vol.2「XML Web サービスで簡易モニタを作ってみよう」システム管理者の運用監視を支援する MOM公開日: 2004 年 9 月 6 日 河端 善博 ここで、MOM 2005 について、あらためて見てみましょう。MOM 2005 の製品紹介のページにもあるように、この製品はとても強力な運用監視ツールです。英語圏では、MOM 2000 がすでに多くの方に利用されていて、実績も十分です。 では、運用監視ツールとして、お勧めしたいポイントをみてみます。
まず、各サーバーから収集されたログは、SQL Server 上にすべて蓄積されていきます。PASSJ のメンバとして SQL Server を長く利用してきた私には、この点がまず、なによりうれしいですね。多くのサーバー製品は、専用のデータベースを持っていて、その製品で提供される専用の開発環境、API からしかアクセスできません。このため、運用監視という柔軟性と拡張性が求められる分野では、なにかと不便なことがあります。しかし、MOM 2005 は、データをすべて SQL Server に蓄積しています。したがって、他のデータベースやアプリケーションとの連携も含めた、柔軟な拡張ができるようになっています。 ログのサマリ機能も充実しています。本当に重要なポイントだけをまとめたアラートや、各サーバー単位の状態、イベント ログ、パフォーマンスなどです。たとえば、図 3 は、2 つのサーバーの最近 2 時間の CPU 負荷をグラフ化しています。 図 3: 2 つのサーバーの最近 2 時間の CPU 負荷をグラフ化 さらに、SQL Server 2000 Reporting Services の機能を利用して、Web 画面にログのレポートを表示することもできます。図 4 は、Reporting Services を使って、最近のイベントを表示しています。 図 4: SQL Server Reporting Services の機能をつかって MOM に蓄積したイベント ログをレポートできます。 また、こうして提供される膨大なログ、パフォーマンスカウンタから問題点を分析するルールも充実しています。IIS、Active Directory、SQL Server など、それぞれの機能、製品について、マイクロソフトのそれぞれの開発担当チームから、ルールが提供されます。膨大な技術書やリソース キットを丹念に調べて作り上げる必要のあった障害分析のためのルールがこのように、管理パックという形で開発担当チームから提供されるのは、管理者には心強い限りです。このルールは、自分で拡張していくこともできます。 MOM からアラートがあがってきた場合には、詳しい解説がつきます。今まで、イベント ログを見ながら、対処方法を試行錯誤していた管理者の方も多いと思いますが、MOM 2005 では、原因と対処方法が、各アラートに詳しく解説されています。まるで、マイクロソフトのサポート情報サイトと連携しているような便利さです。 アラートは、解決できたときには対処方法を、解決せずにメーカーに問い合わせることになったときは問い合わせ経緯を、といった履歴を MOM 2005 に残していくことができます。また、対処方法を社内で作成、蓄積し、システム管理者間で、ノウハウの共有をすることもできます。 そして、MOM 2005 には、SDK が提供されています。Agent 上で VBScript や .NET プログラムを動かせる上に、MOM 2005 サーバーへのアクセスを提供する .NET クラス ライブラリや、WMI プロバイダ、XML Web サービスも提供されています。 ページのトップへ |
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