ツールボックスIT プロフェッショナル向けの新製品

Greg Steen

サーバーを監視する

PA Server Monitor Pro

poweradmin.com/servermonitor

インフラストラクチャは、あらゆる部分を監視する必要があります。エンド ユーザーに影響が出る前に問題を特定することは、被害対策と通信において最重要事項です (それに、上司に厳しく監視されているのは気分が良いものではありません)。Power Admin LLC 社が提供している PA Server Monitor Professional Eition は、サーバー インフラストラクチャを監視するのに役立つツールの 1 つです。

PA Server Monitor は比較的簡単に使い始められるツールです。このツールの Smart Configuration Process という組み込みの機能を使用すると、LAN 上にあるコンピュータが検出され、各コンピュータの監視項目が自動的に構成されます。検出処理が必要ない場合は、監視項目を構成するコンピュータの一覧をインポートできます。コンピュータを構成したら、GUI を使用して構成内容をエクスポートし、他のコンピュータを構成する際のテンプレートとして使用したり、再インストール時にバックアップとして使用したりすることができます。

PA Server Monitor には、各サーバーに割り当てられる 18 件の監視項目があります。この監視項目には、ディスク領域、イベント ログのエラー、リモートでのスクリプトの実行、ファイルとディレクトリの変更、CPU とメモリの使用率、インターネット制御メッセージ プロトコル (ping) の応答、Windows® サービスの状態などを監視するなど一般的なチェック項目が用意されています。

これ以外にも、TCP ポートの監視など、非常に便利な監視項目があります。TCP ポートの監視では、基本的なポートの状態を確認するだけではなく、コマンド テキストを送信して、その応答をあらかじめ定義した値に対して確認します。ログ ファイルの監視では、正規表現を使用して定義したテキストや単純なテキストとして定義した特定のテキストがログ ファイルに記録されているかどうかを確認できます。ディレクトリ クォータの監視では、エンド ユーザーが、各自に割り当てられているクォータを超えるディスク容量を使用するとメールで通知されるので、各ユーザーが割当てられている制限を超えないようにするのに役立ちます。必要なカスタム タスクに使用するスクリプトの実行を監視できます。また、ファイルの経過期間の監視を使用すると、メールのキューを監視して、キューがパフォーマンス低下の原因にならないようにすることができます。

サーバーの監視項目を定義したら、次は、監視項目のしきい値に到達したときに実行する操作を定義する必要があります。PA Server Monitor には、電子メール、イベント ログ、メッセージ ボックス、ログ ファイル、サービスの再起動、Simple Network Paging Protocol (SNPP)、カスタム動作を実行するカスタム スクリプトなど、15 個の組み込みの操作が用意されています。操作を定義する際には、その操作のエスカレーション チェーンを定義できます。これにより、監視項目のエラー状態が一定の期間を超えた場合に追加の操作を行えます。たとえば、1 つ目の操作として、Web サイトの自動再起動を設定し、2 つ目の操作として、その 5 分後も監視項目のエラー状態が続く場合は、サイトの状況を知らせる電子メール メッセージをハンドヘルド デバイスに送信するように設定できます。

時間がたつと、構成した監視項目の統計を参照する必要が生じる場合もあるでしょう。PA Server Monitor には、必要なメンバに情報を送信するレポート機能が用意されています。組み込みのレポートには、サーバー概要 (特定のサーバーの統計データと情報)、全体の概要 (監視している各コンピュータの簡単な情報)、およびグラフィカルなステータス マップ (地理的に分散したサーバーの状況) があります。レポートは HTML 形式で生成され、Web ブラウザを使用して参照することができるので、管理センターで使いやすい形式になっています。また、簡単なグラフを使用したアドホックなレポートを生成したり、CSV ファイルにエクスポートして、後で参照したりすることもできます。また、レポートの作成はスケジュール設定できるので、定期的にサーバーの最新状態が電子メールで自動的に配信されるようにすることもできます。

