フィールド ノートPC を寄付する

Jim Lynch

一般的に コンピュータを廃棄するのに最もコスト効率が良い方法は、2003 年に The Gartner Group の Frances O'Brien が執筆した調査報告書「PC の 廃棄 : TCO の実態」にまとめられているとされています。この PC の廃棄に関して比較分析を行った調査では、コンピュータを廃棄する方法として 6 つの方法が挙げられていますが、コンピュータ機器を寄付することが最もお金のかかる廃棄方法だとされています。その理由は、コンピュータを寄付として受け付けている適切な慈善団体を見つけるのに時間がかかるというものでした。

寄付に関するヒント

TechSoup.org では、寄付する場合と寄付を受ける場合に関する他のヒントも紹介しています。詳細については、techsoup.org/recycle を参照してください。寄付する場合に考慮する必要があることには、次のようなものがあります。

  • 新しいハードウェアにアップグレードしたら以前の IT 機器は手放しましょう。コンピュータ機器を再利用する価値があるのは 5 年間と言われています。また、一般的に、携帯電話の寿命は 3 年間と言われています。
  • 購入してから 5 年未満の IT 機器は慈善団体や学校に直接寄付するのではなく再利用業者に寄付しましょう。
  • キーボード、マウス、プリンタ、モデム、ソフトウェア ディスク、マニュアルなど、コンピュータ機器の付属品も併せて提供しましょう。
  • ご自身の記録として寄付したもののメモを残し、受領書を発行してもらいましょう。非営利の再利用業者にコンピュータ機器を寄付すると税額控除の対象となります。米国では、法人として寄付した場合はコンピュータの原価未償却分に相当する金額の控除を、個人として寄付した場合はコンピュータの現在の市場価格に相当する金額の控除を受けられます。コンピュータの適正市場価格については、「Used Computer Evaluator」(servlets.edeal.com/servlets/PcEval) を参照してください。

現在、まったく別の事態が発生しています。たとえば、最近、米国の EPA では「Do the PC Thing」という推進事業を展開し、古くなったハードウェアを再利用する際に必要な情報とリソースの一覧を提供しています。これは、EPA が電子機器のリサイクルと再利用に関する国民意識を高めるためのサイトとして公開している「Plug-In To eCycling」(epa.gov/plugin/) の一環として行っているものです。Reuse It! というリンクをクリックして、一般消費者向けの記事または法人向けの記事をご覧ください。

このサイトでは、ハードウェアを寄付またはリサイクルする際の最重要事項は、自衛であることが説明されています。「Do The PC Thing」推進事業では、ハード ドライブのデータ消去、データのセキュリティと機密性に関する法的必要条件に関する基本方針について説明しています。耐久年数を経たリサイクルと再利用のどちらの目的でコンピュータを廃棄する場合も、パスワード、ドキュメント、クレジット カード情報、電子メール メッセージ、Web ページのログなどの機密情報は削除する必要があります。

多くの電子機器のリサイクル業者、再利用業者、資産管理企業では、ハード ドライブを廃棄するか、データを上書きして元のデータを復元できないようにするディスク クリーニング ソフトウェア ユーティリティを使用することで、データのセキュリティを確保するサービスを提供しています。再利用するコンピュータのハードウェアの構成は変更しないのが望ましい状態です。

信頼性の高いディスク クリーニング ソフトウェアは、米国の国防総省が規定した仕様 5220.22-M が採用されているものです。このようなソフトウェアを使用したデータ消去では、ハード ドライブ上のアドレス指定可能な全領域に対して体系的に文字を上書きし、上書き処理を承認します。その後、ランダムな文字を使用してアドレス指定可能な全領域にデータを再度上書きします。2004 年に、米国の国家安全保障局 (NSA Advisory LAA-006-2004) は、国防総省が規定した仕様に準拠したソフトウェアを使用してデータを 1 回上書きすれば、電子ファイルが復元できない状態になることを突き止めました。

自分自身でデータを処理することは簡単になりました。無料で使用できるソフトウェアで定評のあるものには、Active@ Kill Disk Hard Drive Eraser (killdisk.com/eraser.htm)、Darik's Boot and Nuke (dban.sourceforge.net) などがあります。複数のコンピュータのデータを消去する必要がある場合は、Blancco Data Cleaner (blancco.com) や WipeDrive (whitecanyon.com) などのより堅牢な商用アプリケーションの使用を検討することをお勧めします。

使用している IT 機器が購入してから 5 年以上経過していたり、損傷がひどい場合、Gartner の調査結果に記載されている 6 つの廃棄方法のうち適切なのは、耐久年数を経たリサイクルです。米国では、900 社以上もの企業がコンピュータを廃棄するサービスを提供しています。古くなった IT 機器を適切にリサイクルするには、Electronic TakeBack Coalition (www.computertakeback.com/the_solutions/recyclers_map.cfm) に掲載されている信頼できるリサイクル業者の一覧を参照してください。

Jim LynchTechSoup.org でコンピュータのリサイクルと再利用についてのプログラム ディレクタをしています。TechSoup はサンフランシスコに拠点を置くハイテク関連の非営利組織で、世界各国の慈善団体を対象にハードウェア、ソフトウェア、ノウハウをとても安く供給することを使命としています。

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