ツールボックスIT プロフェッショナル向けの新製品

Greg Steen

管理タスクを自動化する

Automise 2

automise.com/automise.aspx

考える必要のない反復タスクは、退屈で、面倒で間違いが生じやすいものです。このようなタスクを自動化することは管理を適切に行うための鍵であり、仕事に対する満足度も向上します。面白みのないバッチ ファイルやカスタム VBScript を使用してタスクを自動化するだけでなく、Windows® 用のマクロに似た多くのユーティリティやカスタム スクリプト言語の学習が必要なユーティリティなど、多数の手段があります。そしてもう 1 つの方法があります。VSoft Technologies の Automise 2 です。Automise 2 を使用すると、ドラッグ アンド ドロップ操作による自動化ルーチンの作成、GUI のカスタマイズなどを行うことができます。

このアプリケーションのインターフェイスは、使い慣れたオプションを備えた単純なプログラミングの IDE によく似ています。デザイナ画面にドラッグする項目が含まれるツールボックス、コードをステップごとに検証できるデバッグ コントロール、さまざなプロジェクトのビュー、出力実行ログ、履歴、プロパティ ウィンドウなどが用意されています。ただし、Automise では、"コード" は実際には自動化されたタスクのワークフローを表現したものを指します。

Automise のツールボックスはアクションで構成され、各アクションは自動化プロセスの単一のステップを実行します。380 個のアクションが用意されており、.zip ファイルの作成から IIS の再起動に至るまで、あらゆる操作を行うことができます。

タスクを設計するときに、これらのアクションを階層構造にして、定期的に実行する多くの管理プロセスを自動化できます。さらに、try/catch ブロック、例外の発生、if-then-else ステートメント、ループ、スイッチ、遅延、非同期アクション グループなどのフロー制御アクションでアクションをつなぐことができます。

各自動化プロジェクトに他のプロジェクトを含めて、マスタの制御フローをサブタスクから分離することもできます。文字列と XML データの操作、変数の設定、プロセスとコマンドの待機などのアクションもあります。これらのあらゆるフロー制御オプションを使用することで、さらに複雑な操作を自動化できます。

Automise では、スケジュールされたタスクの作成、実行、編集、および削除を行うことができます。つまり、Automise を使用して既存のプロセスも管理できます。スペースが足りないのですべてのアクションを記述することはできませんが、その他の注目すべきアクションとして、グローバル アセンブリ キャッシュ (GAC) への DLL の登録、SQL Server® インデックスの再構築、chkdsk の実行、レジストリの編集、イベント ログのバックアップ、Active Directory® ユーザーの編集、ボリュームのマウント、復元ポイントの作成、仮想ディレクトリの作成などがあります。組み込みのアクションで目的の処理を実行できない場合は、カスタム スクリプト、コマンド、およびアドホック SQL 実行アクションを使用できます。

全体として見れば、Automise は自由に使用できる便利なツールです。ネットワーク インフラストラクチャではなく独自の Windows ワークステーションだけを自動化する場合は、Automise Lite をお試しください。Automise Lite では、多くの機能が省かれていますが、パワー ユーザーのほとんどのニーズに対応できます。

価格 : 1 ユーザー ライセンスあたり 195 ドル~ (直販)

steen.toolbox.automise.gif

Automise 2 を使用した視覚によるタスクの自動化 (画像をクリックすると拡大表示されます)

リアルタイムにログを監視する

BareTailPro

baremetalsoft.com/baretailpro

ログ ファイルは至るところに存在します。しかし、ログ ファイルを活用することは、本当に難しいものです。アプリケーションでトランザクションのログを生成できるのはすばらしいことですが、ログ集計ツールを使用する以外に、発生していることをリアルタイムに監視できる方法はあるでしょうか。その 1 つのソリューションとして、Bare Metal Software の立証済み BareTailPro があります。2006 年以来更新されていませんが、この単純なユーティリティは、昔ながらの *nix コンソール コマンドの "tail -f" を Windows 用に拡張したものです。

