ツールボックスIT プロフェッショナル向けの新製品

Greg Steen

ネットワーク システムを監視する

ActiveXperts Network Monitor

activexperts.com

システム管理者であれば、ユーザーが驚いたプレーリー ドッグのように各自のパーティションから飛び出してくる前に、問題が発生したことを把握できるのが望ましいでしょう。サービスの監視は、インフラストラクチャを積極的に管理するのに重要なツールです。ActiveXperts Network Monitor は、さまざまなチェック機能を含む堅牢なソリューションです。このチェックは、LAN と WAN のどちらに対しても行うことが可能で、Windows®、Novell、および *NIX (UNIX など) サーバーに対して実行し、ユーザーから問題の報告を受ける前に問題を把握することができます。

ActiveXperts Network Monitor は、監視ステーションとして指定したコンピュータ上で、サービスとして実行される Windows ベースのアプリケーションです。このコンピュータのオペレーティング システムとしては、Windows 2000、Windows Server® 2003、Windows XP、または Windows Vista® のいずれかを実行できます。インストール後、簡単な構成ウィザードの指示に従って、電子メール通知、SMS 通知、および既定のスキャンの頻度や障害のしきい値を設定できます。また、一連のサンプル チェックを追加して、構成のサンプルとして利用できます。このサンプルにより、すぐにツールを実行し始めることができ、環境のニーズに合わせて、アプリケーションのさまざまな機能を構成する基本的な方法を学習できます。

このアプリケーションは 3 つのコンポーネントに分けることができます。Network Monitor Engine は、継続的に監視タスクを実行する Windows サービスです。Network Monitor Manager は、現在の監視状況を確認し、タスクの結果を参照して、構成を変更できる Windows アプリケーションです。また、Web インターフェイスを使用すると、タスクとタスクの結果に読み取り専用でアクセスできます。

Network Monitor Engine では、監視チェックを実行するだけでなく、通知、チェック結果により発生した動作、およびアプリケーションのログを処理します。また、マルチスレッドで実行できるので、環境に合わせて拡張できます。このサービスには、監視チェックを実行するのにエンドポイントのエージェントは必要ありませんが、リモートの Windows サーバーやワークステーションを監視するには管理者の資格情報が必要です。さいわい、複数の資格情報を指定できるので、ドメインやセキュリティ コンテキストが異なるものを監視する場合でも、監視ソリューションを実行するために全面的な権限のある単一のアカウントを用意する必要はありません。

最もよく使用するのは、おそらく Network Monitor Manager でしょう。このアプリケーションを使用すると、すべての機能と構成設定をきめ細かく制御できます。また、監視タスクをツリー形式のフォルダ構造に編成できるので、現在の UI ビューをフィルタして特定の監視タスクを簡単に調べるのに役立つだけでなく、大規模な環境ですばやく必要な項目を探し出すのにも役立ちます。

新しい監視チェックは簡単に追加できます。Network Monitor には、IP とプロトコル (ICMP、LDAP、SMTP、HTTP など) のチェック、Windows のチェック (CPU、プロセス、メモリ、ターミナル サーバーのチェックなど)、ODBC 接続、Oracle TnsPing、OLEDB クエリ ベースのデータベース チェック、Novell メンバシップのチェック、および *NIX RSH のチェックなど、約 40 個のチェック機能が組み込まれています。さらに、SensaTronics 社の環境モニタをネットワークで使うと、詳細な環境情報 (温度、湿度、水漏れなど) を監視することもできます。

このアプリケーションでは、カスタムの VBScript や Remote Shell スクリプトをサポートするので、監視タスクを必要に応じて調整することができます。このアプリケーションには、ウイルス対策プログラム、Microsoft® ISA Server、XML クエリなど、さまざまなサービスを監視する VBScript テンプレートが用意されているので、独自の監視タスクを作成する場合も、ゼロからスクリプトを記述する必要はありません。

