Windows® 7 標準クライアント イメージの作成手順:

7. ステップ 4. カスタム イメージのメンテナンス

Windows 7 の Windows AIK には、オフラインの Windows イメージ ファイルを更新するツールとして、展開イメージのサービスと管理 (DISM.exe) が提供されています。

DISM では、オフライン の Windows イメージと Windows PE イメージで機能やパッケージをインストール、アンインストール、構成、更新することができます。DISM により、イメージの処理に使用できるコマンドとオプションは、処理対象の Windows オペレーティング システム (Windows 7、Windows Vista SP1、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2008、または Windows PE) と、そのイメージがオフラインであるかオンラインであるかによって異なります。オフライン Windows イメージに対しては、すべてのコマンドが機能します。オンラインのオペレーティング システムに対しては、コマンドの一部を使用できます。

DISM は 以前の Windows AIK に含まれていた PEimg、Intlcfg、パッケージ マネージャーなどのいくつかのツールを統合した機能を提供します。

  • 4.1. オフライン イメージのメンテナンス作業の共通操作
  • 4.2. オフライン イメージへのドライバーの追加と削除
  • 4.3. オフライン イメージへのパッケージの追加と削除
  • 4.4. オフライン イメージへの機能の有効化と無効化
  • 4.5. オフライン イメージへの地域と言語の設定と構成

4.1. オフライン イメージのメンテナンス作業の共通操作

オフライン Windows イメージを操作するには、最初に対象のイメージをマウントする必要があります。Windows イメージ (WIM) を操作および管理するためにマウントする場合は、WIM コマンドと引数を使用できます。イメージを更新した後は、イメージのマウントを解除し、加えた変更をコミットするか破棄する必要があります。

イメージをマウントするには、次のコマンドを実行します。

DISM /Mount-Wim /WimFile:C:\images\install.wim /name:"Windows 7 Image" /MountDir:C:\mount

Note:

イメージをマウントするには、インデックスまたは名前の指定が必須です。

イメージのマウントを解除し、更新をコミットするには、次のコマンドを実行します。

DISM /Unmount-Wim /MountDir:C:\mount /commit

イメージのマウントを解除し、更新を破棄するには、次のコマンドを実行します。

DISM /Unmount-Wim /MountDir:C:\mount /discard

ページのトップへ

4.2. オフライン イメージへのドライバーの追加と削除

ドライバー サービス コマンドは、オフライン イメージに対して使用して INF ファイルに基づいてドライバーを追加および削除したり、実行中のオペレーティング システム (オンライン) に対して使用してドライバーを列挙したりすることができます。Windows インストーラーまたはその他のドライバー パッケージ (.exe ファイルなど) はサポートされていません。

オフライン イメージにドライバーを追加するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\mount /Add-Driver /driver:C:\drivers\

/Driver オプションを使用してフォルダーを指定する場合、有効なドライバー パッケージではない INF ファイルは無視されます。このようなファイルについてはコマンドの実行時にコンソールで報告され、ログ ファイルに警告が記録されます。エラー メッセージは表示されません。

DISM /image:C:\mount /Add-Driver /driver:C:\drivers /recurse

パスを指定して /Recurse オプションを使用する場合は、追加するドライバーがあるかどうかすべてのサブ フォルダーが照会されます。

DISM /image:C:\test\offline /Add-Driver /driver:C:\test\drivers\driver.INF

オフライン イメージからドライバーを削除する場合は、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\test\offline /Remove-Driver /driver:oem1.inf

Note:

起動に不可欠なドライバー パッケージを削除すると、オフライン Windows イメージを起動できなくなります。

ページのトップへ

4.3. オフライン イメージへのパッケージの追加と削除

オペレーティング システム パッケージのサービス コマンドをオフラインで使用して、キャビネット (.cab) または Windows Update スタンドアロン インストーラー (.msu) ファイルとして提供される Windows パッケージをインストール、削除、または更新することができます。

オフライン イメージにパッケージを追加するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\mount /LogPath:AddPackage.log /Add-Package /PackagePath:C:\packages\package.cab

