持続可能なコンピューティンググリーンウォッシングを選別する

Dave Ohara

目次

数値の必要性
エネルギーの使用状況を測定する
力率
運用環境で測定する
Microsoft EnterpriseEngineering Center
まとめ

市場には環境保護、省エネ、効率化をキャッチフレーズとした製品やソリューションが多数出回っています。このようなマーケティング戦略による誇大広告は、何が本当に環境にやさしいのかということに関して市場で混乱を招きます。さまざまな製品の仕様を評価した後でも、環境への影響が最重要事項である場合にどのようなデバイスを

使用するかを IT プロフェッショナルが判断することは、不可能ではないにしても、難しいことです。どのデモを見ても、必ず大幅な省エネを実現できることが強調されているため、ユーザーは、投資収益率 (ROI) により製品の買い換えを正当化できると考えてしまいがちです。省エネが実現されれば、総保有コスト (TCO) は削減されると考えるので、しかたがないことでしょう。

さまざまな業種の企業が、あらゆるものに「環境」というキャッチフレーズを使用し、環境に配慮したソリューションへの世間の関心の高さを利用するという動きにより、"グリーンウォッシング" という概念が生まれました。これは、環境上のメリットを極端に期待させることを示す用語です。では、省エネをキャッチフレーズにしている製品やソリューションの実態はどうなっているのでしょうか。これは、たとえば、自宅でエネルギー効率の良い新しい電球に取り替えることほど明確ではありません。

持続性のある IT の取り組みへの関心が高まり、環境にやさしい IT 機器の市場が拡大されたことにより、多くの人々や組織は、エネルギー効率の良いラップトップ、デスクトップ、およびサーバーを展開したり、エネルギー消費量を削減するために仮想化を使用したりするなど、最終的な結論を早急に出す傾向があります。しかし、エネルギー監査を実施して、購入したデバイスがもたらす実際のメリットを判定している組織はほとんどありません。

理想的なシナリオは運用環境で実際に測定することですが、それにはコストがかかります。運用環境で測定する準備ができていない場合は、パフォーマンス ラボや評価ラボを使用して、監査プロセスの初期段階でエネルギー監査を実施することで、なんらかの行動を起こすことはできます (ほとんどの企業には、実際に購入する前にデバイスをテストおよび評価する研究所やグループがあるのではないでしょうか)。そこで、エネルギー効率をテスト条件の 1 つとして追加すると、製品やソリューションを購入するかどうかを決める際に、製造元が提示している数値に依存するのではなく、テストの結果を判断材料として使用できます。テストを実施する場合は、デバイスの電力消費に関する独自のデータベースを作成することをお勧めします。そうすると、グリーンウォッシングに取り合うことなく、自分の目でどのような効果があるかを確認できます。

当然ながら、実際の負荷での運用について正確な数値が必要な場合は、運用環境での測定が必要になることをお伝えしておく必要があります。運用環境での測定は、早い段階で始めるほど、組織や最終的な収益に良い結果をもたらします。また、このプロセスは、長期的な成功を収めるうえで重要になります。

数値の必要性

理想的なのは、現実的なユーザーの負荷をかけた状態でハードウェア デバイスの 1 ワットあたりのパフォーマンスを評価する独立したテストを行うことです。しかし、業界では、このようなテストの開発と展開は成熟していません。また、SPEC Power ベンチマークなど、現在使用できるテストもまだ初期段階のものです。こうしたエネルギー テストが準備できたとしても、そのテストの有効性は未知数です。ただし、他のテストと同様、製造元は、最良のテスト結果を出すために自社のデバイスを改良する方法を把握しているという点に注意する必要があります。

経験豊富な IT プロフェッショナルは、テスト環境で実施されたテスト結果を疑問視するようになりました。というのも、自動車会社が最も優れた自動車を路上走行試験で使用しているように、IT ベンダは、間違いなく、最も効果的な構成のデバイスをエネルギー テストに使用するからです。

