フィールド ノート1 日で最も重要な作業

Eric N. Bush

ビル・ゲイツは、 年に 2 回、「考える週」と称して休暇を取ります。そして、この間は、人との接触、電話、電子メールを絶ち、読みものに没頭します。マイクロソフトと世界中のテクノロジの状況について、じっくり考えます。マイクロソフトや他の企業が取り組みんでいるものごとを理解して、より戦略的に前進するための方法を思案します。彼は、よく考えることと、計画を立てることの重要性を理解しています。

私たちは、日々、考えたり、構想を練ったり、問題を解決したり、作業に優先順位を付けたり、目標を設定したり、空想にふけったりする時間を確保することでメリットを得られます。この作業は、毎日同じ時間と場所で行い、その間は他のものとの接触を避けるようにします。この際、最も重要な作業は、その日に行う作業の計画を立てて、優先順位を付けることです。管理する立場にある場合は、他の人の作業の計画を立てたり、作業の優先順位を付けることに、1 日の大半を費やしていることでしょう。

社内ネットワークの管理、ミッションクリティカルなデータベースの管理、エンタープライズ インフォメーション システムのデザインや管理などでは、その作業内容に関係なく、重要な作業の進捗を止めてしまう問題が日常的に発生します。そのため 1 日の作業が終わったときに、作業が予定より進んでいるのか、それとも遅れているのかを把握することができません。

IT プロフェッショナルに必要なことは、予防策を講じ、手際の良い用意周到な状態を維持して、IT にかかわる緊急事態に対応できるようになることです。計画を立てることによって、受身ではなく主体的に行動できるようになります。そして、このような変化をもたらすには、じっくり考えたり、計画を立てたり、優先順位を付けたりする作業が必要となります。このような作業を行うことで、"進行中"、"至急"、"作業予定" という 3 つのカテゴリに分類された作業リストを管理して、毎日、このリストを確認してから作業に取り掛かることができるようになります。このリストを使用すると、危機的な状況が発生するのを回避するソリューションの作成時間を確保できます。

進行中リストにある作業には、すぐに取り掛かることが重要です。このリストにある重要な作業は、日々、進めることが必要不可欠です。企業とグループにとって重要な目標を最初に実現します。このような目標に直接影響しない作業は、リスト内の優先順位を下げます。管理する立場にある場合は、すべての従業員が優先度の高い項目に対して歩調を揃えるのに役立つプロセスを導入します。

通常、至急リストと作業予定リストは、会社の時間とお金を節約し、競争力を高めるのに役立つ戦略的な計画を立てるためのものです。このような作業を特定したら、時間をかけながら入念に追求し、その優先度が高まった時点で、進行中リストに移動します。

このような優先順位を付けたリストを作成しても、何かを達成したことにはならないという点を忘れないでください。次に、リストにある作業を遂行する際のヒントをご紹介します。

  • まず、簡単かつ迅速に片付けられる作業に着手します。
  • 次に、あまり好きではない作業に着手します。
  • 最後に、楽しくてやりがいのある作業に着手します。
  • 関連性の低い作業間での切り替えは避けます。可能な限り、関連性のある作業をまとめて行うようにします。
  • ただし、ある作業で行き詰った場合は、その作業を遂行できるようになるまで、次の作業を進めます。
  • 自分が担当する意味がないと思う作業は他の人にお願いするか、作業を断ります。または、代案を出します。
  • 自分にとって一番効率の良い時間帯を見極めます。この時間帯は、重要な作業をする時間として確保します。

自分の時間を有効に計画する方法を理解することは、仕事で最高の結果を出すのに役立ちます。計画を立てずに人生を漠然と過ごしている人は、その行き着く先に、心の底から満足することはありません。というのも、そのような人は、そもそも自分がどのようなところを目指しているのかを把握していないからです。

Eric N. Bush は、Microsoft Engineering Excellence グループのソフトウェア開発担当者です。社内コンサルタントおよびインストラクタとして、ヒューマン スキル、プロセス、およびテクノロジの分野における技術力と組織力の強化を推進しています。連絡先は ericbush@microsoft.com (英語のみ) です。

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