PA Server Monitor にはエージェントがありません。このメリットは、Windows Management Instrumentation (WMI) やリモート プロシージャ コール (RPC) などのリモート管理サービスを経由してネットワーク上にあるコンピュータに接続できる権限があるサービスのコンテキストで実行できれば、このツールをすぐに使い始められるということです。ただし、リモート コンピュータに接続するのに管理者特権を持つアカウントが必要になるというデメリットもあります。もちろん、HTTP や SMTP など、管理者特権が必要ないサーバー プロトコルの監視もあります。

もう 1 つの潜在的なデメリットは、複雑で分散したインフラストラクチャとネットワーク トポロジを経由してコンピュータに接続することは、容易な作業ではなく、ドメインとネットワークの信頼関係に左右されるところがあることです。つまり、このエージェントを必要としないアプローチが、使用中の環境で機能するかどうかは、インフラストラクチャの設計とサーバー監視ソリューションで何を実現しようとしているかに大きく左右されます。

価格 : サーバー 1 台 99 ドル (直販)、サーバー 5 台 349 ドル (直販)

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PA Server Monitor Professional Edition を使用してサーバーを監視する (画像をクリックすると拡大表示されます)

重複ファイルを削除する

dupeGuru

hardcoded.net/dupeguru

エンド ユーザーと作業をしたり、ユーザーが共有しているディスク領域を管理したりしている場合は、ユーザー ディスク領域が時間の経過と共に非常に雑然とした状態になることをご存じでしょう。このような状況は、1 人のユーザーが同じファイルを複数の場所に保存していたり、複数のユーザーが同じファイルを複数の場所に保存していたりすることが原因で発生します。このようなユーザー領域を整理統合して一掃するには、重複するものを検出するツールが必要不可欠です。それに適しているのが Hardcoded Software 社が提供している dupeGuru です。

このツールでは、指定のフォルダやドライブ上にあるファイルの名前と内容を調べて、重複するファイルがあるかどうかを検出します。dupeGuru では、基本的な文字列の比較だけではなく、あいまい一致のアルゴリズムを使用して重複ファイルを検出しているので、基本的な文字列の比較だけでは検出されないファイルも検出できます。また、重複ファイルが検出されたら、そのファイルをごみ箱に移動するのか、完全に削除するのか、別のフォルダに移動するのか、または既定のアプリケーションを使用してファイルを開いて最終確認をするのかを選択できます。結果は、XHTML 形式のファイルにエクスポートして後で確認できます。

ユーザー設定では、ファイルをスキャンするときに、ファイル名と内容のフィルタをどの程度厳密に適用するのかを指定できます。この設定により、検出される重複ファイルの数を増やすことができますが、不適切なファイルが重複ファイルとして検出される確率も高くなります。dupeGuru には、ファイル名に特定の単語が含まれている重複ファイルを検出する機能もあります。これは、ユーザーが誤って作成した "コピー ~" ファイルや、ディレクトリに散在している "新しいフォルダ" という名前の空のフォルダを検出する場合に役立ちます。

Windows 2000 以降に対応したバージョンと Mac OS X 用のバージョンがあります。音楽ファイルや写真の重複ファイルを削除する必要がある場合は、dupeGuru ME または dupeGuru PE という名前のカスタマイズされたバージョンの導入を検討することをお勧めします。

価格 : 19.95 ドル (直販)

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dupeGuru を使用して重複ファイルを削除する (画像をクリックすると拡大表示されます)

環境を監視する

pt360 Tool Suite PRO

packettrap.com

さまざまなネットワーク監視ツールや管理ツールを 1 つのインターフェイスで表示したり、管理したりできると非常に便利です。統合ツールを使用すると、多くの時間 (とデスクトップの領域) を節約できるだけでなく、複数の監視ツール間でデータを簡単に共有することができます。また、さまざまな監視項目を一度に確認することが可能になり、インフラストラクチャについてより完全な状態を把握できるようになります。