タスクごとにチェックの頻度と障害のしきい値を設定できます。ログの記録タスクや IIS アプリケーション プールのリセットのような、他の実行中のプロセスの結果を検証する場合など、必要に応じて、特定の日時にチェックを実行するようスケジュールできます。また、指定したサービスを再起動するだけでなく、チェックが失敗したとき、または回復したときに実行する実行可能ファイル、スクリプト、およびバッチ ジョブを指定することもできます。最後に、Web インターフェイスを使用して、XSL で変換された XML 形式の結果データを表示できます。スタイルシートは、簡単に変更して、ネットワーク運用センター (NOC) やモバイル デバイス用のカスタム ビューを作成できます。また、データが XML 形式なので、他のアプリケーションや情報集約システムでも簡単に使用することができます。

価格 : 直販、5 サーバー ライセンス 395 ドル~

すぐに開始できるサンプル チェックが用意された ActiveXperts Network Monitor

すぐに開始できるサンプル チェックが用意された ActiveXperts Network Monitor(画像を拡大するには、ここをクリックします)

ブック レビュー

Windows Vista Resource Kit

microsoft.com/mspress/books/9536.aspx

Windows Vista クライアントをインフラストラクチャに導入し始める組織はますます増加しています。これに伴い、IT プロフェッショナルは、この新しいオペレーティング システムで利用できるツールを把握する必要があります。新しく出版された『Windows Vista Resource Kit』(Microsoft Press®、2007) では、企業で Windows Vista クライアントを適切に実装するのに必要な情報やツールの大部分を提供しています。インストールの自動化とボリューム ライセンス認証から、デスクトップの管理と保守、および IPv6 ネットワークとリモート アシスタンスまでのあらゆる項目を網羅しています。**1,568 ページの本文に加えて、この書籍にはサポート DVD が付属しています。この DVD には、管理と展開のための 100 を超えるスクリプト、一連のデバッグ ツール、Solution Accelerator for Business Desktop Deployment (BDD)、およびその他の便利なツールが収録されています。

この書籍では、冒頭で Windows Vista の新機能を簡単に説明した後、ユーザー アカウント制御 (UAC)、BitLocker ドライブ暗号化、データ実行防止 (DEP) など、セキュリティの強化について詳しく説明しています。また、サービスのセキュリティ強化機能とカーネル修正の保護の概念についても説明しています。その後、Windows の展開に話題を移して、プロセスの自動化に役立ち、自在に使える多数のツールについて紹介します。たとえば、Windows PE 2.0 のプレインストール環境と回復環境の構成を取り上げ、企業での Windows Vista の計画と展開に関するガイドを提供する BDD 2007 について詳しく説明しています。さらに、ディスク イメージの作成と構成に関するベスト プラクティスや、Windows 転送ツールとユーザー状態移行ツールを使ってユーザー データを移行する方法に関する詳しい説明もあります。

次に、グループ ポリシーを使用したデスクトップ環境の管理について詳しく説明し、新しい XML ベースの管理用テンプレート ファイル (ADMX) についても説明しています。また、ディスクやファイル システムの管理について説明し、Windows Vista の新しい ReadyBoost と BitLocker の機能強化についても取り上げています。以前のバージョン、シャドウ コピー、およびディスク クォータのしくみを説明し、続いて、ワークグループ、ドメイン、およびアドホック ワイヤレス環境での Windows ミーティング スペースの展開方法についても説明しています。

「Desktop Maintenance」セクションでは、タスク、Windows エラー報告、パフォーマンスの監視、および Windows イベントを取り上げています。また、ヘルプ デスクでのリモート アシスタンスの使用方法も紹介しています。続いて、ソフトウェアの更新、バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS)、Windows Update、および監査ツールについても説明しています。

「Networking」セクションでは、Windows ファイアウォールのしくみを詳しく紹介し、ネットワーク スタックの新しく強化された点を説明しています。また、リモート デスクトップと VPN 接続を使用して、リモート ユーザーとネットワークを構成する方法についても紹介しています。

最後に、起動、ネットワーク、ドライバのエラー、デバイスの問題など、幅広い問題のトラブルシューティングを取り上げています。マーケティング用語が多少使用されている感じはありますが、決して、つまらない話が 1,500 ページ以上続いているわけではありません。この書籍では、Windows Vista、そのツール、および Vista の管理について詳しくかつ総合的に説明しています。