わかりやすい GUI が用意されており、任意のサイズの複数のログ ファイルを同時に監視して、それらのログ ファイルに書き込まれた内容をリアルタイムに透過的に確認できます。ファイルを切り替えるには、タブをクリックするだけです。また、非常に優れた機能として、各ログ ファイルの状態 (ファイルに現在書き込みが行われているか "tail" が停止しているかを示す) アイコンが各タブに表示されます。

ほとんどのアプリケーションはログを記録しますが、通常、その方法は大きく異なります。さいわい、BareTailPro は Unicode、UTF-8、ANSI、および ASCII ファイルを読み取ることができ、行が CR/LF の組み合わせ、単一の LF、および null で終わるファイルにも対応できます。特定の種類のログ ファイルが最適に表示されるように、行の折り返しとタブ拡張の両方を容易に構成できます。さらに、フォント サイズ、種類、文字間隔、および行間を構成して、ログ ファイルを読みやすくすることもできます。

もう 1 つの優れた機能として、ログ ビューに適用できる構成可能な強調表示があります。テキストの文字列に基づく前景色や背景色のコーディング ルールをいくつでも設定できます。たとえば、エラーを赤色、警告を黄色で強調表示したり、特定の IP アドレスまたはホストの参照が含まれるすべての行を強調表示できます。また、行の太字や斜体の指定、テキストの文字列の大文字小文字の区別を無視する選択も可能です。

テキストを強調表示しても、ログ ファイルに頻繁に書き込みが行われる場合は、tail ビューがあふれてしまうため、目的のイベントを見つけるのが困難です。BareTailPro には別の役立つ機能が用意されています。正規表現とテキスト検索機能を使用すると、関心のある行を管理可能なサブセットに分離できるため、ログの表示をすばやく縮小できます。BareTailPro で使用する正規表現構文は、Java、Perl、および PHP で使用する標準の表記のサブセットで構成されています。その標準の表記に詳しくない場合は、製品 Web サイトのクイック リファレンスを参照してください。

このユーティリティは、タイムスタンプ、行番号、定義済みのキャプチャ グループの結果などの便利な列と元の行ソースを追加して、フィルタした結果を表形式で表示します。フィルタされたビューでは、これらの列を並べ替えることもできます。

私は、必要とする結果を見事に取得した "魔法" の正規表現構文でさえもなかなか覚えておくことができません。そのため、ツールのパターン保存機能を本当に高く評価しています。この機能を使用すると、パターンに名前を付けたり、編集、保存したりして後で使用できます。フィルタしたビューに重要な行が表示されたら、それらの結果をカスタマイズした形式でファイルまたはクリップボードにエクスポートできます。たとえば、幅、配置、プレフィックス、およびサフィックスを結果の各列に設定できます。

この小さなユーティリティは、1 つの小さな実行可能ファイルに格納されているため、持ち運びが可能で、使用中の環境に与える影響はわずかです。ログ ファイルの監視のみ必要で、正規表現を使用したフィルタ処理、検索パターンの保存、および検索結果やフィルタ結果のエクスポートが必要ない場合は、BareTail という無料バージョンで十分です。

価格 : 1 ユーザー ライセンスあたり 35 ドル~

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BareTailPro によるネットワークの監視 (画像をクリックすると拡大表示されます)

システムのインベントリ情報を取得する

Total Network Inventory

softinventive.com

システム管理を適切に行うための重要な要素は、環境全体にわたるコンピュータに関する詳細情報にすばやくアクセスできることです。この情報を持つスプレッドシートやベンダ リストは、完全な状態を保持するのが困難で、すぐに情報が古くなります。

