MSDE 2000 とアプリケーションの統合

最終更新日: 2004 年 6 月 8 日

このページの内容は公開・更新された当時のものです。

Microsoft SQL Server 2000 Desktop Engine (MSDE 2000) では、アプリケーション開発者に、デスクトップ ソリューションや共有ソリューションをビルドするための新しい機会が提供されます。顧客やエンド ユーザーが数千人ものユーザーやテラバイト規模のデータにソリューションをスケールアップすることを希望した場合に、このようなソリューションを無償で配布でき、SQL Server 2000 テクノロジに簡単に移行できるものです。

以下に例を示します。

  • 開発者は、通常は SQL Server 2000 に同梱されている MSDE 2000 の製品版の入門版や試用版を提供できます。
  • 開発者は、製品で完全なスケーラビリティを提唱できます。つまり、ユーザーがアプリケーションを拡張して企業全体で使用できるようにすることを希望する場合に、アップグレードや変換は必要ありません。
  • 企業開発者は、ソフトウェア開発の投資を完全に活用できます。つまり、当初はデスクトップや小さな部門で使用することを目的としていたアプリケーションを、1 行のコードも変更することなく、必要に応じて、企業全体で利用できることが保証されます。

トピック

ライセンス
配布方法
Windows インストーラでの MSDE 2000 の使用
Windows インストーラ以外のプログラムを使用した MSDE 2000 のセットアップ
MSDE 2000 データベース インスタンスの手動セットアップ
MSDE 2000 と Office アプリケーションの統合

ライセンス

開発者は、SQL Server 2000 Developer Edition、Microsoft Visual Studio® .NET 開発ツール、または Microsoft Office 2000 Developer Edition でビルドされた MSDE 2000 ソリューションを無償で配布できます。再配布と費用に関する完全な条項については、使用許諾契約書 (EULA) を参照してください。

ページのトップへ

配布方法

MSDE 2000 には、アプリケーション開発者が再配布可能なリレーショナル データベース エンジンをインストールするための機能が用意されています。この機能は、カスタム アプリケーション セットアップ プロセスの一環として SQL Server 2000 と完全に互換性があります。MSDE 2000 を使用するアプリケーション ソリューションでは、構成とリソースが動的に管理されるデスクトップ エンジンにデータを格納できます。そのため、余分なグラフィカル ツールや管理ユーティリティが不要になります。これにより、MSDE 2000 はデスクトップおよびラップトップ アプリケーションに埋め込むための理想的なデータベースになります。

アプリケーション開発者が MSDE 2000 のインストールをアプリケーション セットアップに組み込むには、2 種類の方法があります。データベース エンジンのインストール後、開発者は標準の SQL Server プログラミング インターフェイス (API) を使用して、データベース オブジェクトをビルドおよび管理できます。

ページのトップへ

Windows インストーラでの MSDE 2000 の使用

MSDE 2000 は、Microsoft Windows® インストーラ テクノロジを使用して、Windows インストーラ マージ モジュールのセットとして出荷されています。アプリケーション開発者は、カスタマイズされたアプリケーションのセットアップ中に、これらのマージ モジュールを使用して MSDE 2000 のインスタンスをインストールします。この操作を行うには、マージ モジュールを標準の Windows インストーラ セットアップ プロシージャに統合するか、カスタム アプリケーションのセットアップ プログラムで Windows インストーラを呼び出します。

アプリケーションで使用しないと考えられる特定機能のマージ モジュール (レプリケーション、分散管理オブジェクトなど) を除外することで、埋め込みのデータベース エンジンの占有領域を削減できます。

Windows インストーラ テクノロジを使用して MSDE 2000 をアプリケーションに統合する方法の詳細については、MSDN® サイトで 「Windows Installer への Desktop Engine のマージ」 を参照してください。

