サイトをアップグレードする (Windows SharePoint Services)
この記事の内容 :
サーバーの全体管理のページを使用してサイトをアップグレードする
コマンド ラインを使用してサイトをアップグレードする
言語テンプレート パックのインストール後にサイトをアップグレードする
段階的なアップグレードを実行する場合、どのサイトをいつアップグレードするかを指定できます。サイトを Windows SharePoint Services 3.0 にアップグレードする前に、サーバー ファーム内のすべてのサーバーで SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する必要があります。この手順を完了し、必要な言語テンプレート パックをインストールしたら、サイトのアップグレードを開始できます。サーバーのアップグレードの詳細については、「Windows SharePoint Services の段階的なアップグレードをインストールおよび構成する」を参照してください。
サイトをアップグレードする準備ができたら、SharePoint® サーバーの全体管理 Web サイトのアップグレード ページ、またはコマンド ラインでのアップグレード操作のどちらかを使用できます。多数の一連のサイトに対して別々のタイミングでアップグレードを実行する場合や、環境内の他のサイトをアップグレードした後に言語テンプレート パックをインストールした場合は、コマンド ラインを使用してください。
サーバーの全体管理のページを使用してサイトをアップグレードする
サーバーの全体管理ページからサイトをアップグレードする手順には、2 つの段階があります。まず、サイトのアップグレード後のバージョンをホストする新しい Web アプリケーションを作成します。次に、1 つ以上のサイト コレクションをアップグレードします。
重要
ルートのサイト コレクションをアップグレードしてから、Web アプリケーション内にある他のすべてのサイト コレクションをアップグレードできます。
アップグレード後のサイトをホストする新しい Web アプリケーションを作成する
サーバーの全体管理の [サーバー構成の管理] タブで、[アップグレードと移行] の下の [サイト コンテンツのアップグレード状態] をクリックします。
[サイト コンテンツのアップグレード状態] ページで、アップグレードする URL の隣りにある [アップグレードの開始] をクリックします。
[ターゲット Web アプリケーションの設定] ページの [アップグレードする Web アプリケーション] セクションで、アップグレードする Web アプリケーションが表示されていることを確認します。
[元のコンテンツの新しい URL] セクションの [ポート] ボックスにポート番号を入力し、使用するホスト ヘッダー (必要な場合) を [ホスト ヘッダー] ボックスに入力します。
[新しい Web アプリケーションのアプリケーション プール] セクションで [新しいアプリケーション プールを作成する] を選択し、[アプリケーション プール名] ボックスで名前を入力し、[定義済み] または [構成可能] のどちらかを選択します。
[定義済み] を選択した場合は、使用するアカウントを選択します。
[構成可能] を選択した場合は、使用するアカウント名を入力し、そのアカウントのパスワードを入力します。
注意
以前のバージョンのために使用したのと同じアプリケーション プールを使用することはできません。同じユーザー アカウントを使用できますが、新しいアプリケーション プールを作成するか、アップグレード後のサイトのために作成済みのアプリケーション プールを使用する必要があります。
[インターネット インフォメーション サービスのリセット] セクションで、[IIS を自動的に再起動させる] または [IIS を手動で再起動する] のどちらかを選択します。
[IIS を手動で再起動する] を選択した場合は、この操作の最後の手順で Web アプリケーションが作成された後に IIS を再起動する必要があります。
[認証プロバイダ] の [セキュリティの構成] セクションで、環境に合わせて [ネゴシエート (Kerberos)] または [NTLM] のどちらかを選択します。
[コンテンツ データベース] セクションで、[データベース名を自動選択する] または [データベース名を手動で設定する] のどちらかを選択します。
データベース名を手動で設定する場合は、[データベース名] ページで、一時コンテンツ データベースの名前と新しいバージョンのコンテンツ データベースの名前を指定する必要があります。
[OK] をクリックします。データベース名を手動で設定することを選択した場合は、[データベース名] ページが開きます。この Web アプリケーションの一時コンテンツ データベースおよび新しいバージョンのコンテンツ データベースで使用する名前を入力し、[保存] をクリックします。
新しい Web アプリケーションが作成される間、[処理を実行中] ページが表示されます。
注意
IIS を手動で再起動することを選択した場合は、ここで iisreset /noforce をサーバー ファーム内の各フロントエンド Web サーバー上で実行する必要があります。
サイト コレクションをアップグレードする
[サイト コレクションのアップグレード] ページで、アップグレードするサイトの隣のチェック ボックスをオンにし、[サイトのアップグレード] をクリックします。
重要
ルートのサイト コレクションをアップグレードしてから、Web アプリケーション内にある他のすべてのサイト コレクションをアップグレードできます。複数のサイト コレクションを一度にアップグレードする場合は、アップグレードする最初のサイトのセットにルートのサイト コレクションが含まれている必要があります。
[選択したアップグレード対象サイト] ページで、サイト コレクションの数、使用される記憶域、元のデータベース、およびターゲット データベースを確認し、[サイトのアップグレード] をクリックします。
[実行中のアップグレード] ページが開かれ、選択されているサイト コレクションのアップグレードが実行されます。この処理にかかる時間は、選択したサイト コレクションの数とサイト コレクションのサイズに応じて、数分または数時間になることがあります。[状態] ページは 1 分ごとに自動的に最新の情報に更新され、更新された状態が表示されます。アップグレードが失敗した場合や問題が報告された場合は、ログ ファイルで詳細を参照できます。Upgrade.log ファイルとトレース ログ ファイルの場所は、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\LOGS です。トレース ログの名前は、Machine_name-YYYYMMDD-HHMM.log という形式になっています。YYMMDD は日付、HHMM は時刻です (たとえば、Server1-20061105-1241.log)。
アップグレード プロセスが完了したら、[ホーム] をクリックしてサーバーの全体管理のホーム ページに戻ります。