これに魅力を感じる場合は、PacketTrap Networks 社が提供している pt360 Tool Suite PRO を試してみることをお勧めします。このツールには、PacketTrap Networks 社が提供しているツールを統合した UI が用意されています。また、このツールを使用すると一元管理を行ったり、統合レポートを作成したりすることもできます。よく使用するツールやよく確認するインフラストラクチャの状態にすぐアクセスできるように、ツール ビューをカスタマイズしたカスタム ダッシュボードを構成できます。pt360 ダッシュボードは、全画面モードで表示することができるので、管理センターで使用する場合に便利です。というのも、チーム メンバが、画面を一目見るだけで、さまざまなネットワークやサーバーのリソース状況を瞬時に確認できるからです。このツールでは、複数のダッシュボードがサポートされるので、ニーズに合わせてさまざまなビューを作成できます。

ダッシュボードを構成するのに必要な作業は、ドロップダウン リストからガジェットを選択し、各ガジェットをクリックして構成するだけです。ガジェットは、Application、Networking、Devices、Availability、および Other という 5 つのカテゴリに分類されており、サーバー、アプリケーション、およびネットワーク デバイスの監視では、簡易ネットワーク管理プロトコル (SNMP) と WMI に依存しています。Application ガジェットを使用すると、Active Directory®、Microsoft® Exchange Server、および SQL Server® の状況を確認することが可能になり、ブラウザ ツールが提供されます。Networking ガジェットを使用すると、デバイス インターフェイスの状況を確認することが可能になり、各クライアントの平均パケット損失数、最大待ち時間、インターフェイスの使用率の上位 10 項目が表示されます。Devices ガジェットを使用すると、CPU とメモリの使用率、ディスクの空き容量、ボリューム一覧、ネットワーク インターフェイスの使用率などの、パフォーマンス インジケータが表示されます。これらのガジェットは、構成可能な WMI クエリを使用して、リアルタイムでサーバーのパフォーマンスを監視できるので非常に便利です。Availability ガジェットでは、コンピュータの稼働時間がグラフ、ゲージ、テキスト、または一覧の形式で表示されます。Other ガジェットには、大きなデジタル時計が配置されています。

pt360 ツール群には、ダッシュボード以外にネットワーク ツールが用意されています。その一例が、Cisco Configurator です。このツールを使用すると、Cisco 機器の構成ファイルをアーカイブ、変更、アップロード、ダウンロード、および比較することができます。これ以外にも 3 つの ping ツールがあります。並べ替えが可能なテーブル ビューを提供するもの、グラフィカルなビューを提供するもの、および一連の IP アドレスに対して ping を実行できるものがあります。その他、自由に使用できるスキャン ツールには、MAC アドレス スキャン ツール、ポート スキャン ツール、SNMP スキャナ、WMI スキャン ツールなどがあります。

このツール群は、syslog サーバーとして使用することが可能で、syslog をサポートするネットワーク上の任意のデバイスに対して syslog メッセージの送受信、記録、および表示を行うことができます。表示ではフィルタ機能がサポートされているので、関心のあるメッセージを特定して、トラブルシューティングを迅速に行えます。

このツール群は、簡易ファイル転送プロトコル (TFTP) サーバーとして使用することが可能で、ネットワークでデバイス間で迅速にファイルを移動することができます。他には、トレースのルーティングや、Whois、Wake On LAN 機能などがあります。もちろん、このツール群は、WMI と SNMP 経由でホストに接続する一元管理ソリューションなので、接続の資格情報がどのように保存されるのかということは重要なポイントです。さいわい、このツール群では、256 ビットの高度暗号化標準 (AES) で暗号化された資格ストアを使用し、このストアで、インフラストラクチャの監視に必要な情報の追加、更新、および削除を行えます。

価格 : 999 ドル (直販、1 ライセンスごと)

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pt360 Tool Suite PRO を使用してシステムを監視する (画像をクリックすると拡大表示されます)

