックし、Excel Services サービス アプリケーションをクリックします。

  2. [信頼できるデータ プロバイダー] をクリックします。

  3. MSOLAP.5 が一覧に表示されていることを確認します。 PowerPivot for SharePoint の構成方法によっては、MSOLAP.5 が既に信頼されている場合があります。 PowerPivot 構成ツールを使用したにもかかわらず、このアクションがタスクの一覧から除外された場合、MSOLAP.5 は Excel Services によって信頼されないため、手動で追加する必要があります。

  4. MSOLAP が表示されない場合は、[信頼できるデータ プロバイダーの追加] をクリックします。

  5. [プロバイダー ID] に、「MSOLAP.5」と入力します。

  6. [プロバイダーの種類] では、OLE DB が選択されていることを確認します。

  7. [プロバイダーの説明] に、「Microsoft OLE DB プロバイダー (OLAP Services 11.0 用)」と入力します。

インストールの確認

  1. Program files\Microsoft Analysis Services\AS OLEDB\110 に移動します。

  2. msolap110.dll を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [詳細] をクリックします。

  4. ファイルのバージョン情報が表示されます。 バージョンに、11.00.<ビルド番号> が含まれていることを確認します。

  5. Windows\assembly フォルダーで、Microsoft.AnalysisServices.Xmla.dll、バージョン 11.0.0.0 が表示されることを確認します。

関連項目

概念

PowerPivot for SharePoint インストール (SharePoint 2010)