コマンド ラインを使用してサイトをアップグレードする
コマンド ラインを使用してサイトをアップグレードするには、前のセクションと同じ 2 段階の手順に従って、ターゲット Web アプリケーションを作成し、次にサイトをアップグレードする必要があります。
ターゲット Web アプリケーションを作成するには、実際の環境に適用するすべてのオプションを含めて、次のコマンドを使用します (既に上記の「アップグレード後のサイトをホストする新しい Web アプリケーションを作成する」の手順を実行した場合は、この手順をスキップします)。
stsadm -o upgradetargetwebapplication -url <アップグレードする URL>
-relocationurl <アップグレードされていないコンテンツの新しい URL>
-apidname <新しいアプリケーション プール名>
[-apidtype <configurableid/NetworkService>]
[-apidlogin <DOMAIN\name>]
[-apidpwd <アプリケーション プール パスワード>] [-exclusivelyusentlm]
Stsadm コマンドライン ツールを使用してこの手順を実行する方法については、「Upgradetargetwebapplication : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
Web アプリケーションを作成したら次に、実際の環境に適用するすべてのオプションを含めて次のコマンドを使用することで、個々のサイト コレクションをアップグレードできます。
stsadm -o upgrade [-inplace | -sidebyside] [-url <url>]
[-forceupgrade] [-quiet] [-farmuser <ファーム ユーザー>
-farmpassword <ファーム パスワード>] [-sitelistpath <サイト XML ファイル>]
たとえば、並列 (段階的な) アップグレード プロセスによって特定の URL にあるサイトをアップグレードするには、次のコマンドを使用します。
stsadm -o upgrade -sidebyside -url <URL>
-sitelistpath <XML ファイルのパス>
注意
コマンド ラインを使用して段階的なアップグレードを実行する場合、異なるコンテンツ データベースからのサイトをアップグレードすることはできません。Web アプリケーションに、複数のコンテンツ データベースにわたって広がるサイトが多数含まれている場合、同じコンテンツ データベースに含まれるサイトから成る小さなグループにリストを分割します。
Stsadm コマンドライン ツールを使用してこの手順を実行する方法については、「Upgrade : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
アップグレードする必要のあるサイトのリストを取得するには、enumsites 操作を使用して、Web アプリケーション上のリダイレクトされたすべてのサイトのリストを表示します。このリストを生成するには、次の構文を使用します。
stsadm -o enumsites -url http:// server_name -redirectedsites
この操作によって生成されたサイトのリストを使用すると、アップグレード操作用の sitelist XML ファイルを生成できます。
次の表では、アップグレード操作で使用するパラメータについて説明します。
パラメータ | 省略可/必須 | 説明 |
---|---|---|
Inplace または Sidebyside |
必須 (どちらかのオプションを指定する必要があります) |
Inplace は、一括アップグレードを指定します。一括アップグレードでは Version 2.0 のサイトが直ちにアップグレードされ、アップグレード プロセスの完了後は Version 2.0 環境を使用できません。 Sidebyside は、段階的なアップグレードを指定します。段階的なアップグレードでは、Version 2.0 の環境内に Version 2.0 のサイトが保持されます。 |
URL |
省略可 |
サイト コレクションを指す Version 2.0 URL。 |
ForceUpgrade |
省略可 |
強制的にアップグレードするかどうかを指定します。 |
Quiet |
省略可 |
アップグレード プロセスを自動モードで実行することを指定します。 |
FarmUser |
省略可 |
アップグレードの実行時に使用するユーザー アカウントを指定します。 |
FarmPassword |
省略可 (ただし FarmUser の指定時は必須です) |
FarmUser アカウントのパスワードを指定します。 |
Reghost |
省略可 |
アップグレード中にページの Reghost を実行する (ページをサイト定義にリセットする) かどうかを指定します。 |
SiteListPath |
省略可 |
アップグレードする特定のサイト コレクションのリストを含む XML ファイルを指定できます。この XML ファイルの形式は次のとおりです。
"Count" 属性と "TargetDatabase" 属性は省略できます。1 つのコンテンツ データベースのうちで、アップグレードするサイトのセットだけを指定します。 または、コマンド stsadm –o enumsites –url*<V3url>*-redirectedsites を使用して、アップグレードする必要があるサイト コレクションについて同じ XML を作成します。 |
Stsadm コマンドライン ツールを使用してこの手順を実行する方法については、「Enumsites : Stsadm 操作 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。
言語テンプレート パックのインストール後にサイトをアップグレードする
一括アップグレードを実行した後に言語テンプレート パックをインストールしたら、ここで、その言語テンプレート パックの言語に依存するすべてのサイトをアップグレードする必要があります。アップグレードを実行するには、実際の環境に適用するすべてのオプションを使用して、コマンド ラインでアップグレード操作を実行します。
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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。
- Windows SharePoint Services 3.0 テクノロジへのアップグレード (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=85554&clcid=0x411)
使用できるすべてのブックの一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。