ディスクの使用状況を管理する

TreeSize Professional

jam-software.com/treesize/index.shtml

「一体何がサーバーの容量を圧迫しているんだろうか」というセリフを頻繁に口にしていませんか。たとえば、たった今、監視アプリケーションから、ディスク領域不足のしきい値に到達したことを知らせる電子メール メッセージを受信したとしましょう。このサーバーの空き領域を増やすには一体どうしたら良いのだろう、と自問自答されるかもしれません。Shift キーと Del キーを押して完全に削除すべきものを迅速に判断するには、どうしたらよいのだろうかと (これは、ごみ箱に移動するという段階を踏まずにファイルやフォルダを完全に削除するショートカットです)。JAM Software 社が提供している TreeSize Professional は、ホスト モニタの正常な状態を特定するのに役立つツールです。

このツールは、Windows 2000 以降の 32 ビット版と 64 ビット版のどちらの Windows でも実行できます。また、ドライブで多くの領域を使用しているファイルに関する詳細なビューが提供されます。必要な作業は、調査するドライブを選択するだけです。ドライブを選択すると、フォルダ構造が自動的にスキャンされ、スキャンが完了すると、ドライブの状態を示す 7 種類の異なるビューにアクセスできます。1 つ目は Chart ビューです。このビューでは、円グラフ、棒グラフ、および積み上げ棒グラフという 3 つの異なる種類のグラフが表示されます。各グラフでは、さまざまなフォルダをドリルダウンして、ディスク領域を占領しているものを迅速に特定できます。また、グラフの色やスタイルをカスタマイズすることができます。

2 つ目は、Details ビューです。このビューでは、ファイルが並べ替え可能な表形式で表示され、この表に表示する列を指定することができます。ユーザーが頻繁に使用する列は、Microsoft Office ファイルの作成者、フォルダ内にあるファイルの平均サイズ、そのファイルまたはフォルダが親ディレクトリに対して占める割合、ハード リンクなどです。

Extensions ビューには、フォルダをドリルダウンする際に、各ディレクトリで最も多くの領域を占有しているファイルの種類が表示されます。Users ビューでは、特定のユーザー アカウントまたはシステム アカウントのファイルが占有している領域を示す複合ビューが表示されます。このビューは、ディスク領域が不足する原因となっているユーザーを特定するのに役立ちます。File Ages ビューでは、ここ 1 日、1 か月、または 1 年 (この期間はお好みの期間を指定できます) の間に変更、作成、またはアクセスされたファイルの割合を示すグラフィカルなビューが表示されるので、アーカイブまたは削除しても問題ない古いファイルを特定できます。Top 100 ビューには、ドライブ上にあるサイズの大きな上位 100 ファイルが表示されます。7 つ目のビューである History ビューでは、ドライブの使用傾向が時系列で表示されます。

これらの 7 つの各ビューでは、印刷、保存、クリップボードへのコピーなどを行って、後でデータを参照することができます。また、TreeSize では、File Search 機能を使用して、最も大きなファイル、最も古いファイル、一時ファイル、インターネット キャッシュ ファイル、および重複ファイルを簡単に特定できるので、一般的なクリーンアップ メンテナンス タスクをツール バーから迅速に行えます。さらに、TreeSize Professional を使用すると、UNC 共有を経由してネットワーク ドライブをスキャンできます。ただし、ネットワークのオーバーヘッドが伴うため、大幅なパフォーマンスの低下が生じます。

このツールでは、コマンド ライン モードもサポートされています。このモードは、スケジュールを設定したり、夜間に処理を実行したりするのに適しています。Scheduled Task スキャンを作成し、指定のパスをスキャンするように構成して、定期的にレポートを作成するようにすることができます。これは、ユーザー ディスク領域の状態を毎晩監視して、ディスク領域がどのように使用されているのかを注目するのに便利な機能です。

1 テラバイトものユーザー ディスク領域で既に空き領域が不足している場合でも、TreeSize は、ディスク領域の使用傾向を特定して、ディスク領域をより効率的に管理できるようにするのに役立ちます。

価格 : 49.95 ドル (直販、1 ライセンスごと)

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TreeSize Professional を使用してディスクの使用状況を管理する (画像をクリックすると拡大表示されます)

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。
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