関連性の向上

このトピックでは、エンタープライズ検索 結果のランキング計算で使用される設定を調整するいくつかの方法と、関連性を高めるために試行できるその他のテクニックについて説明します。

関連性設定を調整するときの考慮事項

関連性設定を変更する前に変更前と変更後の結果を比較するテストシステムを確立することが不可欠です。これにより、使用する環境の中で、変更が検索結果の関連性にマイナスまたはプラスの影響を与えるか、あるいは何の影響もないかを検証できます。

検索管理者のタスク

検索管理者は、共有サービス プロバイダ (SSP) 管理レベルとサイト管理レベルでの関連性に影響するさまざまなタスクを実行できます。

権限のあるページ

権限のあるページは、検索管理者によって、クエリに関係なく、最も関連性のある情報にリンクするページとして識別されます。権限のあるページからコンテンツまでのクリック距離が短いことを保証することによって、権限のあるページを使用する一連のコンテンツに対して計算されるランクを上げることができます。

SSP 管理者ユーザー インターフェイスを使用して権限のあるページリストを管理できます。または検索管理オブジェクト モデルを使用できます。オブジェクト モデルの使い方の詳細については、「開発者のタスク」を参照してください。

レベル下げサイト

レベル下げサイトは、任意のクエリで、他のコンテンツと比較して関連性が低いコンテンツを含みます。たとえば、コンテンツが古いサイトもコンテンツ インデックスに含める必要があります。SSP のレベル下げサイトにサイトを追加した場合、そのサイトのすべてのコンテンツは、他のコンテンツよりも低くランキングされます。

レベル下げサイト リストは、SSP 管理ユーザー インターフェイスを使用して管理できます。または、検索管理オブジェクト モデルを使用できます。オブジェクトモデルの使い方については、「開発者のタスク」を参照してください。

編集結果

キーワードは、組織が重要であると識別した単語または語句です。キーワードはサイト管理レベルで追加でき、キーワードの用語を含むクエリに対して、それ以外の方法では表示されない追加情報や推奨リンクを初期結果ページに表示できます。キーワードに対して、用語の定義と、その用語との関連性が非常に高いと識別されたリンクの一覧であるおすすめコンテンツという 2 つの情報を表示できます。

キーワード リストは、サイト設定管理ユーザーンターフェイスを介して管理できます。または、検索管理オブジェクト モデルを使用できます。オブジェクト モデルの使い方の詳細については、「開発者のタスク」を参照してください。

開発者のタスク

Microsoft Office SharePoint Server 2007 でのエンタープライズ検索 には、エンタープライズ検索 を管理するための新しい検索管理オブジェクト モデルがあります。このセクションで説明するオブジェクトは、管理オブジェクト モデルの一部です。新しいオブジェクト モデルの詳細については、「エンタープライズ検索管理オブジェクト モデルを使うにあたって」を参照してください。

関連性オブジェクト モデル

エンタープライズ検索 には、検索結果の関連性のランク計算で使用されるパラメータを変更するための新しい関連性オブジェクト モデルが用意されています。

エンタープライズ検索 の関連性パラメータを変更するためのエントリ ポイントは Ranking クラスです。Ranking クラスのインスタンスを初期化するときは、SearchContext オブジェクトをコンストラクタのパラメータとして渡します。

権限のあるページ

Ranking クラスの AuthorityPages プロパティは、SSP のすべての権限のあるページのコレクションを表す AuthorityPageCollection オブジェクトを返します。AuthorityPage クラスは、単一の権限のあるページを表します。

レベル下げサイト

Ranking クラスの DemotedSites プロパティは、SSP のすべてのレベル下げサイトのコレクションを表す DemotedSiteCollection オブジェクトを返します。DemotedSite クラスは、単一のレベル下げサイトを表します。