価格 : 59.99 ドル (直販)

HTTP トラフィックを分析する

Charles Web Debugging Proxy

xk72.com/charles

アプリケーション、ワークステーション、サーバー、およびインターネットの間で膨大な量の HTTP ベースの通信が行われていることを考えると、優れた HTTP トラフィックの分析ツールはシステム管理者にとって非常に便利です。このようなツールは、プロキシの問題、セキュリティ上の問題、接続エラー、構成上の問題、およびアプリケーション間の通信に関する問題を特定するのに役立ちます。その 1 つが、Karl von Randow の Java ベースのアプリケーション、Charles Web Debugging Proxy です。

このアプリケーションは、他のデバッグ プロキシと同様にある種の "中間者" (man-in-the-middle) として設定されます。つまり、エンドポイント アプリケーションの間に介在し、検出したトラフィックをインターセプトして解釈します。この構成によって、暗号化された HTTP トラフィックを、復号化されたテキスト形式で参照することができます。UI では、記録されたセッションがわかりやすくまとめて表示されるので、ページ、画像、スクリプト、スタイルシートなどの基本的な要求から、サイズ、待ち時間、タイミングなどの詳細まで、さまざまな情報を確認できます。また、要求ごとに送受信されている Cookie やその内容を確認でき、すべての Cookie をブロックすることもできます。

Charles Web Debugging Proxy を使用して、要求のキャッシュに関する問題をトラブルシューティングすることができます。これは、"304 Not Modified" という応答の最新更新日を検証するか、または関連する要求や応答がこのアプリケーションを通過する際に、そこからキャッシュに関するヘッダーを削除してキャッシュを無効にすることで実行できます。このアプリケーションの書き換え設定を利用して、要求や応答がこのアプリケーションを通過する際に、さまざまな HTTP ヘッダーや本文の内容を書き換える一連のルールを定義することができます。また、DNS のスプーフィング設定を使用すると、ホストの IP アドレスを上書きして、DNS に登録されていない可能性があるアイテムに対する要求をテストすることもできます。この機能はテストで役に立ちます。たとえば、新しい Web サーバーを実際に運用する前に、そのサーバーがホスト ヘッダーを適切にリッスンして、応答しているかどうか確認できます。

また、このツールを使用して、AJAX の要求と応答をデバッグして、要求に含まれる生の XML データを確認することもできます。さらに、UI には、要求と応答の生データがテキストで表示されるので、おかしなヘッダーを見つけることができます。

このツールには、データ トランザクションを実際に確認できる Summary (概要) テーブルと Chart (グラフ) テーブルという 2 つのすばらしいデータ レイアウトが用意されています。Summary (概要) テーブルでは、要求と応答のデータをすばやくスキャンして、ヘッダーのサイズ、本文のサイズ、応答時間、応答コード、MIME の種類、およびリソースを表示できます。一方、Chart (グラフ) テーブルでは、視覚的なライフサイクル タイムラインが提供され、要求と応答のデータが発生したシーケンスの位置と、トランザクションにかかった時間が表示されるようになります。

記録セッションを保存して、後で再生したり、分析したりすることができます。この機能は、散発的な通信エラーを引き起こす、複雑な要求や応答のフローをキャプチャするのに役立ちます。キャプチャしたフローは再現できます。さらに、CSV 形式または HTTP トレース形式で、現在のセッションをエクスポートできるだけでなく、HTTP トレース ファイルを新しいセッションにインポートすることもできます。

企業のネットワークでは要求が成功するのに 56k モデムの回線では失敗する理由を探る場合など、低帯域幅での要求をシミュレーションできるように、このアプリケーションには調整機能も用意されています。この機能では、一般的な一連の初期設定から選んだり、4 つの調整点 (帯域幅、使用率、ラウンドトリップの待ち時間、および最大転送ユニット) を基に新しい初期設定を定義したりすることができます。また、デバッグ プロキシを構成して、リバース プロキシまたはポート フォワーダとして利用することもできます。このように構成すると、ローカル ポートがリモート エンドポイント (およびポート) にバインドされ、そのポートに送信されるトラフィックはすべてリモートのアドレスにリダイレクトされます。

