~小規模 (手動) 移行~
Point 5: システム環境およびユーザー プロファイルの移行

更新日: 2011 年 9 月 5 日

図: アプリケーションの移行Windows 7 では、ユーザー プロファイルの構造が変更されているため、Windows XP 環境で使用していたユーザー プロファイルを Windows 7 上でそのまま使用するのは困難です。そのため、NTUSER.DAT (いわゆるレジストリ情報) に埋め込まれた壁紙の設定や、各種アプリケーションの設定などを Windows 7 に単純にコピーすることも難しいと言えるでしょう。

ただし「Windows 転送ツール」を使えば、マイ ドキュメントのファイルや電子メールのデータだけでなく、OS の設定や、インターネット接続に関する設定、Internet Explorer の設定など、一部の設定情報を Windows 7 環境に移行できます。事前に、Windows XP 上で Windows 転送ツールを実行してユーザー情報をファイル サーバーやUSBデバイス等に転送しておき、Windows 7 のセットアップが完了したら再度 Windows 転送ツールを使用してデータを復元します。

【Windows 転送ツールを利用した Windows XP から Windows 7 へのデータの移行】

図: Internet Explorer 互換性ボタン

Windows 転送ツールは、ユーザー自身が設定情報を移行することを念頭に提供されたものですが、同様の移行をシステム管理者が組織的に行う際には、「ユーザー状態移行ツールキット (USMT: User State Migration Tool 4.0) 」を利用できます。USMT は、Windows 7 用 Windows 転送ツールの類似ツールですが、USMT には、詳細なオプションが用意されており、設定を環境に合わせてカスタマイズできます。また、Windows 転送ツールより簡単に操作を自動化できます。USMT は、ユーザー状態を、あるコンピュータから別のコンピュータに移行したり、ある OS から別の OS に移行したりするのをサポートするコマンド ライン スクリプト群であり、USMT を利用することで、移行する情報 (ファイル) と移行しない情報 (ファイル) の選択などが可能になります。もちろん、スクリプトの一部をカスタマイズすることもできるので、スクリプトを使用した管理に慣れたシステム管理者にはお勧めのツールです。USMT 4.0 は、Windows 7 用の Windows 自動インストール キット (AIK) の一部として提供されています。Active Directory によって管理されいてる環境であれば、システム管理者かカスタマイズした USMT スクリプトをグループ ポリシー等で実行し、強制的にユーザー環境のバックアップおよび復元を実施することも可能です。

Windows 7 用の Windows 自動インストール キット (AIK)

これまでの説明は、Windows XP に保存されている設定情報をどうやって新しい Windows 7 に移行するかに注目していました。これらとは別に、Active Directory 環境などで、グループ ポリシーを各 Windows XP クライアント PC に適用している場合、これが Windows 7 にアップグレードされたときに、同じようにグループ ポリシーを適用できるのかという問題もあります。すべてではありませんが、Windows XP で適用しているグループ ポリシーは、同様のものを Windows 7 でも適用できる可能性があります。「可能性」と書いているのは、グループ ポリシーの各設定項目は、「Windows XP 用」「Windows 7 用」などとバージョンが管理されており、Windows XP で使用していた設定項目が Windows 7 用に独自に用意されている可能性があるからです。このようなポリシーについては、設定さえ正しく行えば Windows 7 でも引き続き適用ができます。グループ ポリシーの管理エディタではバージョン情報も参照できるので、システム管理者は移行前に設定項目のリストを作成してチェックする必要があるでしょう。

ヒント : Windows 7 用の新しいユーザー状態移行ツールキット (USMT) の機能
ステップ バイ ステップ ガイド: IT プロ用 USMT を使用した Windows の基本的な移行

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