仮想化のテストについて考えてみましょう。このテストでは、仮想化のメリットを実証するために、統合が行われていないサーバーを多数用意したグループを比較に使用します。ベンダは、仮想化のような省エネ プロジェクトで生じる可能性のあるリバウンド効果などの問題について説明することを怠ります。リバウンド効果とは、エネルギー効率によってコストが削減されるということを受けて、その製品やソリューションの需要が高まると、電力量の使用に拍車がかかり、結果的に電力使用量が増加することです。仮想化など、省エネの万能選手として市場に出回っているソリューションを見かけたときには、その宣伝文句を鵜呑みにしないようにする必要があります。そして、すべてのものがどのように連動しているのか、時間の経過と共にどのような波及効果が表れるのかを確認する必要があります。

では、組織にとって正しい道はどうしたら見つかるでしょうか。価格査定を行うコンサルタントは大勢います。しかし、このアプローチには重大な欠点がいくつかあります。効率的な状態を維持するためのノウハウを本当に社外の人間に伝える必要があるのでしょうか。また、長期契約を結ぶこと、コンサルティング サービスへの依存度合いを高めることを望んでいるコンサルタントに頼る必要があるのでしょうか。

これについては、大規模なプロジェクトを編成し、環境の持続可能性に関する戦略の決定に多くの人々を関与させることで対応できます。使用中の環境で特定の場所を選んで、測定を始めたいという衝動に駆られるかもしれませんが、そのようなことはしないでください。この心理は理解できなくはありませんが、このアプローチは単なる無作為の行為でしかないので意味がありません。必要なのは、多くのエネルギーを消費している場所を特定し、その消費量を抑えるには、どこに手を加えたら良いのかを把握することです。

エネルギーの使用状況を測定する

「機能している」ということについての見方を変える必要があります。IT プロフェッショナルは、たとえば、あるサービスが停止していると、あるハードウェアが機能していないことを認識します。しかし、電力消費の点でハードウェアが正常に機能していないときはどうでしょうか。ほとんどの組織には、基準となるエネルギー効率を定めたデータがないため、おそらく、この異常には気付きません。

では、どうすればこのような数値を入手できるのでしょうか。エネルギーの専門家の必要性を示唆する人もいますが、それには、企業を動かすことができて、かつ電力の問題に関して技術的知識を持っている人が必要になります。より単純でわかりやすい方法は、パフォーマンス ラボの既存の機能にエネルギー測定ツールを追加することです。

さまざまなエネルギー測定機器がありますが、残念ながら、現時点では、IT パフォーマンス ラボに最適だと言える機器はありません。低価格であることを優先する場合は、Watts Up Pro がお勧めです。これは、120 V の直列型の電力測定機能を備えた USB デバイスです。もう 1 つのお勧め機器は、ネットワーク接続対応の電力消費機器 (100 ~ 240V、15 ~ 30 アンペア) である Smart-Watt です。Smart-Watt には、環境要因を測定する温度センサーや湿度センサーも用意されています。他には、Extech Appliance Tester 380801 や Fluke 345 Power Clamp など、業務用電力分析装置もあります。テスト環境のニーズに合ったエネルギー測定機器を探すのは、それほど大変なことではないでしょう。

力率

電力測定に馴染みがない場合は、力率の概念を理解することが重要です。AC 電力装置の力率は、有効電力 (実際に使用できる電力) と皮相電力 (見かけ上の電力) の比率で定義され、0 ~ 1 の数値で示されます。有効電力 (ワット) は、作業を行う回路の静電容量です。皮相電力 (VA) は、回路上の電流と電圧の積です。

これがなぜ重要なのか、疑問に思う方もいるかもしれませんが、図 1 をご覧ください。この写真には、ラップトップ コンピュータ、電球、およびコンデンサのエネルギー効率の比較に使用している Smart Works 社製のエネルギー監視機器が写っています。電球の有効電力は 50 ワットで、皮相電力は 50 VA なので、力率は 1.0 になります。純粋な容量負荷がかかるコンデンサでは、有効電力が 2 ワットで、皮相電力が 193 VA なので、力率は 0.01 です。ラップトップでは、22 ワットの電力を使用していますが、測定値は 48 VA なので、力率は 0.47 です。ラップトップの力率が低いのは、非効率な電源の仕様が原因ですが、それは製造原価の目標に起因している可能性が高いと考えられます。

