スマート ホストを構成する

 

適用先: Exchange Online, Exchange Online Protection

スマート ホストは、組織の電子メールを配信するために Office 365 が接続可能な代替の電子メール サーバーです。電子メールをスマート ホストに送信する場合、コネクタ セットアップでこのオプションを選択し、以下の例で示されているいずれかの形式でスマート ホストの名前を入力してください。

FQDN の例: smtp.contoso.com

IP アドレスの例: 192.168.100.121

スマート ホストとは何ですか。なぜ電子メールの配信に使用するのですか。

電子メール配信については、ドメインの DNS レコードにメール エクスチェンジャー (MX) レコードが含まれる可能性があります。このレコードは、対象ドメイン内のユーザーの電子メールをどこに送信するかを電子メール サーバーに指示するために使用します。通常 Office 365 は、電子メールを配信するときに MX レコードを使用します。以下に例を示します。John@fabrikam.com の John のメールボックスが Office 365 にあり、Petra@contoso.com に電子メールを送信するとします。Office 365 は、contoso.com の MX レコードの DNS サーバーを検索します。サーバーが見つかると、Office 365 は John の電子メールをその場所に送信できます。代わりにこのコネクタにスマート ホストを入力すると、Exchange は電子メール メッセージを MX レコードのホストではなくその宛先に送信します。

スマート ホストのセットアップは、たとえば、電子メールをアーカイブ サービスに送信したり、オンプレミスのいずれかの電子メール サーバーに電子メールをルーティングしたりする場合に行えます。 スマート ホストをいくつかセットアップし、たとえば、負荷分散を行う場合に Office 365 がラウンド ロビン方式でスマート ホストを選択して使用できます。 スマート ホストの例として、Microsoft 以外の電子メール アプライアンス、Exchange エッジ サーバーの役割、Exchange 2013 クライアント アクセス サービス サーバーの役割などがあります。

注意

Exchange Online Protection およびハイブリッド組織 - Office 365 をサブスクライブし、ドメインを追加する際、ドメインの MX レコードを変更して Office 365 を指すように求められます。その後も組織のメール サーバー (オンプレミスのサーバーともいう) にメールボックスを置く場合、Office 365 はドメインの MX レコードを使用して電子メールの配信を行うことができなくなります。この場合、別の方法で電子メール サーバーを特定する必要が生じます。そうしないと、電子メールは意図した宛先に到達することなくループに陥ります。この代替電子メール サーバーはスマート ホストと呼ばれます。リレー ホストと呼ばれることもあります。
スマート ホストは FQDN または IP アドレスによって指定できます。FQDN の場合、組織のオンプレミスのデータ センターにある電子メール サーバーを表す IP アドレスに解決できる、有効な MX レコードまたは有効な A レコードのどちらかが必要です。

スマート ホストを経由して電子メールをルーティングするためのヒント

スマート ホストをコネクタと併用する場合は、コネクタの他のすべての設定と一致する電子メールだけがスマート ホストへ送信される点に留意してください。

スマート ホストがセキュリティ強化されていることを確認してください。つまり、信頼されている機関によって管理されていること、機密情報を送信する場合にはビジネス要件を満たしていることを確認します。

1 つのコネクタで複数のスマート ホストを使用できます。Office 365 は、入力したすべてのスマート ホスト間でラウンド ロビン方式によって負荷分散を実行します。

注意

スマート ホストが必要なのは、Exchange Online Protection (EOP) サブスクリプションがある場合、または組織の電子メール サーバーと Exchange Online の両方にメールボックスが配置されるようセットアップされている Exchange がある場合です。

バックアップ電子メール サーバーとしてスマート ホストを使用する

一部のスマート ホストをバックアップ サーバーにする場合、FQDN を使用し、MX レコードをそこに割り当てます。MX レコードは優先度をサポートしています。たとえば、以下の表に示されているように、ドメインをホストしている DNS サーバー内に contoso.com の MX レコードをセットアップできます。優先度が最も高い IP アドレスがプライマリで、その他はバックアップ サーバーです。

mx:contoso.com

優先度

10

20

35

関連項目

Office 365 でコネクタを使用してメール フローを構成する

DNS の基礎