ページのトップへ

Windows インストーラ以外のプログラムを使用した MSDE 2000 のセットアップ

Windows インストーラ以外のプログラムを使用して、アプリケーションの MSDE 2000 インスタンスをセットアップするために、MSDE 2000 には Setup.exe ユーティリティ ファイルが用意されています。このファイルにより、Windows インストーラを呼び出すシェルが開かれ、MSDE 2000 のインスタンスがインストールされます。Setup.exe では MSDE 2000 をインストールする方法をカスタマイズするための設定を定義できます。このような設定は、コマンド プロンプト スイッチ、または .ini ファイルを使用して指定できます。Setup.exe ユーティリティの他、16 個の MSDE 2000 インストーラ パッケージ (SQLRun##.msi) を配布する必要があります。各インストーラ パッケージが一意の MSDE 2000 インスタンスになります。

アプリケーション セットアップ プロセスでは、MSDE 2000 のインスタンスをインストールする前に、まず、提示されたインスタンス名が SQL Server の他のインスタンスによってまだ使用されていないこと、また、コンピュータに 17 個以上のインスタンス (または 16 個以上の名前付きインスタンス) がインストールされていないことを確認する必要があります。これらの制限を越えた場合、グローバル一意識別子 (GUID) がクラッシュする可能性があります。SQL Server 2000 には、これらのチェックを実行するための 2 つの API 関数が用意されています。

MSDE 2000 インストーラ ファイルの配布を管理する方法の詳細については、MSDN の「Managing Desktop Engine Installation Package Files (英語)」 を参照してください。

セットアップ ユーティリティは、Windows インストーラがインストール先のコンピュータにインストールされているかどうかの確認も行います。Windows インストーラが検出されない場合、セットアップ ユーティリティにより Windows インストーラがインストールされます。その後、セットアップ ユーティリティにより、この特定のインストール用の未使用の MSDE 2000 インストーラ パッケージが選択されます。

アプリケーションで MSDE 2000 の複数のインスタンスをサポートする場合、このことが特に重要になります。独自の Windows インストーラ パッケージを作成せずに MSDE 2000 をインストールすると、GUID がクラッシュする危険性が増大します。

アプリケーションで MSDE 2000 の複数のインスタンスをサポートしない場合、他の同一の MSDE 2000 インスタンスが対象のコンピュータにインストールされないことを確認したら、複製または作成した GUID 付きの Windows インストーラ パッケージを配布し、Msiexec.exe ユーティリティの呼び出し時にこの Windows インストーラ パッケージ ファイル名を渡すことができます。この場合、16 個の MSDE 2000 インストーラ パッケージを配布する必要はありません。

MSDE 2000 の Setup.exe ユーティリティを使用する方法の詳細については、MSDN の「Customizing Desktop Engine Setup.exe (英語)」 を参照してください。

ページのトップへ

MSDE 2000 データベース インスタンスの手動セットアップ

Windows インストーラ ベースのセットアップ プログラムを使用しないアプリケーションでは、Windows インストーラを直接呼び出すことで MSDE 2000 のインスタンスをインストールすることもできます。この操作は、Msiexec.exe を直接呼び出すことで行います。この操作を行うのは、通常、アプリケーション セットアップ プログラムで、Windows インストーラのコールバック関数を含む DLL を利用できる場合です。このコールバック関数は、MSDE 2000 Windows インストーラ マージ モジュールによって生成されたリターン コードを処理できるものになります。

サンプル インストール プロシージャを参照するには、MSDN の「Desktop Engine Installation Samples (英語)」 を参照してください。

ページのトップへ

MSDE 2000 と Office アプリケーションの統合

MSDE 2000 は、Microsoft Office XP のインストール中には自動的にインストールされません。インストール ファイルは、Office XP CD-ROM の \MSDE2000 フォルダにあります。Setup.exe を実行すると、インストールが開始されます。

コンピュータに MSDE 2000 をインストールした後、Microsoft Windows 98 以降を実行する場合、SQL Server サービス マネージャを起動する (タスク バーの MSSQLServer アイコンをダブルクリックして [開始/再開] をクリックする) 必要がある場合があります。MSDE 2000 は、Microsoft Windows NT® 4.0 以降を実行しているコンピュータでは自動的に開始されます。Windows 98 以降で MSDE 2000 を自動的に開始するには、SQL Server サービス マネージャ ウィンドウの [OS 起動時にサービスを自動的に開始] チェック ボックスをオンにします。

ページのトップへ