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図 1 ラップトップ コンピュータ、電球、コンデンサの電力消費 (画像をクリックすると拡大表示されます)

エネルギー効率への関心が非常に高まっているので、ベンダは、期待されている条件で電源装置のパフォーマンスを向上することに目を向け始めています。既存のデバイスの力率を新しいデバイスの力率と比較すると、より効率的な電源装置と高い力率を備えたソリューションを選択するだけで、電力容量を増強できることがわかります。

運用環境で測定する

パフォーマンス ラボでの測定は、運用環境におけるパフォーマンスを予測することを目的としています。運用環境でエネルギー使用量を測定する場合の問題は、すべてのデバイスの測定に必要なコストですが、運用環境で電力を測定する際のコストを削減する方法が 1 つあります。それは、電力分配器 (PDU) で測定を実施して、複数のデバイスの測定値を集計することです。図 2 は、PDU で複数の同一デバイスを使用した場合に、PDU から取得したエネルギー測定値のサンプルです。この測定方法を使用すると、サーバー 1 台あたりの平均的な電力消費量を計算できるので、運用環境における電力消費量の数値を入手できます。

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図 2 電力分配器での測定 (画像をクリックすると拡大表示されます)

各デバイスの電力消費量を測定したら、電力情報を構成管理データベースに統合する必要があります。これが非常に困難である場合は、デバイスとその電力消費量を記載する、独自のデータベースまたは少なくとも Excel® ワークシートを作成して代用できます。より多くのデバイスの測定値を取得したら、全体的な電力容量を計算できるように他のデバイスの概算値を入力できます。エネルギー効率の良い新しいサーバーでは、アイドル時の電力負荷はピーク時の半分以下になります。これに対して、古いサーバーで、旧式のソリューションを実行している場合は、サーバーがアイドル状態であっても、大量の電力が消費されます。これは、電力容量を増強する際に使用できる最もわかりやすい標的の 1 つです。

改善努力を続ける場合は、次に、データセンターで使用しているラックごとの電力消費量を計算します。環境を変える場合は、必ず電力容量と冷却容量も把握しておく必要があります。今後は、デバイスを設置するのに必要な空間だけでなく、その消費電力についても考慮するようになるでしょう。空間は、動きがなく視覚的に捉えられるので、わかりやすい概念です。IT プロフェッショナルであれば、すぐに 1U サーバー、2U サーバー、および 4U サーバーについて説明できますが、200 ワットのサーバーと 450 ワットのサーバーの比較についての話を始めると、IT プロフェッショナルは居心地が悪いと感じるでしょう。これは、消費電力が IT 機器においては新しい概念であり、現在のデータセンターでは、それが顕著に表れています。というのも、多くのデータセンターでは、最大の電力容量に達していても、さらに多くのデバイスを配置するための十分な空間が確保されているからです。

Microsoft Enterprise Engineering Center

Microsoft Enterprise Engineering Center (EEC) では、最近、その施設に電力測定機能を増設しました。EEC (microsoft.com/windowsserver/evaluation/eec/default.mspx) は、ワシントン州レドモンドの Microsoft Corporate Campus にある、最も複雑なコンピューティング環境を検証するための最新の実験施設です。

EEC では、ハードウェア デバイスやネットワーク デバイスに 4,000 万ドル以上を投資しており (図 3 参照)、実在する非常に複雑な企業の運用環境を再現することができます。また、主要なネットワーク、ストレージ、クライアント/サーバー ソリューションのプロバイダと提携して、最先端のテクノロジと従来のプラットフォームを組み合わせた環境も提供します。EEC では、各テストで顧客の現在の環境を正確に再現できるようにすることを目標としています。この施設で開発されている最新のサービスでは、1 ワットあたりのパフォーマンスのベンチマークを提供するためにソリューションのエネルギー消費量をレポートしています。

