ユーティリティ スポットライトWindows Easy Transfer Companion

Lance Whitney

この記事は、Windows Easy Transfer Companion のプレリリース版を基にしています。ここに記載されているすべての情報は、変更される場合があります。

そろそろ、 古い Windows® XP コンピュータを使用しているユーザーを新しい Windows Vista® コンピュータに移行する時期に来ていることでしょう。移行における最大の課題は、ユーザーのアプリケーションを新しいコンピュータに再インストールして、それらのアプリケーションが問題なく動作することを確認する作業です。マイクロソフトが無償で提供しているツールを使用すると、このような再インストール作業を行わずに済ませることができます。Windows Easy Transfer Companion (WETC) を使用すると、重要なソフトウェア プログラムを Windows XP から Windows Vista にコピーできます。

現在ベータ版が提供されている WETC は、Windows Vista に用意されている Windows 転送ツール ウィザードとは異なります。Windows 転送ツール ウィザードではデータ ファイル、プログラム設定、ユーザー プロファイルがコピーされますが、WETC では、対象が Windows XP SP2 から Windows Vista へのコピーに限定されるものの、アプリケーション全体がコピーされます。この転送処理は、管理者アカウントを使用して実行する必要があります。

WETC は、コピー元とコピー先の両方のコンピュータにインストールします。コンピュータは、ネットワーク経由または USB 転送ツール ケーブルを介して通信できます。転送ツール ケーブルのドライバは Windows Vista に含まれています。Windows XP については、製品 CD からドライバをインストールする必要があります。

WETC では、カテゴリ別に分類された転送可能なアプリケーションの一覧が表示されます

WETC では、カテゴリ別に分類された転送可能なアプリケーションの一覧が表示されます  (画像を拡大するには、ここをクリックします)

ケーブルを接続したら、Windows XP コンピュータで WETC を起動します。WETC では、ハード ドライブをスキャンし、基本的なシステム情報を収集し、インストールされているすべてのプログラムを分析します。この処理が完了したら、Windows Vista コンピュータで WETC を実行します。WETC は Windows XP コンピュータと通信し、検出されたすべてのアプリケーションを次の 3 つのカテゴリに分類した状態で一覧表示します (上記のスナップショット参照)。

  1. Programs that transfer well (問題なく転送されるプログラム) - 問題なく転送され、Windows Vista コンピュータで動作するソフトウェアです。
  2. Programs that transfer with possible limitations (なんらかの制限を伴う可能性はあるが転送できるプログラム) - 転送はできますが、適切に動作しない可能性があるソフトウェアです。
  3. Programs that will not be transferred (転送されないプログラム) - Windows Vista では動作しないため、転送対象に含められないソフトウェアです。

正常に転送できないプログラムについては、WETC によってそれぞれ簡単な理由が提示されます。通常、アプリケーションがコピーされない原因としては、インストーラ情報やその他の重要なデータが不足している、Windows Vista と互換性がない、または既に Windows Vista コンピュータに存在していることなどがあります。また、WETC では、ウイルス対策ソフトウェアやシステム ユーティリティなどの特定の種類のアプリケーションはコピーしません。さらに、Microsoft .NET などの OS のフレームワークも転送されません。そのため、このようなソフトウェアは、これらを必要とするアプリケーションをコピーする前に、Windows Vista にインストールしておく必要があります。

プログラムの一覧で、コピーするプログラムのチェック ボックスをオンにします。ヘルプ画面では、コピーするプログラムを決めるのに役立つ情報や問題の解決方法を入手できます。また、転送されるプログラムと転送されないプログラムが一覧表示された転送前のレポートを保存できます。

転送処理を進めると、各プログラムの関連データがコピーされます。転送処理が完了すると、コピーが完了したプログラムとエラーが発生したかどうかを示す状態メッセージが表示されます。詳細な情報が記載された転送後のレポートも保存できます。WETC を終了したら、Windows Vista コンピュータを再起動してログインし、転送されたプログラムを実行して、問題なく動作することを確認します。

問題がある場合は、Windows Vista の WETC Programs フォルダにある Resources ツールへのショートカットを使用します。Resources ツールには Undo (元に戻す) 機能があり、この機能を使用して Windows Vista コンピュータにコピーされたすべてのアプリケーションを削除できます。ただし、この情報の有効期限は 3 日間です。Windows Easy Transfer Companion の詳細と最新版のダウンロードについては、support.microsoft.com/kb/931696 を参照してください。

Lance Whitney は、IT コンサルタントであり、トレーナーであり、テクニカル ライターでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、15 年前、IT 業界への転向を実現しました。

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