vol.1「MOM ってなんだい?」

はじめに

公開日: 2004 年 8 月 31 日

小川 貢

はじめに

Microsoft Operations Manager (以下: MOM) 2005 のコラムを書くきっかけは、2004 年 4 月 14 日に Microsoft の MVP Program※1 担当の方から「おがわさん、MOM 2005 の評価しませんか?」と MSN Messenger で甘い誘惑ならぬ問いかけがあったからです。

その話を聞いた私は頭の中で「MOM ってなんだっけ?」とすごい勢いで検索していました。その結果「そういえば、MOM 2000 っていうよくわからん監視ツールがあったなぁ」と思い当たりました。以前に Microsoft US サイトの MOM ページで見たので、なんとなく記憶があったからです。

そのときの私の中での MOM の認識は「Windows 系の OS、アプリケーションの統合監視ツール」というレベルで、別に私が評価してもねぇ~っていう感じでした。私のことをご存知ない方に書きますが、私の仕事は開発です。システム監視は仕事の一部ではありますが、メインではありません。

そういうこともありましたが、製品が面白そうだったのと、担当の方の熱意にほだされて「それではやってみましょう。」と気安く返事をしてしまったのがこのコラム (原稿書き) のはじまりだったわけです。

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MOM ってなんだい?

さて、MOM って言われてもほとんどの方は使ったこともないし、話を聞いたこともない方が大半と思いますので、ここで簡単な説明をしたいと思います。

「はじめに」でも書きましたが、統合監視ツールと呼ばれるカテゴリーのソフトウェアで、ITPro の方にはお馴染みの日立の JP1、 HP の OpenView、IBM の Tivoli と同様な機能があります。統合監視ツールは ITIL※2 や MOF※3 を実現するためにはなくてはならないものです。

ここで誤解しないでほしいのですが、MOM は Windows 系だけを監視・管理ができる代物ではありません。JP1、 OpenView、Tivoli など他の監視・管理ツールと接続することができる機能もありますので、ITPro の方で、複数の統合監視ツールを使っていることに悩んでいる方はぜひともこの MOM を使ってみて、その悩みを解消してほしいと思います。

MOM の歴史は、Microsoft が NetIQ から MOM 2000 の前身のソース コードを購入したのが始まりで、そのソース コードを元に MOM 2000 が開発されました。そして、今回ご紹介する MOM 2005 は MOM 2000 の機能強化や新機能の追加を図り、ほぼフル スクラッチで開発したと聞いています。そのおかげで、非常に良いツールに仕上がっていると感じました。

※2 ITIL: IT Infrastructure Library の略。現 OGC (Office of Government Commerce) によって ITIL が出版され、IT ソリューションのベスト プラクティスとして日々進化している。ITIL の出版物は itSMF より入手できる。

※3 MOF: Microsoft Operations Framework の略。Microsoft が ITIL をベースに MOF を構築。

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MOM でできること

  • アラート管理

  • 状態管理

  • イベント管理

  • パフォーマンス管理

  • コンピュータ管理

  • タスクの実行

  • ナレッジの蓄積

  • セキュリティ管理 (MBSA 管理パックを使う)

  • 他統合監視ツールとの連携

  • Web ベースのオペレーション可能

  • MOM SDK の提供

などなど、いろいろできそうで楽しそうですというか、なんか薔薇色です。まずは、これらの機能が使えるかどうか検証するために MOM 2005 をインストールしちゃいましょう。

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