必要なときに必要な情報を提供する動的なツールを使用して、インストールされたものとそのインストールを実施したユーザー、および実行されているハードウェアの種類に関する情報を収集すると非常に便利です。このようなツールは、ユーザーによってコンピュータに何が追加されたかを把握するうえでも優れた手段となります (もちろん、これは、グループ ポリシーでインストール権限がまだ制限されていない場合、または特定のソフトウェア パッケージのインストール ベースに基づいて必要なライセンス数が特定されていない場合です)。このような詳細情報を得るために最適なツールの 1 つとして、Softinventive Lab の Total Network Inventory があります。

Total Network Inventory をインストールすると、スキャン ウィザードを使用してインベントリ プロセスを開始できます。このウィザードでは、手順に従ってネットワーク内のノードを検出できます。指定した IP アドレス範囲またはネットワーク プレースのコンピュータ参照を使用してすぐにスキャンを実行するか、ログオン スクリプト スキャンを使用してコンピュータがドメインにログオンしたときに情報を収集できます。

Total Network Inventory は、Windows Management Instrumentation (WMI) (IPC$\ADMIN$ または RPC/DCOM) とローカル アカウント用の標準の共有を利用してスキャンを実行します。そのため、Total Network Inventory は管理者アカウントで実行する必要があります。

スキャンが完了すると、コンピュータを参照するか特定のコンピュータを検索して、その資産のインベントリ情報を収集できます。収集したインベントリ情報は、[Hardware](ハードウェア)、[Software](ソフトウェア)、および [Other information](その他の情報) の 3 つの領域に分類されます。[Hardware](ハードウェア) セクションには、プロセッサ、マザーボードとチップセット、メモリ、ビデオ サブシステム、記憶域 (物理デバイスと論理デバイスを含む)、ネットワーク アダプタの種類と構成、周辺機器、およびシステムにインストールされているその他のデバイスに関する詳細情報が含まれます。

[Software](ソフトウェア) セクションには、プロダクト キー、シリアル番号、システム ディレクトリ、インストールされているサービス パックなどの OS 情報が含まれます。修正プログラムとそれぞれのサポート技術情報の記事番号、インストールされているウイルス対策ソフトウェアやデータベース アプリケーションなどに関する詳細情報もあります。また、インストールされているプログラムの一覧、Program Files ディレクトリの内容 (標準のプログラムの追加と削除の一覧には表示されないアプリケーションを確認できます)、および自動実行アプリケーションの一覧も表示されます。

最後に、[Other information](その他の情報) セクションには、ユーザーやシステム変数などのシステム環境、共有リソース、実行中のプロセス、インストールされているサービス、およびローカル ユーザー アカウントに関する詳細情報が含まれます。

Total Network Inventory を使用すると、資産監査、ライセンス確認、アップグレードの見積もり、およびパフォーマンス評価を行うために必要な情報が提供されます。このツールの最も優れた機能は、Report Builder コンポーネントです。この機能を使用すると、クイック リファレンスから監査記録に至るまで、わかりやすくまとめられた複数の詳細レポートを作成できます。集計レポートと 1 台のコンピュータに関するレポートがあります。私が特に便利だと思う機能は、[Software and Licenses Accounting](ソフトウェアとライセンスの数) タブです。環境全体にインストールされている各種ソフトウェアの合計数が表示されるため、ベンダ契約を順守できます。

価格 : 25 ノード ライセンスあたり 95 ドル~

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スキャン ウィザードによるネットワーク ノードの検出 (画像をクリックすると拡大表示されます)

ブック レビュー

Mastering Microsoft Exchange Server 2007

sybex.com

好き嫌いにかかわらず、電子メールは円滑に業務を行う組織の主要なコンポーネントです (ただし、電子メールを使用する前に、ユーザーは文書による効果的なコミュニケーションに関する講習を受ける必要があると思うことがあります)。この数年で、音声通信、予定表機能、リソース スケジュール、統一されたクライアント アクセス、およびメール フィルタ処理 (スパム、ウイルスなどに対応) を統合したいという要望が非常に明白になりました。そこで、Microsoft® Exchange Server 2007 の登場です。