/PackagePath では、次のパッケージが指定できます。

  • 単一の .cab ファイルまたは .msu ファイル
  • 1 つの展開された .cab ファイルを含むフォルダー
  • 1 つの .msu ファイルを含むフォルダー
  • 複数の .cab ファイルまたは .msu ファイルを含むフォルダー


オフライン イメージから、パッケージを削除するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\mount /LogPath:C:\test\RemovePackage.log /Remove-Package /PackageName:Microsoft.Windows.Calc.Demo~6595b6144ccf1df~x86 ~en~1.0.0.0

イメージ内のパッケージの名前を確認するには、/Get-Packages オプションを使用します。

DISM /image:C:\mount /Get-Packages /Format:Table

ページのトップへ

4.4. オフライン イメージへの機能の有効化と無効化

オペレーティング システム パッケージのサービス コマンドをオフラインで使用して、Windows の機能を有効にしたり無効にしたりすることができます。
イメージ内の機能を有効または更新するには、次のコマンドを実行します。このコマンドでは、機能名の指定は、/FeatureName オプションを使用する必要があります。機能の名前は、大文字と小文字が区別されます。

DISM /image:C:\mount /Enable-Feature /FeatureName:Hearts

イメージ内の機能の名前を確認するには、/Get-Features オプションを使用します。

DISM /image:C:\mount /Get-Features /Format:List

イメージ内の機能を無効にするには、次のコマンドを実行します。このコマンドでは、機能名の指定は、/FeatureName をオプションを使用する必要があります。機能の名前は、大文字と小文字が区別されます。

DISM /image:C:\test\offline /Disable-Feature /FeatureName:Hearts

ページのトップへ

4.5. オフライン イメージへの地域と言語の設定と構成

DISM で提供される、地域と言語コマンドを使用して、Windows 7イメージと Windows PE イメージの地域と言語の設定を変更できます。

オフライン イメージの地域と言語の設定に関する情報を表示するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\mount /Get-Intl

オフライン イメージの既定の言語 (UI 言語、Unicode 対応ではないプログラムの言語、"標準と形式" の言語、入力ロケールとキーボード レイアウト) を指定するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\test\offline /Set-AllIntl:ja-JP

個々の言語またはロケールを指定するオプションのいずれかと同時に指定した場合は、個別の設定が優先されます。

オフライン イメージの既定の ユーザー インターフェイス (UI) の言語を設定するには、次のコマンドを実行します。指定した言語が Windows イメージにインストールされていない場合、このコマンドは失敗します。

DISM /image:C:\mount /Set-UILang:ja-JP

オフライン イメージに対して、システム ロケールとフォントを設定するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\test\offline /Set-SysLocale:ja-JP

オフライン イメージの "標準と形式" の言語 (ユーザー ロケール) を設定するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\mount /Set-UserLocale:ja-JP /Set-InputLocale: <input_locale>:<keyboard_layout>

オフライン Windows イメージで使用する入力ロケールとキーボード レイアウトを設定するには、次のコマンドを実行します。

DISM /image:C:\mount /Set-InputLocale:0411:00010411

既定の入力ロケール値の一覧については、Windows 自動インストール キット ユーザーズ ガイドの「サポートされる言語パックと既定の設定」を参照してください。

Note:

  • 地域と言語の DISM サービス コマンドは、Windows Vista または Windows Server 2008 のイメージに対しては使用できません。地域と言語のコマンドを使用できるのは、Windows 7イメージと Windows PE 3.0 イメージの地域と言語の設定を変更する場合に限られます。Windows Vista および Windows Server 2008 の地域と言語の設定を構成するためには、Intlcfg.exe ツールを使用してください。
  • 地域と言語サービス コマンドと同じコマンド ラインで、他のサービス コマンドを使用することはできません。
  • Unicode 専用言語をシステム ロケールとして設定することはできません。
  • 更新プログラムのインストール後に言語パックをインストールしないでください。
  • 言語依存のリソースが含まれている更新プログラム (修正プログラム、一般配布リリース (GDR)、Service Pack (SP)) をインストールしてから言語パックをインストールすると、更新プログラムに含まれている言語固有の変更が適用されません。言語パックのインストールは必ず、更新プログラムのインストール前に行ってください。

ページのトップへ