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図 3 EEC ラボ内のある通路 (画像をクリックすると拡大表示されます)

ここ数年の間、EEC では、多くのデータセンターの運用担当者が、デバイスで必要な電力容量と冷却容量不足に悩まされているという現状を目の当たりにしてきました。多くの場合、最新デバイスの電力密度は高くなるので、設備にかかる負荷は増加します。EEC のスタッフは、電力設備と冷却装置のインフラストラクチャのアップグレードにかかるコストと時間を身を持って習得しました。そこで、EEC では、より効率的な運用とコスト効率向上を実現するために、デバイスごとの電力を測定する機能を追加しました。

EEC で使用している一部のツールやデバイスは、この記事の執筆時には販売されていませんでした。これは新しいソリューションなので、EEC では、顧客、ベンダ、およびマイクロソフトの開発チームと協力して、より優れた手法の開発を続けていきます。EEC では、早期のフィードバックを得るために、これまで開発してきた方法を顧客と直接共有し、顧客が独自のベンチマークを作成できるようにしています。

明確な結果が得られるとは限らないことに注意してください。EEC では、EEC パフォーマンス ラボでエネルギー監視機能を使用する際に、同グループが確認した次のような興味深い結果をいくつか共通認識として持っています。

  1. デバイスの電源を切っても、エネルギー消費量は必ずしも期待どおりに減少するとは限りません (図 4 参照)。サーバー ハードウェアに関するある事例では、電源を切っていても、電源プラグがコンセントに差し込まれていると 100 ワットの電力を消費するデバイスがあることに気付きました。これには非常に驚かされ、EEC では何度も設定を確認しました。最終的に、赤外線放射温度計を使用して入り口と出口の温度を測定し、デバイスでは電源が切れている場合でも実際に 100 ワットを消費したことを確認しました。
  2. ソフトウェアは、電力消費量に大きな影響を与える可能性があります。(ハードウェアや BIOS の構成がまったく同じ) 同一のネットワーク スイッチで、異なるネットワーク ソフトウェアを実行したところ、電力消費量に 21% の差が見られました。セキュリティ ツールや監視ツールなど、より多くのプロセスや機能が有効になっているハイエンド ソリューションでは、多くの場合、単純なローエンド ソリューションよりも電力消費量が多くなります。
  3. 仮想化シナリオでは、I/O 使用率や CPU 使用率に対する電力消費量を測定し、特定のハードウェアで 1 ワットあたりのパフォーマンスが最大になるタイミングを判定しました。CPU 使用率に焦点を絞ってしまうと、1 台の物理コンピュータで実行するバーチャル マシンの増加につながり、1 ワットあたりの全体的なパフォーマンスが低下することがわかりました。
  4. より高密度なデバイスでは、ご想像のとおり、電力や冷却に関する問題も多くなります。高密度なシステムを導入する場合は、電力設備や冷却装置の担当者にできるだけ早い段階で相談をする必要があります。このようなデバイスを展開する環境の電力に制約があることがあらかじめわかっている場合、そのデバイス専用の電力監視装置を用意することを検討してください。
  5. 二重電源装置では、単一電源装置よりもはるかに多くの電力を消費する場合があります。
  6. 同一のハードウェアで、構成が同じであるように見えても、電力消費量が大幅に異なる場合があります。消費電力には大きな違いが見られたので、EEC のスタッフは、ハードウェアを再確認して実際に同じように構成されているかを確認しました。
  7. 製品の電力定格は、実際の消費量ではなく、電源装置の定格容量です。
  8. デバイスや従属部品ごとのエネルギー消費量のテストと結果のデータベースを保持することは、知識を蓄積してデータを比較するうえで不可欠です。
  9. 搭載されている RAM の量が同じでも構成が異なると、エネルギーの消費量も異なります。通常、DIMM の数が少ないと、エネルギー消費量は少なくなります (たとえば、2 GB の DIMM が 4 枚と 1 GB の DIMM が 8 枚の場合は前者のエネルギー消費量が少なくなります)。ただし、DIMM の数が少なくてもエネルギー消費量が増加するケースもありました。