最新バージョンの Exchange では、これらのすべてのコンポーネントがスケーラブルで堅牢なソリューションに円滑に統合されています。ただし、あらゆる機能が網羅されているため、管理者、設計者、およびサポート スタッフが動的な電子メッセージング ソリューションの計画、展開、管理、および保守を行うには、いくつかの優れた参考文献が必要です。

私は前回の「ツールボックス」コラムで『Microsoft Exchange Server 2007 Administrator's Companion』について説明しました。検討する価値のあるもう 1 つの優れた参考文献として、『Mastering Microsoft Exchange Server 2007』(Sybex、2007 年、Barry Gerber/Jim McBee 著) があります。これは、Exchange Server のライフサイクルが明確に説明されているガイドです。

この書籍の最初の 3 つの章 (「Understanding and Planning」セクション) では、Exchange Server 2007 の基本コンポーネントと実装要件について説明されています。Exchange の以前のバージョンを利用したことがある場合は、重視または実装されなくなった機能に関するセクションをお読みください。さまざまなサーバーの役割および Exchange Server 2007 を構成するコンポーネントの説明は、すべての方の役に立ちます。このような複雑なサーバーを展開するには事前の考慮が必要であり、拡張、ディスク領域の要件、および Active Directory 統合の計画に関するセクションを注意深く読む必要があります。

次のセクションでは、クリーン インストールと Exchange Server 2000 または Exchange Server 2003 からのアップグレード (Exchange Server 5.5 から直接アップグレードすることはできません) について詳しく説明されています。各 Exchange Server のさまざまな役割 (エッジ トランスポート、クライアント アクセス、ハブ トランスポート、メールボックス、ユニファイド メッセージング、管理ツールなど) の詳細情報も記載されています。

次に、パフォーマンスの監視方法、メールボックス格納域の追加方法など、スケーラビリティに関する説明に移ります。ここでは、ローカル連続レプリケーションという非常にすばらしい新機能をご覧ください。この機能を使用すると、メール ストアのローカル バックアップを常に最新の状態に保つことができます。メイン データベースに何か問題が発生した場合は、迅速にバックアップに切り替えることができます。他の有効性が低く最新状態ではないバックアップから復元する必要はありません。

次のセクションには、Exchange Server 2007 に用意されているさまざまな管理タスクやツールの概要が記載されています。これには、Windows PowerShell™ をベースにした Exchange 管理シェルなどのツール、Windows PowerShell エンジンを利用する Exchange 管理コンソール GUI などがあります。このセクションを通じて、メールボックス、アドレス リスト、およびユーザー アカウントの管理方法がわかります。メッセージング レコード管理、メッセージの分類の管理、ジャーナル、およびトランスポート ルールに関する説明もあります。

4 つ目のセクションには、可用性と信頼性に関する詳細な情報が記載されています。ビジネスは電子メッセージングに依存するようになったので、このセクションを注意深く読むことをお勧めします。

ここでは、負荷分散、サーバーの冗長性、記憶域の冗長性、ネットワークの冗長性、およびクラスタリングの基礎を学習します。スケジュールされたメンテナンス、バックアップの実行、および障害回復のベスト プラクティスが簡単に説明されています。基本的には、問題発生時にも会社の電子メッセージング システムを効率的に機能させることを認識しておく必要があります。

次の 2 つのセクションでは、Microsoft Office Outlook® 2007、Outlook Web Access、IMAP、POP3 などのクライアント アクセスについて説明されています。最後に、Exchange 管理者にとって非常に重要な、セキュリティと監査に関するセクションがあります。このセクションでは、基本的なセキュリティや予防措置、および自由に使用できるさまざまな監査ツールについて説明されています。総括として、この詳細な参考文献を読むことで、必要な情報を得ることができ、Exchange を正しく展開できます。

価格 : 49.99 ドル (直販)

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。
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