ランキング パラメータ

Ranking クラスの RankingParameters プロパティは、SSP のすべてのランキング パラメータのコレクションを表す RankParamCollection オブジェクトを返します。RankingParameter クラスは、単一のランキング パラメータ サイトを表します。

ランキング パラメータに指定された値は更新できますが、パラメータの追加、削除、または名前の変更はできません。

エンタープライズ検索 のランキング パラメータを次の表に示します。

パラメータ

説明

k1

用語の使用頻度のサチュレーション定数。

Kqir

クリック距離のサチュレーション定数。

wqir

関連性を計算するためのクリック距離の重み。

Kud

URL 深度のサチュレーション定数。

wud

関連性を計算するための URL 深度の重み。

languageprior

ユーザーの使用言語と一致しない言語で記述されたコンテンツに適用されるランキングの重み。

filetypepriorhtml

関連性を計算するための HTML コンテンツ タイプの重み。

filetypepriordoc

関連性を計算するための Microsoft Office Word コンテンツ タイプの重み。

filetypepriorppt

関連性を計算するための Microsoft Office PowerPoint コンテンツ タイプの重み。

filetypepriorxls

関連性を計算するための Microsoft Office Excel コンテンツ タイプの重み。

filetypepriorxml

関連性を計算するための XML コンテンツ タイプの重み。

filetypepriortxt

関連性を計算するためのプレーン テキスト コンテンツ タイプの重み。

filetypepriorlistitems

関連性を計算するためのリスト アイテム コンテンツ タイプの重み。

Filetypepriormessage

関連性を計算するための Microsoft Outlook 電子メール メッセージ コンテンツ タイプの重み。

スキーマ オブジェクト モデル

プロパティの重みの変更

エンタープライズ検索 の任意の管理プロパティの重み設定を変更できます。これを行う方法を示すコード サンプルについては、「[方法] 管理プロパティの重み設定を変更する」を参照してください。

注意

SQL 検索構文の Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003 バージョンでは、クエリ時の列の重み付けをサポートしていました。ただし、SQL 検索構文の Microsoft Office SharePoint Server 2007 でのエンタープライズ検索 バージョンでは、列の重み付けはサポートしません。検索クエリに列の重み付けが存在するときに Office SharePoint Server 2007 に移行した場合でも、検索クエリは動作しますが、列の重み値は無視されます。

プロパティの重み値は、ManagedProperty クラスの Weight プロパティに設定されます。

プロパティの長さの正規化の変更

エンタープライズ検索 の任意の管理プロパティの長さの正規化設定を変更できます。

プロパティの長さの正規化の値は、ManagedProperty クラスの LengthNormalization プロパティに設定されます。管理プロパティの詳細については、「メタデータを管理する」を参照してください。

キーワード オブジェクト モデル

エンタープライズ検索 には、キーワード、おすすめコンテンツ、および定義を操作するためのキーワード オブジェクト モデルが用意されています。サイトのレベル上げと、他の方法では含まれない情報を、特定の検索用語または語句の検索結果に追加できます。

キーワード オブジェクト モデルへのエントリ ポイントは Keywords クラスです。特定のサイトに関連付けられているキーワードのコレクションを取得するには、Keywords クラスの AllKeywords プロパティを使用します。サイトのおすすめコンテンツのコレクションを取得するには、GetAllBestBets メソッドを使用します。このメソッドは、サイトのおすすめコンテンツのコレクションを表す BestBet オブジェクトを格納する BestBetCollection を返します。

このセクションの内容

[方法] 管理プロパティの重み設定を変更する

See Also

参照

Microsoft.Office.Server.Search.Administration.Ranking

Microsoft.Office.Server.Search.Administration.Schema

Microsoft.Office.Server.Search.Administration.Keywords

概念

エンタープライズ検索の関連性アーキテクチャの概要

エンタープライズ検索のアーキテクチャ

エンタープライズ検索管理オブジェクト モデルを使うにあたって

その他のリソース

プログラムを使用してエンタープライズ検索を管理する