価格 : 直販、1 ユーザー ライセンス 50 ドル~

HTTP トラフィックを分析する Charles Web Debugging Proxy

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不要なファイルを削除する

Wise Disk Cleaner 2

wisecleaner.com

ハード ディスクは家に似ています。時間とともに、本当は要らない物がたまっていきます。ときどき、少し時間をとって、このがらくたの大掃除をするのは良い考えでしょう。ハード ディスクの整理には、システム ツールのディスク クリーンアップ、検索機能など、組み込みの Windows ツールを使った一般的な方法があります。しかし、すばやく簡単に使えるユーティリティが適していることもあります。特に、無償で入手できる場合はそうでしょう。そのようなツールの 1 つが Wise Disk Cleaner 2 で、このツールは、ハードディスクにある厄介なファイルを探し出し、システムから安全に削除できるごみを収集します。

このツールで私がとても気に入っている点は、検出されたすべてのファイルが UI に表示されるので、潜在的な問題を簡単に突き止めることができる点です。もう 1 つの優れた機能は、確認や削除の対象にするファイルのパターンを簡単に追加できることです。また、Wise Disk Cleaner では、必要に応じてインターネット一時ファイルを削除したり、Cookie を維持するようにして Cookie に含まれているサイトの設定が失われないようにしたりすることもできます。Windows Update の更新元、最近使ったファイル、Windows およびユーザーの一時フォルダを削除できるだけでなく、Windows Update のアンインストール ファイルを削除することもできます。さらに、項目を完全に削除するか、単にごみ箱に移動するかどうかを設定して、このアプリケーションを自動実行できます。アプリケーションの活動はログに記録されるので、後で確認できます。無償ツールにしては上出来です。

価格 : 無償

安全に削除できるファイルを検出する Wise Disk Cleaner 2

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ネットワーク デバイスを管理する

iReasoning Networks MIB Browser Personal Edition

ireasoning.com/mibbrowser.shtml

簡易ネットワーク管理プロトコル (SNMP) 対応のネットワーク デバイス、アプリケーション、またはシステムが、インフラストラクチャにある場合、iReasoning Networks MIB Browser を使用すれば、一連の管理情報ベース (MIB) ファイルを読み込んで、階層構造をエクスプローラと同じようなビューで参照することができます。このビューでは、オブジェクト識別子 (OID)、構文、読み取りや書き込みのアクセス権、説明など、選択したオブジェクトの詳細を確認できます。

また、UI を使用して簡単に SNMP 要求を発行して、ネットワーク デバイスからデータを取得できます。必要な作業は、デバイスの IP アドレスを入力し、MIB オブジェクトを選択して、[Go] (検索) をクリックするだけです。必要に応じて、ポート、SNMP 要求のバージョン、および読み取りと書き込みのコミュニティ文字列を設定することもできます。エージェントに変更を加えるのも同じくらい簡単です (ただし、デバイスで変更が可能な場合に限ります)。OID、データ型、および値を選択し、[OK] (OK) をクリックするだけです。さらに、トラップを発行してトラップの活動を監視できる、Trap Sender と Trap Receiver というユーティリティが組み込まれています。このトラップには、フィルタを適用して、特定のデバイスの状態を簡単に確認できます。

iReasoning Networks MIB Browser Personal Edition は無償ですが、SNMPv3 をサポートせず、同時に読み込める MIB は 5 つまでに限られます。Personal Edition の機能がニーズを満たさない場合は、追加機能が含まれ、SNMPv3、ネットワーク探索、およびデバイスの比較をサポートする Professional Edition (直販、1 ライセンスあたり 269 ドル) の購入を検討することをお勧めします。

価格 : 無償

iReasoning Networks MIB Browser

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Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、新製品のファンでもあります。より簡単な操作と開発の作業に役立つ IT プロフェッショナルのためのツールと方法を日夜追い求めています。

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