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図 4 電源をオンとオフにした場合の電力消費量の比較 (画像をクリックすると拡大表示されます)

まとめ

パフォーマンス ラボに電力消費量を測定する機能を追加することにより、各デバイスのエネルギー消費量 (実際の負荷がかかったときの正確な数値) を独自のデータベースに蓄積し始めることができます。このようなソリューションを展開する際には、閉ループ フィードバックの結果を監査して、パフォーマンス ラボのテストが正確かどうかを判断する必要があります。EEC が独自に測定テストを実施したことで突き止めたように、人々がグリーンウォッシングを排除し、真実を見抜けるようにするための非常に興味深い詳細情報があります。

この測定方法をパフォーマンス ラボで実施することにより、市場全体で何が実際に最もエネルギー効率が高いのかということが明らかにされるようになるでしょう。また、製造元は、徐々に、省エネをキャッチフレーズに使用する根拠となるより正確なデータを提供する必要に迫られるようになるでしょう。同様に、IT プロフェッショナルも、一般的な購入条件として各デバイスが消費するワット数について説明するようになるでしょう。特に多くのサーバーを購入する企業にとっては、このようなことが普通に行われるようになるのは望ましいことです。ただし、今日から、電力を貴重な IT リソースの 1 つとして考え始めることにより、先陣を切ることができます。

データセンターの温度管理

データセンターの温度を適切に管理すると、エネルギー消費量を大幅に削減できる可能性があります。データセンター内では、驚くほど多い熱量が発生し、ハードウェアの冷却には驚くほど多くのエネルギーが消費されています。しかし、データセンターの温度をうまく管理して、問題を解決し、より効率的な冷却方法を考案するには、温度監視ソリューションが必要になります。マイクロソフトのデータセンターで使用しているソリューションを考えてみましょう。

Microsoft Research では、データセンターの温度センサー ネットワークを構築しました。このネットワークにより、温度管理が改善されるだけでなく、さまざまな冷却機能の向上も評価できるようになります。たとえば、マイクロソフトのあるデータセンターでは、通路の突き当たりにあるエア カーテンを評価し、暖気と冷気の分離を強化しました。エア カーテンの導入後、一部のサーバーから、過熱状態であることを示す警告が送信されました。当然ながら、運用エンジニアは、冷却装置からの送風量を増加し、より多くの冷気を送り出すようにしました。ところが、驚いたことに、それ以外の多くのサーバーからも過熱状態であることを示す警告が送信されました。警告の送信元サーバーは、すべてラックの下段に配置されていました。冷却装置は上げ床に設置されているので、通常、ラックの下段は最も涼しい場所であると考えられます。

エンジニアは、センサ ネットワークを使用して、ラックは下段が最も熱く、上段の方が涼しいことを確認しました。また、ラックの下段と床の間には、ベルヌーイの法則により、暖気通路から暖風が吹いていることをすぐに突き止めました。エンジニアは、ラックの下段に目張りをして、風速を下げることで、過熱の問題を簡単に解決しました。

これは、Microsoft Enterprise Engineering Center がパフォーマンスのテストを行う際に収集して分析したデータにすぎません。そこで、EEC では、最近、展開テストの準備が整ったことを Microsoft Research に通知しました。1 日のうちに 10 個のラックにシステムを配置し、設置が完了するまで 1 時間しかかかりませんでした。EEC は、冷却に関する問題とそのハードウェア パフォーマンスとの関係を調査して理解を深めることができるようになりました。

当然ながら、ただ監視するだけでは解決策にはなりません。監視による実益は、解決できる問題のある領域を特定して変更を行ったり、さまざまなソリューションを評価して予想していた結果を得られたかどうかを確認したりする能力を得られることです。このような能力を身に付けていれば、新しく導入した冷却ソリューションにより、ラックが過熱されるという予想外の状況が発生しても冷静に対応できます。

Dave Ohara は、テクノロジの分野で 26 年にわたる経験を持ち、現在は、グリーン イニシアチブに取り組む複数の企業に協力しています。

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